2022年4月 水白市奈多区 菊理ビル6階 †
馴染みのある顔と、まだ見慣れないない顔と。卒業し水白を去った者もいれば、新たに参入した一年生もいる
顔ぶれの変化はあれど、この街を怪異から守ろうという気概は皆一様だった
裏世界が無くなった今、平坂会の性質は怪異ハンターの互助組織という形に変化した。
ボクのここでの仕事はといえば、新たな平坂会を軌道に乗せること。
そしてこれから一年の間に諸々を他のメンバーに引継ぎ、滞りなく運営できる形にすること。
そのために、苦手な書類仕事もアリシアから習いながら悪戦苦闘する日々だ
時計に目をやれば、そろそろ時間だ。和やかな空気が徐々に緊張を孕んだものに変わりつつある
目深に被ったフードの下、顔が見えないように注意して口を開く…といっても、ティランの口をだ
「このメンバーでは初の総力戦だ。だが臆する事は無い、先輩から離れなければ必ず誰かがカバーしてやる。
そして手柄を立てようと一人で先走る事は厳禁だ。必ずチームでの行動を心がけろ…それさえ守れればいい。
平坂会はメンバーを誰一人死なせはしない。…私からは以上だ。」
今のボクのコードネームはコンジュラー、すなわち二代目だ。
最初にやった時は、予想以上に低い声が出て驚いたものだが ローブ姿も一人称も、この声も、だいぶ慣れてきた。
まだ時々、もどかしくなって前線に飛び出したくなる衝動はある
しかし、いかに頼もしいとはいえ桃田たちBチームやCチームのサポートを放り出す事はできない。
自分の責任を考えれば、勝手な行動は抑制できる。我ながら変わったものだと小さく笑う。
通信機のマイクをローブに付け、端末を片手に全チームの動向を把握しやすい地点に先行する
「終わったら私の権限で全員に焼肉を奢ってやる。…では、作戦開始!」
今日も水白の夜が慌ただしくなっていく。
2024年9月 フランス某所 廃城 †
苔むした橋を渡り、朽ちた城門の前に立つ。
人の手が入らなくなり荒れ果てたこの廃城に住まうのは、悪辣なる怪異。
半ば崩壊した塔ごしに見える月は雲に翳り、立ち込める霧が異様さを引き立てる。
だが、今宵の来訪者はそれで怯むような者達ではない。
「町の者の情報通りだな。この気配…奴は城内にいるとみて間違いない。」
「ここがヤツの根城……って言って、本当に拠点が城なのは流石に初めてだなァ…」
「だが、城主気取りで領民の血を啜る怪異も今日限りだ。盛大にノックして来客を知らせてやるとしよう。」
ボクの隣に立つ少女…アリシアは、悪そうな笑みを浮かべて足元から長剣を引き抜く。
白く細い手に握られ…無という鞘から抜かれ、月光を煌めかせる刃。一連の動作の美しさにいつも見惚れてしまう。
此方も愛用のブローニングをホルスターから出す。手元に伝わる金属の冷たさが気持ちを引き締め、戦いのそれへと切り替える
城門が否定の刃によって綺麗に一文字に裂かれ、崩落すると同時に城内へ
食事を妨げられた異形の怪異が、怒りも露わに咆哮する。
「少々ノックが派手すぎたかな? 夜分遅くに失礼するよ、配達人が荷物を持ってきた。品名は「オマエの滅び」だ…送り状にサイン貰えるかい?」
「ふふふ、何年振りかに聞いたなそのコードネーム。であれば私はさしずめ奴の処刑の執行人といったところか。」
「ふと平坂会にいた頃思い出してね…皆どうしてるかなーってさ。…アリシア、夜明け前に片付けよう。で…明日は観光に決めた!」
「たまには連絡をとってみるのもいいだろう。…気軽に言ってくれる。そうだな、どこへ行くか決める為にも速やかに処理してくれる」
どちらが合図するでもなく、同時に駆け出していく
この数年間、各地で怪異を狩り続け…二人の息は完璧に合うようになったと思える。
片方が前衛をする時は、もう片方がそれを援護し…同時に仕掛ける時は言葉が無くても察せられるようになった
世界のどこにでも現れ、怪異を狩る…人助けが趣味の、永遠を生きる黒衣の少年少女。
少しずつだがその噂も各地に広まりつつある。本当の永遠を得る為には、これが伝承として根付くまで続ける必要があるだろう。
人の想いから生まれるのが怪異であれば、人の世が続く限りこの戦いに終わりは無い。
