MOG/0005

  • BGM
    (行く手を阻んだライムントを打ち倒した三人。もはや屋敷内部への障害は何もない…正面玄関には鍵もかかっておらず、ホールに足を踏み入れれば そこは戦闘の跡)
    (人間の死体が幾つか無造作に転がる。その奥、頭から血を流し柱に凭れるようにして死んだテレシアと、彼女に寄り添うように跪くクローディアスの姿)
    (扉が開く音に、そちらへ目を向けるが…その眼光には何の覇気も感じられない 両の角は折れ、全身に負傷し憔悴しきった表情。肩に刺さったナイフもそのままに)
    ……なんだ、貴公らも……来て、いたのか…。 見苦しいところを、見せ…たな…。(力なく顔を上げ、口を開く)
    -- クローディアス 2021-02-22 (月) 21:12:32
    • 流れ的に娘はもう先に転送されていそうじゃが・・・ゲートがまだ閉じていなければいけるか(とにかく急ごうと屋敷に進む・・・そして)
      ・・・クローディアス・・・おぬし、生きておったか(情報参謀と死したテレシアを見ればほっと息をついて)
      (歩み寄り、怪我の状態を見る)・・・大丈夫か?・・大分苦戦したようじゃの・・・結局・・何があったのじゃ? -- 綺琳 2021-02-22 (月) 21:18:20
      • …クローくん(呟く。彼がここに居たこともだが、それ以上に目を引くのは柱に居るテレシアの姿。目を細め少し観察し、ひとまずはクローディアスの元へと)
        大分派手にやったね。…死力を尽くしたと見える。彼女には……勝てたのかい(静かに呟く。すぐさま治療をしなければ死んでしまうような状態ではない、まずは事態を把握せねばと) -- ケイル 2021-02-22 (月) 21:23:34
      • 参謀ッ!?!?(死んだはずの上司が、まさか生きているとは思わない だが思い当たるフシがある)……まさかフェニックス?アンタも契約奪ってたの?(それならば納得、と)
        テレシアは……(銃創、こちらにもフェニックスの加護があれば別だが即死だろう)そう、ならもういいわ(つまり、状況はともかくケリはクローディアスが付けたのだろうと)
        (だが、彼の痛ましい姿を見て)……大丈夫?(戦闘を旨とするタイプの将ではない その彼がこれほどまでに体を張ったのだ 尋常なことではないと) -- ヴェロニカ 2021-02-22 (月) 21:36:03
      • 見ての、とおりである……下手人は、一人残らず…死んだ。貴公らが、外の奴もしとめたのであれば……な(綺琳の問いに、まず結果を説明し)
        フェニックスとの契約である…文字通り、僕は…一度死んだ 次は、無いであろうな…(死んだ後、復活した経緯を話すが、視線は定まっておらず)
        勝てた、か……そう問われれば、そうだな…勝敗は、永久につかぬままである…。 勝ち逃げされた、と言えるやもしれんな……
        隊の士気に…関わるであろう?死んでも復活できる、などと…思われては(契約について伏せていた理由を語り)彼女は…自殺した。 僕が殺したも同然である…
        (拳を、大理石の床に叩き付け)そうだ…僕が死なせた!全てだ、僕の責任だ…僕の傲慢さが、テレシアを追い詰め、裏切りを招いた!
        なぁ……答えて欲しいのだ、何故…魔族同士でさえ、こうもうまくいかない…? 腹心とさえ心のすれ違いが起こるというのに…何故僕達は人間などと争っている…?
        -- クローディアス 2021-02-22 (月) 21:47:22
      • ・・・ならば良しじゃ(結果を聞けば頷くも)
        ・・・クローディアス・・・・・その者の事を、好いておったのじゃな・・(静かに目を伏せる)
        (問いに答える理屈は数あれど、その悲しみを慰められる言葉は、持ち合わせていなかった)すまぬ・・わからぬ・・・それは・・わらわにも判らぬ・・・すまぬ・・
        (応えられないという事、それだけではない・・この悲劇を留めるべき立場にありながらそれを果たせなかった事に申し訳なく思う) -- 綺琳 2021-02-22 (月) 22:01:43
      • (ここまでの成り行きを全て聞かされ、やり場のない憤りが募る)……そう、皆揃って空回ってたのね
        (それを笑うことなんて出来ない "銀の手"もヴェロニカも、そういう意味では似たような空回りを演じていたのだから)
        ……誰も、他人の事をちゃんと理解なんて出来やしないわ。同じ魔族ですら。だからこそ更に遠い人間なんて理解出来ない。だから殺し合う。それはもう、しょうがない事よ
        でもね、わかり合おうとすれば、埋められるすれ違いもあんのよ。アタシが権力者(アンタら)のことを何も理解しないまま嫌ってたのと同じ
        それでも腹に据えかねる事があるのは、争って解決するしかないんだけど。"銀の手"(アイツ)みたいにね
        だから、まぁ。少しずつ「分かり合って」行くしか、ないんじゃないかしら。そうすりゃ落とし所が見つかったりするかも知れないんだから
        (貴人と下層民のすれ違いも、埋まることはあった 手を差し伸べ続ければ、少なくとも避けられるいがみ合いは避けられるはず、と) -- ヴェロニカ 2021-02-22 (月) 22:06:20
      • 勝ち逃げ…か。ズルい子だ(横目でテレシアの遺骸を見て、呟く。彼の言葉は半ば予想していた。テレシアの銃創は角度的に考えて誰かに撃たれたものではない。ならばおのずと答えは知れる)
        (そして、自殺した者の魂は、経験上残っていないことが多い。恐らくは生に対する執着が薄いからかもしれないが…恐らくは、もう蘇生も叶わないだろう)
        (ヴェロニカも恩恵を受けた復活の概念の象徴でもあるフェニックスの力ならわからないかもしれないが…その力は、後悔と共に床に拳を打つ少年しか、持っていなかった)
        ………それは、君が君であり、彼女が彼女だったからだよ。俺が俺であるように、君も君だ。だからこそ戦える、だからこそ拳をぶつけ合うこともできる(その事を、よく知っている)
        そして人間も、人間だ。違うからこそ、拒絶し、反目し、争い合う。…でも、さ。違うからこそ、感じられるものもあるんじゃいのかい。
        君は…テレシアに、何を感じた?テレシアは…君に何を感じていた?それを忘れちゃいけない。それだけはどんなに力を尽くそうとも…消せない思いだろう(少し、遠い目をしてそう、言う) -- ケイル 2021-02-22 (月) 22:10:43
      • テレシアは…僕の許婚、だった…。銃を向けられようと、一度殺されようと…ついに、嫌いにはなれなかったであるな…
        綺琳であっても、分からん事があるのか… だが、僕にはひとつ…わかった事がある。 僕は……己にすら向き合えていなかったようだ…(力なく、首を横に振る)
        僕は…ライムント様の恩赦を目指し、軍に尽くしてきた。テレシアも究極的には目指すところが同じであった…が、人間どもに亡命を持ちかけられ、乗ってしまった…
        分かり合おうとすれば、か… 言葉に出さずとも伝わる、という考えは愚かだったのである…。言わねば、分からん…分からんから、すれ違う…すれ違うから、ぶつかり合う。
        ぶつかり合った結果が、これだ。せめて、魔族間でぐらいは…分かり合えると、そう信じたい……(こんな結果を二度と生まない為にも、願わくば人間とも分かり合えれば…芽生えたその思いは口に出さずに)
        違うからこそ、というのは…違いを拒絶するのではなく、受け入れた上で…両者の妥協点を探れ、という意味であろうか…?
