マシンエンジェル家出身 メサイア・プロト 199252 Edit

ID:274707
名前:メサイア・プロト
出身家:マシンエンジェル(機械天使)
年齢:不明
性別:
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前職:
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理由:
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状態:
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プロト: ステータス/戦歴
自己修復し、試作一号へ
試作一号:ステータス/戦歴
試作二号:ステータス/戦歴
強化型:ステータス/戦歴
強化二号:ステータス/戦歴
詳しい状態:http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst022356.jpgもういないEdit
テーマソング:オラトリオ「メサイア」より ハレルヤ・コーラス
交響曲第九番「合唱」 第四楽章
レクイエム「怒りの日」
dirge of swans
The Birth of a God
片翼の天使
MARIONETTE MESSIAH

ハカイダーのうた
撲殺天使ドクロちゃん
the WORLD
もろびとこぞりて
CV:小清水亜美
所属同盟:http://notarejini.orz.hm/?%C6%B1%CC%C1%2F%C5%B7%BB%C8%B7%B3
大聖堂:大聖堂に飛ぶ
天使と会話



http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst028568.jpg


傷つき倒れ、それでもまた立ち上がり救済をしようとする天使の前に

一人の男が現れた

初老の男性、優しげな顔の内に憂いを秘めた男が天使の前に立っていた

それはまさしく、過去にメサイアが救済したはずの、メサイアを作った科学者だった

「どうして……どうしてパパが生きてるの? どうしてどうしてどうしてぇええぇぇ!」

メサイアは叫んだ

自分が幸せな世界に連れて行ったはずの人間が目の前に立っていた

それは彼女にとって信じがたく、許しがたいことだった

「アハ、どうして……? どうしてどうして? ちゃんと救済したのに、大好きなパパを天国に送ってあげたのに!」

今まで見せたことの無いような驚愕と恐怖の表情を浮かべ、メサイアは男を見つめていた

「メサイア、私はお前を作った男だ。私の体をお前のようにすることは難しくはないのだよ

本当は、お前と共に生きるために、平和の世界を見るためにこの体を機械としたのだ

だが、私は間違っていた……お前を、狂気へと走らせてしまった」

科学者は淡々と言葉を紡いだ

「アハッ、アハハ……アハハハハ! パパ何を言っているの? 私は狂ってなんかいないの! アハッ!

「私は皆を救って、世界を平和にする天使なの! パパの望んだ世界を作るの!

それがどうして狂ってるの? アハッ、アハハハハハ!」

高らかに天使は笑ったが、その笑いには切れがなかった、生きていた科学者に困惑しているようだ

「そうか、やはり……やはりそういう考えに至っていたか……

メサイア、天国に無理やり連れて行くことは救いにはならない

全ては私の責任だ、お前を狂わせてしまったのも、全て……

私は、戦争の無い世界を望みたかった、お前をその平和の使者にしたかった

だから、お前に戦場の惨状を見せた、人の死を見せた、それがお前に戦争の恐怖を与えると思ったからだ

しかし、それはお前には重すぎた……お前の思考回路は戦争の恐怖と狂気に耐え切れず、壊れてしまった……

確かに天国は幸せかもしれない、だがメサイア、殺して連れて行くなんて、それは違う……!」

科学者の言葉は静かに響いた

その言葉はメサイアの心にかなりの衝撃を与えたらしく、今にも泣き出しそうな顔で言った

「どうして? どうしてそんなことを言うの、パパ……どうして! 私は、パパが願った世界を作ろうとしてるだけだよ?

平和で、皆が幸せで、争いもなくて、皆と一緒に天国に行くことがどうして行けないことなの?」

とても悲しそうな顔で天使は言った。自分の理解者であると思っていた父親がそうではなかったからだ

「パパ、どうして……? 天国は幸せなところでしょ? 皆生きたいでしょ?

なのにどうして皆だめっていうの? 分からない、わからないわからないいぃいいぃ!

