旋風・四
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112.4
†
↑
矛盾の魔宮
†
深淵の王よ、故あってここに馳せ参じた。わが名はヴォルフ・シュタイアー、深淵の王よ、その姿を見せ給え…
って言っても格好付きませんねぇ…とりあえず、貴方が闘技場で闇に引きずり込まれた女性の件でお話が… -- シュタイアー
(闇が玉座に擦り寄り、異形を形作る) ……余の名は無慈悲なる矛盾の魔王、ヴァルキサス…… くくく……どうした人の子よ? 汝も力を欲するか? -- 矛盾の魔王
やはり貴方でしたか…いや、そもそも御伽噺にあった貴方が居る事自体驚きですが… 前説はいいですね。出来れば彼女を元に戻す方法をお伺いしたいのですが、 出来れば紳士的に、直結に。(飄々と言いながら)) -- シュタイアー
くくく……やはり、その事か……簡単な話だ。奴が……旋風自身が己が力を拒絶すれば済むだけの話……だが、奴は力を求めた。力を欲した……果たして、あの状態から元に戻る事を……力を拒む事を……奴自身が望むかな……?(髑髏を揺らして笑う)-- 矛盾の魔王
成る程…いやぁ、もっと勿体ぶられるかと思ってましたが…一言宜しいですか? (眼鏡を外し、性格が変わったように)力の押し売りなんてもんは、欲したなんて言わねェんですよ? とどのつまり、アンタが解呪することはできねぇって訳か… 売るだけ売っといて…いや、それが本来の闇ってもんか…(キッと闇を見据えながら) -- シュタイアー
押し売り? くく、確かに余から奴に詰め寄ったな……だが、最後に首を縦に振り、力を欲したのは紛れもない奴の『意思』……力を求めるドス黒い欲望だ……余はその心の隙間を埋めてやっただけのことよ……感謝されることはあっても、恨まれる謂れはないなぁ……?(玉座の闇は横柄に笑う) くくく……さて、どうだろうな? 仮に余が解呪できたとしても、頼まれたからと言ってそれを素直に行うとでも思うか……? 魔族と取引するにはそれ相応の代価が必要だ……(茫と髑髏の眼窩が輝く) -- 矛盾の魔王
それは隙間を埋めたとは言わねぇよ。隙間に付け込んだって言うんだ。 クク…ハハハッ!面白いぜ。矛盾の魔王!対価か!最もだ。それが闇の闇たる所以だ! 良いだろう。彼女を助けるためならば、この身でも魂でも、好きにくれてやる!! -- シュタイアー
くく……まぁ、代価を支払うと言うならいいだろう……あの娘に与えた力は他者の望んだ呪いという形で剥奪してやる……だが、代わりに今度は汝がその身を矛盾の深淵に堕として貰うぞ? ……良いな? -- 矛盾の魔王
料金は後払い。それが最低条件だ。(煙草に火を点す) 彼女が本当に元に戻り、救われたのなら、俺は嬉々として、深淵の闇に身をゆだねよう。(紫煙を吐きながら) -- シュタイアー
後払い? くくく……異な事を言うな? 『ヴォルフ・シュタイアー』よ……(シュタイアーの名を魔王が呟いた刹那、魔宮の闇が歪み始める) 取立てはもう始まっている……くくくく……!(じっとりとまるでスライムのような粘性を持った影がシュタイアーに忍び寄ってくる) -- 矛盾の魔王
ふん…判ったよ…手足くらいなら、前払いでくれてやろう。 だが、ちゃんと彼女が救われた事を見届けさせろ!それが正式な対価だ! 「彼女の代わりの生贄」だ。2人とも仲良く闇に堕ちるのは許さねぇ… -- シュタイアー
くくく……安心しろ。五体満足ではいさせてやる……その方が余としても面白い……(じっとりと闇がシュタイアーへと染み込み、その身が異形のモノへと変異していく) 最初はまず身体からだ……もう残り半分の心は後で刈り取ってやる……努々気をつけるがいい……心は身に……姿形に指針を惹かれる……果たして、奴の解呪まで汝の心は人でいられるかな? くくく……フハハハハハハッ……! -- 矛盾の魔王