        ああ……(ケイルの言葉に、また静かに涙を流し)こんな、事に…なったが、最後の最後には…分かり合えていたのだ… 何もかもが、遅すぎただけで…(袖でぐしぐしと強引に涙を拭い、立ち上がる)

        (テレシアの手の中にあった魔瘴銃を自分の腰に戻すと、彼女の遺体を両手で抱え)
        彼女は教えてくれたのだな…敵対する者であっても、分かり合える可能性を… それを気付かせてくれた事、感謝する…。(三人に向けて、一礼し)
        …行こう、事後の処理、報告…諸々すべき事が山積みである…(開け放たれた玄関、月光差し込むそこへ歩き出す。 戦争は未だ終わってはいないのだから)
        -- クローディアス 2021-02-22 (月) 22:29:49
      • ・・・許嫁・・か(悲し気に肩を落とす)強いのう、クローディアスは
        (故人を偲ぶのは、それと親しくしていた者の権利だ・・・クローディアスが気丈に振舞っているのに、自分が肩を落とす理由はなかった)
        そうじゃのう・・取り敢えずこの惨状を何とかせねば・・・城の方でも大騒ぎになってるじゃろうて、連絡して安心させてやらねば(やれやれと立ち上がって後に続いた) -- 綺琳 2021-02-22 (月) 22:38:16
      • 結局、許嫁だったんじゃない。テレシア ……アイツもホントバカよね(お互い正面から見ようとしなかったからこその悲劇)
        大切なものを失って、いろんな事を学んだ、か。ホント似たもの同士ね(溜め息も漏れる 戦争が始まった当初は、こんな気持ちになるとは思っても見なかった)
        ええ、でもその身体じゃ後々が大変でしょ。アンタはテレシアを弔ってやりなさいな。アタシが情報部に話持ってって、処理するよう頼んどくわ
        (仕事が増えるが、今回ばかりは頑張るべきだろうと顔を張って気合を入れ、クローディアスに続く)
        (そして、思わず己の手を見て、首を傾げる この時は気づいていなかったが、開花の予兆は既に蕾として顔を見せていた) -- ヴェロニカ 2021-02-22 (月) 22:46:36
      • (立ち上がり、少女の元へ歩む彼を静かに見守る。遺体を両手に抱いたままの、礼。こうなってしまってなお、仲間たちへの感謝の思いを口にする彼に、目を細める)
        (彼はまた一つ、成長したのだろう。大きな代償を払い、気付きを得て、深い悲しみを胸に抱いてそれでも前へ進む背中が、少し大人びて見えて)
        ……テレシアちゃん、君は強かったよ。だからこそ…彼を強く出来た(目指すもののために、そう言っていた彼女を思い出す。彼女はそれを見失ってしまったのかもしれない、取り落したのかもしれない)
        (でも、確実に残したものはある。それは、この小さな背中に)……しゃーない。今度ばかりは俺も仕事頑張るよ。どんどん仕事よこしな、余計なこと、考えられないくらいにね(へらりと笑い、小さくて大きな背の後ろへと歩を共にした) -- ケイル 2021-02-22 (月) 22:49:43
  • (脱獄囚とそれを手引きした人間、そしてテレシア。逃走する三者を乗せた馬車が逃げ込んだ先は、元魔王軍親衛隊長の屋敷であるアイヒベルガー邸)
    (一同が追いつけば今まさに その正面玄関前に馬車を止め、慌しく邸内で入ろうとしている場面に遭遇する)
    「ライムント様、お急ぎを…!」「転移ゲートはこの先ですね?転移が完了すれば向こう側で我々の同志がただちにゲートを封鎖します」
    …いや、事はそう簡単には運ばないようだ。追いつかれてしまったよ(馬車から降りてくるのは脱獄囚とは思えない褐色肌にスーツ姿の中年魔族、髭も綺麗に整えている)
    (入隊時期の関係で入れ違いになったヴェロニカはともかく、綺琳とケイルはこの男の姿に見覚えがあるかもしれない。かつて親衛隊長を務め、その後更迭された男を…)
    (当時に比べ、幾らか痩せたようではあるが…三人へ向ける視線は、幾多の修羅場を潜り抜けてきた者のそれだ) -- 2021-02-21 (日) 22:00:30
    • ぬぁぁ・・・眩しいのじゃぁ・・(目を覆ってる、でもその間もイナゴはしっかり防御を続けていた)
      (屋敷を見上げて呟く)ここは・・・(そして聞こえてくる「転移ゲート」という言葉・・・走る馬車から飛び出すと)
      いけ!(幾つものの犬張子を投げる、それらは一瞬にして大型犬並みの体を作り出し、吠えたてながらテレジア達を囲み、奥へといかせまいとする)
      どういうつもりか聞かせて貰おうか、ライムント -- 綺琳 2021-02-21 (日) 22:06:10
      • ……おや、これはこれはまた…(現れた意外な人物に男は珍しく軽く目を見開く。その名、姿に覚えがある。いつか、軍を割ろうとした男だ)
        (個人的にも目をつけていた男でもある。理由は…言うまでもあるまい)なるほど…あのメモ、それにこの状況…、だいぶ見えてきた。
        かつては魔王軍において戦いを止めようとしていた御仁が、人間たちと一緒にどこへおでかけですかね?(へらへらと笑い、髭面の男をみやる) -- ケイル 2021-02-21 (日) 22:11:38
      • (ケイルの機転……と言うには少しばかり良心を痛める手腕に助けられ、馬車はコントロールを取り戻す)
        (怒りを灯しながらも落ち着きを取り戻したヴェロニカは、馬車の上で構え直す その眼前には、いかにも貴族然とした屋敷)
        (そして、馬車から降り立った男を見て)アンタ、どっかで……?(直接の面識はない だが、"銀の手"のバンド活動を手伝う中でその顔を見る機会は少なくなかった)
        (何しろやり方は違うとは言え反戦運動を訴えた間柄である 最も、ヴェロニカがその全てを知っていたわけではない 事実上初対面だ)
