名簿/492992

  • (月の変わり目と同時に、妖精の容貌も性質も、変化を遂げていた)
    (彼女を象徴していた白から、チョコレートの色付けが施されている。恐らくは、以前のショコラを気に入って よく口にしていた事が原因か)
    (食べる宝石を思わせるくらい、一粒が贅沢だったせいか……)
    (以前の様に大人しく世間知らずな妖精の性質から)
    (甘えん坊で遊ぶ事が大好きで、マスターの事が大好きで懐いていた性質から……)
    (現在のそれへと変貌を遂げてからは、別の意味で大人しく、マスターの方へと懐いていくことも少なくなったのだけれど……)
    (大人びた反面、気難しくなった)
    (時折、不機嫌そうな表情をするかと思えば原因もわからないなんて事も 多々ある)
    (今もそう)
    (冒険で失敗したのが原因なのか、不快そうな顔つきで帰ってきたばかり だった) -- レーニス 2012-12-19 (水) 01:19:16
    • 彼女を出迎えるのは調度品や、煌びやかな刺繍のカーテンばかり。
      華やかに活けられた花瓶も職人の仕事が伺えるシャンデリアも、吸い込まれそうな出来栄えの絵画もある。
      しかしそれらは幾ら見事な存在だとしても、彼女に一言たりとも語りかけてはくれない。
      アンティーク紛いの振り子時計が、規則正しい鼓動を刻む。

      家主とはと言えば、今もその姿を見せてはくれない。年が変わる時期は得てして、慌しくなるものだ。
      それは世界も国も、業種だって関係がない。彼が我が家を発ってから、2週間は過ぎようとしていた。
      窓の隙間から覗く夕暮れは酷く暗く、この一室にも影を落とす。 -- 2012-12-19 (水) 01:45:46
      • 繊細に施された、刺繍の美しさだけでも芸術作品を鑑賞するかのような気分にさせてくれるカーテンが幕開けの合図のように
        絢爛豪華な調度品や、華やかながらも主張しすぎない調和のとれた美の花瓶も
        輝くように室内を照らすシャンデリアも、精巧すぎで、まるで目の前にありありとその現状が浮かび上がる位に素晴らしい絵画も
        ……普段は、好ましいと思うのに何故か。今日はどれもこれもつまらないものに見えて
        アンティークだと思わしき時計の鼓動が妙に耳ざわりだった
         
        「……また、仕事かしら? 随分とつまらない男の元へと来たものね」
        人の気配を感じない、静かな室内の中で、表情を変えることなく一言だけ呟いた
        ……この家を最後に出た日から、どのくらいの時が流れたのかしら、と心の中で囁いて
        元々、広大な豪邸だったのだけれど……以前にも増して、今は広すぎる
        それはまるで、世界に一人だけ取り残された気分だった
        ……だって……今の私は――…… -- レーニス 2012-12-19 (水) 02:00:21
      • ふいに響くドアノブが回る音。聞きなれた靴音。振り向けば久方ぶりに家主の姿が映り込む。
        少しやつれただろうか、頬の肉は薄く、目元は鈍い。しかし満身創痍と呼ぶには覇気もあり、寧ろ一回りの成長さえ伺える程。

        「やあ、レーニスただいま。元気にしていたかい? 大口の商談が一段落して、漸く帰ることができた。」
        「大成功さ!社内じゃ何処も私の話で持ちきりのようだ。パーティを開こうなんて者もいてね」

        意気揚々と笑うバーナード。

        「だが、辞退しておいたよ。何よりもまず、君の姿が見たかった。寂しくはなかったかい?」

        ソファへと腰を落ち着けながら、束縛からの解放と日常への帰還を噛み締めてゆく。
        レーニスの風貌が、性格が、態度が変わろうとも、彼は以前と何ら変わり無い対応を彼女に見せる。
        以前と違う点があるとすれば、ある種の余裕なものを感じさせるようになった。 -- バーナード 2012-12-19 (水) 02:21:56
      • (静寂の中、徐々に大きくなって響く革靴の音は聞き慣れたマスターのもの)
        (ドアノブの金属音に振り返ればマスターの顔を久々に見れて――……)
        (嬉しくて出迎えようと思う反面、長い間放っておかれた現実が。心の声が囁いて)
        (緩みかけた頬も、淡い想いも、雪の様にさらりと溶けて消えてしまう……或いは、パンドラの箱に鍵をかけて放り投げた という方が正しいのかもしれない)
         
