レンタルショップの店先だったり、街をぶらついていたり 当ショップは閉店致します。ご愛顧誠にありがとうございました。 †
シガロットの生活のお悩みへ、おまかせレンタルショップフルメルを。
だけど返却は計画的に、うっかり返すの忘れずに
ちょっとの延滞は笑顔の割増料金だけれども、
悪質遅延は気をつけて、エンジン男がやってくる、貴方の元へやってくる。
───ある市民が歌った大手量販品店ラジオCMの替え歌
レンタルショップ・フルメル †
歯ブラシから戦車まで、を売り文句とするレンタルショップ。
実際に戦車が貸し出されたという話は出回っていないが、よろず屋的に大体なんでも借りられるようだ。
主に借りられているのは、冷蔵庫、スーツ、自転車、ラジオ、拳銃、などなど。
店そのものはフェニーチェ・ファミリーの縄張りの中にあり、傘下であるとも言えるが、
直接的な支配関係はなく、中立的な立ち位置といえる。
そのためレンタル業務は分け隔てなくどんな組織、市民へも行われている。
料金は貸す物の価値・期間に応じて前払い、先払いなどで支払われ、
その値段はボッタクリ数歩手前な高さだが、概ね望んだ物が素早く確実に貸与されるため、
それなりに客はついているようだ。
店主は、その店の名の通り、フルメルと呼ばれる妙齢の女性だが、普段は店に現れる事は余りない。
ヘルトはこのレンタルショップの店員兼、回収屋を務めている。
- 店員はヘルト以外にも数名いる。ヘルトがファミリーの仕事をしている時などは、そっちが店員をしている
- 基本的に買い取りはなし。必要な場合は店長が許可すればOK。
- 広めの店内に陳列されている商品は半分程は市販品であるが、半分程は出処の知れない品である
- 公言はされていないが非市販品はフルメルが制作した品物だと店員から聞いているかもしれない
- フルメル
いつの頃からかシガロット市に現れた妙齢の女性。年齢不詳。出身不明。
数十年前から変わらぬ姿であるとも、以前は老婆のようであったとも噂されるが、表へ姿を表すことがあまり無いため
どの情報も確かなことはなにもない。限られた筋からの情報では、図抜けた腕の錬金術師とされている。
レンタルショップの非市販品の商品は、その錬金術の産物であり、時には時代を先取りしたかのような性能を持っている事がある。
また、稀にでは在るが、どうしても店員の都合がつかないときは店番をしていることもあり、
運が良ければ彼女に出会うこともあるかもしれない。その眼鏡の奥の、貴方を観察するような瞳を通して。
- フルメルの悲願
フルメルが長い長い時間をかけた願いとは、完全なる人を作ること。
何を持って完全とするかは、彼女自身でさえも明確な答えを持っていない可能性もある。
しかし不老とも思えるような長い時間の中でそれを追い求め続け、
錬金術を磨きいつか完全な人を作り上げることを目指し続けている。
賢者の石こと久遠の種は、その最中で手に入れたもの。
ヘルトに提供した心臓は、実のところその最中に作られた完全な心臓の試作品の一つ。
フルメルの求めるところには程遠いものの、人を遥かに凌駕する出力はそのためでもある。
初期想定耐用年数は大凡500年程。
- 髑髏塚勢源と弟子
勢源が日出国からアメリアのニャーヤークに渡ったのは10歳のころ。
親はヤクザものであり、日出国で破門されアメリアに渡る際に死亡している。
勢源は単身生来の喧嘩の強さでスラムにおいて子供ながらも一目置かれる存在であったが、
数年ののち、当時勢力を伸ばしていた地元マフィアに目をつけられ、瀕死の重傷を負う。
その際、偶然フルメルに発見され、その命を助けられた。
腕力だけでは勝てない相手が居ることを知り、フルメルから錬金術を教わる。
その後しばらくはフルメルの元で大人しく過ごしていたが、彼女が所用にて不在の際を狙い、
賢者の石を奪取。しかし未熟な勢源では賢者の石を使うことさえできず、
そのまま行方をくらましてアメリアを逃亡する最中、独学で教わった錬金術を発展させ、
力を蓄えシガロットに勢力を作るに至り、賢者の石を起動するまでとなり、
強大な力を得ようとした。
設定 †
身長170cmを越えたくらいの痩せ型。
くたびれた服に身を包み、若干だらしない服装をしている。
そのシャツの胸元がはだけている事があれば、その胸元には鋼鉄の機械が見えるだろう。
孤児。十代初めの頃、食い詰めてフェニーチェ・ファミリーの下っ端として加わる。
なんでもないような雑用や小競り合いでの兵隊として日々を過ごしていたが、
