名簿/509409
- せっかくなのでたまには先生の所に何の目的もなく訪れてみたりする（ｲｪｲ！とドアを開けて突入しながら） -- スパイシー
- あ。スパイシー君いらっしゃい（相変わらずぐでぐでしながらお酒飲んだりだらけてる） -- クララ
- いらっしゃいました、うわ すごい 酒瓶の数
先生アルコール断ちしたら手が震えたりとか中毒になってないですよね…（ビンを片付けつつ） -- スパイシー
- 大丈夫だよ、アルコールは海王星の領域で、海王星はオカルトとも関係するからね。薬物もだけど
アルコールも薬物も高揚感を高めて自分の精神を解放するには丁度いいからね、魔術にそのまま利用するよ（＊色んな意味で危険なので真似しないでください）
まぁ、つまりちょっとくらい中毒になる方が丁度いいのさ……それに
酒も魔術も溺れると人生どころか人格が破たんするから似ているものだね（にこり） -- クララ
- 水分っぽいアルコールが海王星って言うのはまあわかるとして、薬物も？
あっ、ここで言ってる薬物って持ってるだけで捕まりそうなやつですか！表立って植物栽培できないやつですかこれ！
アルコールはまだしも薬中毒には気をつけてくださいよ！？いや、まさか薬物をアルコールで摂取してるなんて事は
先生、先生人生も人格もやばいんですか、どうなんですか先生、女を捨てないで先生！ -- スパイシー
- 薬物もだね、あと石油とか夢やロマン……勿論、海も海王星だけど
はい、その通りです。海王星って見えない心の世界の象徴だったりするけど、あやふやで境界線の無いぼんやりしたものや無意識なんだ
夢で寝ている時の意識が海王星の働きに近いかな……おいといて
薬物は接種しないね、面倒だからね。あと薬物とアルコール摂取もしないね、危険だからね
先生自分で性格良いとは思えないね。良かったら人を呪ったり殺したりしないね あと恋愛する気も無いし女捨てても問題ないね
（そしてこれは以前遊びに行こうとしてやめておいたけど来て頂けたので晒そうと思った昔の……） -- クララ
- なんかこう色々凄いものが海王星に、他の星にもやっぱりなんかこう…割り当てがあるんですよね？
その通りだったー！心の世界…ああ、なるほどだから夢やロマンが…なぜ石油、俺が見る変な夢も海王星なんですなあ
ああよかった先生がヤク中じゃなくて、お酒はまだしもクスリはダメゼッタイ
呪いはまあ魔女ならそう言うものかなあって気はしますね、恋愛はなくても子供を残したり…
魔女だとすることだけして楽しむと言うかそれその物が何かの儀式だったりって言うのもありそうですかね…！（目の前の美女によからぬことを妄想する健全な男子）
（ですよねー！わりとそうなりますよねー！でもそれ以外にもちゃんとあるんです、あるんですよ！少しづつ改善とかしてますが！） -- スパイシー
- 色々天体事に違うね。象徴とか多少被っているものもあるけど……本当に長くなるので詳細は略すけど……
意識的な違いで言うと、月はプライベート、基礎人格、感情。水星は知性の使い方や工夫の仕方、喋り方等。金星は恋愛、楽しみ、コミュニケーション
太陽は自己実現、目標、社会的な顔。火星は積極性、攻撃性、暴走しがちな面等、木星は簡単に言うとその人の善意とか、おおらかさとか寛容とか
土星は厳しさ…というか自己管理能力だね。時間感覚も土星の管轄
んで、土星以降の３天体は無意識の領域の天体でちょっと分かりにくいと思う
天王星は当たり前の日常を破壊したい、改革したいとか新鮮さを求める意識とか、個性や独自性だね。行き過ぎると孤立したり反骨精神旺盛になったりする
海王星はさっき言った通り無意識、インスピレーションや想像（行き過ぎると妄想）もそうだね
冥王星は……無意識の中でも一番無意識で、理解できないというか認識できないね。その上キーワードも『権力』とか支配されるか支配される側か、とか『生死』とか『破壊と再建』だからね
ちょっと行き過ぎたり、凄まじい……年齢域だと死後に当たるし『あの世』の世界の扉って感じだものねぇ
何か長くなってしまってすまない。そして流しても良いんだ……付き合ってくれてありがとね（おいとく
心の世界だけど、まぁ大抵夢って理解不能だし変な夢ーって多いし特に問題ないかな
まぁ、正確にいうと『夢を見ている時の自分の意識』が海王星の働きで、まぁ分かりにくい天体だよねってお話です
でも夢って自分の無意識の奥底にある分かんない意識の混濁してぐっちゃぐちゃに混ざったものだから、その時は分からなくてもヒントになる事も稀にある
……大抵はやっぱり意味不明だし無意味な夢多いけどねー
大丈夫。先生薬は手を出さない……今お酒飲んでいるのもあの子のおもりの為に、本業を止めて保護者している間の休息だからね……
そうか…… でも恋愛する気も子供残す気も無いしね、結婚する自分を想像できないし、そういう未来は望まないかなって
あー 別にしても良いけど……吸い取って殺すね（妄想ドリームクラッシャー系のアラサー）
（首を絞めに行こうとして悩みました！……マジで！？あるなら卒業する前に行こう。明日辺り帰宅したら突撃します！） -- クララ
- （正座）始まる魔術講座…！な、なるほど…太陽が目標って言うのは納得だなー
三王星以外は大体…（某セーラー服美少女戦士の性格設定ってここから来ている…！？）
日常破壊って…ああなんか俺天王星って感じかもしれない…！
冥王は認識できない？なんか難しい象徴、冥と言うだけあってあんまりいいものとも言えないんだな…
惑星から外されたりしたようだしなんともいえない星だぜ…いやあいいですよ、そんなに色々あるものなんだって…
まあ意味わかんない夢ばっかりですね…フロイト先生に言わせれば大抵性欲につながるけど
意識が混じったもの…何かわからないものが出ても、無意識の底から拾ってきた何かって言うことがあるのかなあ？
本業再開したらお酒を止めて普通の魔女になるって言う？そこまで飲んでで止められるものなんでしょうか…（不安）
更なる高みを目指すのみ！って感じですかね…お、おぉ…！（その力強い言葉に更なるエロ妄想が進んでしまうお年頃である）
（どうでもいいような感じの改善できないものと、ちょっと気になるもの…改善済みがあったり！） -- スパイシー
- （長くなってしまうしとめどなく話す気がするから好きにぶつぎってもいいんだ！）&br； 太陽は目標（他にも父親とか色んな意味があるけど置いとく）
例えば『私はパティシエになりたい』という人が居れば『パティシエになる＝目標＝太陽』だね、仮の話だけど
……でも中には目標が無い人（＝太陽が無い人）も要る
でも、人生バリバリ頑張らなくても幸せ！って思って、現状に満足してそれで良いなら問題は無いし
結婚した女性は太陽＝夫も表すので、自分の太陽を夫に投影したりもする
この場合は、自分（妻）は社会に出ないで家の中で家事をしていて、社会に出る夫（太陽）に自分の太陽重ねちゃうってわけです
セーラームーンはよく出来ていると思います。特にウラヌス。中性的で男装する女性とか、天体的にも良いキャラ設定だなーとか
あまりセーラームーン詳しくないので語れませんが……確実にここからだと思う。土星以降のこの天体はトランスサタニアンといって、占星術の歴史から見て、近代的に発見された星星なのだわ
あー正確に言うと皆、天体は持っているし、全ての天体が影響しているよ。ただ、やっぱり傾向見てもbr; 『自分はこの天体好き』とか『この天体的特徴ある気がする』って人は大体影響強かったり出やすかったりするけど。全てでは無いし、傾向ね
冥王星はさぁ、本当に無意識の中の無意識の意識って感じなんだわ。意識の層があるとしたら、夢の中の意識（海王星）よりも下の方の意識だしね
実際冥王星は、自分で意識できない無意識の領域だから分かんないね……