        「……………………お帰りなさい」
        (一言だけ声に出してじっと見つめて話を聞いて、合間合間に小さく「そうなの」相槌を打つ)
        ああ、違うわ……そういう事が言いたい訳じゃないのに――…… 
         
        (いつも仕事で多忙さに振り回されて、疲れた顔をしている事が常なのに)
        (笑顔のマスターの表情は、とっても珍しい筈なのに……何故か。面白くない)
        "素っ気ないお返事でも十分に嬉しいだなんて。それだけ貴方にとっては吉報だったようね"
        (……そう、2週間一人ぼっちだった時の皮肉を込めて返そうかと思ったのに――……)
         
        「えっ……?」
        (表情が、崩れる)
        「……馬鹿なの?貴方の為のパーティなんでしょう?……何で辞退したの」
        (だって、貴方 あんなにお仕事に必死だったじゃない。あれだけ熱意をかけていたじゃない)
        (……そう言いかけて。子供じみた我儘な自分の態度が急に恥ずかしくなってきた)
        (初めて会った時からそうだった。確かに忙しいけれど、時間を作っては自分と向き合ってくれる優しい人)
        (素直に『寂しかった』と言えれば楽なのだろうけど)
        (上手く言えない代りに、その想いを 他の言葉に乗せて伝えるくらいなら……)
        「……私。最近飛べなくなってしまったの。手に乗せて、抱きあげて頂戴……それから、お仕事で家を開けていた間のお話しも 後でゆっくり聞かせて貰うから」 -- レーニス 2012-12-19 (水) 02:53:06
      • それから暫くして。二人は背の低い車に揺られていた。
        雲間に透けて見える月は一際明るく、くっきりと輪郭を見てとれる。 立ち並ぶ木々が流れてゆく様は、映像作品のようでもあった。

        「本当に凄かったよ。金属を飴細工のようにしてさ、幾重にも重ねに重ねて装飾品にするんだ。」
        「散りばめたダイアモンドよりも、遥かに素敵に見えた。卓越した技術は魔法だね。人をこんなにも幸せにしてくれる。」

        ハンドルを切りながらバーナードは物思いに耽っていた。
        彼が熱弁するだけあってその装飾品の出来栄えはすばらしく、各地の販売業者はこぞってこれを求めた。
        その利益は彼の会社を上向きに修正するに足るものであり、今も熱冷めやらぬといったところである。

        「製作過程を見せてあげることはできないけれど、無理を聞いてもらったんだ。」

        彼はブレーキを踏み、小さな小さな包みを手渡す。
        その中にはとても細やかな細工の施された、ブローチが納められていた。

        「職人は酷くうろたえていたよ。しかしあちらもプロだ、意地が勝ったのだろうね。」

        こんなにも綺麗なのだから、と付け加えながら。 -- バーナード 2012-12-19 (水) 03:33:22
      • 二人きりの鉄の箱の中で、会話をしたり、ただ静かに揺られていたり……ゆったりと過ごす一時が心地よい
        天空のカーテンの合間から輝く月の明りに見惚れながら、その光の恩恵を静かに受けて輝く夜の並木は神秘的で、同じ妖精の誰かを誘って密会を開きたくなるような神秘を秘めていた
         
        「……ふぅん……飴細工の様に加工して作る金属の装飾品、ね
        きっと。それはどのダイヤと比較するかにもよるのでしょうけれど……熱を籠めて作るものこそ本物であると言う事は同意するわ
        ……私達妖精や、精霊も……人の創りしものに宿る時は、作り手の技術が巧みであればある程 どれだけ作者がそれを愛し、熱意を込めたかで魔力も違いが出てしまうから」
         
        きっと、貴方がそれだけ称賛すると言う事は、さぞ素晴らしい芸術品だったのでしょうね
        ……と、静かに返して
         
        「……?」
        彼の気配りと柔らかい対応を思わせる緩やかなブレーキを合図に不思議そうに彼の方へと振り向いて
        妖精の自分のサイズに丁度よいくらい、小さくも 自身の目から見ても精巧で繊細な細工のブローチは、美術館に飾られている作品の実物を、手の上に載せている様な感覚を思わせた
        細やかに細やかに、繊細に、丁寧に仕上げられたブローチは 製作者の想いが込められていて、きっとそれは自分がもっと行為の妖精であるならば 魔術の媒体や、アーティファクトへと変貌させる事の出来る様な見事な品物
         