        しかしまあ、このご時世にお貴族様が人間と仲良しこよしだなんていいご身分ね。アタシ今だいぶトサカに来てんのよ
        (理性こそ取り戻したが、苛立ちがギターの指使いから読み取れる 低く唸る歪んだ音が、バリバリと響き渡る) -- ヴェロニカ 2021-02-21 (日) 22:20:29
      • 父様…ここは私が(そう言い出そうとしたテレシアを制するように、手を伸ばし)
        彼らは手強い。時間稼ぎをする気だろうが、それなら私の方がずっと確実だ…娘に庇われる私の立場も、少しは考えて欲しいなぁ?(柔和そうな笑みで、その頭をぽんと撫でて)
        なぁに、危なくなったらすぐに尻尾巻いて逃げるさ。そうじゃないと、亡命に手を貸してくれた皆にも合わせる顔が無いし…あー…そうだ。君、剣を貸してくれないか。
        (人間の兵士の一人に、そう言って…腰に差していた剣を借り受けると 三人とテレシア達の間に…行く手を阻むように立つ)さぁ、行きなさい。邪魔者は追い払うから
        (鞘に収めたままの剣を一振りすると、突風が生じ…犬張子の包囲網を破り、穴を開ける。その隙にテレシア達は屋内へと消える)
        …ん。懐かしい顔が幾つかあるね、よもや君たちに剣を向ける事になろうとは…正直、心が痛むが…ここで降伏するという選択肢も無いんだ。
        彼らと取引した。これから娘と共に人間界へ亡命する予定があってね…できればこの力を戦争に、どちらの勢力に対しても使いたくはないんだよ
        もし君たちさえよければ…この場はどうか、見逃してもらえないだろうか?(そうすれば戦う必要もない、と。屋敷内へ入っていくテレシア達を背に…戦いの邪魔になる上着を脱ぎ捨てた)
        -- ライムント 2021-02-21 (日) 22:23:13
      • あぁ、よくわかった・・・ここでおぬしを捕らえれば、テレシアはこちらに引き戻せそうじゃ・・・(聞く耳持たないとはまさにこの事!)
        加減はせぬぞ?(呪符般若面を取り出し、被れば綺琳の魔力が膨れ上がる・・・イナゴの群れを操り、ライムントの後方を再び、去れと先ほどよりはるかに強靭な壁で覆う)
        潰せ(数体の赤べこ兵(暴れる闘牛のような物)を出し、突進させる) -- 綺琳 2021-02-21 (日) 22:30:08
      • ん〜、面白い冗談だ、俺はともかくこの状況でこの二人に対してそれを言ってのける豪胆さは昔のままと見たよ。
        (人に対して融和など考えぬ綺琳、裏切り者を許すことなど出来ないヴェロニカ、それらを横目で見ながらへらへらと笑い言う)
        それに…俺としても、元親衛隊長の進退を賭けた刃を楽しむ機会を逃す手なんてない。存分に時間稼ぎされてやるからさ…遊ぼう。
        (無造作につかつかとライムントの前へと歩み寄っていく。鞘に納めたままの刃とは言え、それを振るっただけであの通りだ)
        (剣を抜き放てばどうなってしまうのか、背筋を登ってくるぞくぞくとした感触を楽しみながら、男との距離を詰める) -- ケイル 2021-02-21 (日) 22:32:37
      • 正直アンタのことはよく知らないから、どうでもいいっちゃいいんだけど。アタシは今、二つ許せないことがあんのよ
        ひとつ、夢半ばの参謀が無残に殺された。ふたつ、アタシを信用させてた奴が裏切った。
        あの女ぶん殴るのに邪魔だから、アンタをどかす、それだけよ!!
        Ride the fire! Born to an errant light Guns and steel, that's what I am!(炎を駆れ!狂った光に燃え上がれ 銃と鋼、それが俺だ)
        Ride the fire! Born to another kind(炎を駆れ!化け物へと変われ)
        Your time has come so how you want to go?(悪いが終いだ さぁテメェはどうする?)
        Let it out! Those doubts will soon concede! Here I go!(ぶち撒けろ! モタモタしてると死ぬぞ さあ行くぜ!)
        Let it out! For that's the price you pay!(ぶち撒けろ! それがテメェの払う代償だ)
        And say your prayers now!(お祈りでも済ましとくんだな!)

        (激しいヘヴィメタルが紡ぐのは爆炎の魔歌 自ら炎と化し舞い、踊り、裏切り者を焼き切らんとする) -- ヴェロニカ 2021-02-21 (日) 22:43:26
      • あぁ、残念だ…が、私も娘の前でかっこ悪い父親をこれ以上演じたくはないんだ。(髭を触りながら、いじけたような態度。どこまでが冗談なのかそんな事を言い)
        特に…同族の血を浴びた姿なんて、見せたくないんだよ…分かるだろう?(すらり、静かに鞘から抜かれる剣が月光を反射する。ただの一兵士が持つ、数打ちの支給品だ)
        (それがライムントの手の中では、魔界の英雄が手にする魔剣の如く凄まじい剣気を放つ。その場の空気が凍りつき、首筋に刃を当てられたと錯覚しそうな程の気迫。)
        幾らか獄中生活で鈍ってしまったがね、せめて……苦しまないよう終わらせてあげるぐらいはできるだろう。
         ライムント・フォン・アイヒベルガー…元、魔王軍親衛隊長。…行くぞ!
        (名乗りを上げ…構えを取るために、その剣を軽く振り上げる。たったそれだけの動作で、空気を裂き、石畳を割って衝撃波が三人のもとへ迫る!)