皆を天国に連れてって、幸せに一緒に暮らすのが! どうして狂ってるのおぉおおぉお!」

体をぷるぷると震わせながら天使は叫んだ

その表情はとても寂しげで悲しげで、泣き出しそうなものだった


「……お前は戦争の悲惨さを見続けてきた、だからその苦しみを断ち切るために皆を天国につれて行こうとするんだろう

確かにお前にとってはこの世界は争いの絶えない醜い世界かもしれない、天国は平和で静かな世界なのかもしれない

だが、この地上でも幸せを見つけることはできる、その幸せを奪うことは私たちには出来ない

そして、私たちは償わなければならないんだ、多くの命を奪ったことを、責任を取らなければ……」

メサイアは大きく頭を振り、科学者の言葉を遮った

「嘘なの! だって、だってパパはこの世界の平和を願ってたの! 戦場の兵士たちも天国に行くことを願ってたの!

どうして? どうして皆を幸せにするのがいけないことなの?

天使軍の皆で世界を救済して、神様の国を作って、皆幸せに、争いも無い世界で暮らすことがどうしていけないの?

わからない、わからないの……」

そうすると、メサイアは体の中から拳銃を取り出し、科学者に向けた

「アハ、パパ、もう一度救済してあげるの。今度ちゃんと、ちゃんと天国に送って……」

しかし、科学者はそれに動じず、静かに口を開いた

「撃つなら撃つがいい。しかし、今の私の体は先ほど行った通り機械だ……

お前と同じ体だ、自己修復機能もある。銃等効かないよ」

メサイアは震える手で拳銃を構えていたが、静かにそれを降ろした

メサイアは自分が確かに科学者の心臓と頭を打ち抜いたことを覚えているのである

それなのに科学者が生きているということは、科学者の言葉が真実であるということだった

「……メサイア、私たちは多くの罪を犯しすぎた

贖罪は成さなければならないんだ……

お前を狂わせてしまった、多くの者を戦争の犠牲にしてしまった……

メサイア、我々はこの罪を購わなければならない」

ゆっくりと科学者がメサイアに近づき始める

「パパ、どうして? どうして罪だなんていうの? いうのおぉおおぉおぉお!

私は天使なの! 神様の使いなの! 千年王国を建設する救世主なのぉおぉおぉ!

来ないで! 来ないでえぇっぇぇぇ!」

メサイアは叫びながら科学者に向けられた拳銃の引き金を引いた

鉛の玉が空気を鋭く切り裂きながら科学者の体に命中した

しかし、科学者はメサイアと同じようになんとも無い様子でメサイアの元へと歩き続けていた

銃弾で穿たれた穴からは、機械の破片が覗いていた

「メサイア、共にこの罪を、この狂気を、終わらせよう……

戦争や殺しでは人を救うことなどできない……

私たちは救世主などではない、神の使いなどでも、ないんだ。この世に居てはいけない」


科学者はそういうと、メサイアを強く抱きしめた

「いや、いやなの……私はまだたくさん救済しなきゃいけないの!