        「……もう。貴方ったら……馬鹿ね」
        大切に、大切に小さな手で握りしめて小さく囁く『とても、無理をしたのでしょうね』と
        困惑するような、溜息をつく様な、嬉しそうな……
        実に様々な想いを馳せた、複雑な表情をする
        それは、一つは幸せから
        そして、一つはあまりにも幸せすぎて怖かったから
         
        人は幸せすぎると、怖さを感じると言う事に疑問だったものだけれど
        素直に想いを述べる事をしなくなった今、冒険で少しばかりの恐怖を味わった事のある身としては 少しだけわかる様になった
        彼といつまで居られるのか分からない、けれど 願えるのであればいつまでもこのまま供に居たいと願う
        ……だからこそ。だからこそ
        彼と供に居る一時が何物にも代えがたいから、想うのだ
        このまま、鉄の箱庭ごと閉じ込めて、時間さえも二人きりの空間のまま 決して二度と開けられる事のない小箱の様に封じ込められるのならば――……どれだけ幸せな事か、と -- レーニス 2012-12-23 (日) 23:04:53
  • ますたー ますたー お茶の時間、なの。お仕事、休憩しましょ? ね?
    (仕事をする彼の裾を小さく引いてねだる)
    (一つは、初めに与えられた事がきっかけとなった事で好物になったミルクを)
    (一つは、仕事を終わらせて自分と遊ぶようにと)
    (一か月の間で、彼女の姿が変化するのと同時に、性格も以前より甘えてくるようになった) -- レーニス 2012-12-16 (日) 19:25:21
    • ああ、もうちょっとだけ待ってくれないかな。すぐに仕上げたい書類があるんだ。
      (私は少々疲れた顔でペンを握る。普段は掛けぬ眼鏡をし、別の書面を傍らにして)
      (彼女との生活もひと月が経とうとしていた。妖精界の宝石はなかなか見つからず、遅々として集まらない)
      (風の噂では、私のように妖精と出会い宝石を集めている者たちがいると聞く)
      (彼らはどの程度集めたのだろう? 既に多くを回収し、我々の出る幕はないのだろうか?)
      (疲れが溜まっているのか、どうにも考えが辛気臭くなる。私は一度ペンを置き、彼女の方を見た)

      ……休憩も悪くはないかな。

      (私は彼女と、そして自分のためにミルクを入れる。バニラエッセンスを一滴垂らせば、それだけで極上のメニューに早代わりだ)
      (幼少の頃から胃を傷めがちな私に、母がよくつくってくれた。それから温かいミルクは、私の好物となった) -- バーナード 2012-12-16 (日) 19:51:15
      • もうちょっとって何分ー? ……うー……(バーナードの疲労ぎみの顔を見れば、抗議する声も小さく唸るだけになり、裾を引く手も離して)
        (彼のお仕事が多忙なのもここ1か月の生活で理解してはいるものの……あまり机に向かわれると、寂しい気持ちが浮き彫りになる)
        (本来は、宝石を集める為に来た筈なのに……怪我をしてから、冒険が怖くなって こうしてマスターと日常を過ごす事の方が大切になってしまった)
        (マスターが宝石集めを気にかけてくれるのは嬉しい半面、その気にかける分が自分に回らないかな、とも 最近は思い始めていて)
        (辛気臭いマスターの表情と、拗ねた私の瞳が交差する)
         
        わぁーい♪(彼の一言に、小さな体で腕に抱きついた)
         
        (マスターが温かいミルクを入れてくれる)
        (それは、それは、とても愛おしい時間)
        (ミルクとバニラエッセンスの甘い香りが広がってゆくのと比例して、私の心もゆったりしたり、楽しくなったり、幸せになったりする)
        まだかしら、まだかしら……? -- レーニス 2012-12-16 (日) 20:03:29
      • (私は思い出したように荷物を漁る。取引先から送られたチョコレートがあったからだ)
        同じく甘いものだから、きっとこれも気に入ると思うけれど……どうだろう?
        (封切られた箱の中には、装飾品めいた細工の施されたチョコレート菓子が、ぎっしりと敷き詰められていた)
        (指先で小さく割ると、芳醇な香りが広がった。その一欠けらをレーニスに差し出す) -- バーナード 2012-12-16 (日) 22:30:34
      • ……?(主の手にする、装飾品を丁重に包んでいるそれだと思う程、豪奢な箱へと目を向けて、近くへとふわふわ飛んでゆく)
        わぁ……きれい、宝石?(中を覗き込むと、目を輝かせて。宝石と呼ぶにふさわしいショコラを真っすぐ見つめる)
        (香りの良さや、品質、見た目の美しさはさながら、4Cのダイヤモンドを思わせて溜息が出る)
        すごい、こんなにきれいなチョコレートがあるのね……黒や茶色の宝石かと思ったの
        (小さく割られると、魅惑的な香りが一層際立ち、心奪われる)
        (一欠けらを大切そうに手に取って口に含む)
         
