名簿/508107

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  • 黄金暦273年3月深夜 校庭
    • (声が聞こえる)
      (いつもこの少し低い声域のバスに励まされ、惑わされ、また勇気づけられた)
      (混濁していた意識が徐々に覚醒し、神経が活動を新たにする)
      (重く閉じていた瞳を開き、相対する二人を認めることで概ねの事情は呑み込める)
      (ルィンディが発動を試みようとしている、特別な意味合いを持つ魔術も)

      (彼を守ってあげたい、と思った)
      (その感情だけでいい。その感情だけで、私を構成する歯車に活力が漲り、何度でも立ち上がることができる)
      (卒業したら大学へ行って、大学を卒業したらエリュシオンへ帰って結婚する)
      (四年の間会わないのは少々酷だと思うので、たまには顔を見せてやりたい)
      (結婚したら子供を作る。結婚式? 別に催さなくてもいい。こちら側の参列者が非常に貧相で面目立たないので)
      (まだまだ。まだまだまだまだ。私は未来を想像できる。創造できる)
      (私たちを繋ぐ永遠が絵空事だとしても。有限な時間が消費されるのみだとしても)
      (私は、夢見ることを諦めはしない)

      下らない。ああ本当に下らない。
      勝手に自分の限界を決めて、勝手に諦めるだなんて。
      こんな奴等に私たちの平穏な学園生活が脅かされていたと思うと、目眩がする。
      (身体に残る砂を払い、そう吐き捨てる)
      (かつてのように勝機を生む時間を与えるため)
      (「起きたか、仕方ないな」、絶対優位を信じきったエングレーブは、ルィンディの行動に目もくれない)

      お前たちのような悩み程度、どんな人間も抱えている。
      絶望という言葉で包んでも、その実お前たちは結局、眼前の問題を直視できずに目を逸らした。
      現状を打破する革命に失敗し、殻の中から出ようとせず、閉じた環に引き籠って。
      今に留まる子供として、偽りのネバーランドを建国しようとした。
      (魔法を使わずとも、最も強い武器が、薔薇色の心の内に燃える)
      どんな言葉を正当化の材料に使おうが、所詮お前たちは、戦いから逃げた敗北者に過ぎない。
      お前たちは戦う前から、既に私たちに負けている。
      違う、私たちの出会ってきた人々と、積み上げてきた人生に!

      マキシ・エングレーブ、お前は「どうする?」と聞いた。私からの答えを出そう。
      私たちは変わる。
      私たちはお前とは違う。
      どれほど茂る茨でも、高い壁でも、先の見えない暗闇でも。
      やがて先に道を照らす光明があると信じて、世界という楽園の中を、前に進んでゆく。
      (訪れる未来のために、痛みと戦い磨いた結晶を輝かせる時は、今 -- イザヴェル 2014-03-18 (火) 00:02:24
      • (彼は、詠唱をはじめた。彼の姿は光に覆われてはっきりと浮かび上がった)

        ミ シペドゥ ゾヘ ロ タルシ

        (「一体、どちらが正しいのだろう?」)

         ロ タルシ ク クラーマ ティ グースニ
          ミ ヴィスカ ズヒ ナーへ ドゥンク

        (この場で言うなら、ルィンディとイザヴェルが正しい。そう結論づけておきながら然し、悩まずにはいられない)
        (力を持ったアダルト・チルドレンが世迷い事を残して、それがルィンディとイザヴェルに降りかかっただけなのかもしれないが)
        (ルィンディは、エングレーブの姿を真向から否定することはしたくなかった)

           ミ シュクゥナ スナダ ミ シャヅ ロ ダルグ
            ディムナ ミ ロ ジュルサ  ディムナ ミ ロ ドゥンク

        (彼は、“星を落とす魔法”で死の淵の姉を呼び戻した)
        (“魔法”で世界に無理を押し通した。生来決まった運命と、今まで成した因果を否定したのだ)

             エホ ナ レンヴィ ミ エーハ

        (喩えて言うなら。イザヴェルと肩を並べて望む未来は、“理想の世界”)
        (きっと、エングレーブが求め求めて、辿りつけなかった場所)

              ナヘ ボ ミントゥ ロ モルスィ ク ロ ジミヴェ

        (「私だって」)
        (「私だってな。世の中を憎んだことぐらいあるのである」)
        (「どうして私ばかりこんなめにあうんだって、泣いた日なんて数え切れないのである」)
        (「自分のした“因果”が返ってきてこうなったんだって、理屈の通らないありもしないことを何度も口にして、無理やり自分を納得させていたのである」)
        (「それでも、私は諦めたりなんかしなかった」)

               ミ シペドゥ ゾヘ ロ タルシ ファルルゥ ドゥ ロ トゥムルァ

        (「泥を啜って、鼠以下の生活をしてでも命を繋いで、この世であがき続けて、そして、学園艦に出会って……」)
        (「イザヴェルや、みんなと出会って……私は、願いを叶えたのだ」)
        (「エングレーブ。貴様は、最後まで世界と戦うべきだった。自分の願いを見失って、世界を憎む前に……」)
        (「世界はあんまりにも大きくて、こんな大きなエリュシオン(ふね)が翔けても、果てが見えない」)
        (「だから、どこかに、居場所があるはずなのに、探そうともしないで……」)

        ブラビマクファ────ミヴガウ!!!