        (次いで、後方より迫り来る赤べこ兵。その突進の勢いをも利用し、1体を切り伏せ…残りとすれ違うようにイナゴの壁の方へ。残りが歩み寄るケイルの方へ向かうように仕向け)
        (そうして背を向けたまま…剣先だけをヴェロニカの方へ向ける。歌から紡がれた魔力から生まれた炎が、切っ先に触れると真っ二つに割れ…その奥のイナゴを燃やす)
        -- ライムント 2021-02-21 (日) 22:48:09
      • ・・・衰えた様には見えぬのう・・・(抜き放たれた剣をみる・・・達人は武器を選ばないと言うが、此処までとは)
        (首飾りに触れようか迷うが、それはプライドが許さなかった)いい度胸じゃ!
        (赤べこ兵があっさりと切り伏せられる・・・逸らされた一匹がイナゴの群れに・・・)捨て置け!(あっさりと通過させ屋敷にぶつけてやる、単なる嫌がらせである)
        『禁忌を守りし群蝗』はこの妖呪鬼姫謹製の守り手・・・ただのイナゴと侮らぬ事じゃ(イナゴ目掛け炎が殺到するが・・・自身の展開する防御壁により完璧に防ぎきる)
        (そのまま絶対に逃がさないというかのように戦場を囲って結界をなす)
        ケイルに任せてみたい所じゃが・・あまり時間もかけられぬか!(二個三個と手毬を取り出し・・投げる!それらは凄まじい勢いで戦場を縦横無尽に飛び回り、鉄の塊かと見紛う質量を発揮しながらライムント目掛けて突進してくる) -- 綺琳 2021-02-21 (日) 23:01:44
      • (刃が月光に濡れ、冷たき輝きを放つ。ただの剣、それだけであるはずなのに、何ものをも断つような刃に見える)
        (殺気が物理的な現象になって喉笛に突きつけられたかのよう。背筋に走っていた武者震いは、喜悦へと変わり…男は、笑みを深める)
        ケイル。紫十字団所属。…ただの一兵卒さ(迫りくる衝撃波。剣鬼とも呼べるような技の冴え、これを相手にするには膨れ上がった筋力は返って不利になる)
        (白髪男の身体…その主に関節部分、その周辺の肉体から紫色の光が走る。改良の回復魔法…それを機動力と立ち回りを重視した形でかける)
        (一気にケイルの動きのキレが良くなり、三人のうちでもっとも接近していたにも関わらず衝撃波をひらりと躱し…きれなかった)
        ひゅう!(口笛を吹く。高速で反応したにも関わらず、腹を衝撃波の余波が浅く切り裂く。それを回復もせず、前へ)
        悪いね綺琳!壊すよ!(ライムントによって逸らされた赤べこが、回避の間もなく迫る。それを拳を振るい吹き飛ばし、勢いのままに更に前に)
        しゃぁらぁ!(姿勢を低くし刃を警戒しながら、常よりも速度を増した足元への鋭い水面蹴り。速さを優先しているとはいえ、モロに喰らえば骨まで砕けよう) -- ケイル 2021-02-21 (日) 23:04:46
      • ちぃっ、だから大悪魔って奴は苦手なのよ!!(切っ先を向けられるだけでも炎は分かたれ、届かない 悪魔の格の違いを見せつけられる)
        (だからといって)ここでこンまま引き下がるわけが、ないでしょうがぁっ!!(歌い、奏で、踊り続ければ、炎は又舞い、戦場を焼き尽くす)
        (綺琳の張子に自分の炎が影響する恐れはないと、飛ばされた炎がイナゴに弾かれたのを見て取る)
        (ケイルは……そもそも気遣い無用と見える 最悪炎に撒いた所で自分で治るだろうという極悪非道な判断)
        (それ故にライムントの周囲を飛び回り、ボウボウと炎を撒き散らす いかな達人とは言え360度からの攻撃を捌きながら軍団長級二人を相手取るのは困難だろう)
        (……本人は気づいていない それだけの炎を生成するに足る魔力は、中級悪魔のそれでは足りぬと それを実現しうる今、彼女は……) -- ヴェロニカ 2021-02-21 (日) 23:09:46
      • 綺琳…相変わらず君は、敵を閉じ込める事が好きなのだな。私は閉じ込められるのに飽き飽きしているというのに…うん?これは…(投じられる手毬。それは目にも留まらぬ速度で掠めていき、頬に一本…赤の線を引いた)
        なるほど、この跳弾を用いるためでもあったのか、いや…してやられた…(垂れる血を拭う事もせず、苦笑い。剣の腹でいなし、時にはステップでかわし…一箇所にとどまる事ができない)
        ケイルは、この期に及んで名乗ってくれるか。全ての一兵卒が君のようであったら、戦争など起こりもしないだろうなぁ…しかしだ、戦いを楽しむのは…君の悪い癖だよ
        (それこそ足を刃とした一撃のような蹴り、僅かな跳躍でかわせるだろうが…それは自らの次の動きを封じる悪手だ。ゆえに、鞘の表面を蹴りの軌道に合わせるように挟み込む。表面を削らせながらも強引に受け流し)
        (一瞬、ヴェロニカに視線を向けて)さっきの言葉からして…そちらの君は、そうか…クローディアス君の… どうりで、この乱戦においても自分の役割を即座に把握する訳だ。(前衛1人、後衛2人を同時に相手取る不利を悟り)
        ならば…ッ!!(どん、と重い踏み込み。石畳が凹み、砕け…周囲の空気が咆哮するように、全方位に衝撃波を発する。自らに纏わりつく炎と、手毬と、そして眼前のケイルを弾き飛ばさんと)
        (だがそれだけで終わりではない。右に捻られた腰は、バネ仕掛けのように大きく左方向へ振り切られ…繰り出される回転切り。軌道と、その延長線上にある全てのものを、無作為に、無差別に両断する範囲攻撃だ!)
        -- ライムント 2021-02-21 (日) 23:26:24
      • 獲物が逃げようとすればするほど、わらわは気を惹かれてしまうのじゃ・・・これはもう性というやつじゃ
        (叫ぶケイルに「かまわん、いくらでも出せる」と返して・・・)お?(衝撃波、手毬が撃ちあがる・・そして)
        (あらゆるものを両断せんとする圧倒的な横なぎ・・・斬撃というものをそのまま飛ばしてきているかのようなそれを)
        ・・・(純粋な魔力操作、掌に込めた超々高密度の魔力で受ける・・・魔力とは現実を改変する力、迫りくる斬撃という現象に干渉し、それを否定せんとする・・・要するに魔力の壁で攻撃を受けた!)
