我、夜襲ニ突入ス!
【ロダ:サムネ】 [[http://notarejini.orz.hm/up2/s/.jpg>http://notarejini.orz.hm/up2/file/]]
【ロダ3:サムネ】 [[http://notarejini.orz.hm/up3/s/.jpg>http://notarejini.orz.hm/up3/img/]]
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| 連絡欄 旅行者募集依頼と同じような形式で、文通気味にOK! 予定:ナーゼルと接触→アルクワリ戦→首都潜入 |
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- 過去からの訪問者
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- 戦場となっている国境に近いル・クァヴィー東部。砂の砂漠は終わり、ゴツゴツした岩の多い風景となっている
アマージと共に小高い岩の上で君達は3人で待機していた。それはこの場にいないレクトールの指示だ アジール将軍をはじめとする戦争中の部隊と首都の連絡を担うナーゼル将軍の隊がこの付近を通ることはアマージが事前に調べた そして君達は1週間近くこの岩場に潜伏し、ナーゼル将軍の出現を待ち構えていたのだ。そしてレクトールはその視力で目標を見つけた ……彼は1人で接触を試みる決断をし、君達に告げると岩山を降りていった。今は姿が見えない --
- ほ、本当に大丈夫でしょうか……? (双眼鏡で岩山の下を覗いて様子を窺っている) -- ア・マージド
- (顔を出さないようにするため、アマージの後ろに控える)ナーゼルの事を聞いた限りじゃ半々って所ね・・・あっさり協力してくれるかもしれないし、衝突する可能性も否定できないわ・・・だからちゃんと見てなさい?
・・・ただ大勢で出て行って警戒させるよりは、旧知の人ひとりに任せた方が穏便に済む可能性が高いでしょう?・・・(準戦闘態勢でぐっぐとストレッチをしている) -- カレリア
- レクトールさんだけがいけばきっと向こうも話のテーブルに乗ってくれる……と思うんだよね
逆に言うと私達が見つかると何か策略ありって思われて交渉が決裂するかも……(乾パンを摘みながらブルーマロウのハーブティーを飲んでいる 酸性で色を変えるその花は身を隠す術の備えでもある) -- アニー
- 君達が大人しくしていると、やがて西北の方角から砂埃を立てて近付く集団が見えてくる……ナーゼルの隊だ
人数は少ない。30人ほどのキャラバンのようにも見えるが、乗っている動物は馬でもなければラクダでもない ダチョウのように脚が速く、大きなニワトリ…と表現するのが最も近いか。その鳥の背に補給物資を沢山載せて移動していた そして一行は君達が潜伏している岩山の麓まで近付いてきた。日陰となっているそこで休憩を取るらしい…… 鳥の背から降りてくる兵士達は皆屈強で、よく訓練されているのが分かる。彼らはそれぞれの鳥の顔に付いた砂埃をまず掃除し始めた --
- うーん……あ、いました! 最後尾にいるのがナーゼル将軍です! 将軍自ら輜重任務とは…流石ナーゼル様ですねぇ
(ちなみに君達と共にいる元ブラハム将軍の副官であるアマージ君は、今すぐにでも殴り倒せそうなほど貧弱そうだ) -- ア・マージド
- あれがナーゼル将軍……なるほど威厳のありそうな(馬鳥の足音が隊の来訪を知らせ、顔を上げれば件の補給部隊が近づいてくる)
(が、その隊は岩陰の側まで寄ってくる 見られてはコトだ)……まずいかな まずいよね 私は隠れるけど、お二人は? 鮮やかな蒼の果てに残るは 色褪せた灰色の景色 ディスカラード (ハーブティーに使っていたブルーマロウを一房取って念じれば、アニーの姿は岩陰の色と馴染んで紛れていく じっとしてればバレないはず) (最後に紛れたまま花を握った右手だけ振って光学迷彩術が必要か、カレリアとア・マージドに指し示して) -- アニー
- ・・・・・・・・遠すぎて分からないわ(眼鏡は伊達じゃない)悪いけど任せたわよ
(アニーの誘いを断る理由はなかったが、完全に死角に入っている自分よりアマージを優先するように示して返す) -- カレリア
- (それじゃこっちに、と手前に寄らせ先にアマージドに光学迷彩術を掛ける 相手は人ならざる翼人、僅かな息遣いも感づかれる可能性があると、詠唱は囁き声)
(そしてカレリアの方への迷彩術もナーゼルがいきなり不審がり岩陰を調べない限りは間に合うだろう 離れた位置への迷彩は時間が掛かるのか、じわじわとカレリアの方へ伸ばしていく) -- アニー
- (いざとなれば旅人を装う手が残っている・・・焦る事はないので静かに掛けられるのを待つ) -- カレリア
- ひゃっ!?きっ、気付かれた…!!(と、急いで引っ込むがそれよりも早くアニーの隠形術が間に合ってナーゼルの視線からアマージを隠す)
……って、あれ? セーフなんです…??? (恐る恐る顔を出す) -- ア・マージド
- 騒がないの(それだけぴしゃりと言って)
・・・それで?・・ナーゼルはどうしてるの? -- カレリア
- そ、そうでした……ええと、こちらには気付いてないと思うのですが…あっ 部隊から離れていくようですね…トイレかな? -- ア・マージド
- (目を離したらダメよとアマージに告げつつ浮足立つ気持ちを抑えて腰を落ち着ける・・・今はレクトールに任せてじっくり待つしかない) -- カレリア
- (あまり身を乗り出さないように、とア・マージドを制止しつつじっと行く末を見守る)
(ディスカラードはあくまで視界をごまかす術でしかない ナーゼルが人ならざる嗅覚によって、あるいは見える景色とそぐわぬ風の流れを持ってこちらを感知したら?為す術はない レクトールの介入がそれ以前にあることを祈るのみだ) -- アニー
- ……よし、1時間の休憩だ。各自食事と水分補給を取れ。ジオトリスの世話も忘れないように (端的に指示を出すと部下達はすぐに動き出す)
……誰かに視られている気がしますけど、気のせいかな…?(独り言を呟きつつ岩山の上に視線を向ける) -- ナーゼル
- 今、何かいたような…(しかし何も見えない) 気のせいか……いや、少し風の流れがおかしい…ですかね
(そもそもこの日、ナーゼルは起床してからずっと妙な予感を覚えていた…それは虫の報せとでも言うべき些細な違和感だが 今回の戦争が始まってから何度も通っているこの道…「風」がいつもと違うというのは彼をナーバスにするには十分だった) こんな場所に賊がいるわけはありません。敵国の斥候が入り込んでいる? …まさか。しかし今日の自分はどこかおかしい 気分転換のために何も無いことを確認しに行くのも悪くありませんね……(ナーゼルは部下達から離れ、1人で行動し始めた) -- ナーゼル
- 〜小休止〜 --
- 夜明けと共に
今回の旅路も途中までは前回の旅行者募集依頼と同じだ。酒場から南西、ウィトゥルス半島を通り港から船でレオスタン連邦を目指す 以前ガイドとして君達を迎えたアマージは、レオスタン東端の国境へ先に行って待っているらしい…… --
- 船上 --
- レオスタンの先からは旅行者用の道とは違うルートになる。なんでも、旅行ガイドからル・クァヴィーに入る客の情報が伝わるらしいんでな
そこでアマージの奴が別ルートの準備をしてくれているって寸法だ……取りあえず今のところは海難事故に遭わなけりゃ問題ない 神様なり海神様なりに祈ったり酒でも飲みながらまったり行こうや (早速ボトルを準備しつつ) -- レクトール
- アマージが上手く進めてくれたらすむ話・・・ってわけでもないのかしらね
ふふっなんだか状況が状況だから、あんまり酔いたい気分じゃないわね -- カレリア
- …どちらにせよ、まずはナーゼル将軍を待ち伏せて抑える必要がある。ル・クァヴィーの首都を真っ直ぐ目指さずに南側から入るんでな?