        (“星を落とす魔法”が成る。二度、学園艦に星は落ちる)
        (一度目に唱えられなかった三度の願い事を、どこかでこの“星”を見ている者は言い切れるのだろうか)
        (光の柱が、エングレーブに突き立つ)
        (夜空のように深淵な場所の裏側に潜んでいた彼は引き摺り出される)

        (敵意ではない)
        (“蘇生魔法”は絶対に他人にしか遣うことができない、この世で最も優しい魔法)
        (エングレーブが目を背け続けた、この世に確かに存在する)
        (希望そのものだった) -- ルィンディ 2014-03-18 (火) 02:54:22
      • (イザヴェルの言葉に激高したエングレーブが魔術を行使する。それをイザヴェルが凌ぐ)
        (爆発が起きれば氷の盾が防御壁となり、砕かれた盾は衝撃で研磨され千本の針と化し反撃に転じる)
        (氷槍の暴風は校庭から出現した土の巨人が阻み、天を裂く拳が大地に亀裂を作った)
        (勃発した魔法戦争の中、かつて奇跡の祝福を招いた白魔法の詠唱が流れ始める)


        星に願いを

        (マキシ・エングレーブは、ごく普通の家庭に生まれた)
        (幼い頃から魔術師としての才覚を遺憾なく発揮した彼は、特待生としてエリュシオンに招かれることとなる)
        (自分には輝ける未来が開けている。情熱と理想に燃えるエングレーブはそう信じて疑わなかった)

        星に願いを

        (一年生の夏。彼は自由研究の課題で、魔法に関する新たな定義と独自解釈についての論文を提出した)
        (結局論文にはいくつか信憑性に欠ける証明があり、敢闘賞以上の評価はされなかったが)
        (同年の冬、彼は問題点を解消し、更に詳細なデータを加え密度を濃くした論文と研究結果を披露した)
        (勤勉な優等生という周囲の彼に対する評価は、この期を境に徐々に変わり始める)
        (『魔術に全てを捧げた偏執狂』と)

        星に願いを

        (三年生になる頃には、教師、生徒……誰もが彼を常軌を逸した人間として関わりあおうとせず、完全に学園から孤立していた)
        (それでも彼は周囲に理解を求め、歩み寄ろうとした)
        (魔法道具の作成、新薬の開発、研究。その過程で、エングレーブは新たな発見をする)
        (自らの名を冠しMaXiと名付けた、魔法を反射する強固な結合力を持つ粒子の存在を周知しようと試みた努力は、全てが黙殺された)
        (『お前は何を言っているんだ』『今日はエイプリルフールじゃないぞ』『奴は未来に生きてるよ』)
        (そしてエングレーブは、世界に見切りをつけた)
        (「おかしいのはアイツらだ! この世界だ! そうだ、この世界にはもう―絶望しかない!」)

        星よ


        (魔法の衝突が一先ずの終結を見る)
        (魔力を絞り慢心総意となったイザヴェルは、どこか誇らしげで満足そうで、その姿が一層エングレーブの気に障った)
        「そんな目でオレを見るな! 負け犬はキサマらだ! この沈みゆく箱船の中で、果てろ!」
        (エングレーブの生み出した巨大な火球が、夜空を背に太陽として輝いた時)
        (再び、天にある星は地に縫い止められた)

        お星様になった あなたに 願いを いまいちど


        (絶望を破壊するのではなく、上書きする希望)
        (光芒に覆われるエングレーブの表情が青ざめたことは、術者であるルィンディが十分承知している)
        (星を落とす魔法は肉体の変質・消失に関わらず、現世から離れた死者を呼び戻す)
        (そこに計算や理論はなく、厳然たる結果と事実だけが存在した)
        (エングレーブは知らなかった。いや誰ひとりとして知れるはずがない)
        (この醜くも素晴らしい大地が、いかに不可思議で理不尽を極めているのかという、当たり前の真実を)
        (常に流動を続ける世界に絶対不変の法則などないのだから)
        「嘘……だ。MaXiで構成されたオレの身体が……」
        (戦慄くエングレーブから伸びる影は、彼が現世に肉体を持った証左)
        「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
        (半狂乱になりながら、四方八方に出鱈目な魔法を現出させる)
        (地響きが、雷鳴が、津波が、豪雪が。移ろい続ける戦場の模様は、精神の安定を欠いたエングレーブそのものを表現しているようだった) -- 2014-03-19 (水) 01:05:48
      • (眩い光がエングレーブを照らす)
        (光から目を背け、闇すらも拒んだ彼に影をつくる)
        (“現実”が突き付けられる。この世のありとあらゆるもの、全てが)
        (生まれ落ちた赤ん坊が泣き叫ぶように、また、エングレーブも悲痛に喘いだ)