永遠の戦いに身を投じる事に、ボクは何らの後悔も躊躇も感じない。
彼女は、2000年間これをたった一人で続けてきたのだから。
その隣で、孤独を癒し…癒され、苦労と幸福を分かち合う。それだけで十分にお釣りがくる生き方だ。
誰かの人生なんて御免だ。
そう思っていたボクが、他の誰にも真似できない、自分だけの人生をようやく見つけられたのだから。
ボクのやるべき事は分かっている。
2027年6月 ロシア ディザストロ本部 ヘリポート †
真っ黒な終焉が近づくなら せめて今だけ青空を見せて
「あら、随分可愛らしいガールフレンドを連れてきたのね…フェル。」
炎上する施設を背にして、場違いな言葉で迎える黒髪の女。
ククリナイフを手に、嫣然と微笑むのはディザストロ時代の師にして、組織随一の伝説的暗殺者…スヴェトラーナ。
そして…今となっては彼女がディザストロ構成員最後の一人だ。
「結局…あんたが最後か、黒兎。 言っておくけどアリシアは可愛いだけじゃなく、途方もなく強いぞ。」
「知っているわ。始源の少女アリス…そんな子を味方に引き入れるなんて、どういった手を使ったのかしらね。
おかげで私の職場がなくなってしまったわ、貴方達の内臓がどんな色をしているか確かめるぐらいでは…支払いきれない代償よ。」
「悪趣味な…その名はとうに捨てた。お前はフェルにとって悪のせんせいらしいな…お前も今のフェルを形作るきっかけであり
居なければ今の私達は無かった…それについては感謝する。が、これまでの悪行を鑑みれば生かしておく理由は無い。」
「…そういうワケさ、今日限りでディザストロとの因縁も断ち切らせてもらう。降参は認めないんで、覚悟してよね」
ティランを顕現させ、異能のイメージを脳内で練り上げる。
相手はたった一人、怪異でもなければ異能使いですらない。だが、それこそが最も恐ろしい。
彼女に師事していた時は、とうとうそのナイフ捌きを習得するには至らなかった。
生まれ持っての優れた身体能力、長年の実戦に裏打ちされた経験と知識、勘。単純に「強い」というだけの相手がどれほど厄介か。
人の身でその境地に至るまでに、一体どれほどの犠牲を積み上げれば成り立つのか…それは今のボクでも想像がつかない。
どうやっても勝てるビジョンが見えてこない…しかし、戦いの火蓋はじき切って落とされる。
それまでに数手先までは見越しておかねば、即座に防戦一方に追い込まれる…そうなってはおしまいだ。
「…案ずるなフェル、私を信じろ。」
無意識のうちに震えていた手を、小さな手が優しく握った。
ただそれだけの事で、迷いは断ち切れた…隣の恋人を、最高の相棒を、信じればいい。
ボク達が負ける理由は…無い。
「素敵…今の貴方達、とっても素敵よ。だからこそ殺し甲斐があるというもの…絶望の表情を、見せて頂戴?」
決意に満ちた二人を見れば、嬉しそうにナイフの刃を舐めるスヴェトラーナ。
示し合わせた訳でもなし、三人の「黒」が同時に疾駆し、交錯した。炎の赤に彩られながら…
2031年12月 水白市吉峰区 吉峰展望台 †
「この夜景を見るのも…何度目だったかなァ、変わっていないようで…水白も少しだけ変わった。」
「八度目だ、伊上とイギリスで迎えたクリスマスの二回を除くのだからな。…あれから十年、人の暮らしも変わりゆくものだ。」
ほぼ毎年のように、クリスマスは思い出の地に足を運ぶ。それは二人の習慣となっていた。
そして水白の天候も、それに応えるかのように毎年、雪を降らせてくれた。
「皆も色々変わってたね、結婚してたり親になってたり…出世してたり。ボクからしたら、不思議な感覚だ。」
それは、自分が皆と同じ時間軸から外れてしまった事への感慨か。それ自体に後悔は無いが。
次第に周りから引き離されて行くような寂寥感を覚えるのはどうしようもない事で…
きっとアリシアはこの感覚をずっと一人で抱え続けてきたのだろう。
「ならば私達もそろそろ変化を求めるか、手始めに結婚だな!…冗談だ。フェル、寒くはないか?私は寒い…暖めてくれ。」
こちらの考えを見透かすような言葉に、彼女なりの気遣いを感じた。
