ももまんじゃよ！
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- 騎士の黄昏�� --
- (騎士団からの隊員が３人。魔法騎士団から３人、うち一人は俺の従者希望者らしい。国軍から魔法兵と機械整備担当が１人ずつ、計８人。これが俺の隊になる)
(実戦経験があるのは騎士団員の三人。若手だが団員としてはベテランの方のようだ、いずれも３０を超えている)
(残りが若い…全員十代後半、整備兵に至っては14との事…)
騎士団員以外曲者ばかり回されたぞこれは…
…有名な家のお穣さんまで居るしな。団長もやってくれる…さて
(立ち上がる。まず、従士を捕まえて、全員を集める事にした) --
- 騎士の黄昏 --
- (黄金暦203年 11月下旬。我が国領内の緊張は頂点に達し、一触即発の状況であった)
(魔法騎士という身分がありながらも、魔法騎士団が集合している首都に辿り着くには時間がかかった)
(現在対立している国軍・騎士団双方が、肩入れをほのめかしてくるからだ) --
- この時期だからこそ、だ…騎士団側にも、国軍側にもついていけないとして脱出してきた者達がいる
現在、彼らを魔法騎士団の従士待遇で受け入れているのだ。ついでに、君の隊には「新入生」もいるがね
総員、君を含めて９名。手綱を上手く引いてやる事だ…質問は？
(書類を差し出してこちらに問う。書類の中身はメンバーの詳細) --
- (新入生。つまり魔法騎士養成学校、上がり立ての新人が居ると言う事だ…能力はある程度保証されているが、新人には変わりない)
ハッ。…この件に関しては特にありません…魔法騎士団が、今後どう動くか。その方が気になります
(真っ直ぐに団長を見据え、そう問う) --
- それか…この諍いは、もう和解では終えられないだろう。いかに、事を早急に納めるか。周辺国家の介入を招く前に片付けられるか
国の存続を思えばそこを重視せざるを得ない。このまま正面から激突すれば…機械化を始めた国軍が勝つが、実戦経験が浅いため騎士団が国軍に相当なダメージを与えて終わり、そんな所か
無論、騎士団につくべきだという主張があるのも知っているが…現副団長辺りは特にだが。故に
魔法騎士団は自由活動とする。内部の意見集約を「穏便に」している暇は無い
名目上は各隊毎の任意行動だ。故に魔法騎士団員には全員隊を組ませた
動け。国のためと己が信ずる通りに。我々魔法騎士はそれが出来ると王に託された…覚えているな。やってみせろ…レイミス副団長の様に --
- …(全て聞いて、国の現状は深刻だと改めて悟る)
騎士は…王に仕えるものではありますが。理念、理想としては民の為に戦うべきかと自分は思います(国軍側について、騎士団を止めるという意思表示だが)
…父ならきっと。身分が失われる事となったとしても戦うでしょうし…俺も、それでいいと思っています。では
(一礼して退室する。時間は余りにも少ない。きっと１２月には戦端は開かれ…年を越すまでに決着しなければ、終わりだろうと思っていた) --
- 彼方さんと連絡が取れなくなってからしばらく経ち、結局私は最後の行動を師匠の手を借りて行う事になった
師匠が休暇を取る口実に使われた気もするが…まあ、そこは我慢する --
- 途中は割愛したくなるほど簡単で、私の仇を捉え、尋問中に狙撃してきた相手も捕縛…師匠の護衛の人はまた恐ろしい技量でした
…それはともかく。とりあえず、私たち家族が狙われた原因がだいたいの所判明した --
- ・賊の狙いは私の右腕にあった「聖痕」と呼ばれるモノだった事。兄の目にも何かあったのかもしれないがそちらは確証得られず
・父を疎み暗殺したがっていた勢力と「聖痕」を狙う勢力が協働して動いた事
・下手人はこれで全て捕えたが、裏で指示した人間は健在である事 --
- 以上である。
裏で指示した人間…恐らく国元の貴族の誰か、それを見つけ出すのは私では難しい
ここからは、素直に全て兄さんに話すべきだろう…私には別口の働き場所に誘われた事もあるし
ともかく、冒険者を続けながら動けと言われたので…家に、ようやく帰る事にした --
- 黄金歴１９３年。７月。シュナー１３歳 --