        (魔法は、自然現象の精髄全てを呼び起こした)
        (きっと、自らが放つ魔法で、この世一面を塗り潰そうとしているのだろう。世界を書き換えようとする思いが、遮二無二に“これ”を呼んだのだ)
        (だけれど精細を欠いている。予備動作も詠唱も滅茶苦茶で、純粋な魔力の放出に近く、それはとても脆い)

        (“星を落とした”直後の、殆どからっけつな魔力を絞って、一つの魔法を練り上げる)
        (心は、落ち着いている。「なにしろ、ニ対一だ。優位なのは当たり前だな」霞んだ瞳同士、イザヴェルと目を合わせて)

        エングレーブ。貴様はずっと一人で戦ってきたのだろうな。
        ……。わかっていると思うが……“私達”は、強いぞ。

        別に(アフキュヒ) お前のすることだ(ドゥ ズクテ) 好き勝手にするがいいさ(ズィフゥレ ドゥ ローフェ) だが(ク ヒ)
         お前、本当にそうしたいのか?(パシナ ドゥ ター)

        黒魔法(ヘクリマクファ)────ディスペル。(ラシルィ)

        (腕を一振りすれば、天高くまで昇り詰めた津波の塊がほどけて光となり消える)
        (ひと睨みで、地面はぴたりと身動ぎをやめて姿勢を正した)
        (呼気のひとつを吹きかければ、闇を切り裂く雷の剣は崩れる)
        (猛りを上げる吹雪の中で、彼は涼しい顔をしながら前へ進む)

        (たとえ、世界を滅ぼす魔法であったとしても、今のエングレーブが織り成すそれはお粗末な呪文にすぎない)
        (呪文はグラウンドに確かな爪痕を残し、遠く離れた校舎の一画を崩落させている)
        (けれども、それだけの魔法の連打を浴びせかけられても、彼はまるで変わらない)
        (今のルィンディは、エングレーブが忌み嫌う“現実”の象徴そのものだった)

        ────目を瞑り思う

        (歩みを進めるほどに攻勢は苛烈になる)

        ──────眠ることはまるで 死ぬことのようだ

        (狂乱するエングレーブは、“否定”されることも厭わずに、命を削り魔法を仕掛ける)

        ────────暗い闇の中に沈み 朝日が来るまで昏倒する

        (“ディスペル”も万能ではない。“魔法を否定する魔法”を潜り抜けて、ルィンディは少しずつ傷ついていく)

        ──────────瞼の裏に不安を抱く 眠ることはまるで ひとりぼっちになるようだ 誰も彼もが床へ伏し 朝日が来るまでお別れ

        (しかし、ついに、二人は対峙する。日常的に会話をするときのように、手も届きそうなほど近づく)

        ────────────唇が額に触れる 優しく語りかける 大丈夫 全てはうまく回る 朝は必ず来るから

        (繊い漆黒の魔導を纏った掌を、エングレーブの首元へ叩き込み、そのまま、掴んだ)
        (“ディスペル”を満たされ、もはや、魔法も魔術も織ることはできない。一人の人間になる)

        ──────────────安心しておやすみ

        白魔法────────────────スリープ。

        (慈悲ではない)
        (杖先から迸る“眠りの魔法”は、彼なりの皮肉であり、仕返しだった)
        -- ルィンディ 2014-03-19 (水) 02:21:35
      • (魔法とは心の力、その在り方)
        (縋るべき拠り所が破壊された時、積み上げられた自己は儚く砕け散る)
        (かつて人だった以上、絶望を糧に人を超克したはずのマキシ・エングレーブも例外ではなかった)

        「来るな! オレの傍に近寄るな!」

        (気勢だけを着込んだ張子同然の魔術の構成が、ディスペルによって容易く破壊される)
        (その上から新たな術をエングレーブは展開していく)
        (無尽に続く魔術の相互干渉は、イザヴェルの横入りによって戦局を傾ける)
        (発動されたディスペルを更に強化する形での、魔法の加算)
        (重ね合わされた魔力の層は、少しずつ、されど着実にルィンディの後押しを助けていた)
        「絶望するだけの運命しか待っていないはずなのに……」

        (前線をルィンディに任せたイザヴェルの精神は、ルィンディの姉と対峙した時と同様かそれ以上に研がれていた)
        (自分でも分からない出所不明の熱が身体に活力を与えてくれる)
        (守ることと戦うことは表裏一体。ルィンディのため魔力の全てを献じる盲目的な愛に、幸福すら感じていた)