        (ぱぁんっと弾ける音がして、綺琳の体が宙を舞う・・・吹っ飛び転がるも・・・)ってて・・まったく、服を裂き、転がした程度では子供も殺せぬぞ(問題なく立ち上がる)
        それ、追加オーダーじゃ!(小箱からトラを取り出す・・・それは一瞬で人を丸のみ出来そうなほどの大きさの虎張子となり、跳躍し、前足で殴りかかってくる) -- 綺琳 2021-02-21 (日) 23:43:11
      • (ヴェロニカの放つ炎に巻かれながらも、男は笑う。肌を焼く炎の勢いは中級悪魔の放つものではなく、余波だけでも人間ならば炭に変えるだろう)
        (しかして炎の光に紫色の光を放ちながら、火傷をする肉をぼこぼこと泡立たせるようにして、活性の回復魔法で半ば無意識に治し続ける)
        (そうして蹴りは受け流された。飛んで躱せば次の瞬間宙の男を打ち据えるはずだったプランは消滅だ。歴戦の勝負カンを未だ維持するライムントに内心舌を巻く)
        いやはや…流石っ!(受け流された足で踏み込み直し、次の攻撃を加えようとした瞬間、ありったけの火薬を爆発させたかのような衝撃波)
        …くっ…!!(さしもの男も直近で炸裂するこれには踏み留まること出来ず、空中に吹き飛ぶ…が、剣鬼の刃は止まらない)
        (危険だ。と闘争する男は直感する。通常の回復魔法では足りない。瞬間、吹き飛びながらも男の魔力の質が変わる。その赤い目が紫色に変わる)
        (瞳孔が濃い紫色の十字紋をとなり、男の魔力が自身を中心に渦のように渦巻く。そうして)
        秒針よ逆巻け、砂よ舞い上がれ、水よ器に戻り…陽よ東に沈め。…さあ、"もう一回"だ
        (『逆行』の回復魔法。男の紫十字の瞳孔が紫光を放つ。ライムントの放つ剣閃は、白髪男の身体を両断し、更に分かち、斬り、心臓を、内蔵を、四肢を幾つもの肉塊へ分断する)
        (屋敷の庭へ、大量に血飛沫を撒き散らして男だった物は無残なただの死体となって大地を赤く彩る…はずだった)
        (瞬間、ぴたりと男の肉と血が、空中で止まり、吹き出した血は肉へ収まり、散らばった肉は身体となり、まるで時が遡るように戻っていく)
        (それは治癒や、ましてや再生などの次元ではない。まさに時が遡っているのだ。白髪男の…回帰の悪魔の肉体だけが)
        (身体の修復だけに留まらず、衝撃波によって吹っ飛んでいた悪魔の身体が逆再生のようにライムントへと近づいていく。つまり、吹き飛ばされたという時間さえ遡っている)
        …ただいま(瞬く間に、男は、嗤う悪魔は、父たらんとする剣鬼の目の前へ。そうして、ぎり、と右腕を大きく後ろへ引き絞る)
        (右腕に大量の魔力を込めて、その瞬間、最も威力と速度を発揮するような形へ改良。そして放たれる、悪魔の右腕)
        (どれだけ技を極めようと、それを越えうる速さを。拳は音速を遥か越え、ソニックブームを発生させながらライムントへと一直線に放たれた) -- ケイル 2021-02-21 (日) 23:53:05
      • ちぃっ!?(震脚が生む衝撃波 それ一手で撒き散らした炎を全て吹き飛ばされた ……逆に言えば、一手は使わせた それだけは救い)
        (しかし次に迫るのは、裂帛の気合が乗った回転斬り)まずっ……(だがそれも、一手を割いてもらったが故に対処の時間を得る)
        (横薙ぎ、ということは縦に躱せばいい だが単に跳躍しただけでは返す刃で唐竹割り だから)ここまで飛べばッ!!(炎を吹き上げ、高く高く飛ぶ)
        (もしそれを追えば、今度はケイルか綺琳に背を晒すことになる フラフラしているだけでも状況を動かせる)
        (だがここで仕掛けなければ、飛んでいるだけのカトンボを無視するだけ だから)こっち、だっ!!(真上から炎とともにギターで殴りかかる この威力で叩き割れる相手ではないが、一撃与えればそれだけで大きい) -- ヴェロニカ 2021-02-21 (日) 23:55:59
      • (空中に舞った石畳の欠片が粉微塵になり、停めてあった馬車が上下に分断され、生垣が、噴水が、階段が、石壁が…周辺のあらゆる物が、刃に触れずして両断される)
        (その破壊で少なくとも前衛のケイルは確実に仕留めた、そう手応えを感じた。しかし)…参ったね、これは…生半可な回復では追いつかない一撃を叩き込んだつもりが…
        (肉体そのものの時間遡行という、想定外の魔法で凌がれ瞠目する。ケイルが元に戻る間にも、綺琳の放った虎張子が接近してくるのが見える…ヴェロニカが上に避けたまでは見たが、それ以上視線で追う余裕は無い)
        (瞬時に優先順位を判断、まずは虎が最速で此方に到達すると見て 回転切りを終えた体勢からの切り払い!)…獲った!!(凄まじい音と共に、虎の前足と剣がぶつかる)
        (この男が一つだけ失念していた事が、ここで仇となる。虎の前足を落とすはずだった刃は半ばから砕け折れ…宙を舞う。大技に剣の耐久性がついていけなかったのだ)
        な、にっ……?(それでも最小限の動きで回避を行うことで、叩き潰される事態だけは防ぐ。代償に、肩から腰にかけてざっくりと爪で引き裂かれはしたが…)
        (次はケイルに対処しなければならない。折れたとはいえ剣の刃はある。斬撃を飛ばす分には何ら支障もない…逆行の回復が何度使えるか分からないが、最悪根競べである)
        だが、これぐらいで…おおおおおおっ!!(もう一度横に剣を振る時間は無い。ならば一点突破…暴風の如き剣気を纏った突きを、ケイルと刺し違える覚悟で繰り出す)

        (その直前、更なる誤算が上から襲い掛かった。炎を纏ったギターの一撃が、強かに頭を打ち据える…威力は兎も角、突きの狙いを大きく逸らされ…)
        ご、ふっ……!!(超音速の拳が深々とライムントの胸に食い込み、背にまで抜ける大穴を穿った)……やる、なぁ…(血の塊を吐き出しながら、倒れ伏す。勝敗は決した)