十代半ばを過ぎたころある問題が発生。その時期はしばらく彼を見たものは居なかった。
戻ってきてからは、何故か突然フルメルに務め始め、組織の仕事をすることが減った。
- 十代中頃に、当時破竹の勢いで勢力を広げていた髑髏塚勢源を、鉄砲玉として単独で暗殺しようと試み、失敗。
返り討ちに合い瀕死の状態となるが、勢源の動向を密かに追っていたフルメルに見つけられ救命された。
以後はしばしフルメルと共に過ごし、数年ののち組織へと復帰した。
- 一月に発生した髑髏塚一家一斉蜂起事件により、髑髏塚勢源を倒したものの引き換えに右腕を失った。
また、エンジンの燃料として自らの魂を燃やしたため、本来の寿命から幾ばくか寿命が縮まっている。
- その後のヘルト。
しばししてレンタルショップのニャーヨーク移転関連業務を全て終えたのち、
シガロット市からシネマカメラ片手に旅立つ。アメリア各地を転々とし、外国にも所々現れ、
その様々な場所を撮影する生活を送る。
フルメル謹製のシネマカメラは動力をヘルトのエンジンと連携しているため、
動作そのものは幾らでも動くものだったが、流石に専用のテープは消耗品であり、
たびたび尽きたため、撮った物を動作検証も兼ねニャーヨークのフルメルの元へと
送るのと引き換えに新しいテープを送ってもらうという生活を続けていた。
その際に手紙を合わせて送り、動画撮影での近況報告も兼ねていた。
しばらくしそこそこテープが溜まった頃、フルメルの思いつきで専用テープを再生できる
簡易映写機と合わせて貸し出しを行った所、珍しいフルカラー映像と合わせロードムービーとして
楽しむものがチラホラ現れ小ヒット。それなりにレンタルショップの利益を潤した。
最初こそ各地の名所観光レポや食レポやらが多かったが、どうせならとフルメルが手を使わずとも
カメラを使えるアタッチメントを送ったところ、時折遭遇していたらしい揉め事まで撮影されるようになり、
別の意味でもウケてそっち方面でもヒット。これまた割りと利益が出た。
ヘルト本人曰く「俺を撮りてぇ訳じゃねぇんだが…」とのことであったが、黙殺される。
とはいえ、たまに本人的に出来が良いとみなした映像は、手紙と共にシガロットの
旧知の人間へ送られたり墓へ備えられたりなどしていたとかしていなかったとか。
その力 †
ヘルトの心臓は、エンジンである。それは何かと問われれば、異能のような物と彼は答える。
そして、ひとたびそのエンジンが鼓動を始めればヘルトは別人のような力を備える。
車を投げ飛ばす程の怪力、並の銃弾を食らっても止まらぬ再生能力、鉄で出来ているかのような強固な骨格。
普段はその力を使いたがらないが、いざとなれば、嫌がりながらもその心臓は震えだす。
- 『心暴再動』
異能名はフルメル命名。もともとヘルトが生まれつき持っていた異能。自身の心臓を自身の消耗と引き換えに超活性化させ、
それに伴い身体能力の向上、体組織の変化を発揮する異能。ただし、ヘルトが髑髏塚勢源に返り討ちにあった際、
既に限界まで心臓を酷使していたため、そのままでは外傷と合わせ死に至るはずだったものを、フルメルがエンジンと心臓を置換。
強靭な心臓を得たヘルトは、異能そのものの出力向上、そして異能を使っても少なくとも心臓の劣化によって死ぬことはなくなった。
異能の出力に応じて消費されるものが変わる。基本的には熱量、つまりカロリーを消費してエンジンは動くが、
それで足りない事態となれば血や肉を消費し、文字通り身を削って更に高い出力を発揮する。
また、幾つかの条件が揃った際、自身の魂さえも燃料として燃やす事ができることが判明した。
武装・装備 †
無し。銃は下手だし、刃物の扱いも上手くないのでもっぱらステゴロ。
その他諸々 †
- 大食い。大酒飲み。味にはこだわらずとにかく量を欲する。余り酔いもしないのでザル。
- 安いアパートメント暮らし。部屋は地獄のように散らかっている。
- 吸っているタバコはラッキーストライク。とはいえ金が無いのでちびちびと吸っている
- たまに貧血気味になっている様子が伺える。大体そんなときは腹も減っている
- 暇なときは家でラジオを聞いているようだ。曲番組がお気に入り。
- 組織に入りたての頃は、胸にエンジンはなかった。一度姿を消してからそうなったのだという。
- 組織への忠誠心はあまり高くない。とはいえ特に裏切る気もなく、命令はこなす。できるだけ、だが。
メメタァ †
※髑髏塚一家と同じ中の人です。
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