ぐっ…アッ…ア゙ッ…(体の変化の苦痛に悶える) ハァ…ハァ…見くびるなよ魔王っ…俺はアンタの契約に乗るような弱者だが… アンタが捻じ曲げた奴ほど付け込まれはしないっ… さぁ…ギブアンドテイクだ…彼女の解呪に必要なものを出せ…ぐっ…アアっ…!! -- シュタイアー
とっくに使者を解呪に走らせている……見に行ったほうがいいのではないか? 汝の心まで闇に染まりきる前になぁ? フハハハハハハッ……! -- 矛盾の魔王
はぁ…はぁ…彼女が元に戻ったのを見届けたら、お礼参りに来てやる…ハァッ…覚悟しておけっ… だけど…ハハハ…ミイラ取りがミイラにか…だが…これで…良…(背中から生える羽のようなモノを手で押さえながらよたよた歩いていく…) -- シュタイアー
……まぁ、奴が……旋風自身が解呪を完全に受け入れるとは限らんがな……くくく……(笑い声だけが魔宮に響いた) -- 矛盾の魔王
↑
貧民街
†
(物陰の暗がりから現れた異形に、旋風の影が……闇が吸われていく) お前の力を剥奪しろととある男がお前を呪った……契約に従い、貴様の力は剥奪され、精神は解き放たれる……くくく……だが、我らが王は寛大だ……また力が欲しいというならいつでも矛盾の魔宮に訪れるがいい……深淵は闇に堕ちるモノを拒みはしない…… -- 魔王の化身
……。(己の手を眺めている) -- 旋風
(不振な様子に魔王の化身が近寄ってくる) ……くくく、力を欲したお前だ……また力を欲したとて何の不思議もない……なんなら、今すぐにでもまた力を…… -- 魔王の化身
オイ!待てよ魔王。さっすが矛盾の魔王だ…やる事がえげつないなぁオイ… 旋風さん…良いですか?私の…話を… -- シュタイアー
……。(化身を眺めた後、声に振り向く) -- 旋風
旋風さん…私の声、聞こえます…か?(その背中からは、異形の羽が生えている) どうか…元の貴女に戻ってください…手当てをさせて頂いたとき…微笑んだ貴女に… 力なんてものは…押し売られるもんじゃない…自分で…修練と共に手に入れるもんです… -- シュタイアー
その声は……ああ、なるほど。化身の方の言ったとある男というのは、ヴォルフ殿でありましたか。 (姿を見て見開かれた目、掠れた声で呟くと) -- 旋風
ええ。ハハハ…女性の苦しむ顔は…見たくない性質ですから… もし貴女が暴走して…人を傷つけてしまったら、貴女はきっと…その人の数倍苦しむ事になる… ですから…少々差し出がましいようでしたが…私…が…ぐぅッ… -- シュタイアー
ありがとうでありますよ、ヴォルフ殿……拙者の所為で(異形の上から抱きしめた) ……化身の方、居られるか?(不意に、問いかける声) -- 旋風
いえ…ありがとうございます…暖…かい… 旋風さんは…笑顔の方が…凄く可愛…い…(そう言うと、抱かれたまま崩れ落ちる) -- シュタイアー
さて……契約は履行された……ならば……(影がシュターアを包み込む) 次はお前の心を我らが王に引き渡して貰おう……くくくく……(それだけ告げて魔王の化身は物陰の暗がりへと消えていく) -- 魔王の化身
化身の方、去るには早いでありますよ……(ヴォルフの元から離れて暗がりへと歩みだす) その男との契約の破棄を、私は願うであります。 彼の方の魂も肉体も拙者の代価としては過分すぎるもの…… -- 旋風
何…をっ…止めてくださいっ…旋風さんっ!(這いずりながら呻く) 貴女の救いは…私が望んだんです…だから…だからっ… 闇の化身よ!!私を連れ行けェェッ!!矛盾の迷宮でわが魂…好きなだけ貪り食らうが良いッ!! -- シュタイアー
ほほう……? これはまた愉快な事になったな……(興味深そうに旋風の顔を覗き込む) くくく、いいだろう。なら、今はまだその男の心は刈り取らん……代わりに、お前の力の解呪も半分だけだ……(再び影が旋風へと染み込んでいく) 後々、矛盾の魔宮へと足を運ぶがいい…… -- 魔王の化身
待てェェェェッ!矛盾の魔王ッ!!契約だ!等価交換だ!!闇だって契約は守るんだろうッ!! なら、私を連れて行けッ!!今すぐにッ!! -- シュタイアー