冥王星降格は色々その話も長くなるけど、何で降格したんだあれ……お陰で占星術領域界隈は大騒ぎでしたよ（当たり前だ）
降格された事によって、冥王星の影響も（以前と比較しては）落ちるけど、無い訳ではないしね。未だに占星術では普通に使われているしね、無いと困る
……あと、問題というと冥王星の名付け親（プルート）ってアメリカなんですよ……で、それが降格されたって事は
アメリカの権力が弱まるって見方出来るよね……冥王星って只でさえ絶対権力とかとも影響しているしさ
あと恐ろしいのは冥王星が降格される事によって一番外側の天体が海王星になったって事だね……
ゴメン、マジゴメン。短くまとめようと思ってこれだよ……ホントだよ……（顔を覆う）
そうだね、夢って夢占いしようとするのも難しいからな…… うん、性欲にするのは止めよう……（遠い目
そうそう。良い例が正夢だけれど、そう簡単に分かりやすくは出てこないけどね。大抵分かんない形で出てくる事の方が圧倒的に多い
そうなる予定だよ……あぁ、ちょっとづつ止めて行けばいいのさ……今も量は多いけど少しづつ控え始めたり飲むのを止める日を徐々に増やしているよ
どっちかって言うとそのものでは無くて、象徴が出てきたりする……だから訳わかんないし人によって全然違ったりして左右されるってわけです
……高み、なのかな…… まぁ、でも。私も普通に結婚するとか子供生む人生だったらこういう事はしていないのは確かだね
何を想像しているんだね、君は……（ふう、と溜息交じりに）
（成程、了解ですわー なら折角ですしお話伺いに行きましょうー よろしくです） -- クララ
- （そう言う専門タイムにまた別途聞いたほうがよさそうな気もしてきた！もっと魔術タイプな子であれば…）
パティシエその物が、じゃ無くって目標かあ…目標が無いとか太陽がないってい割れると致命的層なんですが！
主婦は夫が太陽！？目標に向かって走るのを止める…というより、その夫が目標だったって感じの…ううん、満足みたいな？
ウラヌス！？そっちの方はもっと詳しくなくて、ははあなんか男っぽいあの人
トランスサタニアンってなんかこうかっこいい響きですな、サターンが土星だからそれ系の英語なんだろうけど…（英語がよくわからないこ）
自分の中の一番はあるかもしれないけれど、全部の何か要素は持っていると？さっきの太陽が無いの人もなにか別の太陽を持っていることがあるのかな
無意識なんだか意識なんだか！なんかこう…心理学だったかで意識に階層があるって言うのがあったような…それのかなり奥まった所…？
何でなんでしょうね…俺もよくわかんねえっす、軌道が変だからとか何かあるのかな…降格されても影響ありとすると…彗星なんかもあるんですかねえ役割みたいなのは
プルトニウムはプルートから付けたんだっけ、逆だったかな…なんかその辺で降格に関連していたりして
でも俺に取っちゃやっぱり冥王星が一番外側だなあ（いいんだ…と撫でる）
占いとは別に追われる夢とか殺される夢みたいな、悪夢は見たくは無いですなあ
正夢！夢で見たことが本当に、じゃ無くて実は逆で現実であったことが夢に出てきて、順番がごっちゃになっちゃうだけかなあって思うんですけどねえ
一気に止めるとリバウンドとかありそうですもんね、そう言う意味では堅実…！お酒を飲んでも意味のないようにする薬とかも作っちゃえるかもしれないですが
普通とは違う道を歩んで、それ以外にそれようとも思わないなら自然と高みになるんじゃないですかねえ、それとも…先生の太陽（目標）はありませんか？
あ、いや、へへえ（鼻血を垂らしつつへつらいの笑みを浮かべた）とっ、とりあえずこの空き瓶はごみに出しときますね！それじゃ！（ばつが悪くなり、逃げ帰るように空き瓶を抱えて出て行った）
（はーい了解です、もう全体行事は修学旅行くらいなのでのっちのっち行きましょう） -- スパイシー
- （多分魔術タイプだともっと話が深くなって大変だと思うんだ……遠い目）
うん、そうだね。仮に今パティシエっつったけど、別にパティシエじゃ無くても良い。歌手になりたいなら 目標（太陽）＝歌手だし、勿論受験で合格するのが目標ならそういうのも太陽になる
目標＝太陽な訳で、太陽が無い奴っつーのは目標の無い奴の事なので、それは自分で太陽（目標）を頑張って探しましょうって話になります。致命的では無くて、そりゃ自分の責任です
主婦は夫が太陽の話は、分かりやすく言うとね。月＝妻、太陽＝夫を表したりしているんだよ。で、これらの状態から結婚後の相手の状態とか読んだりするんだけどね
分かりやすく言うと、専門主婦って家の中に居るから 太陽（＝社会的活動、社会的な顔）を夫に投影しちゃうわけだ
簡単に言うと、とある主婦のホロスコープ見ると、太陽が『バリバリと仕事できて出世コースを行く様な配置』だとするじゃん
そうすると、バリバリ仕事していて出世する自分（＝太陽）を夫（＝太陽）に投影する訳で
時々「貴方はいつになったら出世するの？隣の旦那さんなんて貴方と同じ年齢なのに部長さんなのよ？」とか、やたら夫の出世や会社でのポジション気にする女性のホロスコープ見たら
実は自分の太陽が出世コースなのでした。というのもあったりする。これはあくまで一例だけど ……わかるかな？
ウラヌスっていうか天王星ってさ。土星っていう常識的・現実的惑星に対して、改革しようとして反骨精神がある訳です。要するに変わり者
……で、男装って変わっているでしょ？女性っていう『性』に囚われて無いし、こういう所をちょっと見るだけでも上手く表現したなぁって感じる訳です
……セーラームンを詳しく知らないので、これ以上語れんが……
トランスサタニアンって土星以降の、肉眼では見えない不可視惑星の事だね。そして面白い事にこれらの天体の神々は
ウラヌス（＝天空の神、天王星） ネプチューン（＝海の神、海王星） プルート（＝冥界の神、冥王星）であり
人は空を飛び、天空へ到達出来ないし、深海の海底も未だ神秘に包まれており、死後の世界等持っての他（空学の話は置いといて）
……つまり目に見えない世界、事柄を司り、同じ世代の人の潜在意識を示していて、別名『世代天体』なんて言われたりする
そうだね、集合無意識を示していて、意識の階層のさらに下。ここに来ると他者と自分の区別も無いと言われている
……まぁ、冥王星自体すげー移動に長いし12星座全てを巡るのに訳250年かかる。平均一つの星座に居座るのも約20年かかるしねぇ……
そう、プルトニウムは冥王星の名前が由来しているんだよね。そしてミッキーのペットのプルートもアメリカ人が発見した事に由来している。発見当時凄い話題だったんだよね、冥王星
冥王星って元々発見された時から、惑星という定義を付けようっていう運動があって、西洋占星術にも取り入れた訳
なのに、惑星であるという定義をはっきりさせよう！という動きから降格になっている様な流れだったらしいんだよね……
で、降格になったのも、冥王星って一つの惑星じゃ無くて、実は似たような大きさの二つの星だった事がわかったり、想定以上に小さすぎて降格したんだよね
大きさがちっちゃすぎて、月より小さいから『この大きさで惑星を認めちゃったら、もっと惑星が増えてしまう』っていう理由だったと思う。確か
で、惑星の定義というのもあって、それに当てはまらなくて、降格されてしまいました……
だよね、冥王星が一番外側だよね……占いの話置いといても、それで良いと思う。てか何で降格したんだよ……はぁぁ（撫でられつつ、付き合ってくれてありがとうとお礼言いつつ）
実は殺される夢って浄化や変化の意味合いを持っていて、吉夢だったりする。派手にスプラッタ―系等残酷であればいいほどいいとか
追われる夢は精神的、肉体的ストレスの危険信号だね…追ってくるもので何からのストレスからの物か判断したりする