- (城下町にも裏通りくらいはある。治安のいい街ではあるが、喧嘩もまたあるものだ) --
- (酒場近くで目にしたそれは、しかし喧嘩というよりは一方的な制裁だった)
(５人が一人を囲んで殴る蹴るの連続だ。それを見て…深く考えずに突っ込んで行って、乱闘になった) --
- (二人程倒したのはいいが、やはり死角を突かれ横腹を蹴られる…が、それを掴んで投げ飛ばす)
(だがそれも動作が大きすぎて後ろから殴られた倒れ…同じく倒れていた被害者と目があった) --
- (怯えているその目は…と深く考える前に気力を振り絞って立ち上がり…周囲に居た残りが全て倒れている事に気付く)
(そこに立っていた白髪の老人が…この先俺が老師と仰ぐ人物だった) --
- 黄金歴１９３年。６月。シュナー１３歳 --
- (月一の模擬戦が終わると目覚めるのはいつも医務室だ)
(ほどほどにしておく他の生徒と違い、常に全力で向かい、それでも死角を突かれ打ち倒される) --
- (倒す側も片目相手だと余裕で、むしろ打ち倒すのを楽しんでいる素振りすらあった。騎士道がどうとかはもはや別問題である)
(その後、さすがに二ヶ月もすると宗家の耳にも届いたのか直々に呼びだされた) --
- (忸怩たる思いで呼びだしに応じると、案の定最終通告染みた物が来る)
(９月。後期の始まりの総合模擬戦試験、騎士団のお偉方も来る試験にて最低５０位を超えなければ破門、放逐するという) --
- …不味いな(焦る。宗家付きの侍従や騎士たちも好意的な視線を向けて来る事はない。事実、孤立していた)
(それが何より自分の弱さゆえというのが悔しい。だが、どうすればいい？ 失った目は戻らない。剣は使えない。魔術は平均並) --
- (失意のまま街をあてどもなく彷徨う) --
- 黄金歴１９３年。４月。シュナー１３歳 --
- (晴れて魔法騎士団養成学校に入学。眼帯の事は度々質問にあたったが、なんとかなった…最初の内は)
(入学してすぐに今後の方針説明。意外と自由時間はあるが、成績付けは完全な実力性) --
- (毎月末に全学年全生徒による模擬戦がトーナメント式で行われ、１００人の中での細かい順位付けが行われる)
(座学の時間・魔術実践の時間はそれなりの成績を残せた。だが、よかったのはそこまでだった) --
- (総合模擬戦。要するに多少ルールはあるが決闘形式での戦闘だ。最初の順位付けは総当たり式で長くかかる。その結果は)
(100戦99敗。笑えるほどに敗北した。戦う度に敗北し、地に伏せる。拳が届かないというレベルではない) --
- (最初の試合で曝した分かりやす過ぎる弱点を突かれたのだ。１勝は最初の試合でかろうじてもぎ取ったそれのみ)
(つまり敗因のほぼ全てが隻眼故の死角から来る不意打ち、一撃。魔術であった) --
- (成績は当然の如く１００人中９９位。下が居ただけ驚きである)
(片目の出来損いと渾名されるのにそう長い時間はかからなかった) --
- 黄金歴１９３年。３月。シュナー１３歳 --
- (僅かな荷物を抱えて異国の病院を後にする。傍らには宗家からの案内人)
(見上げる空は青いが、右目が見えないせいで半分だけの空だと思った) --
- (屋敷の門の前に着く。生まれた家の５倍はありそうな敷地。代々何人もの騎士団長を輩出した家柄なのだから当然か)
(ちょっとした公園以上に広い庭を歩いて抜け、本邸に入る) --
- (数十分待たされた後、宗家と面会する事になった)
(外部から見た事故のあらましを聞かされ、妹は行方不明、両親は死んだと改めて聞かされる) --
- (そして言い渡されたのは、慰めでも傷の具合でもなく、騎士になれという事だった)
(魔法騎士団副団長であった父の後を継ぎ、魔法騎士団に入れと) --
- (入学出来れば宗家に仕える事を許す。出来なければ、断れば放逐する。一定の遺産はやるがな、と)
(騎士になる事に異議はなかったし、父の後を継ぐ気もあったので承諾)
(レイミスの名のおかげもあったか、魔法騎士団養成学校には推薦入学出来た。これからすぐに入学する事になった) --
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