そんな優しい嘘さえも愛しく思え、優しく抱きしめた。身も心も温まる思いだ
「しようと思えば、いつでもできるね…そしたらどこかに、ちゃんとした家が欲しいな。別にずっとそこに居るワケじゃなくていい。
今まで通り世界中を駆け回っても、最後に帰ってくる場所がそこ…っていう感じでさ? …ふふ、アリシアは暖かい。」
「定住か、それも良い…あのアパートの部屋も嫌いではなかったが。…一度、大雪が降った時のことを思い出すな、こうしていると。」
「あはは、ロープウェイが止まっちゃって下山できなくって…アリシアが階段作ってくれたんだよね あの時ばかりは異能に感謝だ。
今思い返すと随分無茶したんだなァ…いや、最初っからか。どうしても君に…この景色を特等席で見せたくてさ」
「ククク…私の特等席はいつだってお前の隣だ、フェル。だから…一緒に見る景色は、どこだって特別だ。」
「まーた悪そうな笑い方してそういう可愛い事言って…む!?」
そんなところがたまらなく可愛い、いつものようにそう言いかけた口を…アリシアの唇が塞いだ。
驚いたような顔をするボクの表情を見て、してやったりという満足気な顔。
「油断していたからな、その顔が見たかった。安心しろ、周囲に人が居ないのは事前に把握済み…んっ!?」
お返しとばかりに今度はボクからキスをする。
口を離し、視線を合わせると…自然と笑みが零れる。頬が、心が熱くなる。
これからもボク達の心のままに描いていく物語は続いていくだろう。
皆とは少し違った形だけれど、それが二人の在り方だから。
走らせた筆先で 奇跡を紡ぐ旅を始めよう
Happy end:「永遠を生きる黒衣の少年少女」 完
相談コメ †
シチュエーション?好きにするといいさ †
+
| | ロケーション表。使っても使わなくてもいいよ
|
秒数下一桁 | ロケーション表 | 0 | 教室 | 3-A教室。真ん中あたりの席で大抵読書しているのが彼だ | 1 | 水白中央訓練場 | シューティングレンジで様々な銃器を試射しているようだ その耳に合うイヤーマフ売ってるんだ… | 2 | 学食 | 以前と比べ、だいぶ普通な量の食事になった | 3 | グラウンド | 他の生徒に混じって球技に興じる姿がある。こう見えてスポーツも嗜むらしい | 4 | 水白川河川敷 | 川の流れをぼんやりと眺めている | 5 | 屋上 | 毎度のように休み時間ともなれば、ここでお菓子を食べている そんなにも空腹なのか? | 6 | ゲーセン | ガンシューティング以外に音ゲーもやるようだ | 7 | 校舎裏 | 人目を避けるように物陰に居るが…具合でも悪いのだろうか? | 8 | 水白駅前ショッピングモール | 模型店でプラモや塗料を吟味している | 9 | 路地裏 | 人通りの少ない方へとどんどん進んでいく彼を見かけたが、君はふと彼の姿を見失ってしまった | ゾロ目 | 怪異狩り | 夜の水白。人知れず怪異を狩る彼との遭遇は偶然か、必然か |
|
歪みは直すといいさ/旧コメ
設定 †
- グリーンワース・カレッジからの交換留学生という体で、水白高校に潜入した犯罪組織構成員だった少年
現在は離反し、アリシアの協力によって自らの死を偽装することで組織の目を欺いた
これまでの怪異犯罪の償いのため、平坂会の一人として怪異との戦いに臨む
- 人為的に怪異を植え付けられており、それを顕現させて戦う
身体能力はそれなりだが、あくまで一般人が簡素な訓練を積んだ程度のもの。専門に鍛えた者と比べれば劣る
- チンチラ系の獣人の血が混ざっているゆえ、大きな耳と長い尻尾を持つ。ふわふわ手触りは癒しパワー無限大
- 身長164cm、体重52kg、成長期の筈だが全く変わっていないのは怪異の影響のようだ
傷の治りも常人より遅く、治癒魔法などの類は効果が1/3ほどになってしまう
- 怪異を植え付けられた際に消失した記憶はごく一部だけ戻ったが、大半は失われたまま
今でも記憶に干渉する系の現象には拭い去れない恐怖心を抱いている
- 奈多区のアパートで
一人暮らしアリシアとの同棲生活だ!