        ……美味しい
        (じっくりと、口の中で仄かにとろけてゆくチョコレートを味わって、幸せそうな笑顔を向けた) -- レーニス 2012-12-16 (日) 23:07:45
      • それは良かった、嬉しいよ。私は貰っただけで、何もしていないんだけれどね。

        (苦笑いをしながら私も一方の欠片を口に運ぶ。成程、これは上物だ。思わず唸りを上げそうにもなる)
        (さらに次の一口を探すために思い悩んでいると、隅のチョコレートがふいに気になった。そっと手にとってみれば)
        (カカオマスだけでは生じることはない、香ばしさと仄かなアルコール臭を感じさせた。舌で転がしてみればじんわりとした甘味)
        (やがて溶けて亀裂が入り、中からはブランデーをベースにしたソースがとろけ出す。随分とオツなものだと歓心した)

        レーニス、いいかい? 甘いもの以外も……そう、例えば。私が普段食べているような食事を取ったりもできるのかな?
        塩味のあるものや、酸味のあるものとかね。ソーセージや、付け合せのザワークラウトとか。 -- バーナード 2012-12-16 (日) 23:17:38
      • ううん、ますたーは私にこんなに美味しいチョコレートをくれたじゃない
        ……きっと。一人占めしたいなら言わないとか出さないって事も出来ると思うの
        (優しい主の所に来て、二人でゆったり過ごす時間の幸せに感謝しながら。祈る様に手を胸の前で組んで答える)
         
        (それは、舌の肥えているバーナードも十分に満足のいく味で)
        (選りすぐりの上質なカカオを惜しむことなく贅沢に使用し、非常に高いカカオ率であるというのに、仄かに上質な大人の甘さであること)
        (ビター率の高さに伴って副作用の様に出てしまう酸味も苦味も感じられず、馥郁とした香りが十分に広がり鼻孔をくすぐる)
        (……何より驚いたのは、爽やかに余韻の引く後味と、口どけのきめ細やかさ)
         
        (二つ目に口に含んだボンボンショコラも、チョコレートの外層が薄いのか、口に含むと微かに歯が当たったり、ほんの少し蕩けると、ダムの崩壊で勢いよく水が溢れだし、鬩ぎ合うように豊潤なウィスキーの味に支配される)
        (ウィスキーとしてはあまめかもしれないが、チョコレートのビターな風味と非常に調和のとれた贅沢な風味が広がる)
        (……寧ろ、常人の感性なら、このウィスキー自体もチョコレートに含むのは十分に勿体ない部類で、お酒として味わいたいものであるだろう)
         
        ? うん、食べれるのよー?
        (どうしてチョコレートを食べているのにソーセージやザワークラフトが出てくるのだろう?と疑問に思いながら)
        きのことか、山菜とかも食べていたわ(甘いもの等を好むだけで、人と似たような食事を取る事が伝わるだろう) -- レーニス 2012-12-16 (日) 23:41:00
      • 妖精の食事風景は想像できなくてね。私はお堅い世界の人間であるから。
        でも良かった。食べる愉しみが人並にあるということは、色んな感情を共有できる。これは素晴らしいことなんじゃないかな。
        今度食べ歩きでもしてみようか? きっと冒険者の街なら、奇異な目で見られることもないと思う。
        あまり立ち寄らない地域だから、ツアーガイドのような完璧な案内はできそうにないけれどね。 -- バーナード 2012-12-16 (日) 23:48:43
      • ? そうなの?(自身の生活が人間には想像できないものだと言う事に、不思議そうにして)
        うん。食べる事はね、生きる事なの。そして美味しいものを食べている時って凄く幸せなの(こくこくと頷いて)
        ……きっと。同じものを味わったり、体験する事って同じ楽しみを味わえるって事で素敵なことだって私思うの。……嫌な事も、誰かと一緒なら乗り越えられるし、ね
        食べ歩き…! お外に出るの?(ぱぁぁ、と綻ばせる) お出掛け、大好きー!楽しみにしているから!!
        ううん、沢山素敵な場所もあると思うから。歩きながら探す楽しみがあるわ(ふるふると首を振ると、バーナードの休日はいつかと尋ねて、わくわくしているのを隠しきれなかった)
        約束ね(そう言って、小さな手を差し出した) -- レーニス 2012-12-16 (日) 23:55:35
      • そう、約束だよ。