        「どうしてキサマたちはそんなに、強い輝きを湛えた瞳をしているんだ!」

        (ルィンディが近づくごとにエングレーブの発汗は増し、魔力の精度は落ちてゆく)
        (見えている恐怖から一歩でも遠ざかろうと、引けた腰で後ろ向きに這いずって)
        (ついに、痛みと希望の体現者の手に捕らえられる)

        「オレは……」
        (直の"ディスペル"により自由が奪われる)
        (逃げることなど不可能な状況。いや最初から逃げ場などないかもしれなかったと、野望の終焉を悟り自嘲気味に笑う)
        (靄のかかりはじめた意識の中で、限りなく優しい死刑宣告を受け入れた)
        (「オレは、間違っていたんだ」)

        (眠りによって全てが終わる)
        (瞳を閉じたエングレーブは、徐々に光の粒子になって飛散してゆく)
        (エングレーブだけではない。彼を見守って整列した無数の影のない人の形もまた、同じにその身を溶かして行った)
        (参列者の中では、A・B・ニューが始末悪そうに不貞腐れており、水鏡御蔵が気をつけの姿勢を正しており)
        (制服に身を包んだ数多の男女、学園都市の先達たちが、頭を下げ、手を振り、想い想いの別れを告げていた)
         
        (夜の帳を白く染め上げた煌めきの拡散が終わる)
        (校庭には当たり前の沈静が戻り)
        (かくして絶望からの卒業式は、卒業生二人からの送辞と、また卒業生たちの退場により、締め括られた) -- 2014-03-20 (木) 22:53:10
  • 黄金暦273年3月深夜 校庭
    • (零時と零分。今日と明日の境目)
      (当たり前のことながら、普段学園を賑わせている生徒の影は既になく)
      (丑三つ時にかかろうとする夜の闇は一層濃くなって、天に座する琥珀色の満月を際立たせる)
      (その輝きに照らされた中心部に、瞳を閉じ力なく項垂れているイザヴェル・ヴィオレの姿があった)
      (駆け寄るルィンディを制し、霞の中から男が声を掛ける)
      「待ってたよ!」

      (学生服を着た姿は確かに生徒と言われれば信じるほど、顔立ちは少年と大人が同居しているようなぎこちなさを秘めて、正確な年齢を隠蔽していた)
      「来たね。自己紹介、いるかい?」
      (フランクな口調の挨拶は旧友にするそれ。しかし次に続くのは全く正反対の、これが初対面だとの自白)
      「大丈夫さ、カノジョは死んでない。死んだら、キミを態々招いた意味がないってもんだ」 -- 2014-03-11 (火) 21:56:26
      • (満月は春霞に朧ぎけり)
        (学園艦では、卒業そして春休み。終わりと始まりの狭間に位置するこの月は、立ち位置をはかりかねる)
        (飛び立ち、そして、着地するまでの浮遊感がある)

        (夜はとっぷりと満ちて人を遠ざけている。月光によってのみ照らされるこの場所は、すべてがうそ臭い)
        (けれど、そんな中であるからこそ確かな現実味を持つ男が、ひとり。彼の行く手の邪魔をする)
        ……いる。
        (彼は、“それ”に真正面から相対する気構えであった)
        (ただ“敵”とだけ断ずるべき相手ではないと、そう判断した)
        私のことは知っているのであろう。……名乗れ。
        いや。名前のみは知っているかな。エングレーブ? そう言ったか。

        (敵意がない。人好きのしそうな明るく、歯切れのよい口調。どこかあどけない顔立ちに、表情)
        (「イザヴェルは相手の手の内」「べつに、土俵にだって盤上にだって、なんだって登ってやるさ」) -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 22:43:47
      • 「そう。水鏡が伝えたかな? まあいいか。確かにオレはエングレーブ。産まれて与えられた名前はMaxi Engraveだけど、好きに呼んでくれ」
        (違和感の塊が服を着て歩いている。そんな印象の男だった)
        (確固たる存在感と、希薄すぎる影。大人と子供。繊細さと豪放さ)
        (神経質に髪の毛を整え出したかと思えば、次の瞬間には服の埃を気にしている)
        (数多のイメージに重なり、彼の存在を証明するのは、ただ一つの事実)
        (月光の下に映える男には、当たり前のように、足元から伸びるはずの影が存在しなかった)
        「イザヴェル・ヴィオレを人質としたことを怒っているのか? だとしたら謝るよ、こんな遠回りな方法を取ったこと。
         ただ、カノジョのガードが堅過ぎて。少し大人しくなってもらないと、落ちついた話もできそうにない」
        (困ったように頭を掻く)
        「どうだい、何か知りたいことはある?」 -- 2014-03-11 (火) 23:02:50
      • (彼は時折変な部分に拘る。それはイザヴェルにも知れたことだ。“エングレーブ”を辞書で引いたのもその一貫である)
        (銃に施される彫刻をそう呼ぶのだそう。エン=グレイブで墓関係も当たってみたがそんな単語はなかった。「名前だ、ただの……」)
        (そして、その名前は生徒名簿にはなかった)
        (べつに愛称で呼ぶ気にもなれない。そこは軽く流しておいた。「……気が逸れているな」「我ながら緊張感のないことだ」)
        (「それは、たぶん」狭間の季節たる3月に似合う、四月馬鹿の嘘とはまた趣を違えた、季節も場所を無視した蜃気楼のような、)
        (“エングレーブ”の存在によるのだろう。彼は、地面に視線を這わせる。エングレーブの前後左右、どこにも影はない)