モンスターの多い地域も通るらしいんで、今は体力消費を防ぐためにも酒に酔うのも船に酔うのも御法度かもしんねぇなぁ…… (と言いつつボトルの栓を抜く) 俺の場合は酒が燃料だから仕方ないがな! -- レクトール
- そういわれると納得ね・・一度首都に行く用事もないもの(うんうんと)
呆れた、酔っぱらって狙えませんとかやめてよ?・・・この辺ってどんなモンスターが出るの?・・このあたり特有のとかいるの? -- カレリア
- でぇじょうぶでぇじょうぶ(=大丈夫) こいつぁアキベドルの爺様に貰った特別お高い酒だ!高い酒は悪酔いしないんだぜ〜? へっへっへ♪
(質問されると取りあえずは手を止めて) ふむ……取りあえず下(=海の中)にシーサーペントとかいるぞ。あとはクラーケンも… クラーケンはたまに上陸もしてくるんで海沿い通る時は注意が必要だな。あと空から巨鳥だのハーピーだのはよく飛んでくる レオスタンから先はトカゲ系やサソリ系が増えるぜ? 砂の中を泳ぐ魚っぽいのもいるな……(少し聞いただけで豊富なラインナップである) -- レクトール
- あらそういわれるとなんだか美味しそうに見えてくるわ(ずるいと口を尖らせ)
ふむ・・・(海を見下ろし)ふむ・・・(空を見上げ)・・陸海空と豊富ねぇ・・・海の魔物は出会わない事を願うとして、砂を泳ぐ魚なんて知らないからちょっと警戒しておきたい所ね・・っていうか砂だから結構潜ってるのもいるか(ふむふむと頷きながら大雑把な作戦を練っておく、本懐も遂げてないのに道中で全滅なんて事態は避けなければならない) -- カレリア
- 海の魔物に雷が効くならいいんだけど、海に流すと散らばっちゃって聞かないんだよねぇ……
こんな所で体力を使いたくないし、魔物とは出くわさない感じでお願いしたいなぁ(いつにもまして重武装 必要な装備を揃えたらこの量ということだ) -- アニー
- くっ……分ぁーった分ぁーった、姉御とアニー嬢ちゃんにも分けてやるから…(圧力に弱い鳥。しかし同じ酒を飲む事で士気と結束に効果はありそうである)
んー。海は運もあるが大丈夫だろぃ……この間の旅行依頼でも出てこなかったようだし、海の男共が上手くやるだろう…多分 ってかアニー嬢ちゃんの荷物多いな?! ラクダで移動するとは言え、そんだけあると重量オーバーになりそうだ……まぁ砂漠は歩いてた方がいい場合もあるがね? 砂ん中から来るサンドワームや砂魚、アリジゴクなんかの発見は乗り物の上だと一瞬遅れたりする。それでも俺は歩きたくないけども -- レクトール
- ふふっアニーはすごい意気込みね(こちらは装備としては特に特別なものはない・・背中に括り付けた金属カバンが鉄から赤と白銀の派手な物に変わったくらいか)
・・・ま、ちょっとくらいはいいか(戴くわとカップを手に)足元から不意を打たれる事を想えば乗り物が悪いとも思えないけどね?乗り物の上なら遠くまで見渡せるし -- カレリア
- 女性陣2人にも一杯ずつ振舞われる魔王からの酒。その色は琥珀よりも少し緑がかったレモン色に近い…そしてその味は、美味い…?