異能「怠惰なる短針」
任意の30cm四方の空間を数秒ほど時間を停止させるファーストステージの異能。
効果中いかなるものもこの空間には干渉できない絶対防御と化すほか、足場として空中に設置することもできなくはない
効果範囲に生物を含めることができず、生物の居る場で発動した場合範囲内の生物は強制的に外に弾き出される
つまり相手の心臓を時間停止させる等の即死攻撃ができない事を意味するが…過去にはできた事もあるらしい
異能「鋭利なる長針」
怠惰なる短針の応用版、刃のように薄い範囲を時間停止させることで剣として扱うセカンドステージの異能
理論上、薄さを極限まで0に近づければ射程も無限に伸びる筈だが、脳への負荷とイメージが困難である為
実際にはショートソード程度のサイズで運用される。使用者が「柄」と認識した部位が柄になるため、掴んだ時に手を切る心配は無い
異能「勤勉なる秒針」
時間停止した空間の刃を、不可視の罠のように任意の地点に固定できるサードステージの異能
何かが触れるか、自分で消去しない限りはその場に残り続ける。複数設置でき、他の異能と同時使用が可能
その特性上、味方を巻き込む可能性が高く 現在はあまり使用されていない
異能「レギュラスの盾」
内なる怪異との和解の結果、覚醒した異能。どんな攻撃も一度だけ防ぐことができる不可視の防壁を味方全体に付与する
発動のタイミングは付与対象が任意に選べるが、攻撃と判定されるものであれば一発で解除されるため連撃のようなタイプとは相性が悪い
しかしながら、あくまで対象は味方でありフェル自身には使うことができない
発動そのものまでに時間を要することも難点であり、その間は他の異能が全く使えない状態となる
異能「コル・レオニスの鼓動」
フォースステージの異能を変異させた、全く別の性質を持った異能
味方に付与すべき防壁すべてを自分に纏わせるように包み込み、自身の肉体時間を完全に停止させることで、実質的な無敵を得る。
その場から動けない事と、心臓も停止してしまうことが最大の難点…であるため、5秒が限界である
効果時間終了直後も胸の苦痛でまともに戦う事が難しく、リスクの大きな異能といえる
合体技「バンダースナッチの顎」
アリシアとの合体技であるが、ケイオスエンドと異なり、アリシアの持つ剣を起点とする技
フェルの異能ではなく、ティランの能力をそこに注ぎ込むことで黒いオーラを纏い、切っ先に牙を持つ顎が発生する
一振りすればそれは実際の刃渡りよりもずっと遠くまで届き、それによって斬られた者は
この世界と似ているが誰も存在しない、別の世界に消失させられる事になる
+
| | 怪異「暴食の暴君」
|
破壊力:A スピード:D 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:E 成長性:E
性質は飢餓からの際限ない食欲。黒い靄で形成された獣っぽい何か。フェル自身はティランと呼ぶ
4つの赤い目、鋭い爪と歪で無数の牙を持つ近距離パワー型。乗用車程度なら持ち上げて放り投げられる
無機物だろうと何だろうと、口に入るなら大抵なんでも食える
同じものを多量に食えば、その性質を自らに反映できたりもする
現れる際はフェルの背から生えるように上体だけが伸びる。
元を辿れば天保の大飢饉の際の餓死者の怨念の集合体。
|
+
| | 七瀬
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厚生労働省の怪異対策部署である衛生2課の職員として、伊上から出向している
軍刀を提げ、風魔法と時間操作系の異能を用いる…その正体は奈々崎七緒である
一年前と比べて戦闘センスは格段に磨き上げられているものの
数多の修羅場を潜った代償として無数の傷を負い、右目の視力を失っている
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+
| | 人物禄
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名前/呼び方 | 備考 | 遠馬 閃光/ヒカリ | 無事デビュー戦を制した脚力は凄まじい。重くないんだろうか…胸。 | | 危険な目に遭わせてしまった。あの時間に合っていなかったらと思うと肝が冷える | 立華 千透/立華先生 | 魔眼持ちの教師。生徒目線に立った指導は好感が持てる | | まさか本当に魔眼で見ていなかったとは…とすれば、彼の苦労も窺い知れるというもの | 高坂 綾/高坂君 | リーダーとしての自覚も行動に反映され始めた。君の指示なら安心だ。 | | 最初の迷いはすっかり鳴りを潜めたように見える…葛藤はあれど、皆の信頼が背を押してくれるだろうさ | 祇 洋助/祇君 | 外見の印象から受けるほどに悪いヤツじゃない。