        (倫理観の狂った発言などいちいち相手にしていてはきりがないし、ここで心を荒らげてもなにひとつ得はないだろう)
        (それよりも彼は、“知りたいこと”について意識を注力することにした)

        心情的に一番聞きたいのは、「なぜイザヴェルと私を付け狙うのか?」大蜘蛛を潰した恨み? それとも、潰したその行為自体が目に留まったのか?
        もうひとつ、これは単なる疑問なのであるが。「貴様、ほんとに今、ここに、存在しているのか?」

        (焦れてくる。迂闊に動けない。杖を握る手が汗ばむ) -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 23:23:27
      • 「よし、まず最初の質問から。オレたちはとある目的のために素質のある人間を欲している。
         キミたちが斃した蜘蛛、あれは餌だ。ペット感覚で飼ってて持て余し気味だったけど、キミたちという鯛を呼ぶ仕事はしてくれたよ。
         他にも目に留まっていないだけで、オレたちの撒いた餌は無数にある。それは結局埋没したり、他の生徒が解決に導いたり、様々。
         そんな餌に食らいついた人間の中で特別優秀だった、この場に到達せし者が、キミと、カノジョだ」
        (ルィンディとイザヴェルを交互に示す)
        (質問の主が納得もしないうちに、続けざまに次の句を継いだ) 「では二つ目の質問への回答だ。存在自体はしているさ。
         この地上で紐つけられる、生命という定義を外れてね。とある手段で現世での肉体を廃して、別の手段で干渉している。
         以前にキミたちが相対した、A・B・ニューや水鏡御蔵も同じ。身も蓋もない表現をさせてもらうと、『死者の軍団』になるかな」
        (もしもルィンディが、代の古い生徒名簿を見つけることができていたら)
        (その中に存在したA・B・ニュー、水鏡御蔵、マキシ・エングレーブといった名前を目にしていたはずだった)
        (同時に彼ら全てに、『除籍』の印が押されていたことも) -- 2014-03-11 (火) 23:45:15
      • (最初の答えは概ね納得のいくものだった。口から出任せを言ったにしても、筋が通っている)
        (大蜘蛛に遭遇し、“レビテイト”で圧殺したあの日から続いてきた事象が、一本の線で纏め上げられた)

        ……。亡霊みたいなもの?
        貴様らは、要するに、私らの先輩にあたるわけだな。

        (二番目の答えも、生徒でありながら生徒でない彼らに抱いていたぼんやりとした違和感に輪郭をつけてくれる)
        (型の古い制服に、影がないこと。名簿に名はなく、消えれば影も残らないこと)
        (彼は名簿のバックナンバーまでは辿れなかった。すぐに引き出せる場所になかったし、「単に生徒の姿をして潜入しているのかも」と片付けたからだ)

        (三つ目の疑問が湧いてくる)
        (「とある目的」というワードが、今までに出た謎を纏め上げている。それは、“死者の軍団”が生命の定義を外れてすら求めるものであるらしい)
        (それはなにか?)

        丁寧な回答有難う。(イザヴェルへ視線を一度遣り、エングレーブを睨め付ける)
        そろそろ、核心を聞かせて貰いたい。
        私と、イザヴェルは、何のためにここに呼ばれ、貴様の目の前にいるのか。 -- ルィンディ 2014-03-12 (水) 00:03:35
      • (対峙する二人は真逆。質問者と回答者。シルエットも、抱く表情も、何もかもが)
        (なお二人を結びつけるもの、それは互いに『求めている』という点)
        (片や永く焦がれた待ち人たちを。片や引き寄せられた糸の先の終着駅の名前を)