美味しいのは確かだ。確かなのだが……不思議な気分に襲われる。舌の上では美酒に違いないのに、身体の芯が冷える感覚を覚えることだろう --
- くぁ〜っ!美味ェ!!(しかしレクトールだけは体質が酒を受け入れるのか、うざいくらい美味しそうに飲み干すのであった…)
まぁ、砂漠じゃあ障害物は少ないし…遠くは見渡せるな。「遠く」は……へへっ (悪戯っぽい表情で言うのであった…) -- レクトール
- え、じゃあちょっと失礼して……(と、渇きからの開放を求めレクトールの杯を受ける それが酒ともなれば、ウワバミの彼女には我慢しがたいほどの愉悦出会ったはずだが、一口含めば)
……う、何これ、美味しいけど寒気が止まらない レクトールさんこんなの飲んで大丈夫なの……?(それが魔王の酒などと知る由もなかったが、人に害を成す類の魔術的要素を含むのではと推測 でも美味しいのでちびちびなめてた) -- アニー
- ふふん?(くいと一口)あら美味しっ・・・・・・い?なによこれ・・なんか変なお酒ね・・(くちっとくしゃみして)
なぁに?味わうには魔王様との契約か何かが必要なの?・・・まぁ体を冷ます効果のノンアルコールとでも思えばいいのかしらね(それはそれで楽しむことにする) -- カレリア
- レクトールが妙な酒にドはまりしていることが判明したり、他愛も無い時間を過ごしていると船旅も終わる…
レオスタン連邦に着いた後、旅行依頼と同じルートで東へ。そこで今回はガイドではなく協力者となったアマージと合流する ただでさえ砂漠が多い地域だが、そこから先は危険な道なき道を行くこととなる…… (※船上場面終了) --
- 砂漠の旅 --
- アマージの先導により、少し南寄りの国境からレオスタンを出る。彼の用意していたラクダに揺られ、砂丘を歩けば南方遠くに蒼い海が見える
しかしこの辺りはモンスターが多く、残念ながらリゾート気分を味える宿はない。それどころか国すらも殆ど無いという話だ…… --
- この辺りは歴戦の行商人(?)でも殆ど通ることのない地域です。海には海賊も出ますし、モンスターも上がってきますので近寄らないよう……(ブルブル) -- ア・マージド
- 一番海から離れた位置にいるなアマージ少年……まぁいい。日暮れまでにキャンプ予定地のオアシスに着かなきゃなんねぇ
巨大サソリ以外にもバジリスクとかワームとか……酒場方面じゃ見かけねぇモンスターもいるんで警戒しつつ進むぞ〜ぃ -- レクトール
- 砂漠も海も危険だらけか……それだけ人も通らないし、相手には見つかりにくいって感じなんだね
それにしても……ざくざく砂漠を歩くのもしんどいよね 足取られると体力がどんどんすり減っていくよ(まだ余裕はあるが、それでも額に滲む汗を拭いながら歩く) -- アニー
- 四人しかいないのに一番離れるも何もないでしょうに・・そんなに怖い?(くすくすと)
足がとられるのは装備もあるんじゃない(くすっと笑い)今はまだ急ぐ事もないし、確実に行きましょう -- カレリア
- 怖いに決まってるじゃないですか?!海賊にモンスターですよ!! -- ア・マージド
- ……と、アマージが青褪めた表情で主張したタイミングで―― --
- 「キシャアアアアアッ!!」
アマージが乗っているラクダの足元からサンドワームが出てきて、ラクダを荷物ごと丸呑みにした!! 肝心のアマージは、ラクダから転げ落ちながら命からがら砂の上を這い逃げている……それにしてもこのワームは大きい。全長10メートルはありそうだ もし丸呑みされようものなら薄い本確定 命の保障はできない --
- あわわわわわわわ……!? -- ア・マージド
- 海ばかり気にしてるからそうなる……さぁて、お出ましになったな? こいつらは突然足元から出やがる。俺が周囲を警戒しててもこういう輩との接触は防げねぇ…
とは言え所詮は虫。頭が悪く猪突猛進しかしてこない…落ち着いて倒すぞ! -- レクトール
- っ!・・・出たわね・・・
体の大半は砂の下・・どうせ振動を探知して襲ってくるんでしょう?・・目が見えない分そっちには敏感で・・・それだけに! (ドン!っと深く足を踏み鳴らせば踵から発生した衝撃波が砂の大地を駆け抜けサンドワームの感知力狂わせる) -- カレリア
- 目がない魔物、ね 大抵は音とかを探知して襲ってくるものだけど(それだけわかっていれば対処も容易 刀を構えて砂漠を高く跳ねる)
(そして顔を出してくるであろう地点へめがけ)『閃光』(光の抜刀術を置き、飛び出したと同時に首を刎ねに行く) -- アニー
- み、みなさん頑張ってくださ〜〜〜いっ…!(※砂丘の裏で応援するブラハムの元副官) -- ア・マージド
- (やっぱコイツ戦力にはならんわ……) 張り切るのもいいが、長距離移動中ってことを忘れるなよぃ? スタミナ温存しつつ、なっ!
(脚に竜巻を纏わせ、空中へ。空から三次元的な位置取りで援護する……) -- レクトール
- オアシスにて 砂漠の夜
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- 途中、荷物を一部失うトラブルはあったが…モンスターとの幾度かの戦闘は難なく切り抜け、なんとかキャンプ予定のオアシスに辿り着く
砂に刺すハーケン(モンスター避けの魔導具らしい)をオアシス周辺に配置し、安全地帯を作る。空はすっかり星屑浮かぶ海に変わっていた --
- 晩飯は何がいい? ワーム肉の串焼き。サソリのから揚げ。砂魚のじゃりじゃりスープ。香辛料ましましトカゲの山賊焼き -- レクトール
- …………それ全部今日倒してきたモンスターですよね?! -- ア・マージド
- けちけちしないで一通り使っちゃいなさいよ・・でもじゃりじゃりするのはちょっと嫌なんだけど(ゲテモノっぽさも気にせず平然と頷き) -- カレリア
- ……原型をみてるとどうも嫌な感じしかしないなぁ 切り分けると気にならないと思うんだけど(ゾッとしつつも興味はある) -- アニー
- と、いうわけだアマージ少年。女性陣がきんめぇゲテモノ食ってるんだからお前も我慢して食え……味は最高だぞ?多分 -- レクトール
- うぅ……(さめざめと涙を流しながら食べる) でも、食料の節約が必要になったのも僕のせいですから……皆さんすみません
僕が上手くラクダを逃がせていれば、こ…こんなグロテクスな料理する必要もなかったですし……(落ち込み) -- ア・マージド
- グロ言うなや?! いやしかしそう謝るもんじゃねーさ。お前が襲われなくても、誰かが狙われてその分の食料は無くなっただろうよ