むしろさっぱりとした真っすぐな男さ | | できることなら、卒業前に元の体に戻れることを…その為の助力は惜しまない。 | ラミア 宗賀/ラミア | ボクにはもうオマエが分からない… | | 分かろうという気さえ奪ったのは、自らの行動だと理解しているんだろうか?今となってはどうでもいい事だ | 大神 苗香/ナエカ | 平坂会のバフ担当 犬耳は犬神憑きであるためで、普通の人間。どうも距離感が近いな… | | カードで術を行使する独特の戦闘スタイル。戦う理由があるように見えない程明るく振る舞う、その裏の心境は如何ばかりか… | 倉花 姫乃/姫乃 | アトリエがあったりする方の錬金術師。金欠。依頼だけでは足りないのだろうか…? | | 技術は確かだが、危なっかしいね…常に誰かが見ているならともかく、単独行動させたら何が起こることやら… | 雲野 彼方/彼方 | 異能による連携を模索中。合体技はロマンだけど、それで宇宙を目指すとは… | | 夢を達成する一助となれるなら、喜んで力を貸すさ。それが叶う事を… | 市川 勇樹/勇樹 | 超人的な身体能力を持つといっても、あまり無茶はしないで欲しいなァ…死なせる気なんて無いけど | | 彼のキレッキレのダンスは腹筋崩壊必至さ…なんとでもなるはずだ! | 蒔絵 大地/大地 | 吸血鬼の件では力になれずすまなかったね…と思ったら、急成長していた。 | | 気が付いたら身長追い越されていたんだ…こんな筈では… | アリシア・アンダーソン/アリシア | 君を守る。これからはずっと傍にいるさ… | | 人助けが趣味、か…そんな君を助ける存在が居たっていい筈だ。 |
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+
| | 古い設定
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フェル・シュングという人物について(表向き) †
- グリーンワース・カレッジからの交換留学生で、3年から水白高校に通う事になった
以前にも一時期日本に滞在していた時期があり、日本語は問題なく喋れる。
数年前、ある怪異事件に巻き込まれたことで記憶の一部を失っており今回の留学は日本での治療も兼ねてのもの。
水白に住んでいた時期もあるため、何かのきっかけで記憶が戻ることも期待されてのこと
- 身長164cm、体重52kg 大きな耳と尻尾はチンチラの血が混ざっているがゆえのもの
運動神経はよく、座学もそれなりにこなすが、魔法の才能はからっきしである
現住所は奈多区のアパート
どういうわけか一人称が複数形である
ある理由から日常的に空腹感に苛まれており、学校内で隠れてプロテインバーなどを食べている
空腹感に苛まれることはもう無くなった
- 異能については、信用できる相手と判断すればその内容を教えるだろう
- また、見るものが見れば、並々ならぬ濃密な怪異の気配を纏っていることに気づくだろう…
- 常人と比べて傷の治りが遅い。成長の遅さも怪異が何らかの影響を及ぼしているものとみられる
協調性が無いように振る舞い、人と親しくなることを意図的に避けている傾向がある
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| | 異能「怠惰なる短針」
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任意の30cm四方の空間を数秒ほど時間を停止できる能力。
効果中いかなるものもこの空間には干渉できない絶対防御
防御のほか、足場として空中に設置することもできなくはない
効果範囲に生物を含めることができず、生物の居る場で発動した場合
範囲内の生物は強制的に範囲外に弾き出される
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| | 異能「鋭利なる長針」
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極端に薄い時間停止した空間を、まるで剣のように振り回せるセカンドステージの異能
長さはショートソード程で、フェルが掴む分にはどこを握ろうと手を切ることはない
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| | 異能「勤勉なる秒針」
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時間停止した空間の刃を、不可視の罠のように任意の地点に固定できるサードステージの異能