一気に何かするっていうとダイエットじゃ無くても負担になるしね、何でもそうだねど…… うーん。お酒飲むと心拍数上がるから、呼吸法が出来ないんだよね。だから駄目
道はいつでも後ろに勝手にできていくモノだと思うわ……元々この道も、歩む予定では無かったのだけどね。数奇なものだわ（私の太陽ねぇ、とぼんやり呟いて）
……鼻血出てるぞ……？ あ、ああ。ありがと……助かるわ（ひらひらと手を振って見送って）
……会話が講義紛いになっちゃって悪いことしちゃったなぁ……
（はいー 了解です、ゆっくりお願いします そして長々付き合って下さってありがとでしたー） -- クララ
- （スパイシーが居なくなった後酒飲んで寝る先生） -- クララ
- （夜更け、人目につかぬよう注意しつつ酒瓶を手土産に尋ねて来る）
ｺﾝｺﾝ（控えめなノック）先生…居ますか？ -- スパイシー
- （小さなノックと、見知った生徒の声が聞こえれば、独りでに部屋の鍵の開く音が聞こえる）
開いてるよ……いらっしゃい（中へ入れば、だらしない格好で酒瓶ごと口を付けて呑んでいる女の姿があった） -- クララ
- 失礼しま…ラッパ！？せ、先生、それはいくらなんでも死にやしないですかね…（格好が気になる青少年ではあれど、それ以上にラッパ飲みしている方が気になって）
（余計なものを差し入れてしまう事になるだろうか…と思いつつも、手土産に持ってきた以上は酒瓶を差出し…）
手紙ありがとうございます…その件で…聞いてもいいでしょうか（恐らくはこの先語られる事なのだろうが、いてもたってもいられなくなって…） -- スパイシー
- ラッパだよ。大丈夫だよ、先生基本的に一人酒だからね、コップ用意するのめんどいしね
大丈夫。人は皆いつか死ぬ……遅いか早いかの違いってだけさ（はは、と笑う。案外豪快なのか青少年の事情は全く考えて無い）
あー ありがとーお酒だ―うれしーなー どんな酒だろ……？（手土産に喜んで、酒瓶を手に取りラベルを見る）
ごめんねぇ。先生基本的に左党だからさぁ、あんましもてなせるものないけど……（一度奥に引っ込むと、おつまみ追加兼ねて、スパイシーの分も）
（生ハムカマンベールチーズや牡蠣のマリネ、ローストビーフ、キャビア乗せクラッカー等を持ってきて、小さく笑いかける）足りなかったらまた何か出してくるよ
いや、こちらこそいつもあの子と遊んでくれてありがとうね。礼を言うよ
……あぁ、いいよ。知るのが早いか遅いかの違いだしな（何を喋ろうか、と言いながらペリエをグラスに注いで持ってきた） -- クララ
- いや…口をつけたら汚いとかそういうのじゃなくて…そんな飲みかたして大丈夫ですか、アルコール中毒とかそういう…
（どうやら２種類あったらしい、１つはエリシュオン産のワイン…お手ごろな値段で庶民の味方である。もう１つはワイルドターキーの13年物…その名の通りスパイシーな味わいによりこの生徒の好みでもある）
左党ってなんでしょう…ああお構いなく…おつまみばっかりだこれ！（この先生、常にこんな食生活を…？太ったりしないんだろうか…とか余計なことを考えているとか）
ええと…前回の手紙の最後に出てきた…女性、その人が…ブーゲンビリアさんの「黒い部分」そのものなのか…と思いまして
（ありがとうございます、と口を湿らせる…炭酸水だったことに少し戸惑った様子だったが） -- スパイシー
- 大丈夫だよ、先生はお酒には強い方だしね、飲んでばっかりだしね（スパイシーの心配をよそに笑う『ありがとね』と、ウィンクして）
（銘柄を見れば、エリシュオン産のワイン。安いものではあるものの、飲みやすくて美味しく、フルーティーだった記憶がある
もう一つは、彼の名前とかけたのだろうか。香辛料のスパイシーな香りのワイン）
洒落たものを……（手に持ち、既に開けていたワインを空にすると、ワイルドターキーの13年物を開け始めた）
（グラスを2人分持ってくれば『飲むかい？』とスパイシーに訪ねて。先に自分の分を注ぎ始める）
（手の中で転がす様にワインを温めながら、徐々に体温が伝わり温められ、胡椒やシナモン、ナツメグ、アニス等の香りが広がり始める）
……良い香りだね。上質なワインをありがとう
左党ってのはあたしみたいなやつの事を云うのさ（つまりは「酒飲み」という意味で）
……ゴメン。菓子とかね、酒のつまみに合わなくてね……いや、林檎はあるからカマンベールチーズの上にスライスを載せてメープルシロップをかければ甘いものは出来るんだ……酒のつまみだこれ
（大体こんな生活らしいが、体系は崩れない体質らしい）
ああ。うん、あの弟子の子ね……そうだよ（ワインを口に運びながら答える）
元私の弟子の魂が、今のあの子の生きる核みたいなものになってる -- クララ
- （心配しつつもウィンクにドキッとしてしまう、先生であっても彼にとってはやはり年頃の娘さんには違いないのだから）
自分で飲む時は同じワイルドターキーでも安い奴ですけどね…（どうも普段からこの種を飲んでいるらしい）
（//すいません！ワイルドターキーはワインでなくてバーボンです…！）
ははぁー…そう言う呼称があるんですか…（酒飲み＋だらし姉＝左党と、クララを見て勘違いして）
先生は本当にお酒が好きなんですね（あるいは異常とも思えるほどの酒好き…それはそれで、何か原因があるのだろうかと思い始める）
（少なくとも手紙にあった内では、こんな生活をしていたとは想像できず…）
やはり… …それは… …（弟子が嫉妬心から殺めてしまったのか…と聞きたい気もするが、言葉が出てこない） -- スパイシー
- （先生と生徒という関係もあるせいか、スパイシーの機微を気にしていないのか、元々無頓着な性格もあるのだろうが）
（ゆったりと寛いでお酒を飲み、体温が上がり頬が紅潮するのは色っぽいかもしれない）
あぁ、普段からお酒飲む子なのかな……じゃあ最初から聞けばよかったね。気が回らなくてごめんね（グラスにお酒を注げば、手元に）
（//やだ……恥ずかしい。すみません！バーボン全然飲まない上にカクテルかワインくらいしかお酒飲まないのでその辺りかと思っていました……！恥ずかしいわ……）
そうそう（頷く。勘違いされている事も知らずに）
んー？そーだねぇ、たまには私もゆったりしたいものさ……この４年はあの子の面倒見るつもりだからね（笑いながら答える）
（お酒の話の原因は特には無い、が、下手に話題を突っ込むと海王星の象徴とお酒と薬物等を絡めた長ったらしい授業もどきが始まるので注意）
人生なんてねぇ……振られた賽の目で変わるすごろくみたいなもんさ
（ワイルドターキーを注ぎながら、囁いた）
うん。そう、その通り（言葉にするのも躊躇うスパイシーに、あっさりと返す）
……どうしよう。この話もちょっと長いんだよね。短く簡単に話しだけ聞く？それとも詳しく話そうか……
（お酒で口を湿らせると、弟子の詳細も話そうか、経緯だけ簡単に話そうか迷った）
時間、大丈夫？ -- クララ
- （大人の色香…と酒気を漂わせる目の前の女性に頭がくらくらしてくる）
あのう先生、俺も一応男なんですが…（普通、とは少し言いがたいが青少年ではある）
さすがにラッパでがぶがぶとは飲みませんけどたしなむ程度には（未成年である）
あ、いやこれはありがとうございます
（//いいんですよ！そう記述しておけばよかった…恥ずかしがるクララ先生かわいい！）
４年、その先はどうなって…（ブーゲンビリアさんは４年で一端になるのだろうか、残りは２年…少し心配にも）
（手紙を読んで老人へ感情移入したせいか、父性のようなものが芽生えてしまっているのかもしれない）
すごろく…ですか？それは…常に変動するというような？（酒を一口、口を湿らせて）
（自分の不安に思っていたことそれが的中してしまったようで口を閉じる）…あ、ええ…時間は大丈夫です