こういう行軍で全ての荷を守り切れるもんじゃねぇ。その辺も見越して余裕は作ってある (ワーム肉をもしゃもしゃ食いつつ) -- レクトール
- そんな悲しむほどの物じゃないと思うけどね?(もぐもぐ)・・・まぁ確かに病原菌とか毒とかの不安はあるけど・・ちゃんと気を使って火を通せば大丈夫でしょう
あんまり気にしても失くしたものが戻るわけでなし、これからどうしていくかを考えていきましょう -- カレリア
- サバイバル食を摂りつつ、雲ひとつない満天の星空を砂漠の上で過ごす。だが砂漠の夜はとても寒い
交代で見張りつつテントの中で睡眠を取る一行。ル・クァヴィーの国境はもうすぐだ… --
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- レクトールは最後に依頼の参加者達からのレポートを読み直し、自室のテーブルへ雑に放り捨てた。燃やすことも一瞬考えたが、ただ面倒だった
銃、弾薬、煙草型インセンス、暗視ゴーグル、酒、保存食料、残り僅かになった貯金全て、野宿用のその他道具一式…準備は万端だった これから最後の戦いに赴く……いや、戦いというほど高尚なものじゃない。無力な少女を殺してお尋ね者の暗殺者になりに行くだけだ これが自分独りの精一杯であり、自分独りに課せられた罰だ。それは同時に、罪からの解放でもある 小便臭い、頭ん中に白馬の王子様を走らせている(そしてそれは実際はハリボテのロバだ)少女によく分からん想いを抱いてしまった いい歳してモラトリアム終えるのを嫌がってその癖日常を退屈だ退屈だと喚くガキみたいなおっさんが 1000年近くかけてようやく、ちゃんと失恋するための算段を整えたのだ。ようやく相手に慰謝料を払い切ることができるのだ もうこりごりだ。自分が悪いのは自覚しているが…こんな巡り合わせになるならもう女に期待されるようなことは今後一切避けて死んでいきたい ……そういう愚痴を毎晩酒に向かって出してきた生涯だった。だがそれも、ようやく終えることが出来るのだ 今は口うるさいガンスミスの少女もいない。誰にも止められることなく部屋を出て、中心街を抜けて、大通りも抜けて……夜風の心地いい街外れに辿り着いた --
- (不意に街に名残惜しさを感じ、振り返る) あばよ。悪くなかったぜ、この街は……
(色々な出会いがあった。道に迷う若者にも沢山出会った。リカルドはもう長くないだろうが…未練も断ち切っただろうと思う 弟子…ドロッセルも、人生のパートナーを得たし。もう何か俺が言わなくてもアイツは上手くやっていくという確信がある 心残りがあるとすれば、カレリアとの約束を反故にしてしまったことか……) 黙っていなくなる、ことになったからな。怒ってるかねぇ、多分…… -- レクトール
- 怒って欲しいの?(振り返ってるレクトール・・その背後から現れて)呆れているわね、どっちかっていうと -- カレリア
- んー……出来れば勘弁願いたいのが本音 (と、緊張感のない声色で向き直るレクトール)
ま、呆れさせてんのはこの前からだからな……しゃーないわ。んで、ルクはどうだった? (初めてこの男の口から不死鳥の巫女の名前が出た。馴染みだと窺えるような砕けた呼び方だった) やっぱ俺が脱獄後に視たアイツは、夢じゃなかったんだよな……安心したぜ、何百年も白昼夢を見て無駄なことやってたワケじゃなくてさ -- レクトール
- 嫌な事は避けたいものね、貴方らしいわ(それは嘲りよりからかいを含んだ調子で)
えぇ、巫女ル・クゥは生きているわ・・・儀式中に遠目に見ただけだったから心中は分からないけど というか、レポートに書いたでしょうに(肩をすくめて)・・・・・・やっぱり、殺す気なの?あの子を(どうして?と目が訴えている) -- カレリア
- ま、嫌なことも時にはしなくちゃいけないのが大人の辛いところだがね…いや、姉御に怒られるのは業界によってはご褒美なのか?!(迷)
ふむ……アイツが昔のルクと別人ってのは多分間違いねぇよ。眼が合った時もまるで初対面かのように首を傾げてたからなぁ… カレリアさんの問いに答えるついでに、その辺の話もしようかね……黙って消えようとしたらやっぱりこうして出てくるんだもんよ 正直な、半分安心したというか予想通りっつーか……ブラハムの旦那に何か言われたかもしれんが、例え遺言だろうと姉御が守る義理は無ぇんだ 俺ぁ今でも旦那のことは慕っているが、それとこれとは別だ。そこは単純に姉御が特別義理堅いんだと俺は思う だから、これから語るのはそれに対する礼みたいなもんだ。少し長くなるかもしれんが……いいか? -- レクトール
- ふぅん・・?(嫌な事もしなくちゃの件でまた不機嫌そうに見つめる、彼の「嫌な事」はもっと困難な道から目を逸らす為の物にしか聞こえなかった・・が、止めよう、またこの前の繰り返しになる)
じゃああの子の副作用については知らなくても察しはついていたのね…(それならば余計になぜ?だ) えぇ、ここまで来たのだもの、ちゃんと聞かせて -- カレリア
- ……俺ぁあの国の兵士だった。死んだ親父が軍ではちょっとした有名人だったんで、色々期待されてた新人だった
今思えばもうちょいサボっとけば良かったんだろうが…結構楽勝な感じでポンポン出世しちまってなぁ… 気付けば部下持ちの隊長格になってたりして、しかも戦争に借り出されたりして…正直しんどかった。敵を殺すのが日常になってて、なんか嫌だった (そこは図らずもブラハムの見立て通りだったようだ。彼は戦線から離れたくて近衛の道を選んだということだろう…) だもんで、楽な仕事に逃げたのよな。巫女様の護衛っつー平和なお仕事。ところがどっこい、左翼将軍なんていう大層なポストに置かれて参った参った… エイブラハムの旦那と知り合ったのはそん時だな。旦那は片割れの右翼将軍だったんで、同僚みたいなものだと思う へへっ…無愛想な絡み辛いおっさんだなぁって思ったの、今でも覚えてるぜぃ? (しかし懐かしそうな笑顔で語ったのはブラハムの件だけ。その後はまた微妙な表情に戻り…) けど、楽な仕事だと思ったのは間違いだった。いやまぁ…確かに荒事は殆どなかったぜ? たまに暗殺者とか忍び込むが、(当時は現在よりも治安が悪かったのか?) それも大した奴じゃなかった。ささっと剣で斬ったりで終了よ ただなぁ……そうやって巫女様を護ってる内に、妙に慕われちまったっつーか… まぁ元々ワガママな嬢ちゃんではあったんだが、どんどんエスカレートしていくっつーか… ブラハムの旦那が護ってる時はそーでもねーのに、俺の時だけ妙に絡んでくるっつーかな。年下の女の子の扱いってのが当時下手だったのもあるかね? 「好かれてる」ってのは何となく伝わった。正直困った……逃げた先には敵国の兵士よりも厄介なのがいたんだ…ふぅ -- レクトール