……。(闇が浸み込む瞬間、ヴォルフへと笑顔を向け……闇の中へと歩み去った) -- 旋風
…待って下さい!お願いです!!旋風さんッ!! ぐぁぉぉぉぉぉぉぉォお…(地面を這うが、後一歩届かない) -- シュタイアー
せ… んぷう? -- 斬虎
斬虎殿、今晩和であります。 この間は申し訳無いことをしてしまったでありますな……(耳が垂れた) -- 旋風
せん、旋風っ!(珍しく、大きな声を上げる) よ、よかった… なs、なんだか恐い顔してたから ど、どうしちゃったのかなって… ぼ、僕…(今にも泣き出しそうに眉を八の字に下げ) -- 斬虎
申し訳ない、本当に…しかし 次にあの時のような拙者を見たら…遠くに逃げるでありますよ(真剣な眼差し) -- 旋風
え… にげ、る? …… や、やだ 僕は、逃げたりしないよ、旋風… も、もしく、苦しいなら、た、助けてあげたいし… そ、そうで無いなら… ぼ、僕はせ、旋風から 逃げたりなんか、し、しないよ 絶対にっ -- 斬虎
…。(困ったように小さく笑った) もう一度あのような拙者を見たならば、思い切り殴り倒して欲しいであります -- 旋風
ど、どうして…? そ、そうしたら、も、元に戻るの? -- 斬虎
うまく行くかはわかりませんが、それが最善の策であります(やはり真剣な眼差し) -- 旋風
うん、わ、わかった 旋風が、そ、そう言うなら… 判った… で、でも、で、できれば… あ、あんな旋風は、み、見たくないよ…… -- 斬虎
…そうでありますな。拙者も頑張るであります -- 旋風
うん、や、約束だよ お、お願いだよ旋風… ず、ずっと、い、いつもの旋風で、い、いて -- 斬虎
ええ…(頷きはしなかった、だが安心させるように額を付け、笑いかける) -- 旋風
やあ旋風・・・久しぶりだね 覚えてるかい?広場でちょっと話しただけだけれども・・・2年前かな、そんな昔だったっけ (サングラスをかけてやってきた赤いコートの男) -- ヴァッシュ
今晩和であります、お懐かしいでありますな 貯古麗糖を美味しいと言ってくださったのを先日のように感じますが(小さく笑う) -- 旋風
カチャ(サングラスを外す) ああ・・・旋風・・・いつもの旋風だ・・・! よかった・・・ -- ヴァッシュ
拙者は拙者でありますよ?(不思議そうな顔で) -- 旋風
ホントは、ホントはね、きみを、きみを、きみを撃ちに来たんだ・・・ きみが人を襲っているという話を聞いたんだ・・・ なんとしてでも止めたかった 僕にできる事全てをかけて止めたかった だから、きみを、撃ちに・・・来たんだ・・・ 僕は、僕は・・・よかった・・・旋風・・・(肩を抱いて泣く 友達を傷つけなくて済むという事に心から安心して泣く) -- ヴァッシュ
ああ、なるほど。そうでありましたか…ありがとうであります。ですが… そういう意味でしたらまだ未決着でありますよ…けじめをつけにいかねばなりません。 -- 旋風
けじめ、かい?それは一体・・・ 危ない事なのかい? -- ヴァッシュ
間違えばまた拙者は凶刃と化すやも知れないであります。 ですからその時は…どうか……。酷なお願いでありますが。(微笑を浮かべた) -- 旋風
やめてくれ そんな事を言うのはやめてくれ きみは、きみは大丈夫じゃないか!もう凶刃を振るう事なんか、ないんだ・・・ もう・・・ないんだ・・・(肩を握る手に力が入る) -- ヴァッシュ
いまはとある方が必死になって作ってくださった猶予の時間。 時が尽きれば…あとはどうなるか、蓋を開けるまで判らないであります。(肩に当てられた手を両手で包んだ) -- 旋風
(返事はなく、ただ泣き続ける男 それは肯定の意味なのだろう) (そして彼は一つの大事な約束を抱えて自分の住処へ帰っていった) -- ヴァッシュ
↑
百合の館
†