その…以前先生は表に出さないようにと言っていたので…もし、俺の考えていた通りだったとするとと思って…
ブーゲンビリアさん…赤子の方も、その黒い方も…なんて言うんでしょうか、封じ込めるじゃなくて…両方
そう、両方救う方法は何か…ないんでしょうかね -- スパイシー
- へ……？ あ、ごめん……（スパイシーの言葉に、足を組みそうになるが――……上げかけた足を降ろして、ずれている服を直した）
そうか、お酒を飲み始めたのはいつ頃なんだい？（飲むと聞くと嬉しそうにどんなお酒が好きかを聞きつつ）
（//恥ずかしい…私も名簿に記載しておけばよかったかもしれません…）
……４年後の事は、あまり私自身があの子に介入する気は無いんだけど
誰かと一緒に暮らすとか、第二の人生を自分の足で始められるならどうも思わないし、介入する気も無い
けれど、４年経って入学当時と変わらないのなら……あの子の面倒もそこまで。私も老人に匿って貰った時間は４年間だ
（手紙を送って、最後の結末が届く前にこうして話に来た事や、あの子を心配する様子から
スパイシーを とても、優しい子なんだと思った……彼には幾つか、黒い中身の話をするには辛いかもしれない）
その通り。人生もさ……次の展開がどうなるかもわからないでしょ？br; この世は常に変動した上の安定で成り立っている……安定が本当に出来あがると、次に来るのは停止、それから現状の崩壊に繋がるしね
嘗て私の弟子だった、黒いブーゲンビリアの話をしよう
あの子が同じ村に居たのに気付かなかったのは、忙しかっただけではない
私の弟子時代の、彼女の面影は無かったのだから……
『黒い中身のブーゲンビリア』
元々あの子……黒のブーゲンビリアは、貴族の出身だった
誰もが羨むような、名門家の出身で、非常に出来が良く、元は心根もやさしく美しい子だった
彼女が生まれた時、親同士が既に家の関係で決めた、政略結婚の許嫁も、小さい頃から存在していた
……けれど、彼女が成長するにつれてその話も消え失せて、次に生れた妹の方へ許嫁の話も流れてしまった
問題は顔立ち。お世辞にも綺麗と言えないどころか……酷く容姿は醜かった
醜い娘に母は不倫を疑われ、名門家の娘だというのに、恵まれなかった容姿の為に、屋敷の中で幽閉される様に育てられた
顔立ちが悪いせいで、家族中から嫌われ、姑にいびられる母は精神を壊しかけ、自分自身すら醜い容姿を恨んでいた
けれど、容姿を恨んだところでどうにもならない事は理解していた
あの子はせめて名門家の子女らしく……と、勉強やピアノ、礼儀作法に励んでいた
……でもね、醜い容姿のせいで、デビュタントすら出すのを躊躇われたり
自分より位の低い他の貴族にも馬鹿にされて言い返す事すら、まともに出来ない
舞踏会に出ても、誘ってくれる相手も居ない
……終いには、それすらも出るのが苦しくなってしまって 城の庭で、会場から漏れて耳に入る曲に合わせて一人で踊っていた
好きな相手が出来ても、醜い顔のせいで相手にすらして貰えない。嫁ぎ先も見つからなかった
年頃になっても嫁ぎ先も無く、次第に家の中でも完全な邪魔者になってしまった
家の中ですら、心休まる場所も、自分の居場所も無い
だが、彼女は非常に優秀で、礼儀正しい娘だった
『師弟関係』
山村へと姿を消す前の私は、王宮魔術師をしていてね
そこへ、弟子にしてくれと頭を下げに来たのがその子だった
女性が働くという事は、非常に侮蔑される世界ではあったが、魔術師は需要もあり、他の職から見ても優遇されていた
才能のある子だったから、すぐに様々な事を覚え、出来るようになっていった
私も、あの子の成長ぶりは見ていて気持ちよかったし、将来が楽しみな子だったんだ
だけど、あの子自身はいつも満たされない感情に支配されていた
小さい頃から愛されたくて、愛を渇望した。けれど、愛されない子だった
魔術師になったのも、嫁ぎ先も無く家の中に居るよりは 王宮魔術師となれば、家の体裁もまだ保たれると思ったからだった
……でも、誰も彼女を褒める人は居ない。家の人は厄介払いをできて、心底ほっとしていたのだから
本当は自分が結婚する筈だった、元許嫁にも 密かに密かに恋心を抱いていた
しかし彼は、自分とは似つかない、美しいけれど愚かな妹を愛していた
同じ血を引いているのに、どうして私と妹はこんなに違うのか
美しければ、中身が多少愚かでも素晴らしく 醜ければ、せめて中身を磨こうとしても無意味なのか
幼い頃から、ずっと妹にコンプレックスと羨望を抱いていた
成長して行けばして行く程に、それも徐々に大きくなる
自分も、妹の様に美しく生まれたかった……いや、出来る事なら妹になりたかった
『完璧な肉体に宿す魂―ホムンクルスを使用した魔術理論―』
丁度その頃、一つの魔術理論が流行する事となる
完璧な肉体を手に入れる事で、自分の魂や精神の質も同時に引きあげようとする試み
自分で作った美しい肉体という器に、自分の魂を移す事で、より完璧に近づく一つの手段
作り物の、ホムンクルスの入れ物に 自分の魂を移す術
始めは、愚かだと思いながらも、彼女は自分の妹に似せて作った器を何度か作ろうと試みた
……けれど、それは簡単には上手くは行かない
内容も非常に難しく、成功例もほぼ無いに等しい様な術ではあったし、噂の様な存在で、本当か嘘かも怪しかった
次第に、何度か行っても成功しない事から、正気に戻り ホムンクルス作成から手を引いた
自分は何を愚かな事をしているのだろうと思ったから
……そして、もし……妹の器が仮に完成した所で、自分はどうしたいのか？
妹の人生でも、あの子の代わりに乗っ取りたいのだろうか？
理性から、人の人生を奪う泥棒の様な事を考えていた事を抑え、自分を恥じた
「何を考えているんだ。私は……自分の人生が上手くいかないからといって」
そう思って、全てを忘れることにした――…… そんな時だった
妹に殺意を覚える程に、煮え切る悪意を抑えられなかったのは
始めは、些細な喧嘩だった
顔が良くも愚かな妹は、少しばかり失言が多い。その日は酔いの勢いもあって、尚更だった
美しいばかりに我儘放題で育った事もあり、相手の家の姑と、上手くいかない様子だった
始めは同情したものの、愚痴を聞きかねたブーゲンビリアは妹に苦言を呈す
「そんな好き勝手していたら、いつか本当に嫌われて大変なことになるよ」と
けれど、妹からすれば大きなお世話であり かつ、醜く結婚すら出来ず、貴族の子女だというのに働いている姉を見下していた
……そんな相手に苦言を呈されたのだから、堪らない。八つ当たりも兼ねて、姉を酷く罵った
「……えぇ。そうね、お姉様。貴方の様に、結婚どころか恋も知らず、この年になっても独り身の方には分からないでしょうね」
その言葉を始め、姉への暴言は続く
どんなに小さい頃から、愛されようと努力して、様々な英才教育や行儀作法に耐えて来た
醜い事に嘆くのは簡単だが、そうした所で現状が変わらない事を知っていた彼女は
少しでも愛されようと、その為に苦しい想いも耐えて来た
けれど、誰も自分を見てくれない 愛してくれない
それどころか、醜いばかりにこれ程愚弄されなければならないのか
ふつふつと ふつふつと……怒りが抑えきれなくなったブーゲンビリアは、近くにあった燭台を手にすると、妹の後頭部を思いきり叩きつけた
妹は倒れた。後頭部を叩きつけたから、顔は綺麗なままだった
……肉体が作れないなら、目の前に生きている肉体を使って乗り移れば良い
妹の魂を、自分の使い魔に喰い尽させると、治癒術を施して、見た目を元通りにした
自分の欲しかった器がようやく手に入った
術を施し、妹の体に自分の魂を憑依させ、自分の肉体をばれないようにと処理を施し
妹に成り済ました人生が始まった
……それは、以前の自分では味わえない 甘美な日々
『偽りでも手に入れたかった、あの子の求めていたもの』