- ふふっ向こうは貴方を退屈そうな目をしただなんて言ってたわよ(見立ては間違ってなかったようねとうなずいて)・・・あの子も同じであったともね?・・・共感したのよ、きっと(そのまま静かに先を促して) -- カレリア
- 旦那が? ははは…返す言葉も無い。流石旦那は人を視る眼が違うな…まぁ俺も自分を繕わないガキだったから仕方ないさな
巫女官達にはモテたが男には結構嫌われることが多かったし……って、なんか自慢みたいなことばっか言ってるか? やばいやばい、そういうこと話したいんじゃねーんだ…! コホン! そ、そう…ルクの話だな? 確かにアイツも不死鳥の巫女なんつー国の象徴だか大腸だかよく分からん下らない立場だったワケだ ……同情はしたよ。だからたまには優しくしてやろうかな、みたいな…そういう中途半端なのがいけなかった。今でも後悔してるよ ルクは多分、真剣に俺を好きだったのに……俺は向き合ってなかった。ハッキリと言える、最低な男だったよ…相手を「女」じゃなく「子供」として扱ってたんだからな… (本当に後悔しているのか、その言葉の後は深い溜息をついて少し沈黙した……その沈黙は、次に話すべき最悪の想い出を語るための覚悟の時間でもあった) ――それは、告白だったのかもしれねぇ。暫く経ったある夜に…アイツは俺を部屋に呼び出した。日も沈んだってのに部屋は明かりも点けず、暗かった ルクに懇願された。私を殺して、ってな……たまに言ってたんだよな。「ねぇ、私を殺してくれる気はない?」みたいに冗談っぽく、ね ブラハムの旦那も一回言われたらしくてな? ああ、俺にもか…って思ってそう言われる度にからかわれてるんだと流してた けど、その夜は違った……眼が真剣だった。視線を逸らせなかった。14歳の少女の決意じゃあ無ぇ…永い時を生きた女の眼だった。それまで適当に生きてきたんで正直ビビった だが、何とか平静を保って返事した。「そんなこと言わずに、生きてりゃいいことありますよ」的な…我ながら気の利かない台詞だわ、笑えるぜ…! でもルクはめげなかった。まだガキだった俺は女って生き物の恐ろしさをその時初めて知ったような気がしたよ…真っ直ぐだ。射抜くように真っ直ぐ俺を視やがるんだ 「貴方なら出来るわ」 「大丈夫、こんな小娘なんて敵国の将軍を倒すよりも楽勝よ」 「貴方が英雄の息子だからじゃない。私はレクト自身が強い男だって知ってるから」 「貴方に殺されるなら、私はきっとこの世界のどの女よりも幸せになれるわ」 ……ルクが俺にかける言葉はどんな魔術師の呪文よりも強力だった。アイツの俺に対する信頼と深愛の重さを知った。俺はルクを子供程度にしか思ってなかったのにな… 返す言葉が上手く思い浮かばず、呆然としている内にもルクは迷い無く動いてた…机の引き出しから、鍵のかかった宝石箱を取り出してた。その中には銃が入ってた 珍しい発掘品だってんで献上されたやつを、巫女官に頼んで修理させた銃だった。俺も持たされて試し撃ちさせられたことがあった だから分かった。あの銃は人を殺せる――つまり、ルクは本気の本気なんだなって…眼を逸らして、本当は冗談なんだろ? って思いたかった俺を後頭部から殴るような行動だった そして、その決意に至るまでのルクの苦悩も嫌というほど伝わった……気付けば銃を受け取ってた。応えたかったんだ、ルクの期待に -- レクトール
- この世界のどの女よりもだなんて、随分高く買われたのね(なんて冗談めかして)
それで・・?請われるがままに流されちゃったの? -- カレリア
- ……どう、なんだろうな? いや…本当にあの時は夢中というかパニクってたというか、記憶が曖昧なんだ。鮮明に覚えてるのに、曖昧っていう奇妙な感じだ
(嘘を言っているようにも見えない。当事者だからこそその事件のショックは大きく、記憶すること事態が困難だったのか記憶に霞みがかかっているのか… それとも、もっと重要なことを強く記憶したせいでノイズになってしまったのか……レクトールは疲れた様子で近くの木に一旦寄る) 悪いが、一口だけ酒飲ませてくれ。なにぶん、若い頃の駄目な自分の黒歴史だ…正直カレリアさんには一番話したくなかった… 多分姉御も聞いてて分かっただろうが、当時の俺酷いからな! 飲まなきゃやってられんわ。くそ…… (言いながら転がっていた丸太を蹴り転がし、表面の土埃を掃ってからカレリアの方に持っていく…) 姉御も少し座ってくんな? この話もうちょいかかるから… (そして木の場所に戻り、背中を預けてから酒を一口呷る) -- レクトール
- 古い記憶だものね・・若かったのだろうし、空気に飲まれればそういう事もあるでしょう・・・(そういう話術は魔女としてあこがれる部分があった)
(弱弱しい様子にもちろんと肩をすくめ、促されるままに丸太に腰かける)私は話してくれて嬉しいわ、ブラハムに聞いただけじゃ、なんというかズルい感じがしたもの -- カレリア
- 若かったのもあるが、言ってしまえばいけ好かない奴だったからな……なぁんで俺みたいなのをルク含め世間は持て囃してたのか全く分からん
(ル・クゥやブラハムが贔屓目に見ていたという側面もあるだろうが、レクトールが卑下するのも若い自分を必要以上に厳しく言ってる面が無いとは言えない 結局誰の目線も間違っていて、誰の目線も正しいのだろう。本当の姿というのは両方の面を合わせてようやく視えるものか……「表裏一体」というやつだ) ははは…嬉しい、か……まぁいいや。深く考えないことにしよ……って、旦那にも話は聞いてたんだなやっぱ? (そう言えば最初に姉御を交えてブラハムの旦那から祖国の話を聞いた時、よく覚えてもいないアバーズの名前が出てきて驚いたっけな…) ブラハムの旦那がどう話したかは知らんが、あの人の思い込みもあるかもしれん。何にせよ俺が覚えてるまんまの続きを話そう。ええと… そうだ。銃を受け取って確か……俺はそれをじっと見詰めていた。グリップを握って、引き金に指をかけて…… (ぽつぽつと、あの夜の光景をもう一度記憶から呼び起こしながら語っていく――) -- レクトール
- ふふっ深い意味なんてないわよ、そのまま額面通りに受け取っていいの・・・・・ああなる直前、ブラハムはいろいろ話してくれたわ・・元々、もう長くはないからって(それでも彼から聞かない事にはわからない事も多いのだ、続く言葉にうなずいて)
(ぽつぽつと語る言葉を静かに聞いて) -- カレリア
- 引き金に、指をかけて―― (かぶりを振って勢い任せに酒をもう一口呷る。一口だけという断りも忘れて思い出すことに徹していた)