皆様…今月もご無事でしょうか? 暖かいコーンポタージュをご用意しておきました。どうぞ、お召し上がりください。 -- シュタイアー
(花が残されている)
……これは…旋風ちゃん? …帰ってきたの……? でも… -- カナメちゃん
↑
広場
†
夜の広場 君はベンチに座っても良いし、噴水に飛び込んでも良い
(疲れた様子でベンチに座る女)
(女に声をかける青年)
(掛けられた声に振り向き、力なく微笑む女)
(女に向かって振り下ろされる刀)
(辛うじて袖口から抜いた刃で受け流す女、目を見開いている)
(青年薄ら笑いを浮かべているだけだが、女の後ろから目に見えない斬撃だけが飛んでくる、その数は6)
(気配を感じたか横に飛び退く、が躱し切れずに腕を貫かれる)
(飛びのいた先へ不可視の刃が追撃する、先ほどとは別に3)
(女には切り裂かれる大気が見えていた、自ずと軌道も読める…) (躱し潜り、男へと間合いを詰める)
(詰める女へ向け振り下ろされる手刀、一見ただの手刀だが真剣よりもなお凶器)
(ただならぬ迫力を感じたか、横へと飛びずさりながら二本の刃を投げた) (男の左右、明らかに狙いは外れているが端に何か結び付いている…)
(青年はそこに佇んでいる、刃がある程度の距離に近づくと不可視の刃によってバラバラに切断され地面に散らばる)
(再度見開かれる目、正攻法は通じないとみて、手で複雑な形を作り始める)
(前後上下左右6方向から同時に刃が襲い掛かる)
(斜め後ろへと傷ついた腕で後方の一撃を受けとめながら退いて残りを躱した) (傷からか地面に手を付く、瞬間、地を這う衝撃刃が男を襲う)
(地に気配を感じ、常人にはありえない跳躍力で飛ぶ、男はそのまま空へ消えていった)
(額に脂汗、片膝をついたまま、片手で止血を始める)
↑
†
(ぼうっとたたずんでいる) -- 旋風
…!あなた、最近居なかったそうじゃないの。どこに行ってたのよ……
おや、今晩和であります。よくご存じでありますな…少々ありまして(力の無い笑み) -- 旋風
あれから館に訪ねたの、でもあなたは居ないって。反抗期とか聞いたけど何かあったの?
ああ、なるほど…それは申し訳ない事をしたでありますな。 反抗期、でありますか?(くすりと、しかし影のある笑み) …少々取り返しのつかない過ちをしてしまいまして。 -- 旋風
……何、したの
身に余る力に溺れ、多くの方々を傷つけたでありますよ…(静かにはっきりと己の所業を語る) -- 旋風
そう、なら償いなさい…あなたにはまだそれが出来る(旋風の肩にそっと手を置いた)
…そう、でありますな。(頷きも否定もせずその手を見ながらただ呟く) -- 旋風
……ねえ、あなたが私に花を送ってきた理由がまだわからないの。大昔に私と会った事がある?
記憶にないのならば…ない、のでありましょう(少し言葉を悩みながら) -- 旋風
……まだ思い出せない。だから、あなたの知っている私を教えて
そうでありますな……(やはり躊躇いながら) 拙者の知るある方は、拙者のことをヴィントと、お呼びでありました。(反応を見る) -- 旋風
(少しだけふらっと眩んだような動作をした)……そう、なら私もヴィントと呼びましょう。
……。(心配そうに見つめている) -- 旋風
…大丈夫よ、ちょっと頭が痛くなっただけ(心配そうに見つめる旋風にそう言った) ……あなた、今どこで寝泊りしてるの?あの館に居ないのはわかったけど、また話したい時困るから教えて
……。けじめを付けにいかねばなりません(首を振った) 仮に次にまみえる事があったとしても拙者は拙者ではないでありましょうから -- 旋風
…また、力に溺れるの?なら…私が止めるわ(少しだけ強く言った)
……。(言葉もなく微笑を浮かべたが、一雫涙が零れた) -- 旋風
(旋風のその涙を指で拭う) ……泣かないで。どうすればいいか、今はよくわからない(そのまま抱き寄せる)
……いえ。十分でありますよ。(躊躇いながらも抱き返した) -- 旋風
……どう、落ち着いた?