周囲の視線が私に集まる
それは、侮蔑ではなく、羨望の眼差しなのだ
歩くだけで人目を集め、美しいからと大切に扱われた……なんて気持ちの良い日々なのだろうか
始めは、相手の姑との拗れもあったが、多少の小言や暴言など、今までの自分の仕打ちから考えれば生易しい
ぬるま湯につかっているかのような人生だった
妹と違い、姉の自分は礼儀正しく教養もあった
元々の妹の態度も悪かったのだろう、大人しくして居たら、周囲から「変わったわね」と声を掛けられ、徐々に姑とも上手くやる事が出来ていた
自分の器の人生は終わり、妹の器で生きる人生は 同じ人間でも運命はこうも違うのかと思う程に薔薇色だった
……けれど、偽りの人生も長くは続かない
許嫁の夫は、本気で妹を愛していた
……だから、偽物の自分の異和感に すぐに気付いてしまった
男遊びも密かに激しかった妹とは違い、私は初恋すらヒタ隠しにしていたのだ……恋愛なんて知る訳は無い
問い詰められた時に、ばれてしまった事、今をどう切り抜けるか よりも先に
私の心は酷く酷く痛めつけられた
……美しくなれば、幸せになれるんじゃ無かったの？
どうして、妹の体なのに「以前より変だよ、おかしい」って言ってくるの？
……美しくなったのに、貴方は私を愛してくれないの？
私は愛されたくて、愛を求めたのに 手が届かなかった
愛される器に入って、愛を手に入れたと思ったのに、私からそれを奪うのか
抑えきれない憎悪が、理性を殺す――……冷静になった時には夫を殺していた
もう、この場には居られない
でも大丈夫。自分はもう、以前の自分とは違う……美しい器を手に入れたのだから
誰も自分を知らない街へ行けば、幸せになれる
……そう信じて、居場所を移した先で生活を始め、昔の自分では味わえなかった恋を経験していくことになる
色褪せて灰色だった世界とは、もう違う 私は美しいのだから
美しい事から周囲の目も簡単に集まり、声を掛けられ自信を持った
恋人も出来て、自分は結婚して幸せになれる……そう思っているのに
何故いつも、自分の恋人は 他の女に目をくれるのだろう……？
恋をろくに知らない彼女は、多少の目移り程度の視線にまで、激しく嫉妬をした
自分より美しい女が相手だった場合は尚更だった
嫉妬に身を焦がし、今の自分よりさらに美しい器を手に入れる為、相手の命を奪い
新しい器に自分の魂を入れていく……そんな生活を繰り返し、徐々に徐々にと、移り住んで行った
『狂気、そして嫉妬』
次第にそれは、狂気に堕ちた魔女の伝承となって伝わり
その後の魔女狩りに発展する一端を担ったのは、間違い無いだろう
――……そんな人生を繰り返し、辿りついた先が山村だった
巷では自分は噂になっていたし、魔女狩りも流行して居られなくなった
人気の無い山村なら、暫くの間は安心であるし――……何より
都会で洗練された美しい娘達の身体を乗っ取り、更に美しい娘が居れば乗り移るを繰り返していた今の自分に
山村の田舎娘になんて、負けない自信もあった
実際に、美しい娘の身体を乗っ取っていたから当然美人ではあったし
山村には不釣り合いな美貌の女は、風の様に村中に噂が広まり、恋人も選び放題に近かった
その中で一人の男を捕まえて、恋人にして、幸せの絶頂に居たつもりだった
田舎娘共が私の美貌に敵うものかと自負していたし、愚弄していた
……誰も、私に敵わなかった
村の女達は敵に回したが、村の皆全てが、昔の私を見る様な優越感にすら浸れ 嫉妬すら心地よかった
惨めな過去の自分を、村の娘達に投影し、嘲笑い、昔の自分を心の中で殺していく錯覚に陥っていた
……そうする事で、過去の自分を消せると思った ……見下す事で、惨めな過去を塗り潰せると思った
……そうしたかった
私はこの村に来て、欲しかったものをようやく手に入れて、思い通りの人生を歩めると思っていた
嗚呼、なのに
村の中で一番美しい筈なのに
……恋人の瞳が自分を移さなくなったのはいつからだろう？
そして、恋人の目は、村で唯一の医者であり魔術師だった老人の娘に向いている
あの老いぼれに、何故あんな美しい娘が傍に居るんだろう？
訝しげに思ったが、同時にその時には自分の師匠もそこに住んでいたから その時は師匠の弟子だと思っていた
師匠の弟子だという事なら、優秀な娘か、落ちぶれて働きに出無ければならない様な貴族の娘か何かだろうか？
……あれは、田舎娘の顔立ちじゃない
まるで、作り物の様に整い、美しすぎた
更には、何処か儚い様な清らかな雰囲気を持っていた
……何故あんな、田舎娘が私に無いモノを持っているの？
忘れかけていた憎悪の炎が、心の奥底で燃え上がる
恋人が愛しげに、あの小娘を見つめるのは気に喰わないし、この様子だとタイミングを見計らって関係を持ちそうにも見えなくはない
……まぁ。いい
結局私を愛さなかったこの男は殺害して、後であの娘の器を手に入れよう
けれど、そのタイミングはなかなか来なかった
家には、私と老人のどちらかは常に居たし、老人の足腰が悪くなってからは一層そんなきっかけも見当たらない
緩やかに、緩やかに……全ての人が 老人の死を待つだけの時間を過ごした
今考えると、あの穏やかさは嵐の前兆だったのかもしれない
『老人の死』
遂に老人が永遠の眠りにつく日が訪れた
少しは身体を動かさなければならない事と、植物採集の為に、家を出て
すぐ傍にある、裏庭の様な森の中で倒れていたのを発見された
白いブーゲンビリアを隠し、誰にも姿を見られないようにしなさいと忠告し
大人しくあの子は、家の奥に潜んでいた
その日は、老人が倒れてしまった為に村中から人が代わる代わる集まり、私も対応で手いっぱいだった
葬式も、すぐに行う相談をし、私は村の人皆に葬式に来てもらうよう声をかけたり手配をしていた
葬式の場所は、この山村から少し離れた森の中に、村人たちの墓地があり
老人はそこに埋葬されることになった
白いブーゲンビリアは、まだ何も知らない
老人が死んでしまった事も、これから自分がどうなるかも知らない
私も、最後の挨拶位させてやりたかったが、ひっきりなしに家には村人が代わる代わる現れて
……彼女には最後の挨拶をする時間も与えてあげられる事もできなければ
もう、老人は戻ってこない事すら、教えてあげられる事も出来なかった
村の唯一の医者であり、魔術師だった老人は 本当にその人柄も含め、村中の人から愛されていた
皆が嘆き悲しみ、村の殆どの人が葬式へと来てくれた
家に、白いブーゲンビリアを一人で残したまま、もし何か問題があっても多少は大丈夫なように
使い魔でこっそり監視する程度しかしていなかった
……それも、白いブーゲンビリアが、私と老人が居ないからと、勝手に外に出ないようにする為の監視だった
『血塗られたコッペリア』
白いブーゲンビリアは素直な子で、私の言いつけ通り、きちんとお家で一人で待っていた
一人ぼっちになりながら、私と老人の帰りを待って
部屋の奥のベットに腰掛けて、じーっと静かに、戻るのを待っていた
家の扉が開く音が聞こえて、誰かが此方に向かってくる足音が聞こえる
誰かが帰って来てくれた事には気付けたが……足音は老人のものでも私（クララ）のモノでも無い
知らない足音が徐々に大きくなって、白いブーゲンビリアの居る 奥の部屋の扉が開く
……そこには、見知らぬ男が立っていた
同時刻
村の住民が皆一様に葬式に向かい、家が手薄になった今は 黒いブーゲンビリアにとって絶好のチャンスだった
邪魔な老人は居ない。邪魔な元師匠は居ない
今のうちに、あの小娘の体を乗っ取ったら、恋人をどう殺してくれようか
長い間熱い視線を送っていた相手に殺されるのはどういう気分だろうか……？
酷く歪んだ感情すらも、今は愉悦でしかない――……高揚感に胸が高まりながらも、白いブーゲンビリアの居る奥の部屋まで踏み込んだ
……そこで目の辺りにしたのは、恋人と重なり合っている白い器