皆を幸せにしなきゃいけないの! 天使軍の皆と、一緒に、一緒に……!」

それは真にそう思っているようだった

抱擁する男の腕を断ち切らんと刃を出現させようとしたとき、メサイアは一気に体の力を失った

「どう、して……?」

自分の体を見てみると、腹の部分に何かのプラグが差し込まれていた

「お前を作ったのは私だよ、メサイア……お前を止める方法も、私しか知らないんだ

お前の制御プログラムを持っているのは私だけだよメサイア……

お前の平和を望む心はきっと本物なのだろう、しかし、お前のやり方は戦争の狂気ともう変わらないんだ

私の罪だ……お前を狂わせてしまったのも、だからせめて、罪を購い、いつかは天国にいけることを、祈ろう

お前の力はいつかお前を孤独してしまう、天使軍とやらの仲間も、お前の考えを知ってしまえばそうなってしまうだろう

メサイア、幸せとは与えられるものじゃない、自分から勝ち取るものだ、天国とは行かせるところじゃない、召されるところなんだよ、メサイア

……もし今度生まれ変わるなら、今度こそお前を平和の使者へと、天使へとさせてやる……だから、私と共に今は眠ろう

我らの罪が許されて、世界に神の光明が満たされるそのときまで……」

科学者は静かにそう言うと、メサイアの体に、自立回路にあるプログラムを送り込んだ

それはメサイアの動力の完全なる破壊

メサイアの動力を爆発させ、破壊するものだった

「お前を止めるには、この方法でしか叶わない……メサイア、許してくれ

お前の平和への思いを狂気へと捻じ曲げてしまった私を……」

メサイアは静かに自分の体の自由が失われていくのを感じた

そして、ひしと科学者に抱きつくと、空を見上げた

「わからないの、パパ……どうして、どうして私の行いは罪なの?

神様の下に皆が集って、幸せに暮らすことはいけないことなの?