        (ルィンディの新たな問いを聞くと、夜空を仰ぎ、遥か彼方の星に視線を馳せた)
        かつて一人の若者がいた。
        彼は新聞記者を夢見ていた。
        しかし嘘で隠蔽された世界の中、真実を追及できないことに絶望した。
        かつて一人の若者がいた。
        彼は格闘家として自らを鍛えようとした。 しかし誰も目指す理想には到達できず、比肩し得る好敵手が存在しないことには絶望した。
        (『誰か』についての語りを始める。例えではなく、かつての過去にあった事実の再現)
        カレらは理解したのさ。枯れ果てた現在に居場所はないのだとね。
        ではどうすればいい?
        懈怠に流されるまま適応して、飼い慣らされた家畜として一生を終えるか?
        明日、目が覚めませんようにと震えながら、口を噤んで貝になるか。
        どうする? どうする? キミたちならどうする!?
        (語気も荒く、伸びた人差し指を構え、ルィンディの眉間に向ける)

        オレも同じさ、世界に絶望した。
        妬み、恨み、嫉み。そんな感情でだけで回り続ける、理不尽で退屈な世界。
        別にさァ、もう必要ないんじゃないかな?
        (「明日の昼食のランチは何だろうか」 そう尋ねるのと変わらない口調で話をする)

        キミたちはオレと波長が合うかと思ったんだけど、どうやら違ったみたいだ。
        様々な障害を乗り越え、晴れて卒業式を迎えようとしている。
        そしてクソの掃き溜めのような汚れた世界に、泥船で飛び出して行く。
        本当は世界は理不尽で創られていると分かっている癖にね。
        オレたちとキミたちとは分かり合えない。だけど、キミたちの資質に敬意は評しよう。
        "星を落とす魔法" "時を止める魔法" キミたちが有するには、これから宝の持ち腐れだろう?

        (そして、満面の笑顔を見せた。こうすることが当たり前だといわんばかりの、さも当然の口調と共に)
        じゃあ、死のうか。 -- 2014-03-12 (水) 00:36:24
      • (現世での肉体を廃している。と、エングレーブは言った)
        (影のない仮初めの身体を駆り、こうして動くのも、この世への否定なのだろう。だから、さっきまでの台詞に現実味はなかった)
        (それどころか、名前も、口調も……全部、世界を小馬鹿にしたようなもので構成されていたに違いない)
        (けれど、エングレーブが語る“絶望”だけは、浮き彫りにされた真実だった)

        一々、貴様の発言を否定して回るつもりはない。

        (グラウンドの砂利を踏みしめ、脚を開く。腰を落として杖を構え。夜の湿った空気を肺へ循環させる)
        (人とは、運命に翻弄され、因果に縛られる矮小な生き物)
        (世界に比べたら、芥子粒よりもちっぽけな種子)

        一言で片付けてやる。
        もしも、この大地のすべてに絶望が満ちていたとしても。
        そのどこかで我が愛する学友が暮らしていて、生きていて、いつか会えなくても、その存在を信じられるのなら。
        この世はすべて、楽園だ。

        幸せになりたい(ロ アーフオ グルェキ)────

        (夜闇の中で、更に深く染まる黒が彼の背からどろりと涌き出、蛇杖へを染めていく)
        (「死ぬものか」心のなかで、唾棄した) -- ルィンディ 2014-03-12 (水) 01:14:36
      • (かつて、本当に少年だった頃のマキシ・エングレーブは世界に裏切られた)
        (誰も自分の才能を理解しようとしてくれない)
        (自分はこれほど真摯に魔術を修めようとしているのに、何故こうも世界は頑なに敵意だけを表す?)
        (級友も、教師も、愛してくれるはずの親でさえも、彼の敵に回り、彼は孤独の縁に追いやられた)
        (そしてマキシ・エングレーブは絶望に苛まれ、自らの命を絶った)
        (十年、百年、千年でも一万年後でも構わない)
        (やがて輝きに溢れていると錯覚されている世界が、その実単なる汚泥の集合体でしかないと全ての人間に知らしめて)
        (無為で無情な偽の理想郷だったと証明できるならば)

        楽園など存在しないよ。これからオレたちが作るのさ。
        (エングレーブが指で空中に軌道を記すと、描かれた道筋が魔法陣となる)
        (小型大型、全ての陣は淡い燐光を持ち、既に魔術を起動する態勢を作っていた)
        来いよルィンディ。キミが培い、縋っている希望その全てを。
        (輝きを放つ魔法陣はさながらスポットライト。かくして観客のいない、暗黒の舞踏会が幕を開ける)

        須らく否定してやる。 -- 2014-03-12 (水) 21:46:00
      • ────ただそれだけのことが(ロ アーフオ ニチュ) そんなに罪深いのですか(オイ ロ ゼクリサイ) それは違う(アフナイ) お前は求めすぎるのだ(ドゥ ドゥクセ ヂシャ)

        (スター・マインだとでも言うかのように乱れ咲く魔法陣が、彼の瞳に映った)
        (呼吸と同じくらい自然に展開されたそれらは、魔法の練度の高さをありありと示している)