高揚感に高まった胸は、そのまま激しい感情へと擦り変わり、双方への殺意へと変化していた
その時。白いブーゲンビリアは、何が起こってこうなっているのか、全く分からなかった
見知らぬ男が立っていたと思ったら、そのまま押し倒されて口を塞がれ、足の方へと手を伸ばされる
何をされているのかも理解していない
何が起こっているのかもわからない
ただ、ただ……異物感の痛みと不快が自分を襲う
気持ち悪いと思っても、抵抗をする事すら知らない
……ただ、よく分からないなかでも、何故だか『怖い』とだけは理解した
……最も。本当に戦慄を覚えたのは、自分の上に乗る男越しに見えて立っている
凄まじい形相で此方を睨み、ナイフを振りかざそうとしている女の姿だったのだけれど
男の首を、後ろからナイフでメッタ刺しにして
抵抗するまでも無く死に至った男の遺体を、白いブーゲンビリアの上から退かすと
黒い少女は思いきり、白い少女を睨みつけた
黒い少女は絶句した
……どんな絶世の美女かと思ったら、巷で噂になっていたホムンクルス
作り物の肉体じゃないか
それだけではない、何か様子がおかしい……知恵遅れか？
……それなのに
「何で白痴の分際で！存在すら偽物で！人の世話を受けないと今日にでも野たれ死ぬ様な女が
私の欲しかった全てを手に入れているのよ！！」
激情に駆られて、白い少女の首にナイフを突き立てようとした
今までの少女が、何で愛されていたかを考えると当然だった
見た目や血筋、地位もあったからだ
……心の何処かで、自分が粗末に扱われても仕方ない理由を、探せたし、納得できた
けれど、目の前の女は唯一与えられた美ですら偽物ではないか
命も、肉体も偽物。地位も血筋も、どこかしら優秀なところも見当たる所は無い
なのに何故こんな女が幸せになっていて
私は美貌以外は揃っていたのに、幸せになれなかったの？
悔しくて悔しくて仕方無かった
……あるのはもう、報われなかった苦しみと
目の前の女に不釣り合いな幸運の嫉妬と、殺意だけだった
振り翳すナイフと、その先の女の怯えた顔しか見て居なかった
人の来る気配も、無かった筈だ
……なのに、振りかざしたナイフを握る手は掴まれて
気付いたら私は嘗ての師匠と組み合いをしていた
『黒と白の結末』 私（クララ）は、使い魔に監視だけ頼んでいたが、その使い魔を通して、彼女の部屋の状態は視覚出来た
……見知らぬ男が入ってきた辺りから、ヤバいと思って 周囲の隙を伺い
移動方陣を作成して、一気に家の中にまで戻ってきた
……その頃には既に男は殺され、黒い少女が白い少女にナイフを突き付けようとしている最中ではあったが
辛うじてそれを回避できたと思った
けれど、振り返る余裕も気を抜く余裕も無い
目の前には鬼の様な形相の、全く別人の美しい容貌を醜く歪めた元弟子が居るからだ
「危ないからナイフから手を退けなさい」
……一度だけ、私は忠告した
「嫌だ！ふざけるな！師匠だからと偉そうに！
アンタだって心の底で、私の事を愚弄した目で見ていたんだろうが！！」
錯乱して叫ぶ元弟子に、これ以上声をかける事も出来ない
……話が通じないのだから
幸いだったのは、私は暫くの間の介護生活で、以前より力が付いていた事だった
少しづつ少しづつ、力の差で 彼女の持つナイフと手を、離そうとする事が出来た
……筈だった
抵抗した弟子により、振りかざされるナイフを払い除けようとはじき返して
ナイフの先は、丁度弟子の首の中央の、喉仏を僅かながらにかすり切ってしまった
凄まじい勢いと共に、血が溢れだし、痛みと苦しみに、黒い少女はその場に倒れた
「……し…… ……しょ……」
言葉と共に、呼吸音が虚しく喉仏から漏れる
喉が切れたことによって、ろくに発音も出来なくなった
苦しそうに、呼吸音を拙い言葉と共に「苦しい…… 苦しい……」と漏らし始めた
白い少女の方へと慌てて駆け寄るが……彼女も始めに振りかざされたナイフで、喉の中央を微かに切られていたらしく
首から下を、血で真っ赤に染め、顔を青白くしていた
……双方の少女は虫の息だった
もう、助かる見込みも無い
……このまま両方捨て去ってしまおうか？
どうにかして、老人との約束通り、白い少女だけ助けようか……？
でも、それには……白い少女の生命力が足りない
元々が不完全な状態だったのだ
作り物で与えられた疑似生命は、元々生命力が危うい存在である
黒い少女の、まだ残っている生命力を、継ぎ足してしまえば、助かる見込みはあるかもしれない
……あの子も。黒い元弟子の少女も、元は可哀想な子なのだ
行った事に対しては同情の余地は無い、自業自得だとすら思う
……けれど、元を正せば黒い少女もただ『愛されたかった』だけだった
急がないと、老人の葬式から、村中の人間も戻ってくる
迷っている暇は無い
手早く白い少女に治癒魔法をかけ、黒い少女の魂を押し込み
傷跡を白い包帯で巻くと、肩を抱えながら老人の家を後にする
こうして私は、やっとの思いで 白い器と共に逃げ切り
老人の家には、黒い少女と男の凄惨な遺体が残された
安全な場所まで逃げ切ると、改めて術を行い、完成させようとする
けれど、白い魂と黒い魂は、魂の質が違い過ぎて混ざり合わない
だが、一つだけすり替えられる共通点があった
黒い少女は『愛されたかった』 白い少女は『愛される為だけに存在していた』
私は、黒い魂に命じた
白い少女の、器の糧になれ、と
そうすればお前は愛されたかった望みが叶う、と
黒い少女の魂は、それを受け入れて大人しく核となった
こうして、出来あがったのが、今のブーゲンビリアの経緯の全て
元々死にかけた赤ん坊の魂で、更に作り物の生命では 人の持つ本来の『生』は生成できない
故に、人間として生きて来た黒い魂の方では、人として当たり前に
自分自身が知らずのうちに『生命力』の生成が出来る
それが、白と黒を分離できない理由だ
二人とも助かる見込みねぇ……
もし、それがあるとするなら『愛』なんだと思う
白い少女は『愛される為だけ』に作られ、黒い少女は『愛されたい』と渇望する
……今は、菫嬢と一緒に同居して、仲が良いみたいだから助かっているよ
あの子と一度喋ってみたけれど、愛情深い良い娘だったしね
多分、きっと 彼女に恋人が出来れば、良い方向に持って生きやすいかもしれないが
……反面、もろ刃の剣になりうる
白い方は性事情で嫌な記憶を持っているし、黒い方もまともな恋愛をしていないからね
エリクサーにも毒薬にもなりかねん -- クララ
- (//すみません、お待たせしました 長すぎてごめんなさい) -- クララ
- あっ、いや、謝られるほどでも…（なぜ俺は佇まいを直させてしまったんだ、このへたれ！と心の中で自分を責める）
お酒を飲み始めたのは…体を改造してからなんで13の頃ですかね、やっぱりこう…改造した後に後悔する事もあってお酒に逃げて…
今じゃそこまで後悔してませんよ？全くと言ったら嘘になりますが…当時はそうやって酒に溺れましたが今は楽しむ程度ですし
4年、と言うのはそう言う理由だったんですね（なるほど命を助けられた恩義を返すには十分な期間なのだろう）
（クララ自身にも人生がある、これから魔術に没頭していくかもしれないし人並みに恋をしていくかもしれない、ブーゲンビリアさんに縛られ続けてはいけないのだ、老人もきっと…未練こそあれど、クララの人生すべてを棒に降ることは良しとしないだろう）
…（頭をかいて）4年…赤子として考えれば4歳児…（単独で生きるにはいささか厳しいか…）
平和を与え続けられると成長する事をやめ、自己崩壊をする…人生も文明も尺度が違うだけで同じなんですね…
（頷いて）お願いします（面影がない、そう聞いて整形でもしていたのかと考えていた俺に、この後の話は衝撃的なものであった…）
（黒いブーゲンビリアの話を聞いているうちに涙が溢れて来る）