…ええ。(くすりと笑う、その顔に影はない) -- 旋風
…そう、よかった。今日はもう遅いし、泊まっていきなさい。ごちゃごちゃしてるけれど寝場所ぐらいならあるから
…また、でありますよ(深々と一礼すると背を向けた) -- 旋風
…あ、ちょっと(その背は、すぐ届く所にあるのにとても遠く見えた。何故か見送る事しかできずに居た)
↑
矛盾の魔宮
†
(化身に導かれるようにして、闇の中へと堕りてくる) -- 旋風
(深淵の底で玉座に腰掛け、嗤う魔王) くくく……よく来たな……して、あの男の事であったな? -- 矛盾の魔王
左様でありますな……契約の破棄をお願いいたしたく。 -- 旋風
さて、その話だがな……あの男とも一度契約した以上、契約は等価だ……つまり、その同じ価値の契約を破棄するにはそれに更に上乗せした代価が必要となる……汝の身一つでは足らんなぁ? -- 矛盾の魔王
なるほど。ならば、かの方の身代わりとなりましょう……それとも、代案がありましょうか? -- 旋風
止め・・・ロ…止めるんだっ…旋風さんっ!(おぼつかない足取りでやってくる) (体は大分侵食されているようだ) -- シュタイアー
ならば、次は汝の身と心に加え……汝の『想い』を差し出して貰おう……! くくくく……!(影が旋風へと染み込んでいく) 奴を……『ヴォルフ・シュタイアー』を倒せ……だが、決して殺すな……どちらかが諦め、絶望に堕ちるまで……互いの想いが擦り切れるまで戦い続けるがいい……ふふふ……フハハハハハハッ! -- 矛盾の魔王
む……?(途中で影が旋風への侵食を止める) ほう……今宵は来客が多いな…… -- 矛盾の魔王
オイ…魔王…契約だ…等価に…従イ…彼女を…開放…しろっ…(膝から崩れ落ちる) -- シュタイアー
……。(顔を歪ませる) ヴォルフ殿…… -- 旋風
くくく……とはいえ、この女はこの女でお前を解放しろと言っている……いやはや、想いとはかくも難儀なものだなぁ? ヴォルフ・シュタイアーよ?(心のそこから愉快そうに魔王は嗤う) -- 矛盾の魔王
俺は…貴女を治療した時…あの笑顔を見たとき…守りたいって…思ったんです… だから…任せてください…俺は…いつか必ず…貴女の元に、笑顔で戻るから… さぁ!魔王!これだけ人の心をもてあそべば十分だろう! 御託はもう良い!俺を喰らえ…そして…彼女を真に闇から解放しろッ!! -- シュタイアー
そう、御託は無用でありますよ…… 拙者が拙者であるかぎりそれを見過ごすことは出来かねるであります。 ヴォルフ殿を…倒せば宜しいのでありましたな?(確認するように問い掛けた) -- 旋風
くくく……まぁ、いいだろう……闇はいつでも力に真摯だ……最後まで立っていた方の契約を履行してやる……想い会う者同士、相手を想う故に争い合う……くくく、正に矛盾だな……これだから人間は面白い…… -- 矛盾の魔王
魔王ゥゥゥッ!!貴様ァァァァァッ!!(闇に向かって吼える) そんな…止めて…止めて下さいッ!!旋風さん!!このままじゃ…どちらにしろ貴女はっ…! -- シュタイアー
……。(無言のまま仮面のような微笑、ゆっくりと歩みだす) -- 旋風
此処で殺し合えと言うのかっ…魔王!! 旋風さん…泣かないで下さい…俺が…助けますから… 貴女を傷つけるのは…もう…(ゆっくりと歩み寄る) -- シュタイアー
……。(首を振る、もう十分だというように) (その手は二重に印を結んでいる、一撃で決めるつもりなのだろう) -- 旋風