何かが触れるか、自分で消去しない限りはその場に残り続ける
複数設置でき、他の異能と同時使用が可能
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| | 異能「レギュラスの盾」
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内なる怪異との和解の結果、新たな進化を遂げた異能
どんな攻撃も一度だけ防ぐことができる不可視の防壁を味方に付与する
発動のタイミングは付与対象が任意に選べるが、攻撃と判定されるものであれば一発で解除されるため
連撃のようなタイプとは相性が悪い
また、形状を変化させて一度だけ何でも斬れる剣として使うことも可能である
しかしながら、あくまで対象は味方でありフェル自身には使うことができない
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| | 異能「暴食の蝕み」
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怪異に適合した事で新たに得た、怪異由来の異能
一時的に体の一部をティランに明け渡すことで、その部位を怪異化させる
やりすぎると侵食が加速し、自我が上書きされるような感覚が芽生える
使用例:尻尾を怪異化させ、尻尾に新たな口を作り出し噛み付くなど
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+
| | 所持品など
|
- ベスパ:ビンテージシリーズをヘッドライトマシマシのモッズ仕様にしたものを移動手段にしている
- 小型端末:怪異を封印したり、データ化した怪異をロードするのに使う端末
- マシンピストル:ポリマーフレーム製の軽量マシンピストル 明らかに自衛用としては過剰武装
フレームをチョコミントカラーにしてダットサイトを搭載している。装弾数25発
- 封印弾:弱らせた怪異のコピーを遠隔で端末のメモリに保存し、オリジナルを破壊する手榴弾風の何か
基本使い捨てなのでこの一撃がとどめになっていない場合は、封印できない
外装は樹脂製で蛍光イエローに塗られており、一見して武器っぽくは見えない作り
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裏向きの人物像 †
- その素性は、国際犯罪組織「ディザストロ」の構成員。ある目的のため身分を偽って入国した
フェル・シュングは当然偽名であり、グリーンワース・カレッジに通っている生徒になりすましている
+
| | ディザストロって?
|
窃盗、誘拐、暗殺、テロ活動に紛争幇助、何でもござれな国際犯罪組織。
裏社会の様々な汚れ仕事を請け負うが、構成員の大半は身寄りのない孤児
そういった者たちに訓練を施し、時には非人道的な人体改造まで行い悪事に手を染めさせる
ネットの与太話として存在が示唆される事はあれど、眉唾物の話と世間では思われている
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- 人為的に怪異と適合させられ、それはフェルの身体と一体化しており共生関係にある
今回の来日の目的は、フェル同様に怪異への適合率が高い人間を探し出し確保することである
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| | 怪異「暴食の暴君」
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性質は飢餓からの際限ない食欲。黒い靄で形成された獣っぽい何か。フェル自身はティランと呼ぶ
4つの赤い目、鋭い爪と歪で無数の牙を持つ近距離パワー型。
無機物だろうと何だろうと、口に入るなら大抵なんでも食える
同じものを多量に食えば、その性質を自らに反映できたりもする
現れる際はフェルの背から生えるように上体だけが伸びる。
元を辿れば天保の大飢饉の際の餓死者の怨念の集合体。
この怪異に適合した者は、侵食度合いに応じて耐えがたい空腹感に苛まれる…
が、人間側の胃を幾ら満たしてもそれは消えず、怪異自身が捕食行為を行う必要がある
+
| | 偽装形態
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人目につく場所など、顔を見られると困る状況で作戦を強行する場合の形態
背中側のティランが覆いかぶさるように肩から上を隠し、怪異に取り込まれつつある人間のように見せる
この状態で頭部はティランに埋もれ視界が塞がれるが、ティラン側の目で見えているので問題なく動ける
平たく言えばフォビドゥンガンダムの強襲形態みたいなもの