（老人の時と同様、今度はその黒いブーゲンビリアへ感情移入したのかもしれない…）
（恵まれない環境…自身を呪うほどの環境でありながら健気さすらも感じ、全く知らない娘に対して涙を流している）
（弟子入りを志願した理由ですら彼女を疎ましく思った家の事を考えての行い、黒いと称される娘の行いとは全く信じられない）
（妹になりたいと思うその気持ちも、純粋なものであると思っていて…）
（妹を乗っ取った）
（ホムンクルスの体ではなく、妹を殺害しその体を乗っ取る…悪に分類される行為だろう）
（それでも嫌悪感を抱くことはなかった、むしろ妹に対してそれがさも当然の報いであるとすら考えている自分がいる）
（しかしそこまでだった）
（夫である人物を殺め、それから次から次へと乗り換えたと聞けばもうそれは感情を移すことが出来なくなってしまっていた）
（そこが彼の意識の限界なのだろう、狂ってしまった…狂気に走った黒いブーゲンビリアを全て理解することはもう、出来なかった…）
（ついに場面は山奥の村へと移り変わっていく、なぜかどんどんと胸が苦しくなっていくような気がして、知らず知らずのうちに胸を押さえていた）
（虎視眈々と待ち続ける黒いブーゲンビリアに恐怖のようなものすら感じているが、そのどうしようもなく救われない魂に同情心すらも感じて…）
（老人の死からの黒いブーゲンビリアの行動はおおよそは予想をしていた…その最中に、村の恋人が白いブーゲンビリアを襲う事までは想像はしていなかったが）
（理解できなかったはず、だのに恋人をめった刺しにした上で白いブーゲンビリアを殺そうとした彼女の気持ちはどこか、わかるような気がした）
（一方的に殺害し、封じる器とされたのかと予想をしていたがそれはもっと辛い事で、思惑はもっと複雑で…）
（そうして生まれた存在のことを考えれば、またも涙が止まらなくなっていた）
…愛、ですか（サングラスの端からとめどなく流れる液体、それが彼の心境なのかもしれない）
（話を聞いて、ぐるぐるぐると…ブーゲンビリアさんについて把握し、自分がどうしたいのかを考える）
黒い方は…共に虫の息の命を繋ぎ止めたそうですが、それ単独で生きることは可能なんでしょうか… -- スパイシー
- ……そうか。身体の改造、ね
（ブーゲンビリアの監視を通して、以前少しだけ彼の話を聞いていた。彼の中にもきっと、改造への羨望と後悔とが渦巻いているのだろう）
そうか。１３か、随分とまた若い頃にやったもんだね（酒に溺れて現実逃避したい気持ちも、分からなく無い）
（まだ、13では改造をしなかった時の『これから』の成長への期待も大きいと思うから）
君の身体の改造の話を含め、後で過去の話を聞きに行っても良いかな？迷惑でなければ…… 興味があるな
ああ、自分の命の対価にあの子の命。世話になった期間は４年……平等だろ
（彼女――……クララ･アステル･フォーチューンの詳細は、禁書の魔術書の様に、黒く塗りつぶされていた
きっと、その後もそのような人生を歩んで行くのだろう
もし、ブーゲンビリアを弟子にしていたのなら、話は別だが……自身の業を黒く塗りつぶし、血に染まった道に白い少女は連れて行く事は到底できない）
（ブーゲンビリアの事は、クララにとっても暫しの休息でもあった）
一応、黒の魂の方で知性を補っている部分もあるし……白い部分だけだと、今以上に知性が危ういからね……
そうだね。人生と文明で違う点があるとすれば、規模の大きさくらいじゃないか？……人生も文明も、人が作り上げるものだから同じだね
（淡々と、淡々と過去を話す）
黒いブーゲンビリアはね。弟子の時代に、容姿で悲しい想いをする度に私に尋ねたよ
「師匠、私は醜いですか？」って。その度に私は「お前は美しいよ」って答えたんだ
……嘘じゃない。外見は確かに醜いかもしれない……けれどあの子は、本当に元は優しい子だったんだ
自分自身が辛辣な思いをしたからか、貴族だからと奢らずに、下々の者にも優しく手を差し出す事を自然と出来た娘なんだ
どんなに自分が優秀だからと、奢らずに真摯に魔術に打ち込んでいたし、出来ない他の人にも優しく教える事は出来たんだ
（恐らくは、世界共通の文化で『女性は美しい事』に、非常に価値を置く。文化の差で、美の物差しの違いはあれど）
（それが、貴族の名門家だから尚更だった。女性は美しくあるべきと育てられ、美を競い合う中で）
（どんなに優秀でも、愛されたいと務めて、慎ましやかで、謙虚な心を持ってしても……それを悪意で踏みつぶされた）
でもね……私も同情できるのはそこまでだ
その後のあの子は、術に溺れた廃人であり狂人だ。きっかけが何であれ、無差別に人を襲い、人生までをも奪うのは
それはもう、人ではない……人の形をした呪いと何が違うんだ。霊障のが幾らかましなくらいだ
黒い娘は生きていて、肉体という実物があって、人に危害を加えるのだから
（そうは言いつつも。あの時……二人が虫の息だった時に 狂った元弟子を救う機会であったと思ったのも確かなのだ）
（魔術の失敗等で、狂人や廃人になったら、助けてあげられない……けれど、それを抑えられれば）
（あの子が渇望した、愛されて幸せに過ごせる４年間というものを。白い器の疑似であれ、与えられる錯覚をしたのだ）
（白い器だけでは、生活がやっとなのだ。学校なんて通えたものではない……もしかしたら、それすらも正当化する理由かもしれなかったけれど）
（弟子の事を思い出しても、涙すらろくに出無い。呪術に身を染めて行くうちに、そんなものとうの昔に放り捨てた）
（泣きたくても、泣けなかった自分の代わりに、目の前に涙の止まらない青年が居る。それがとても、嬉しかった。ハンカチを取り出すと、そっと手渡す） ……泣いてくれてありがとう。同情しきれない部分も多いと思う、けれど……
あの子の事を想ってくれて……本当にありがとう
うん、愛（とめどなく流れる涙に、眼が痛くないかい？と聞きながら）
白い器は、老人から愛される為に作られて、黒い核は、愛される事を望んで望んで渇望して、手に入らなかった
……ああ。愛って言葉が出て来て、あれだけど男女の『異性愛』では無くて良いんだ
本当に、純粋な愛情なんだよ。友愛でも、もっと簡単に言えばペットを愛でる時にも愛したりするだろ？
……友達で構わないから、仲良くしてあげて欲しい。君達に頼みたい事はそれだし
君だって他に好きな女性が居るかもしれないのに、無理矢理頼みはしないさ……言い方が悪かったね。もっと気楽なもんで十分だよ、って事
黒い方は、単独だと無理だね……第一に、黒いのを入れる器が無い
それに、もしあったとしても……今のあの子は廃人や狂人だ……経緯から考えれば、快楽殺人鬼と同一視されても否定できない -- クララ
- まあその…若気の至りにもなりますか…（自身は改造そのものを受け入れた、受け入れたはずだった）
（それでも周囲からの反応の変わりように耐え切れず、逃げた先が酒であった…何のことはない）
（妹の体を奪った黒いブーゲンビリアと、理想を叶えたはずが受け入れられなかったと言う点では同じなのだ）
（それまでに積み重ねてきたものや心の本質により、少しだけサイコロの目が違っただけなのかもしれない）
ええっ、俺の過去ですか？はあ…かまいませんが（あんまり面白いものではありませんよとだけ伝えて）
（頷く…肯定）平等ですね、クララ先生にもクララ先生の道がある筈ですし
…知性？今の状態で黒い魂の補助がある状態だったんですか…（いよいよもって危なっかしい、白いブーゲンビリアそのままの状態であったなら、永劫に赤子であったのではないかとさえ）
（自分も容姿によって判断することがよくある、それだけに何も言うことは出来ない）
（「狂ってしまう前に何とか出来ていれば…」土地さえも知らない自分に、どうこう出来るはずがない、出来るわけがない）