        (小指の先を掛けるようにして、彼女の想いに応える。次の休暇はいつごろだったか……まず何よりも今は)
        (目先の仕事を片付けねばならない。短くも濃密な憩いのひと時を噛み締めて、私は再び書類と向き合う)
        (以前ならば虚無感のままにこなしていたルーチンワークであったが、今は違う。か弱いながらもこの背中を押してくれる存在がある)
        (その有難味が身に染みた、一夜の出来事であった) -- バーナード 2012-12-17 (月) 00:22:19
  • (広い邸宅に忍び込んだ妖精である)キシシシ……ココにようせいがいるってネタははあくずみだもんねーっ。
    みつけたらいたずらしてやろうっと、どこかなどこかなー(ふよふよ飛びながら探しまわる) -- メイプル? 2012-12-16 (日) 00:37:37
  • (広い邸宅に忍び込み、飛びながら探して徘徊する途中に、確かに妖精特有の気配がしたのを感じとれたであろう)
    (……けれど"居る"と確信を持てた筈なのに……何故か、おかしい)
    (確かに"飛び回る中で感じた気配"は秘めるように、隠蔽するかのように、途切れてしまった) -- レーニス 2012-12-16 (日) 13:29:09
    • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp023730.jpg -- 2012-12-16 (日) 13:49:15
    • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp023731.jpg

      あれー? どこにもいないぞー?(きょとんとしながら廊下を飛び回る)
      (元素魔法への適性があるためか、魔法的な要素を感知する才に優れたメイプルでも、レーニスのものらしき感覚がつかめない)
      おーい、よーせいどーこでーすかー。あーそぼーよー(空き部屋を覗きこんでは呼びかけ) -- メイプル? 2012-12-16 (日) 14:34:37
    • (呼びかけには答えないまま、気配を殺したままマスターを探す)
      (……心の中で何度もマスターの名前を呼びながら)
      (怖い)
      (妖精の子が来たのは人と違う気配でわかる)
      (……怖い)
      (どんなこ、なのかしら……?怖い子ではない、かしら……?)
      (…………怖い)
      (……けれど、私……お友達になれそうな子なら、きっと後で後悔すると思うし、相手にも失礼なのだと思う)
       