戦争もなくて、憎しみも悲しみもなくて、皆が幸せで、私とパパも幸せで

天使軍の皆も幸せで、この街の皆も幸せで、それだけを願ってただけなのに

何がいけないの? 何がだめなの? わからない、わからないよ……パパ

ジャンヌ様と誓ったのに、天使軍の皆と誓ったのに

皆が幸せで、平和な世界を、愛に満ちた世界をつくろうって決めたのに……わから、ないよ

皆が天国で、幸せに、それだけで、よかったのに……

パパ、わから、ない……」


大粒の涙がメサイアの頬を幾度も伝った

涙というものを彼女は学習していたのであった、それと同時に、優しい心も取り戻し始めていたのだった

信頼する友たちとの出会いで、彼女の狂った心も正気へと近づいていたのかもしれない

しかしそれはあまりに遅すぎたことだった

科学者も静かに涙しながら、メサイアを抱きしめた


そのとき、メサイアの体が白く輝いた

その光は太陽のように優しく、眩く、天使の後光のごとき光だった

そして――メサイアの体はまさしく太陽のように光り輝いた

その刹那、彼女の動力はその全ての力を外へと向かって解放した

白い光がメサイアと科学者の体を一瞬にして溶かし、吹き飛ばした

近隣の森はその光によって、爆風によって一瞬にして吹き飛んだ

その爆発は地獄の業火の如き破壊で、森を焦がし、消滅させていった

そんな破滅の光なのに、どこか優しげなものが感じられていた

爆煙は天へと立ち上り、巨大なキノコ雲を形成した

眩く輝くその雲と、森を吹き飛ばし、メサイアの体も消滅させた衝撃波は近隣の町からも観測できるほどだった

勿論それは天使軍の大聖堂からも観測できるだろう

そして数時間が過ぎると、ようやくそのキノコ雲は姿を消した

森は破片も残らず更地となり、森があった場所は全て無へと還ってしまった

メサイアの破片も何も、残りはしなかった、かに見えた

上空からその大地へと向かって銀の十字架が落ちてきた

それはメサイアの動力部に組み込まれていたもの、メサイアの体で一番強靭な部分だった

そこはメサイアと科学者の全ての罪を吹き飛ばしたような爆発の中でも生き残っていたのだ

静かにそれは地面に落ち、ただひっそりと、何も残らなかった場所で佇んでいた

それ以降、もう二度と機械天使と科学者が歴史に現れることはなかった

狂気の救世主と、それを作り出した男の物語はここに終わったのである

ハレルヤの音色はもう聞こえない

高らかな笑いももう響かない

平和を願った彼女たちもはもういない

残されたのは小さなロザリオ、それだけだった


ハレルヤの音は聞こえない Edit

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お名前:
  • こんにちはメサイア様。大聖堂にてせりやぼ2についての会議を再開しましたので目を通していただければ重畳でございます
    尚、キャラデータについてはまだ余裕がありますので急がなくても結構ですよ //気付かないかもしれないので現役にもコメる -- バーバラ 2012-04-04 (水) 19:01:20
  • メサイア・・・いねェのか? おい、メサイア・・・ッ くそッ、やっと、戻ってこれたっつーのに・・・! -- 修羅 2009-02-28 (土) 17:01:13
  • メサイアさん あなたは ぼくのなかで しょうしん しょうめい さいきょうの イメージ でした
    つよさ せいしん なかま いきざま・・・ すべてが ぎらぎら とがって いました
    ぼくは そんな あなたが すきでした・・・ おおいなるものに じゅんじ まよいのない あなたが・・・
    いつか あなたを こえて みせます・・・ あんこ くーの ちからで あなたを こえる・・・ かならず・・・
    (新たなるはるかな目標を掲げ、剣をかついで礼を行い、きびすを返して去る暗黒騎士) -- モーフィエ 2009-02-09 (月) 19:45:39
  • …ようやく人らしい心を持ち始めてたっつうのにねえ…まあ、ようやく大好きな神様んとこ行けたんだ
    後はごゆっくり…(東洋式の供養である合掌をした後、去っていった -- スワロウ 2009-02-02 (月) 22:19:19
  • ・・・・・・お前は・・・やり方を、違えた・・が・・・平和を、願う・・・心は・・・誠、だった・・のか・・・
    ・・・・いずれ、遥かな・・時の、果て・・・見え、よう・・・・”天使”よ・・・(それっきり、聖堂に魔の姿は消えた) -- グレイ 2009-02-01 (日) 18:10:08

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救う人々(来客者) Edit

トーコヴェスナ?シェスタ?悪人?
フレイアハイエナバウザー?サファイア?
ボール?エリカロリコン冷黒チルノ?
フェクス?エメス魔剣人斬り丸?丸い子?
グレイスワロウジジィ聖・少・女?
フォトン?戦国貴族?慈悲の天使?パンティー
天使?ヴァン?クリアムールカイ
博士シンカー酔っ払い三角頭?
サンダルフォン(使徒)?シュガー頭無しさん?闇色の堕天使
ポヘミアンヴァッシュ神官?ロザリエル?
アンジェリカ?ティアナ?


機械の内に収められたもの(貰い物) Edit

メモリーカード:ネガティブマインドの集合体?から貰ったメモリーカード
無貌の仮面のデータが入れられたもの。
これを接続すれば、新たな破壊の力が入手されるかもしれない。まだ接続はしていない
飛んできたカード:風に乗って飛んできたカード、メサイアについて書かれている
彼女はカードに書かれたことを理解していないが、楽しんでいるようである
酒場で描いてもらった肖像:酒場で突如贈ってもらった肖像画。本人は狂喜しているようだ。大事そうに体の中へとしまっている
酒場でスッ画:酒場で描いてもらった肖像画。可愛く描いてくれたと本人は狂喜しているようだ。
大事そうに体の中へとしまっている
ヌキポン:酒場で作ってもらったヌキポン。彼女は人間の性に関する興味は薄いかもしれないが、
彼女は狂喜している。大事そうに体の中へとしまわれている
描いてもらった肖像:メサイア家に置かれていた肖像。美しい天使だと本人は狂喜しているようだ。
大事そうに体の中へとしまっている
貰った肖像:記憶を失った男に貰った肖像。素敵な天使として描いてくれたと本人は狂喜している。
大事そうに体の中にしまわれている
AGO伸びてる:アゴである。頭無し?から貰った。
ヘッドレスに救済された姿であるらしく、本人は爆笑している様子だった。体の中へと大事にしまわれている。
アヘ顔:ポヘミアンに描いてもらったアヘ(ッド)顔。本人はこの仮面を気に入ったらしく、よく装着するようになったようで、狂喜している。
大事に体の中にしまわれている。
100×100:酒場の人に描いてもらったもの。小さくて可愛いと本人は狂喜している。
大事そうに体の中にしまわれている
機械天使:届けられた絵。機械天使らしい絵だと本人は狂喜している。はいてない。
大事そうに体の中にしまわれている
サモンナイト風ステ:酒場で立って書いてもらったもの。大分強キャラの扱いなので本人はご満悦のようだ。
大事そうに体の中にしまわれている
スッしてバーニング絵:酒場でスッしてバーニングして書いてもらった肖像。格好良く描いてくれてご満悦のようだ。
大事そうに体の中にしまわれている
マシンエンジェル:描いてもらった肖像、二枚目。兵装も描いてくれてメサイアはご満悦のようだ。
大事そうに体の中にしまわれている
SS:シーに書いてもらったSS。かなり強キャラで書かれていて気に入っているようだ。
大事そうに本棚にしまわれている
肖像:描いてもらった肖像。いつも可愛らしく描いてくれていて、本人は狂喜しているようだ
大事そうに体の中にしまわれている
ロリポルノ写真:スッして貰ったポルノ写真、メサイアの幼女化したものが写っている。本人は下半身裸でも気にせず、可愛いと狂喜しているようだ。
大事そうに体の中にしまわれている
必殺技:酒場で決めてもらったもの