っ……ハァ、ハァ……! ああ、でも狙えなかったッ。そうだ…戦場で射殺してしまった子供を思い出して、狙おうとしても手が震えたんだ…! だからルクが、俺の手を掴んで自分の胸に宛がった。「私の胸はここよ」ってな? ……ハッキリ覚えてる。そうだ、そうだった どこの肝っ玉姫さんだよ。別のPTSD発症するわマジで……(酒を飲んだことでアルコールが彼を饒舌にしていた。しかし愉快な晩酌にはまるで遠い顔だ…) けどな、カッコイイんだよなぁ…小娘だとばかり思ってたけど、妙なところで男前なんだよ。んで、俺も何でか知らんがムッときて撃ってやろうじゃん!みたいな気持ちになってきた ヤクでもキメてんのかよこの二人……いや、マジでおかしいだろぃ? 俺がムキになったのを察して笑いやがる。綺麗だった…一瞬イイ女かも、って思った…ラリってたのか俺? そのイカれたまな板少女は続けてこう言った……「ありがとう。だから好きよ、レクトのこと…」 いやいや、好きになる要素ゼロだろうが? 気付けばそいつ、俺の銃を持ってる手に自分の手を重ねて…一緒にグリップ握って、引き金に指をかけた 共同作業ってやつ?とか抜かしやがる。世界のどこ探せばあるんだ、こんな最低な共同作業がッ! どうして死ぬってのにそんな笑える?笑顔になれる? ……ああ、その疑問は脱獄した後でどうやっても死ねなかったからその頃になって思い知ったさ (そこでまた酒を一口呷る。弾が発射される瞬間の話にはまた一時だけ、覚悟が必要だった…) -- レクトール
- (子供うんぬんの件にも特にショックは受けなかった、もうとうに過ぎた話だというのもあるが、それを彼が嫌な事として抱えている事に安堵を抱いたのだ)
(逃げられない状況下で肉体・精神的に疲弊させた上でシンプルな解答を提示する、あるいはそう辿りつくように誘導する・・・典型的なマインドコントロールだ・・・意識してではないだろうが、お姫様は相当上手くやったようだ) いいじゃないの、それはそれでロマンスの結末としては素敵よ?・・・そこで終わっていればだけれど -- カレリア
- その後は、二人の指で結局撃ったんだが……殆どアイツが撃ったような「気がする」…あんまり覚えてねーわ…
(心臓を穿って貫通した弾丸。咲き誇る紅い花。口の端から血を垂れ流して幸せそうに笑う少女に見惚れるしかできなかったからか…) 呆然とする俺に、よろめきながら身体を預け、精一杯背伸びして口付けしてきて……口移しでルクの血が流れてきた… (微妙にブラハムの推測とは違う部分はあるが、概ね合っていたようだ。レクトールはようやく終わったという安堵で溜息をついた) ……その後の話は、まぁいいだろう。俺にとって一番重要なのは今の話で全部だ。状況に流され、救ったんだか救ってないんだかよく分からんぜ我ながら けどな、結局は同じだ……俺の知ってる「ルク」が消えても、次の「ル・クゥ」も同じ巫女として人生を縛られる 今の巫女様が幸せそうじゃないなら救う。ルクの娘…いや、妹みたいなもんだ。今度はしっかりと撃ってやる、俺が、この手で (ルクを自分の意思で撃てなかった後悔からか、その決意は固い……それが過去を贖罪する行為だと信じている… 今こそ昔のように適当な考えで逃げれれば……もしくはもっと別の代償行為を考えれば……もう少し楽に生きれるだろうに) -- レクトール
- そう・・・お姫様がなんで貴方を不死にしたのか疑問だったけれど・・そうなるとすら思ってなかったのかもね(ゆっくりと立ち上がると伸びをし、息をつく)
(そして再び向き直る)残念だけど、その時とはもう状況が違うわ・・・改めて言うけれど、ル・クゥの副作用は記憶の消失よ 副作用は大事な物を失うか、望みを得るという形で表れやすいというけれど・・・あの子の場合はその両方だったのね・・貴方との大切な思い出を失うと共に、貴方を愛し輝いていた頃の自分を殺したのだから・・・ ・・・わかるでしょう?「ルク」は愛する人に終止符を打たれて誰よりも幸せな女に、もうなってしまったのよ・・・やり直しはきかないの、貴方がどれだけ悔いていてもね ・・・今のあの子を撃っていいとしたら、それは今のあの子にとっての「レクト」だけよ・・・見ず知らずの鳥のおじさんじゃない・・・貴方は、ソコに収まる事ができる? -- カレリア
- (木に背中を預けたままカレリアの言葉を傾聴する……アルコールで火照った身体に夜風が心地いい。前回と違い、素直に魔女の言葉を受け止める)
……そうだな。やり直しは利かねぇ…俺は失った。何もかも持ってないし、何もかも取り戻すことはできねぇ ああ、分かってるさ……幸せな女に出来たかどうか、正直今でも疑わしいが…分かってる。やり直せないってことだけは 「レクト」とやらに戻れないのも、知ってるさ……けどな? レポートに書いてた奴もいたが、まさか今のル・クゥが本当に左翼将と恋仲だとでも? よしんば恋仲だとして、そいつは殺れんのか? ル・クゥを? ……殺れないね。久々に全財産賭けてもいいぜぃ んで、そもそもそいつが殺る殺らないに関わらず……いや、そもそも「誰も」「何も」しねぇんだよ。巫女様を救おうなんて思う奴ぁ居ねぇ 近衛将軍も、十二翼将も、巫女官も、兵士も、国民も……みんな巫女様の不自由を知ってても眼を瞑るしかねぇんだ あの国に居たら誰だってそうなる。巫女様は必要なんだ。多分、ブラハムの旦那もそう思って何もできなかった…国が荒れるのを恐れたんだ けど、それも仕方ねぇ……力のある奴は立場やしがらみで動けん。力のない奴も心配するだけで満足しやがる。だが俺なら殺れる 今のル・クゥには申し訳ねぇが……恨んでもらって構わん。いずれ本当に生が耐え切れない苦痛になる前に―― -- レクトール
- 「前に―」・・・何よ・・慈悲でも与えているつもりな訳?(傍目からでも分かる位に怒気をはらんで)
アンタって前例があるのに自分以外には誰も出来ないなんて傲慢さは別にいいわ、事実だもの・・でもね?(ぐいと襟首を掴んで引き寄せる)ブラハムは、あの人は覚悟を決めていたわ 奥さんも、地位も視力も寿命も全部失って漸くだったけれど、それでも貴方の力になる、不幸な少女を救うと腹を決めていた・・私はそれを託されたの 分かる?「救う事」が大事なの、ただ殺しても意味がないのよ (掴んだ手がわなりと震える)それなのに貴方は・・・っ 「「レクト」とやらに戻れない」?そこは戻ってみせるっていう所でしょう?戻れ!男ならもう一回口説きおとしなさい! 皆に巫女が必要だというのなら新しい生き方を教えなさい!その上で死にたいって言うのならそれでいいじゃない、どうせ時間は腐るほどあるでしょう! 何が「俺なら殺れる、恨んでもらって構わん」よ、それのどこにあの子の気持ちがあるのっ全部貴方の都合じゃないの (上体をそらし)いい加減・・・・・・目ぇ覚ませクソ鳥!(思いっきり頭突きをかます) -- カレリア