      (……ほんの少しだけ、振り絞るかのように勇気を出して)
      (私の気配に気付かれない今なら、どんな子が来たのか偵察するくらいはできるかもしれない)
      (そう思いながら、気配を殺しながらメープルにそっと近付こうと 彼女の方向へ向かう)
      (怖い子じゃないといいな、どんな子かしら、仲良くなれるかしら……?) -- レーニス 2012-12-16 (日) 17:47:45
    • (//) -- レーニス 2012-12-16 (日) 20:05:02
    • (いっぽう、いたずら妖精のほうはレーニスの気配に気づくこともなく飛び回っている)
      ありゃー? おっかしーなー、いるはずなんだけどなー? ていうかここひろいなー、ヒゲのボロやとおーちがいだ!
      (きゃっきゃと物珍しそうに)はずかしがりやなのかなー? あんまいたずらしないほうがよさそうだなー。
      おーい、よーせーどーこでーすかー! あーそびーにーきーたよー(おどおどしたレーニスとは対照的に活発に飛び回るその金髪が、そよそよと風にたなびく緑色へと変わる) -- メイプル? 2012-12-16 (日) 23:45:56
    • // -- メイプル? 2012-12-16 (日) 23:46:15
    • (メイプルがどんな妖精かわからない為、慎重に、慎重に近付きながら彼女の背後に回る位置へと向かい、そっと後姿を覗きこむ)
      "ヒゲ?……あの子のマスターかしら? ……ボロや?"
      (自分のマスターが、人間の中でも相当の裕福層だった為、これが彼女にとっての人間のスタンダートだと感じている為に、ボロやの意味が全く分からず首を傾げる)
      (物珍しそうに、楽しそうにはしゃぐ姿から、快活な子だと言う事は判明した)
      "……喋ったら、楽しい、子……かな?"
      (声をかけようと、一歩踏み出して聞こえる『あんまいたずらしないほうがよさそうだなー』の声にびくっとすると、さっと物陰に隠れる)
      (……慌てるあまりに、ほんの微かな一瞬だけれど、気配を消すのを忘れていた)
      (白き妖精は、飛ぶ時には水晶の擦れるかの様な綺麗な音色が)
      (そして、一歩踏み出し地面にふれると、地に足のついている間 水晶が生えるのだ)
      (その小さな音と、微かながらに洩れた魔力が、魔力探知に優れる彼女には十分に存在を誇示するものになっただろう)
      (//) -- レーニス 2012-12-17 (月) 00:05:27
    • およ?(耳にキン、と響いた心地良い音色。それを聞くとくりん、と首を向けて)
      キシシシ……きーこえーたぞー? かくれんぼか! でもみつけちゃうもんねー、ぼくってばテンサイ!
      (いじわるな笑みを浮かべつつ、気配が感じられた方へぴゅーんと飛んでいく)
      ここだなー、みっけたぞー!(レーニスが飛んで逃げれないようくるっと回りこむように飛び込み)
      // -- メイプル? 2012-12-17 (月) 00:14:24
    • (見つかった。恐怖と不安で胸が一杯になりながら、マスターを必死に探して逃げる)
      …………っ!!("何処?……マスター、何処に居るの?返事をして!!お願いっ……!!")
      (逃げる足も遅く、メイプルに簡単に回りこまれ捕獲? された)
      (泣きそうな顔ではわはわと困惑した状態で立ちつくす)
      (//) -- レーニス 2012-12-17 (月) 00:19:52
    • キシシシ、みーっけた! ……お? めずらしーなー、まっしろだ!(物珍しげに周りを飛び回る)
      そんなにこわがらなくてもダイジョーブだぞ、ぼくってばヤサシーからな! キシシシ、いたずらもいーけど、カンダイなのだ!
      (えっへんと胸を張り)ぼくはメイプルサップ・アップルブロッサムだ、おまえもようせいだろー? なまえをいえー!
      ……ホントにこわくないぞー? ダイジョーブだぞー?(困惑した様子の顔を若干不安げに覗きこむ。いたずらが好きではあるが怯えられると不安になる程度には根は優しい) -- メイプル? 2012-12-17 (月) 00:23:58
    • (ただただ、じっと見つめて頭の中はまっしろだった)
      (周りを飛び回られてじろじろ見られるのが怖かった)
      …………(メイプルの言葉がぐるぐると脳内で回りながら、じっと堪える様にして顔を逸らす)
      (名前を問われているのに声が出ない。強気な口調そのもの自体、苛められている訳ではないのに怖かった)
      (メイプルにも、相当な引っ込み思案の部類である事は 何もしていないのに彼女の態度が既に、苛められっ子のそれである事で把握できるだろう)
      (困惑した様子で覗きこまれて、口調が優しくなって初めて視線があった)
      (瞳の奥に心配している様子が伝わって。……けれど、恥ずかしさからすぐに目を逸らして。絞るかのような声で小さく)
      ……レーニス…… -- レーニス 2012-12-17 (月) 00:32:20
    • レーニス!(名乗られればオウム返しに答え)レーニスだな、オッケーきざんだぁ!(ギャキィ)
      キシシシ、そんなにコワがらなくても、ぼくってばちょーやさしーしちょーシンシだからダイジョーブだ!
      よーし、それじゃレーニス! さっそくあそぼう! こんだけひろいと、かくれんぼとかすっげーできる……ぅゆ?
      (ふと耳を澄ます。足音……彼女のマスターか、あるいはその部下か。誰かが近づいてきているようだ)
      やっべー、みつかっちゃう! ごめんねレーニス、またこんどあそぼー! んじゃねー!
      (ぱたぱた袖を振ると、どこからやってきたのかぴゅーっ、と飛んでいってしまう。家主から持たされていた、迷わないための妖精サイズの地図……折りたたまれたメモのようなそれがぽとりと落ちた) -- メイプル? 2012-12-17 (月) 00:44:12
    • (名乗って緊張が少しほぐれたのか、ダイジョーブだ!と彼女が言う頃には、必要以上に高鳴っていた鼓動も落ち着いて)
      ……かくれんぼ……(ぽつり、と呟いたとほぼ同時。足音が近づいて彼女が颯爽と去って行き、ぽとりと落ちたメモを拾う)
      (ゆっくりとした動作でそれを手に取り、広げながら『あの子のお家、かしら……?』と思う)
      (静まり返った家の中は、何だか嵐の去った後の様だった) -- レーニス 2012-12-17 (月) 00:49:08
  • ここは我が社の貨物船。私は今日も今日とて、資材の搬入を急ぐ。
    集められた積荷を一つ一つ検品し、リストにチェックを入れてまた次の積荷へと走る。
    子供の頃からの作業、我ながら実に手馴れたものだ。
    このペースだと、休憩時間にゆとりができる。何か手の込んだものを食べに行こうか……。
    ……そのようなことを思案していた私は、ふと異常に気付く。
    積荷の一つが、既に封切られていたのである。
    さては密航者だなと思った私は、ため息混じりに蓋へと手を掛けた。
    帰国手続きは初めてではないが、どうにも面倒で気が滅入るのだ。あまり歓迎はできない。 -- 2012-12-15 (土) 02:27:19
    • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp023712.jpg
      • (封の切られた木箱を手に取れば――……中には水晶が現れる)
        (一目見るだけなら美しかった印象を残していたのかもしれないが――……)
        (目の肥えた彼には、よくよくと見れば見るほど純度の低い石英に、拙い彫りの妖精像が未熟な芸術家の作品の……それも中途半端な作品。という評価を下している事だろう)
         