        …行きなさい、テレシ…ア…… もう、待たなくて… いい………(その言葉を最後に、元親衛隊長は事切れた。剣の柄だけは最後まで手放さず)
        -- ライムント 2021-02-22 (月) 20:26:46
      • 見事じゃライムント・・・・(老いてなおこの奮闘・・そして死して尚、剣を手放さぬ闘気を素直に称賛する)
        ・・・あっ!(思い出したように声を上げる)・・・しもうた・・生かしておかなければ娘を釣れぬではないか(あちゃぁと顔を抑える)
        蘇生で蘇ってくれれば良いが・・・(生きる意志がない者の蘇生は難しいというのが綺琳の見解であった)
        兎に角娘の方を追わねば・・・ -- 綺琳 2021-02-22 (月) 20:34:10
      • (殴り抜いた感触はよし 大きく息を吐いてギターを持ち上げ、肩に担ぐ)
        「コーボー」は筆を選ばず、だっけ?そうは言っても武器の差が勝敗を分ける事もあんのねぇ……(魔王軍開発局製のマジカルギターは燃えても殴ってもなお頑強 死を象徴するニワトコ製は伊達ではない)
        餌として活かす?……止めといたほうがいいわよ この手の手合、生き返ったら即座にイキイキして殺しに来かねないわ(自身の蘇生魔歌ではどうか、と思うが試したくはない)
        それよりテレシアよ。早いとこ落とし前付けなきゃ(ギターを背負い直し、拳を打ち付けて) -- ヴェロニカ 2021-02-22 (月) 20:46:56
      • …ふう…。ヴェロニカちゃんの意見に賛成だね、仮に出来るだけ瀕死の状態で蘇生させようとも、その窮地から切れる切り札を持ってる可能性を考えるべきだ。
        それに…その時間を使うならテレシアちゃんを追った方がいい。綺琳の策は追いついてからでも使えなくはないし、ね。
        (自分たちが彼女に追いつく、その事実そのものでも充分に揺さぶりになりえる可能性を提示し、屋敷の中へと歩を進める) -- ケイル 2021-02-22 (月) 21:16:35
  • BGM
    (これは、人間と魔王軍との戦いがひとたびの停戦を迎える、その前夜のお話)

    (クラメル家別邸。魔王城からも程近いそこは、情報部設立時にその拠点として改装され…現在も変わらず魔王軍の情報収集の中枢を担っている)
    (しかし深夜ともなれば、そこで活動する人員は僅か。この屋敷に自室を持つ者と、深夜のシフトで勤務する少数の者。)
    (そして、この後の会談のため別室で待機する者たち。会議室と、お茶の準備が整う僅かな時間を待ってもらう事となっている)

    cantia sariata amaristia atolta
    sarita camiyata mirifiria marita
    alita samari mita alitamari mia...
    (バルコニーのある一室で、会談前のひと時を過ごす二人。少女は窓辺で静かに歌い、ソファーに腰を下ろした少年はそれに聞き入る)
    …久しぶりに聞いたが、変わらず良い声だ。疲れが消えていくかのようである(歌い終えた少女にそう賞賛し)
    -- クローディアス 2021-02-21 (日) 20:18:43
    • …ありがとうございます。多忙な日々が続きますので、せめてもの癒しになれたのであれば…幸いです。
      ところで…クローディアス様。ケイル殿から処方された薬は服用なさいましたか?
      (呪いの影響の大半は綺琳の処置によって消えたが、残り僅かの症状を抑えるための薬…就寝前に毎日欠かさず飲んでいるものだ)
      -- T 2021-02-21 (日) 20:19:47
      • うむ、会談を済ませたら寝るゆえ…飲んでおいた。どういう訳か、今日は特に苦く感じたがな…風邪でも引いたのであろうか?
        (そんな折、会話を遮るように壁際に設置された魔導通信機の呼び出しベルが鳴る。億劫そうにソファーを立ってそちらへ向かい)
        む…? 交換手は…あぁ、休憩時間であるか(時計を見れば、そう呟き 通信機の操作盤上で魔石が点滅する番号の箇所にコネクタを差し込み)
        (レシーバーを手に取り)僕だ。…どうした、このような時間に… うむ。 なに、それは確かなのか? …分かった、すぐに対処させる
        (通信を終え、コネクタを外すと慌しくメモを取り)…どうやら今日は徹夜が確定しそうである!待たせていたヴェロニカ達にすぐ…… ……!?
        (通信機前の椅子を立ち、振り返ってTを見たつもりだった。その瞬間…世界が黒一色に包まれる。部屋の明かりが全て消えたとしてもこうは行くまい)
        -- クローディアス 2021-02-21 (日) 20:20:44
      • (視覚を奪われ、聴覚も機能していないのか全てが無音。声を発そうにも何もできず…その場から一歩たりとも動けないのだ。前は、後ろは、右は左はどちらなのか)
        (今、床に触れている靴底の感覚だけが、辛うじてそちらの方向が下であると理解できた。しかし、それも束の間。体の中央を何か強烈な衝撃が突き抜けた)
        っ………!(痛い。痛い痛い痛い。焼けるような痛みが胸に走り、生命の危機が鳴らす警鐘に、無理解の空間の中で自分という存在をようやく認識する)
        (今しなければならないのは、どうにかこの原因不明の干渉を脱し…通信で報告された内容をこの場にいる全員に知らせ、速やかに対処に動くことだ)
        (次いで、頭部に強い衝撃。両足が床から離れたのが分かる。 だめだ、立ち上がれ。だが痛い…Tは近くに居るのか?同じ術中にあるなら、一刻も早く…)
        (Tって誰だっけ…? やらなければならない事って、何だったか… 足に力が入らない。 痛いって、何だ…? 僕は……一体…?)