（それでも、それでも何かを…と、無意味な救済を求める、なお深い悲しみを呼び起こすとしても）
ありがとうございます（ハンカチを受け取るとサングラスをかけたまま、その奥をぬぐう…）
（狂ってからの事は殆ど理解は出来ないし、泣いている事は否定しない、それでもきっとひどい顔になっているだろうからサングラスで顔を隠したままで）
大丈夫です、目も作り物なので…（見ればころりと、ハンカチの中に取り外した眼球…作り物の目玉が）
黒い方が渇望するのは異性愛かと思ったので…そこは違うんですね
…（単独での存在は不可能と聞いてうなだれる）そう…ですか
せめて器があって…人格が伴うのであれば…（目玉をはめ、ぎゅっと手を握る）
（それは仮説、もはや実行する事はないだろう、二人を分け、魂だけが足りないのであれば、それを補う魂はここにあると考えていた）
（しかしそれでは、黒のブーゲンビリアは救われない、それはだめだ）
（いかに狂人であっても、廃人であっても、どこか共感する部分をすでに感じてしまっている、黒いブーゲンビリアを救いたいと思う気持ちは、自分を救いたいと思う気持ちと同じようなものだと）
へへ…友人としてでもいいのなら…お安い御用です（老人の気持ちに自分を移した今は、もしかしたら少しだけ難しいかもしれない）
（友人としてと言うよりも…もしかしたら、ほんとうにもしかしたら、親のように接してしまう可能性も…） -- スパイシー
- 若気の至りなんて誰でもあるもんさ……（そっと酒を口に付ける）
（受け入れる、とはいえ……思春期の時は特に周囲の目に敏感だ、周囲の反応の変化は堪えるものがあったのだろう。気持ちは分かる）
（彼の事を詳しくは知らないが、きっと、あの子と重なる部分もあるからこそ、きっと共感するのだろうと思った）
そんなこと無いよ（あんまり面白いものではありませんという彼に対して首を振る）
（あの子は潰れたけれど、彼は持ち直した。自分では気付いていないけれど、何処かに輝く物は隠されているのだろうと思う）
何であの子が魔術は出来るか、っていうと黒い方から知識を引きだしているからだね……子供には難しいから無理だろう……
皆容姿で人を判断しがちだし、第一印象も殆ど容貌の判断でもあるから仕方ないだろうけど、ね
（けれど、狂ってしまったのは確実にあの子の過ちなのだ。それだけは何があっても覆す事の出来ない事実、弱い心に溺れた甘えに変わらない……被害者も少なくないだけに余計だった）
（無意味でも救済があるとしたら……満たされない器の歪を修復し、満たす事なのだろう）
（破損したグラスを直して、水を注ぐように）
うわ！ びっくりした！ お前これ演出の仕方次第ではホラーだぞ！大好きだけど！！（突如作り物の目を出されれば、びっくりした）
異性愛……うん、上手く行くならそれが一番だけど、迂闊に触ると爆発するんじゃないかな……
（以前、アウラとブーゲンビリアがダンスをした時に、アウラがブーゲンビリアを見て居なかったので、中身が昔を思い出して激おこになり、白い方がびっくりして逃げる話をしつつ）
あの子が欲しい１番はそれだけど……中身が苛烈過ぎるからね。負担を強いる事に繋がる（人格が伴うならばと言いつつ、目玉をはめる彼に、首を振る）
（スパイシーの言うとおり『黒』が求めるのは愛情……けれど、棘が鋭すぎる。故に、自身も言いだすのを躊躇ってしまう）
うん、ありがとう……友達として居てくれるだけでも、あの子は少しづつ満たされると思うから
（彼がこれからどんな判断をするか、どういう行動に出るか……そして、あの子とどういう関係になるかはわからない）
（けれど、それは自分の踏み込む領域でもない。頬笑みに、彼への信用を乗せて 言葉をワインで流し込んだ） -- クララ
- いやあお恥ずかしい（こりこりと頭をかく、少し照れているようだ）
（改造したときの事を聞くのだろうと思い込んでいる、確かにそれは面白いものでもなんでもない）
（薬で眠りにつき、目が覚めたら完了していた…それだけだ、体を少しづつ作り変えられる一喜一憂などはどこにもない）
…あーっ！（なるほど、と手を打つ）元々黒い方が魔女だからそう言うことが出来ると…
い、いやぁー…ブーゲンビリアさんとの出会いは思いっきり容姿で話しかけたのが最初でしたし…
（彼にとってはきわどい格好の少女はそれだけにインパクトが大きかったのだ）
（今は白の器を黒の魂で生かしている節がある、ずっと封じられて…これは救済ではないのだろう）
（だけど少しは償いにはならないのだろうか、それは彼に判断することは出来ないが少しでも許される事をどこか願っているのだ）
ああっとすいません、俺は大体作り物なのでいくつかパーツを外せるんですよ…
そのひとつがこの目玉（目玉の黒目にあたる部分を見せる、よく見れば機械的な光学模様のようなものが）
ちなみにその状態で見えているので、へんな所に置いたりしないでくださいね
…ああ黒い方の性質からしたらダンス中にそっぽ向かれたら激おこ間違いなしですね…（アウラ今頃殺されてないだろうかと少し不安に）
俺と黒い方を入れ替えるっていうのも考えたんですけどね…ああこりゃ余計手がつけられない黒いのを野に放つだけだなぁって
（即座に解決することは出来ないだろう、しかし時間をかけて癒せるなら…）
（答えというほど明確なものではないにしろ、ひとつの結論のようなものを導けた男は同じようにワインを一口だけ貰い、やがて少しだけ安堵したように部屋に戻っていった） -- スパイシー
- （きっと、改造の後のまだ語られていない彼の心情やその後の経過もあるのだと思う）
（一体彼は、どういう憧れをきっかけにしたとか、理想と現実はどうだったのだろうかと思いつつ）
……白い方の知識だとランドセルから始めなきゃいけない気がする……（遠い目）
（始めに生まれた１年＋お世話になった４年＋学校での生活＋α＝約７才程度の筈）
成程ね、外見の影響は大きいし自然だと思うよ
（まぁ、スカート短いし人目引くよね……とか言いつつ）
（何が救済になるのか、償いになるのかはわからない……けれど）
（白い器が他者と関わる事で成長したように、黒い方も何かのきっかけで誰かと交流する事で、救済されたり償われるかもしれない）
（……だが、流石に誰かに『狂人の人格者の子だけど付き合ってくれ』とは言い辛い）
は！？ 大体！？（驚く、非常に驚く。マジマジと目玉を見ると、機械技術の進化の差に驚いて魅入る）
何コレ凄いわぁー…… え？ 見えんのマジで？……言って貰ってよかった。多分言われなかったら適当な所に放り投げそう（先生の弱点�．坤椒蕁�
この街って科学が魔法の様に進化してて凄まじい所があるよね。文化の違いに驚きも多いよ
……うん、まぁ……その後問題無かったみたいだけど……（冷や汗かきつつ）
（彼の言葉に黒いのの事を色々と考えてくれてありがたいと思う反面……首を静かに横に振った。野に放つ事になれば、狂人が自由に出歩く事から……事故も起こりかねない）
（沢山の友達を作る中で、何か変わるかもしれない もしかしたら、いつかいい人が出来るかもしれない）
（明確な答えも無いし、自分はもう、ただ見守る事程度しか出来ない……けれど、安堵した顔の彼の顔を見ながら）
（心の中で「あの子の事をよろしくね」と言いつつ……手を振って部屋を出るのを見送った） -- クララ
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また酒飲みかよックス１！” --
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- はい問題なし、お酒お酒……（ワイン瓶開けつつ） -- クララ
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