        (……本来は)
         
        (何故か、目が離せないのは)
        (何故か、心惹かれるのは――……)
        (何故か、微笑まれたような気がしたからかもしれない)
         
        (粗末な技術で創られた物にも、熱意が込められた物はそれだけ人に感銘を与えるからだろうか)
        (逆も然り、どんなに素晴らしい作品も、作り手がそれ自体をつまらないと感じていれば――……途端に、取るに足らない物になり下がるかのように)
        (命の宿る様な感覚に襲われるだろう――……)
         
        (そして、それが真実であることも知るだろう)
        (目が合い、微笑んだかのように見えたそれは)
        (羽化するかのように、或いは棺から目覚めるかのように)
        (水晶の殻が打ち砕かれ、ダイヤモンドダストの様に宙に舞いながら――)
        ("白き妖精"の彼女が本来の姿を表して、バーナードに無垢な瞳を向ける) -- 2012-12-15 (土) 02:46:44
      • 私は戸惑っていた。この歪な彫刻は、何を目指して造られたのだろうかと。
        しかしながら不思議と目が離せず、そう例えるならば……心を覗き込まれたような……。
        ……無論、それがおかしいことは理解していたつもりだった。何故ならばこれは無機物だからだ。
        そう、この瞬間までは、そう思っていた。私の目の前で、氷塊が爆ぜるまでは。

        そこに現れたのは、純真無垢といった風貌の少女だった。
        いや、少女にしてはあまりにも小さい。それに、服は体と一体化していたし、何よりも羽が生えている。
        昔から冒険譚にて馴染みはあったが、私はこの時はじめて、「妖精」という存在を目にしたのである。
        どう声を掛けるべきか? そもそも、私の声は届くのか? 過ぎ行く時間のことなど気にも留めず、考え込んでしまう。
        そんな私がまず投げかけたのは

        「や、やあ」

        その一言だった。 -- 2012-12-15 (土) 03:00:05
      • (彼に近付こうとして、一歩踏み出そうとして――……その想いは躊躇された)
         
        (戸惑い、困惑の"意思"が流れ込んでくる)
        ("自身"の"本来の姿"を見て、不思議そうに想いを交差させる事は理解出来た。迷ってる。思考を巡らせている)
        (どうして彼は考え込んでしまったのだろう?と首を傾げながら、真っすぐと見つめていた)
        (待つことしか出来ない、いいえ、自分から動けない)
        (彼は私を受け入れてくれる存在であるのかが、とてもとても大切な問題だから)
        (愛情の反対は憎しみではない。無関心と、不安と恐怖)
        (きっと。落胆もせず待てたのは、彼から"それら"の要素を感じなかったから)
        (戸惑うのは、気にかけている証拠、興味を持っている証でもあるから)
        (……そう 思いたかっただけかもしれないのだけれど。)  
        (声をかけられれば、それを合図に)
        (微かな水の流れの様な、柔らかな……何処か癒される微笑みを向けて"主"と認めた人間に、安心して 寄り添うように近寄り、小さい手をバーナードの手に重ねる)
        (水晶特有の冷たさが伝わるのに、何故だろう)
        (彼女の手が、何処か温かな温もりが伝わるのは)
        (喋らない代りに、頭の中で声が響く)
         