        (意識が遠く、どこか知らない場所へ落ちていく。勇者への復讐もならず、名誉の挽回もできず…何もかもを取りこぼし、失敗だけを抱え…その命はぷっつりと途絶えた)
        -- クローディアス 2021-02-21 (日) 20:22:54
      • (室内に響く銃声は、消音器のお陰でさほど大きくは無い。せいぜいドアを開け閉めする程度の騒音だ)
        (心臓に一発、頭に一発。鮮やかな手際だった。今まさにそれを成し遂げた下手人は、未だ霧散するマナが立ち上る銃口を下ろし)
        …ごめんなさいね、さようなら。(胸部からおびただしく出血し、破壊された頭蓋と脳髄が壁を汚す無惨な死体となったかつての主に、そう告げた)
        最後まで私を信じてくれて…感謝するわ(ポケットから出した薬瓶を、机の上にあったそれと交換する。本来の、ケイルから処方されたそれに)
        (すり替えたのは魔法による暗示を大幅に高める薬品。そして歌に詠唱を乗せ、無理解の魔法を行使するやり方は、ヴェロニカの魔歌を参考にした)
        (机の引き出しから、更新されたばかりの新しい暗号表と、機密資料の幾つかをトランクに詰め込む)
        (窓の外を見れば、森の向こう…魔王城の方角で火の手が上がるのが見える。懐中時計で時刻を確認すると、窓を開けてバルコニーへ出て)
        ……潮時ね。(そのまま下へ飛び降り、夜の闇へと消える)
        -- T 2021-02-21 (日) 20:24:27
      • (別室で待機していた面々も異変に気付くだろう。不自然な魔力の干渉、魔法を使った痕跡…そしてそれ以上に)
        (陶器の割れた音。クローディアスを呼びにきた女中が、室内の惨状にティーセットを落とした音だ)
        (現場へ向かえば 開け放たれたドアの前で目を覆い、錯乱する女中。中には射殺された屋敷の主の死体)
        (まったく抵抗した素振りも見えないのは、不意を突かれたからなのか。同じく開いたままの窓から、夜風が吹き込む。)
        (通信機の脇に置かれたメモが風に乗って床に落ちた。走り書きで記されたそれは)
        (「魔王城牢獄にて脱獄 人間が手引きした可能性 北西方向に逃走」と書かれている)
        (魔王城の方では火災らしきものが見える 魔王城から北西にあるのがこの屋敷…今まさに、屋敷前の道を高速で走っていく囚人護送用の馬車があった)
        (このような時間帯に通行する馬車は普段無い。 遠目にだが、走っているそれに飛び乗った人影のようなものも見えた)
        (幸い、屋敷前には送迎の為にクローディアスが用意させたクラメル家の馬車が今も停められている 今からでも追跡はできるだろう) -- 2021-02-21 (日) 20:25:24
      • (ぱりーんきゃー!)な、何じゃ!?(慌てて部屋に駆け込めば)これは・・・(目の前の惨状に息を呑む)
        ・・・脱走・・人間?(メモを見て、バルコニーから外に出て城を見る)なんと・・・一体何が起きておるんじゃ・・ -- 綺琳 2021-02-21 (日) 20:34:40
      • (本日は佳境を迎えた戦線に決着を付けるべく、情報部が音頭を取った会談が行われる予定だった)
        (しかし、その直前になって歌の悪魔の耳が違和感を捉える 執務室で陶器の割れるような音 続いて女中の叫び声)
        何よ何よ!?(流石に異変を感じ、執務室に踏み込むが)……っ!?(目の前には、信じるに値すると認めた上司の変わり果てた姿)
        な……何よこれ!?(動揺が判断を鈍らせる しかしそれでも、次第に飲み込めてくる 彼の身体から流れる血潮 心臓と頭部、見事に貫かれた二撃)
        あ、あん、暗殺……!?(野望を抱いたばかりだというのに、こんな事があってたまるか そんな怒りすら空回りして声にならない)
        さん、ぼう……!!!!!(部屋の惨状を目に通し終わってようやく声に怒声が乗った そして取るべき行動は決断的だった)
        野郎!!!ブチ殺してやる!!!!!(ガン、と机に拳を叩きつけ、屋敷前に止められた馬車へ駆け出していった ……己の手の中に、蘇生魔歌があったはずということすら忘れ) -- ヴェロニカ 2021-02-21 (日) 20:46:10
      • ……これは…。急ごう、今は彼よりも彼をこうしてしまった原因を先に抑えた方がいい(メモを見て)…恐らくはクローくんもそれを望んでる。
        馬車はあるようだ、今ならまだ間に合いそうだしね(部屋の机、その上にあった自身もよく知る薬瓶を見る。今までどうにも覚えていた違和感、それを薬瓶が象徴しているような気がして)
        (そうして、怒りのままに叫ぶヴェロニカの後を追って、部屋を飛び出していった) -- ケイル 2021-02-21 (日) 20:50:40
      • ・・やれやれじゃの・・・大事な時期だというのにこんな事になるとは(皆について馬車に乗り込んだ) -- 綺琳 2021-02-21 (日) 20:53:15
      • (屋敷前で待機していた馬車の御者は、「もう会談はお済みになったのですか!?」とあまりの早さに驚いているが、事情をかいつまんで説明してやれば追跡に協力するだろう)
        (そうして全速力で馬車を走らせれば、前方を走る護送用の馬車の後部が見えてくる…その屋根の上には、小さな人影。)
        ……もう追っ手? いや、あれは……(追ってくるのがクラメル家の馬車であると遠目に分かれば、屋根の上に立ち…トランク型魔法銃を構える)邪魔は…させない。
        (最初から遠慮なしに魔法弾のフルオート掃射。まだ距離がある為、着弾はだいぶ散っており…威力も減衰しているが、それは抵抗の意思表示には充分すぎる。幾つか馬車への直撃コースの魔法弾もある)
        -- T 2021-02-21 (日) 20:58:51
      • クローディアスが暗殺された!急げ急げ!下手人を捕らえるのじゃ!(ばしばし叩いて走らせる)
        む・・こいつはマズいの・・・ (ばしばし撃ち込まれる弾丸を見ればよいしょっと頑張って屋根に上る)
        (小箱を開けば、わらわらとイナゴの群れが湧き出てくる・・・綺琳が誇る呪符張子の秘宝の一つ、地の秘宝)『禁忌を守りし群蝗』
        (イナゴの群れはその一つ一つが防御フィールドの発生装置だ、互いに干渉させる事で強力な防御壁を作り出し、弾をはじく!) -- 綺琳 2021-02-21 (日) 21:07:57
      • (馬車の上にある姿。その姿を視認した瞬間、違和感は確信へと変わる。そして…浮かぶのは笑み。薄く長く引き伸ばされた唇が作り出す、楽しそうな笑みだ)
        ……どうにも、あとでクローくんには謝らないといけないね。俺がちょっとした手助けをしてしまったようだ。
        さて、今夜はどう呼べばいいのかなレディ・T!まさか、トランクケースとは言うまいね!!