- 痛ぅ……ッ! (怒涛のように捲くし立てられる言葉に呆気に取られていると、無防備な状態でカレリアの頭突きを喰らう)
こんのっ…! なにしやがる!? そりゃアンタが勝手に託されたのをご大層に抱え込んでるだけじゃあねぇか!!他人を理由にすんな!! (酔いは今の一撃で醒めていた。クリアな頭は逆に直情を誘い、つい相手の土俵に乗ってしまう…本音を引き出される…) 意味なんざ求めてねぇし、俺の都合だよ!俺が解放されてぇだけだ!! ルクが言ったように簡単だ。ただトリガーを引く!シンプルだ!! 時間があるだと?ふざけやがって…何十年も何百年も…もう終わらせてぇんだよ!今すぐにでも!! ルクの気持ちをこの何百年、嫌というほど追体験させてもらった!! 長生きなんざろくなもんじゃねぇ……灰色だ。灰色が続くだけだ! 元来、一瞬の虹色を視てサクッと死にたいんだ俺はッ!! それがどうしてこうなった……クソッ! どいつもこいつも同じだ。俺がちょっと器用に出来るからって俺にばっか押し付けやがって…… 俺に頼んな!自分でやれ!! カレリア、あんたも同じだ! 勝手に「男ならやれ」だのなんだの……結局アンタの中で俺を買い被ってるだけだ!やめてくれそういうのはッ……!! (眼が泣いていた。何百年も誰にも労われることなく、課せられた使命と信じて殉教者のように生き続けた…… それは自ら選んだ道ではあった。自業自得と言っていい……仮にレクトールがルクから呪いを与えられたのだとすればそれは不死鳥の血ではなく、生き方そのもの だが自分で選んだ。後悔は無い……それでも、それでも不意に羽を休めたくなる時もある。誰でもいいから優しい言葉をかけて欲しくなるのは人の性だ……)
つーか……なんでもう一回口説き落とさにゃならんのだ。俺が好きだったのはルクであって、今のル・クゥじゃあ無ぇ…… 1000年近く前の女の面影追うとかないわ。俺も若い頃と違って、ケツの青いガキ相手にマジになるのもおかしいだろ? (と、一瞬爆発した感情も治まりながら巫女様への愛はとっくに冷めているという意外な?事実を暴露する ちなみにその時、彼のホルスターから顔を覗かせた「山の声」に宿る黒髪の少女が少し「ムッ」とした表情でレクトールを見上げていたとか…) ハァ〜っ……なんか冷めたわ、もう面倒だ……こうやって言い合うのもさ。だから、どいてもらうわ (レクトールはカレリアに向き直って改めて真っ直ぐ見据えると……山の声を抜き、銃口を向けた) どきな、姉御。もう大体全部言い終わったろう……俺は撃つぜ? シンプルだ。トリガーを引けば終わる… (その弾がカレリアを射抜くかどうかではない。カレリアに向けて撃ったという事実が2人の決別を意味してしまうのだ…… 銃を向けられたのでハッキリ視える。黒髪の少女が…彼女はカレリアに対し、無機質な視線を向けていた) -- レクトール
- っ・・・(嘴は流石に痛い・・・が漸く話のできる人間になった)だから・・気持ちが悪いのよっさっさと下ろさせなさいこんな役!
(ぺっと鼻血の混じった唾を吐き捨て向き直る)頼る頼らないじゃない貴方が始めた事よ、ならちゃんと筋通して幕閉じろって言ってんのよこっちは・・・ (軽く首を鳴らしながら)あー・・・訂正するわ・・本気で気持ちが萎えてるならそれこそ放っておいていいじゃないの、例の弾丸で頭打ち抜いて自害するのがお似合いよ どうせあの子を殺したところで貴方の失った1000年は戻らない・・・あの日止まった時間は進まないし色づいた世界なんて戻らない (銃口が向けられる、件の少女が視界に入るが、視線はまっすぐ、不敵にレクトールを見据える)・・・なぁに?やさしい言葉でもかけて欲しい?(その眼は恐れではなく憐みと嘲りを帯びている) -- カレリア
- ……言いたいことはそれだけか? 命乞いが聞きたいワケでもねぇ。丁度いいぜ
(もはや問答する気もない。素人でも外さない距離だ…その鼻血が垂れながらも端整な顔に突きつけた銃口をゆっくり下ろしていく その先にあるのは、穿てば確実に殺せる心臓がある胸だ……そこを狙うのは、いかに本気かという示威行為に等しい) …… (眼を逸らすことは無い。迷いも無い。あの時と同じように撃つだけだ。何度もやってきたことだ――ドォウッ!!)
「……前も言ったでしょう。敵以外に興味は無い、ってね……そして貴女は彼の敵じゃない」 (カレリアにだけ聞こえる銃声以外の声。それはどうでもいい存在を「無機質な」眼で眺めていた少女のものだ) 「私のやるべき事は、彼の敵を殺すこと。それ以上の武器である必要は無いわ……ふぁ〜わ…」 (退屈そうに欠伸する黒髪の死神。言葉とは裏腹に、撃たないことで武器の領分を超えた影響をレクトールに与えることになるとは……)
は……? (男は呆然としていた。自分の腕前なら…いやそもそも素人でも外さない距離……だが、無意識に狙いは逸れていた) まっ……何故だ? ち、違う!!俺は―― (「撃つつもりなんてなかった」…? 違うだろ。「外す気なんてなかった」が正しい反応だろう? 何を口走ろうとしたんだ、俺は というか、なんで少し安心してるんだ……? 目の前の、ちょっと気が強くて鬱陶しい時もあるけど…情が深くていい女を撃てなかっただけじゃないか 何故そんな些細なことで安心するんだ、俺は……ああ、違う。何もかもが違う……自分で自分が分からない) 違う……違うんだ。俺ぁカレリアさんに頼られるのは嫌いじゃなかった…むしろカレリアさんの期待に応えられた時、ちょっといい気分だった…… (待て待て。何を言い出すんだ俺は? というか誰だ俺。どの立ち位置で発言してる???) けど、やっぱ怖ぇのもあった……もし、ルクの時みたいに誰かの期待に応えられなかった時…その時の無力感は何よりも痛ぇんだ…! (やめろやめろ。何を情けないことをゲロってやがる?! しかもよりによってカレリアに!!) 血……? 血ぃ、出てるじゃねーか……拭けよ。なぁ (銃をホルスターに戻し、さっきまでその銃を向けていた相手に普通に歩み寄ってその鼻血を拭いに行く) -- レクトール
- (引き金が引き絞られれば髪が、服が騒めく・・・それでも強く正面を見据えて)
・・・っ!?(それは殆ど白昼夢のようで・・・少しの間ぼーっとしてしまった)ありがとう・・・(思わず微笑み小さく礼を言って) (ふふんと自信たっぷりな感じで狼狽えるレクトールを見据え・・・優しく微笑む)いいの・・(何に対しての言葉ではなかった・・言うなれば全てだ) (歩み寄るレクトールを労わる様にそっと撫でる)ただの鼻血よ、大げさね -- カレリア