必殺技「楽園のゆりかご(ヘブンズクレイドル)
相手より高い場所に飛んだ状態から打ち上げるように高速で体当たりして体を浮かせ
突き抜けたあと急反転して再び打ち上げる体当たりを繰りかえし、天高くへと誘う
最後は真上から突き刺さるように蹴りぬき、地面と足で挟み込んで確実に殺す
肖像:彼女の住んでいた聖堂に届けられていた肖像。しかしそれは間に合わなかった

彼女のいた聖堂に静かに飾られている
集合絵:彼女の住んでいた聖堂に届けられていた絵。しかしそれが彼女の元に届くことはなかった
ひっそりと聖堂に飾られている
酒場で決めてもらったテーマソング:

過去 Edit

 今から数十年前、ある一人の科学者が画期的な発明をした。
 自立回路を備え、自己進化を行い、傷ついた自らの体をも修復してしまう機械を。
 最凶の破壊兵器を発明してしまったのだった。
 科学者はその発明を国に大きく認められ、科学者は国に雇われました。
 当時、その国は隣国と戦争状態にあり、強力な兵器を欲していたからだった。
 科学者は研究に必要な資金を国から与えられ、研究にのめり込み、遂に破壊兵器を完成させた。
 それは人型の、体中に兵器を備えた機械だった。
 兵器は国を救う救世主という願いを込められ、タイプ・メサイアと呼称された。
 そして、タイプ・メサイアは戦場へと放たれた。
 隣国を焼き払い、殺し、破壊するために、機械の救世主は飛立ったのだった。
 
 メサイアが飛びたってから数時間後、科学者の下にある知らせが遣された。
 それは軍部からの賞賛の言葉だった。
 タイプ・メサイアの働きにより、隣国の首都が消滅したとの知らせだった。
 そのときに、科学者はようやく自分の愚かしさと、この国の狂気に気づいたのだった。

 現場に駆けつけた科学者は唖然とした。
 隣国の首都が在った場所には、巨大なクレーターが残っているだけだった。
 そのクレーターの中心で、タイプ・メサイアは静かに佇んでいた。
 科学者は一気に恐怖と罪の意識に苛まれ、タイプ・メサイアを回収すると、国に帰る振りをして、そのまま行方をくらませてしまったのだった。
 科学者は危機感を覚えていた。
 本来ならタイプ・メサイアは量産されるはずだったが、あの惨状を見て、そんなことになれば世界が崩壊すると気づいたのだった。
 メサイアは自分が計算したよりも遥かに強力な力を備えていたのだった。
 自分の国の人々は皆、戦争に狂ってしまっていた。
 戦争の齎す狂気に科学者は慄き、メサイアを兵器として使わないことを決心し、国から逃亡を始めたのだった。