        "貴方は――…… 私の――…… マスターとして"
        "供に 歩んで下さいますか?" -- 2012-12-15 (土) 03:22:40
      • 彼女は造られた物ではなく、創られた者であったのだ。
        きっと何らかの手法で、ここに来たのだろう。それは私には想像もできない、頂上的な現象によって。
        私は躊躇した。 マスター? 供に? 話は私を置いて先へ先へと進んでいるのだから。
        しかしながら、きっとこれも何かしらの運命なのだろう。そう思えば途端に、窮屈な日常へ木漏れ日が差し込んだ気さえしてきた。
        二つ返事で返そうとする気持ちを抑えつつも、私は尋ねる。それは何のための関係なのかと。
        きっとこの思いも筒抜けなのに、私は何処か取り繕っている。 -- 2012-12-15 (土) 03:45:33
      • (彼が躊躇したのは、恐らくは彼にとっては『意味がわからないから』ということまでは理解出来た)
        (拙い像から象徴されるかのように幼く、自分の核となる想いを伝える事で精一杯な彼女には、相手に説明する、上手く伝える等のコミュニケーションは十分に上位のものだった)
        (例えるなら、彼女の微笑みは幼子のそれに等しい)
        ("愛され、護られる"為だけにある唯一の生存本能であり、知識)
        (故に、彼からの問いは、彼女にとっては十分に難しいものだった)
        (返答代りに、小さな小さな古びた書物を一冊彼の手に乗せる)
        (触れて彼女が少し距離を取った合間に、文庫本サイズの魔術書の様な装丁の本となった)
        (中身を開けば、彼女への問いの答えがそこにはあった)
         
        "きっと。この本を読んでいるであろう貴方なら 託せるでしょう"
        "彼女は【白き妖精】と呼ばれる、存在のか弱い、蛍火の様な儚い妖精なのです"
        "彼女自身も生まれたばかりの妖精であると同時に、第二の彼女達の様な、生まれたばかりの妖精達の為に必要な宝石を運んでいました"
        "ところが、魔物に襲われて宝石が散り散りになってしまいました"
        "未熟な妖精を無事に依り代無しで生きていられるまで育ててくれた協力者には 妖精族の秘宝を授けます"
        "だから、どうか"
        "彼女と共に魔物を討伐して下さい"
        "そして、願わくば……"
        "【白き妖精】はとてもとても、他者からの愛情と感情等の環境に敏感です"
        "愛情を注いで彼女の成長を促して欲しいのです"
        "きっと。あの子が選んだ貴方ならば。それが可能な素質と、十分な愛情を注げるでしょう" -- 2012-12-15 (土) 04:07:58
      • 結論から言えば、私は彼女を育てることにした。
        幸いながら貯えはあるし、宝石の回収は地元の冒険者に一任すれば良いことだ。
        食事はミルクでも与えようか。細いストローがあれば苦労はないか。
        止まっていた歯車に油が差されたように、私の意識はグルグルと巡り出す。
        お蔭様でその一日は、妙に仕事がスムーズに進んだ。いや、意識は既に彼女へと集中していたのだ。
        「気付けば終わっていた」というのが正しいのだろう。

        木箱ごと彼女を自宅へと引き取ったその晩から、共同生活が始まった。
        人肌に温めたミルクを与えてみたが、どうやら問題ないようだ。
        まずは一安心……いや、肝心なことを忘れていた。
        彼女には名前がない。木箱にも、あの書物にも記されていなかった。
        これは私が名付けよということなのだろう。「責任重大だね」と零し、彼女と笑いあった。
        今まで虚無感しか感じたことのないこの部屋で、こんな優しい気持ちになれるとは、昨日までの生活からは考えられない。
        私を見上げるその笑みを見て、名を「レーニス」と決めた。 -- 2012-12-15 (土) 16:17:03

Last-modified: 2012-12-23 Sun 23:04:53 JST (4142d)