- いや、駄目だろ。姉御は女なんだから……そんな気軽に鼻血出してちゃ、駄目だろう……
(言いながら指=羽で念入りに鼻血を拭う俺。うむ、その台詞は間違ってないし文句は言わない……それにしても、なんかこの流れ、「楽」だ……) ええと……なんでこうなってんのか、自分でもよく分からんのだが…… (それ以上の言葉は出ない。今はただ、自分の状態を確認したい……今、俺はカレリアの血を拭いた。そこ、今必要だったのか? ……必要。そんな気がする。だってそうだろぃ? カレリアさんが血を流すの、嫌いだったからな前から ――ああ、そうか。そうだった……そんなんも忘れてたのか、俺は。だからこの前カレリアを遠ざけるよう敢えて信頼を無視したんだ けど、今こんな近くにいる。遠ざかってない……俺の思い通りになってないんだ……殺せても、いないし)
「……全然私のトリガーに伝わってこなかったのよ。普段はビンビン来るのにね 貴女を殺すという意思、ゼロだったわ。私は彼の本音は分かるから…だから、貴女が敵じゃないってのは今日も再確認したことよ… それにしても、つまらないわね……何だか貴女が助かって、不愉快だわ……むぅ」 (※嫉妬を覚える黒髪さんだ) -- レクトール
- (んーっと楽し気に、心地よさげに拭われる、大した出血じゃないからすぐに止まって)
そんなの私にもわからないわ・・・人の心なんて、言葉で表せるものじゃないのよ (きっと撃とうとしたのも、それを止めてもらってほっとしているのも、どちらも本当で・・・)それなら、どっちの方が心地いいかよ(嫉妬しまくってる銃に目を向け、ひっそりとウィンクする) それで・・?これからどうする気?(もう殺る気はないんだろう?と) -- カレリア
- 心……心なんて言葉で表せるわけない、か……姉御らしいや
(じゃあ…この指についたお前の血を視て、何だか辛くなって、こうして抱き寄せるのも言葉で表せねーのかな……そりゃちょっと、悔しいっつーか) 悪い。悪かった……俺が悪いんだ。カレリアが血を流したのも、他のも全部……ごめん、ゴメンな? (レクトールはカレリアの断りもなく腕をその肩にまわして、大きな翼で包んで震える声で謝るのだが…それはむしろ心地良く――) ……殺すつもりだったけど、なんかそれも面倒になったというか…そんなマジになるもんでも、無かったのかもしんねぇ…今はそう思う でも、巫女は救いたいのは本当だ……悔しいけど俺ぁ男なんだ。あの問題から逃げることは出来ねぇんだわ、多分…… なぁカレリア? 俺、どうすりゃいいんだ……誰のケツにこの黒い弾丸ぶち込みゃあいいのか、知ってるのか…?
「不愉快だけど……それはもういいわ。私は彼の武器なんだから……彼の敵を撃つだけよ…… そうねカレリア、教えて頂戴? 私の次の敵は一体だあれ……?」 -- レクトール
- 大げさよ、バカ・・(なんて言いながらされるがままに、ぽんぽんと慰めるように背を撫でて)
ふふ・・・きっとそう言ってくれると思ったわ(まったく二人して私に頼るんだからと仕方のない子を見るように笑い) 決起なさい・・・自らの正当さを主張し、民意を味方につけ将軍達に正義を説き・・・長きに渡り巫女の血肉を貪り続けた王の、その責を問うのよ・・・さすれば自然と弾の行く末が定まるでしょう -- カレリア
- 王の責……まさか、そんなクーデター染みた事……俺がやんのか? ははは、可笑しいなまったく……まるで簒奪者だ。ついこの間も
「俺ぁ逆立ちしても王にはなれん」なんてことをアキベドルの爺さんと話してたのによ……やるにしても、ちゃんとした王が必要だ 十二翼将は……残り、10人。その内3人……いや、4人は俺が何とかできる (それはブラハムやアミール、アブドラ級以上の相手に対してとても強気な目算だ) けど……やっぱ駄目だ。そうなったら、カレリアは絶対俺を助けようとついてくる…そしたら、お前が傷ついちまうだろうがっ…! (漸く分かった。無意識に独りで出来る選択しか考えないようにしてたのは……真っ先に他人を護ろうとするカレリアが傷つくのを視たくなかったからだ) そうだよ、俺ぁちょっと気が強くて鬱陶しい時もあるけど…情が深くていい女が傷つくのが、一番嫌なんだ…! けどっ……! (言葉を呑み込む。弱音は要らない。彼女の前では格好つけていたいから。唯一つ、唯一つだけ彼女が呑み込んでくれれば……俺はできる)
作戦は俺が考える。どうやるかは、任せて欲しい……あの国の一般人を巻き込まず、巫女を救い、新しい王に托して…アバーズ王を打倒する 俺は巫女の…ル・クゥの味方になって救う。だからカレリアは、俺だけの味方になってくれ! そして、作戦中は俺の傍を離れないでくれ じゃねーと……お前をちゃんと、護れないから……頼む -- レクトール
- なら新しい王の擁立が必要ね・・・的確な人がいればいいけれど
(この期に及んでまだそんな事を言っているのかこの人はと嬉しくもあきれたように笑って)わかった、貴方の方が詳しいもの、そこは任せる (でもねと笑って嘴をぴんとして)誰が誰を護るって?(その前のが本音でしょうというように)大丈夫、ちゃんと支えておいてあげるから・・アンタは安心して、自分の仕事をしなさい -- カレリア
- なっ、こいつ…!? いいや、護るね!! 護られてくれ、つーか護らせ……ああ、これも違うのか。そうだ、カレリアの返事なんてどうでもいいや
お前を護りたいから、勝手に護るわ。嫌ならせいぜい護られない様にしてくんな? ははっ……はははっ!! (レクトールは破顔した。この1000年、こんな羽毛のように軽い心で笑った事があっただろうか……? そして知った。何もかも無くしたと思ってたのは自分だけ。こんな近くに、大事なものがあった…… 幾ら遠くを見渡しても、幾ら視えないモノを視通しても視えなかった…本当に視たかったものがやっと視えた) もう、逸らさねぇよ……絶対に。二度と視界から離さねぇ。やるさ、お前が支えてくれんなら……何でも出来る
(レクトールはその夜に街を出ることは無かった。綺麗な止まり木に、長く寄り道したくなったから……) -- レクトール
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- てすてす --
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Last-modified: 2016-11-07 Mon 00:14:42 JST (2726d)