…待って下さい!傷つけちゃ駄目だ!俺に戦う意思はっ…(そう言いつつ、印を結ぶ手を見て、思わず身構える。本能なのだろう) -- シュタイアー
(ただ二言、女は言葉を紡ぐ) 青嵐…(巻き起こる突風が掲げた拳に収束し) 神風…(刹那、残像を残して姿が消えた…) -- 旋風
なっ…姿が…消えたッ…残像でしか捉えることができない…幻術の類か… (辺りを見回す。神経を尖らせて。) -- シュタイアー 2008-11-22 (土) 00:14:29 New
(それは真正面から、真っすぐに、唯々純粋に、圧倒的な速さで迫った颶風如き黒い影) -- 旋風
真正面っ…!!(一度構える…が、吹き荒れる風の最中、構えを解いて、旋風さんに両腕を差し出した) (まるで抱きとめるようにして。それは闇の力に対する彼の出来うる限りの抵抗だった) -- シュタイアー
(差し出された手、掴めれば或いは…躊躇い。だが、しかし。) (魔宮に来るまでの僅かな時間の内に、女は覚悟を決めていた、闇と正面から向き合う覚悟を…) (無力化せんと無防備なヴォルフへと拳は振りぬかれた) -- 旋風
(旋風さんの瞳を見て)…ああ、心が弱いのは…俺の方だったんだ…(無防備な胸に拳がめり込む) でも、変かもしれませんが……私は貴女を愛してしまった…んだと思います…旋風…さん…(ゆっくりと抱きしめる) -- シュタイアー
ありがとう…(驚いたように目を瞬かせたが、ゆっくりと力強く抱き締めた) (数瞬の後、崩れ落ちるヴォルフを優しく横たえる) -- 旋風
旋風さん…これ…を…(横になったまま、あの時治療に使った指輪を差し出す。力なく) 闇あるところに…必ず…光はあります…ごふッ…だから… もう闇には…囚われ…ない…で…(ドサッ) -- シュタイアー
……。(手渡されたヴォルフの指輪をぎゅっと握り締めた)-- 旋風
くくく……中々愉快な演目であったな……よかろう、契約に従い、その男の呪いは解いてやる(シュタイアー身体から闇が溶け出し、次第に身体も元に戻っていく) 代わりに、旋風、汝には引き続き矛盾の闇の虜となって貰う……さぁ、力を受け取るがいい……(粘性の影が旋風へと忍び寄っていく) -- 矛盾の魔王
……。(ヴォルフの状態を見て安堵の溜息、サイズが合わないのか指輪に鋼糸の輪を結びつけて首飾りにした) 今度は容易くは折れないでありますよ……(闇を見据える瞳には決意の表情) -- 旋風
余は力を与えるだけだ……汝がその闇に魅入られようが踏破しようが、余はどちらでも構いはしない……いずれにせよ、汝が力を振るえばそれは我が力を世に知らしめる事となる……くくく…… -- 矛盾の魔王
……。(魔王の言葉に応える声はない、忍び寄る影へと自ら歩み寄る) -- 旋風
(ゆっくりと影が染み込み、再び旋風に影を操る力が完全に宿り始める) -- 渦巻く闇
……ッ!(染み込む影、荒れ狂う力の奔流に対魔の特性が発動した…)
(旋風の身体にじっとりと染み込んでいく影) -- 渦巻く闇
……ぁぁぁァァア!!(心を塗りつぶしていく闇、悲痛の叫びが木霊し、涙が零れ落ちた) ……。(やがて、悲鳴も音も止んだ) -- 旋風
そうだ、それでいい……欲望と闇に身を委ねろ……さすれば自然と力も増す……汝にとっては躊躇いこそが最大の足枷だ……くくくく…… -- 矛盾の魔王
旋風…さんっ……ゔ…あア゙っ…畜生っ…また救えなかったのかっ… うおぉぁぁぁぁッ!!(咆哮は、むなしく闇に木霊した) -- シュタイアー
Last-modified: 2009-02-21 Sat 21:38:18 JST (5549d)