        (叫びながらこちらも馬車から飛び出し、御者台へと素早く移動する。そうして御者と馬を守るべくその身を盾にして直撃せんとする魔法弾の一つを)
        ふんっ!(横合いから殴りつけ、弾き飛ばす。しゅうう、と拳表面の皮膚がズタボロになり、血が溢れるがそれは見る間に紫光を放ち修復される) -- ケイル 2021-02-21 (日) 21:08:48
      • (追いかけた馬車の姿が近づくにつれ、その上に陣取る女の姿が目に写ってくる ……死した参謀の、副官であったはずの女)
        Tッッッッッ!!!!!(その姿を捉えた瞬間、怒りが爆ぜる 義侠心が服を着ているような女だ 裏を返せば、裏切りは何よりも許しがたい)
        テメェ!!!アタシらを今まで謀ってたのか!!!!!(怒声を張り上げ、こちらも馬車の屋根の上へ上り)
        潰れろッ!!!!!!!(マジカルギターを鈍器のように持ち振り下ろす 奏でた音が音の戦鎚としてTごと相手の馬車目掛け振り下ろされる 怒りが成したのか、形成される魔力が常とは比べ物にならない)
        (しかし……怒りに我を忘れ、自分の得手を放り出した女など、パワーが増したところでさほどでもない 銃弾が身を傷つけ、体力を奪っていく) -- ヴェロニカ 2021-02-21 (日) 21:19:24
      • そうね……今日の気分は、もう素性を隠す必要もないし…本当の名前を教えてあげる。 私はテレシア…名前だけでも覚えて、死んでいくといいわ。
        (こと、馬車同士のカーチェイス(?)に関しては、馬と御者という弱点を前面に晒す追跡側が弱い。それを見越しての射撃だったが)
        なに、あの虫は…イナゴ…? 綺琳の、ということは…呪術…。 ケイルの方は、何とも…強引な防ぎ方だわ。(二人の防御方に、してやられたという顔で)
        そして、ヴェロニカ…あれだけ情報部にいて、まだ貴方何も分かってなかったのね?私達は、嘘をつくのが仕事…騙される方が馬鹿なのよ。(感情のこもっていない声で、そう告げる)
        怒りに我を忘れて、冷静さを失った貴方なんて…恐れるに足らないわ(とはいえ、音が魔力として形を成したその破壊は、魔法弾の迎撃では相殺しきれず…屋根と車体を大きく損傷させた)
        もう少しだけ持ってくれれば、それでいい… じっくり味わいなさい。(ごろごろと後ろに向けて放るのは、情報部が逃走時に用いる閃光弾。攻撃が通らぬと分かれば、馬自体を驚かせる方針に即転換 果たして防ぐ術はあるか…)
        -- テレシア 2021-02-21 (日) 21:31:52
      • (ヴェロニカの声が響く・・・すまんのぅと心の中で詫びつつ正面を見据えて)
        む?何か転がってくる・・(取り敢えずイナゴの群れで防御壁は作るが、それらは閃光を遮断するような物ではなくて・・・) -- 綺琳 2021-02-21 (日) 21:39:55
      • アタシが銀の手とシンセロ(あのクソ野郎ども)にどれだけブチギレたか知ってて吐くセリフかよ!!!(音の槌撃は馬車を捕らえはしたが、機動を奪うには至らない)
        吐いた唾ぁ、飲み込むんじゃ……ぐぅっ!?(しかしその威勢も閃光弾をばら撒かれるまで 強烈なフラッシュは意識をも一瞬刈り取る)
        (……それが逆に功を奏し、理性の手綱を取り戻す 怒りを一瞬忘れた事、一杯食わされた事で「真っすぐ行ってぶっ飛ばす」以外の選択肢を取り戻した)
        (それはいいが)くっ、そぉっ!!!(閃光弾で馬が視界を失い、馬車が揺れる 屋根に必死にしがみつくしかない 立て直すまでは) -- ヴェロニカ 2021-02-21 (日) 21:42:55
      • テレシア…いい名だ。ぜひ後ほどゆっくりファミリーネームも聞いてみたいもんだね。…お茶の時間くらいはあるんだろ?
        (へらりと笑って、眼前で拳を振るう大柄な男に驚く御者の前に立ち、幾らでも撃ってこい、という風に仁王立ち)
        (その周囲にはイナゴが舞い、防御壁を形作っている。もはや相当な重火力を用意せねばこの二重の守りは突破できまい)
        (ひゅう、普段見たこともないような攻撃的な音を放つヴェロニカの魔力に口笛を吹き、伝説と呼ばれた男の姿を思い出すが…)
        ……こりゃまた。ちょっとこれは厄介だね。仕方ない…(転がってくる塊は、以前情報部から提供を受けた装備品の中にも同型の物があった)
        (だからすぐさまいつもはずり下げている黒眼鏡を引き上げて、自身の閃光防御をし、御者台から馬の上に飛び乗り)
        動物虐待は趣味じゃないんだけどねぇ(閃光にたじろぐ馬の目を紫光を宿す指先で一瞬にして"潰し"て"治す"。馬の視界は即座にクリアになるだろう) -- ケイル 2021-02-21 (日) 21:48:40
      • (閃光が夜道を明るく照らし出す。その隙に馬車を加速させ、街道から逸れた脇道へ入っていく…ケイルが馬の視界を瞬時に戻していなければ、そのまま直進して見失うところだったろう)
        思ったよりしつこいわね…でも、ここは私達の勝ち。(土の路面が石畳へと変わり、大きな門を通り過ぎると…その先には屋敷が見えてくる)
        ゴールは目と鼻の先…ここまで到達させた時点で、貴方達の負け。 残念だったわね…(馬車が屋敷の正面で止まり…その屋根の上から飛び降りる)
        -- テレシア 2021-02-21 (日) 21:58:01

Last-modified: 2021-02-22 Mon 22:49:43 JST (1120d)