         渇望する(ヂーシャ) 満たされる(マンサ) 満たされるたびに(マンサ ヴィ ラーニャ アル) 渇望する(ヂーシャ) 繰り返し膨れていく(ラプルィ ドゥ ティスナ)

        (魔術は精神の技術であるが故に、これは心の戦いとなるのだろう)
        (この場では機智は用を成さず、信念のみが役に立つ)
        (彼は、“否定される”ことそのものよりも、エングレーブの心中に確かに存在している絶望の世界を「ぶち壊してやりたい」と思った)

          欲望の鎖がお前を縛る(ドゥ ヂーシャ ルィンスィ ロ カ ルァスナ) あれも(ティ) これも(テュー) 欲しがった結果(ヂーシャ ディ ドゥ ジャルゥゲ) もう動けないだろう(コフ マ ムヴドゥ)

        黒魔法(ヘクリマクファ)─────スロウ(マースノゥ)

        (先んじたのは彼。掲げた杖から細い蛇状のものが涌く。それは、魔法陣らに絡みついて、その術式の動作を遅延させる)

        (彼は、そのまま真っ直ぐに距離を詰める。暗闇に慣れた網膜へ、魔法陣のかたちが深く焼きついた) -- ルィンディ 2014-03-13 (木) 00:16:50
      • (痛みを恐れ絶望へ身を窶した男と、痛みに晒され続け希望を掴んだ男)
        (同じ境界の上に立てど、泥と星ほどにも二人の心の距離は遠い)
        (精神の剥離とは裏腹に、現実の二人は徐々にその身体を導き合わせる)

        (ルィンディの秘めたる刃、黒魔法が牙を剥いた)
        (魔術の発動を阻害する欲望の鎖は、主命により発動の時を待つ飢えた魔法陣たちを縛りつける)
        「ほう、ならば」
        (散在した魔法陣は電池でも切れたのか、全てが輝きを失い活動を静止した)
        (同時にエングレーブの口から言葉の羅列が始められる)
        (魔術の形態の一つ、魔力を力ある言葉に乗せた詠唱だ)

        "The world will be over" (世界は終わるだろう)
        Who said such foolish?(誰がそんな愚かなことを?)

        (芝居がかった口調が魔術発動の起動キー)
        (魔術により創造されたのは、超高温を持った閃光)
        (かつて宇宙が産まれた際に発生した小爆発に似たエネルギーが、瞬く間に膨張し弾けた) -- 2014-03-13 (木) 22:01:34
      • (彼も道を違えればこうなっていたかもしれない)
        (彼も道を違えればこうなれたかもしれない)
        (人生というもの、運命というもの、因果というもの、その綾がかたちとなり学び舎(カンバス)に浮かび上がっている)
        (負と正の極地でありながら同じライン上にある二人は、磁石のように引き合い、しかし引かれることで互いを否定し合う)

        (停滞の魔法はエングレーブの出鼻を挫けたようだが、まだお互いに1:1の交換をしたのみで戦局は動かない)
        (物語の一幕にあるような台詞が、わざとらしいほど物悲しく呟かれる)

        悲劇が起こった 目を背けたい 耳を閉じたい 凄惨な悲劇が 嘘のように

        (常人よりずっと魔力に対して聡い緋色の目は、一見してその魔術の性質を見抜く)

         雫は雨となり 川に流るる 遡上する風のみが あたりへくまなく 生臭さを運んでいた

        (見抜いたが、それを上回り反撃を被せることが同時にできない、ということが理解できた)
        (彼は“黒魔法”から“白魔法”へ意識をシフトさせる)
        (感情の波を操るのは難しい。ましてや、黒と白という鮮やかな対立を描く魔法を、両方行使しようというのだから)
        (それにかかる負荷もまた絶大である)
        (しかし、彼の情緒は、それをたやすく成し遂げるほどに強い)
        (自らの中から溢れ出る力の奔流を感じていた。白い輝きを纏い、そんなにも強い心の力を制御できる自分がすこし不思議だった)

          寄り添うことも うまく笑い合うこともできなくて 手を繋ぎ合う 弱さではない 確かに感じる
           目を開け耳を傾けろ 立て、雨風を塞き止めるように この痛みが教えてくれた 二度と迷わない もうひとつの明日を
         

        白魔法────プロテクション。

        (身体の前面に薄い皮膜が張る。硝子のように輝いて、閃光を照り返した)
        (防護の魔法越しに余波を受ける。しかし彼は続唱する。“プロテクション”の維持をしながら、逆巻く光の熱気を肌に感じつつ、怯まず集中を強める)

        眩しい(シャルミ) 目が潰れるほど(ロ カンルァ ク マルクァ) 輝かしいものばかり(ソヒ ヴルデ ダクティ) 瞼を閉じようよ(ロ カンルァ ガシリ ク ガンルォ) 苦しい思いをしてまで見る必要なんてない(ドゥンク ドゥ クルァニ ロ ニチュ シャトルゥ)