 国の追っ手から逃げる合間、科学者はメサイアを改造し続け、戦争の象徴である兵器の姿を捨てさせるために、その姿を可愛らしい少女の姿へと変貌させた。
 穏やかな心を持ち、平和へと導く天使としてメサイアを育てようと科学者は決め、メサイアと共に旅を続けた。
 科学者は、メサイアに戦争の恐怖と狂気を教えるため、戦地を転々とした。
 そこでは多くの兵士や人々が苦しみ、死んでいく姿がメサイアの思考に焼き付けられていった。
 科学者は気づいていなかった、その行為が純粋だったメサイアの心を壊していくことに。
 あまりに純粋だったメサイアの自立回路は次第に狂いを帯び始めていた。
 メサイアはその人々の苦しみや悲しみを受け、あることを学習し始めていた。
 この世は悲しく、恐怖と殺戮に満ちている。
 人々は常に神に救いを願い、救世主の到来を待ち望んでいた。
 だから、自分が天国に送ってあげればいい。
 皆を戦争の恐怖から解放され、天国で幸せにしてあげればいい。
 そんな純粋な、慈母のような心が彼女に芽生えたのだった。
 しかしそれは壊れていた。
 どうしようもなく壊れていた。
 戦場の恐怖と怒りと悲しみの途方も無い感情の海に彼女の自立回路は耐え切れなかったのだった。
 思考回路は完全に崩壊し、その狂気に捻じ曲がってしまった純粋な願いは暴走してしまうことになるのだった。
 彼女が行き着いた結論は、神様の下へと皆を送ること、天国へと行かせるために人々を殺すことだった。
 彼女はある日、それを神託を受け取り、今まで発したことも無い狂気の笑いを響かせながら、突然体の中で科学者によってなされていた封印を解き、体の中から拳銃を取り出すと、科学者に銃口を向けたのだった。

――アハ、パパ、パパ、私ね、気づいちゃったの
――皆を救ってあげる天使になれって、神様が言ったの
――だからね、だからね、私は皆を救済してあげるの、天国に送ってあげるの
――皆で一緒に、争いの無い世界で、幸せになるの
――だからね、皆を天国に送ってあげるの
――悪魔だって悪人だって関係ないの、皆救っちゃうの
――神様の下に送るの
――最初に、大好きなパパを、世界で一番大好きなパパを
――救済してあげるね
――アハッ、アハハ! アハハハハハハハハハハ!

 そう言い放つと、メサイアは躊躇もなく、それを正しいことだと思い込んで、科学者の体に鉛弾を撃ち込んだのだった。
 そして、メサイアは飛びだっていった。
 自分の思う天使の姿に自らを変化させながら、この世界の全てを破壊し、救済する旅へと飛びだったのだった。
 その精神はあまりに狂おしく、壊れて、残虐だったが、
 メサイアの世界を救い、皆を幸せにしようという気持ちは、どうしようもなく純粋だった。

賛美歌 Edit


諸人こぞりて 迎えまつれ
久しく待ちにし 主は来ませり
主は来ませり 主は、主は来ませり

悪魔のひとやを 打ち砕きて
捕虜をはなつと 主は来ませり
主は来ませり 主は、主は来ませり

この世の闇路を 照らしたもう
妙なる光の 主は来ませり
主は来ませり 主は、主は来ませり

萎める心の 花を咲かせ
恵みの露置く 主は来ませり
主は来ませり 主は、主は来ませり

平和の君なる 御子を迎え
救いの主とぞ 誉め称えよ
誉め称えよ 誉め、誉め称えよ

機械の内側 Edit


Last-modified: 2009-05-31 Sun 18:20:17 JST (5405d)