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+
| | 怪異「暴食コピー」
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その名の通り暴食の暴君を複製、封印した際のデータから再現された存在。
封印時のデータロスによって大幅に能力が劣化しており、体長2mほどの黒い獣の上半身といった姿
目も2つで王冠はついてないが、鋭い牙と爪は健在。動き自体は緩慢なので対処は容易である
まずは人間を発見すると取り付き侵食を試みる 欠損部位である下半身を人間の身体で補うためだ
この際、適合率が低ければ怪異に意識を乗っ取られるが、怪異自体を討伐すれば人間は救出可能
適合率が80%以上であれば、融合し自意識はそのままに怪異の力を行使できるようになる
しかしながら、適合率が高い者は怪異の死亡と同時に本体である人間も死亡してしまう
現状では再分離させる手段が存在していない
また、コピーの出現から24時間以内に人間に侵食できなかった個体は、存在を維持できず自然消滅する
|
+
| | 怪異「水白クリスティーン」
|
深夜、市内のあらゆる道路に出現し、歩行者、二輪、自動車問わずに襲いかかる自動車型怪異
その車体は血のような赤に塗られ、ルーフのみ白のツートンである
遭遇しながらも一命をとりとめた市民の目撃談によれば、古めかしい外車のようだったという
その話が広まって以降、誰が名付けたか怨念のこもった自動車が人を殺す古の映画になぞらえ「水白クリスティーン」と呼ばれるようになったとか
運転手の姿を見たものは誰もおらず、大きく損傷しても次に出現した時には新車同様になっているとの噂
|
- 怪異適合者探しの活動拠点として、吉峰山中にある廃ホテルの一室を改装して使っている
発電機を持ち込み、明かりが漏れないよう窓は封鎖し、簡易ベッドも用意してあるとか
ディザストロ離反に伴い、拠点は放棄された
+
| | ホテルニュー吉峰
|
バブル期に建設されたゴージャス志向のリゾートホテル
…だったが、バブル崩壊と共に急激に経営が悪化、倒産に至る
「ニュー吉峰は伊達じゃない!」が謳い文句のCMが流行ったが、たかが石ころ一つ押し返せなかった模様
以後30年近く風雨に晒され荒れ放題の廃墟と化している
一時期心霊スポットとして噂になるも、その後は駐車場跡地への不法投棄が相次いだ
土地の所有者が不明なため、行政も放置していた廃棄物の山が、ある日を境に綺麗に片付いたという…
その後も不法投棄は続いたが、すぐに片付くといった奇妙な現象が続く。
これが怪異「暴食の暴君」の仕業であると知られたのは数年前のこと
怪異の噂が水白に広まるよりも前に、この怪異は忽然と姿を消してしまった。
|
- 人工怪異計画
ディザストロが秘密裏に進めている計画で、人為的に人間に怪異を植え付け、制御可能とした上で兵器利用するというもの
そのために、電子情報化できる怪異の存在が必要不可欠であるが、確認された例が少なく
いまだ実験段階の域を出ていないものである
+
| | 怪異の電子情報化について
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愛知県綾金市で目撃例があった化け猫型怪異の研究から、他の怪異へも応用可能としたもの
使用者は、専用の端末を身に付け、標的の怪異をある程度弱らせたのちに手りゅう弾型の封印弾を投擲する
うまく対応すれば、対象怪異をせん滅後にコピーデータが端末のメモリに保存される
…が、通常の記憶媒体に怪異1体分の情報が収まりきるわけもなく
実際には構成情報をごっそり欠損した状態となって保存されている。
結果、ロードされた怪異は欠損部位を補うべく人間への憑依、および融合を試みようとする
被害者がうまく適合する体質であれば、共生も可能だが、そうでない場合自我を乗っ取られ、獲物を求めてさまよう半端な怪異となる~
|
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| | 謎の剣士
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突如としてフェルの前に現れた仮面の剣士。瞬間移動のような異能を用いるほか
軍刀を武器として、風魔法で斬撃そのものを飛ばしたりもする敵対存在
厚生労働省衛生2課の七瀬と名乗ったが、偽名である可能性もある
現状での目的など大半が不明である
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こっちに一人遊び用コメ †
編集
//世界の全て この口腔の中 †