        黒魔法(ヘクリマクファ)─────ダークネス(マーンク)

        (光芒がグラウンドを疾走し、ふたたび闇があたりを満たしたとき)
        (彼の周囲にだけ異様に深く闇が満ちた)
        (微かにも視界の通らない黒い霧は、だんだんとエングレーブの居る場所にまで侵食していく) -- ルィンディ 2014-03-13 (木) 22:43:22
      • (白と黒のマーブルは混濁してなお、お互いを更なる次元に高めようとする)
        (守るべき盾としての白魔法。振るわれる剣としての黒魔法)
        (各々の存在は一つで完結している)
        (なおも添えられる"色"は不協和音とならず、むしろ流麗な音色を与える楽団となった)
        (熱光が防がれ白魔法の演奏が止むと共に、新たな黒魔法が次を引き継ぐ)
        (夜を一層深まらせる闇色の暗幕が展開され、徐々にその裾を広げ始める)
        「ふむ? 随分悠長じゃないかルィンディ!」

        (魔術とはそう、精神の技術)
        (大魔導士と称えられる人間が例外なく年老いているのは、そう呼ばれて胸を張れるだけの人生の荒波を越えてきたからだ)
        (殆どの場合、老成するに比例し当たり前に魔力の質も向上していく)
        (だが例外もある。若くして魔道の才覚を見せた人間は、例外なく性格に偏執的な偏りを持っていたり)
        (正常な精神状態とは程遠いケースが多数露見される)
        (マキシ・エングレーブは、両方だった)

        「いいだろう、キミの誘いに乗ってやる」
        (両の手を広げて天を仰ぐ。未来を賭けた魔術合戦の最中というのに、正気とは考え難い無防備な構え)
        「どうしたルィンディ、怖いのか!? 日和見なんか捨ててかかってこい!」
        (既に闇は、エングレーブの傍まで忍び寄っていた) -- 2014-03-13 (木) 23:17:55
      • (“誘い”)
        (闇が満ちて、さらなる詠唱が始まる)

        世界から人が集まった(ジマジ ロ プレヌ ロ ティ ロ ムンジェ) 西(ヴュハ) (ベハ) (デュハ) (ネフ)

        (その定義によるならば彼は後者)
        (生後まもない頃から、丁寧に、丁寧に、黒魔法の産湯に浸され、生っ粋の黒魔道士としての英才教育を受ける)
        (シンシェ語のみを教えられ、言葉が通じるのは黒魔道士かそれに携わる者のみとなり、歪んだ環境こそを真実と信じて育つ)
        (人為的に創りだされた黒魔法の天才)

         皆で塔を打ち建てた(ズバス ロ ディンジュ ク レイ) 西(ヴュハ) (ベハ) (デュハ) (ネフ)

          私は塔から見渡した(ミ シャトルゥ ロ ディンジュ) 西(ヴュハ) (ベハ) (デュハ) (ネフ)

           私は積まれた煉瓦を崩した(ミ ロ ロクシ ク ダスポ) 今や塔など些細なものだ(ロ シマルゥ ク ディンジュ ロ) 滅べ(ダスポ) そして自らの目で見よ(ミ シャトルゥ ロ カンルァ ク)

        黒魔法(ヘクリマクファ)────サイレント(スマッジ)

        ィィィイイイイイ

        (暗闇の中で術が成る。全ての音が掻き消える)

        (これは「悠長なこと」などでは決してない)
        (“黒魔道士”として彼が遣う、絶対の殺戮技術)

        尊い犠牲だ(マハ ツィルコ スィンマ) これは抗えない(ティ ナイ ファプロ) 運命(ロ ディムナ) そう言ってもいい(シュルミ ティ シュスク) 私が決めたのだ(ミ ジディシェ)
         失態を犯した(ドゥ フゥルィバ) 思想的に問題アリ(ドゥ ナブミ ロ ルィジダ) 血が汚れている(パルゥシ ロ シブルゥ) 芸術的でなく醜い(ルァルシュ ナイ ロ ベブナ) いろいろ理由はある(コハ クリヌ)
          だが(エハナイ) いちばんの理由は(ティ クリヌ トラジ) 私が気に喰わないということ(ミ ナトフェ) そう(イエ) きみにこの世に存在して欲しくないんだ(アウナイ ドゥ ザスティ)
           理解して欲しい(アウ ドゥ ジムペ) もし(エフ) 未練があるのなら(ドゥ ヂシャ ゾッヘ) 私が介錯してやる(ミ ズクテ) きみが居なくても明日は来る(クラーマ ロ シェルニ ドゥ シルィヴァ)

        黒魔法(ヘクリマクファ)────ディスペアー(パシナ ダスポ)!!!

        (とっぷり満ちた闇と、奪われた音)
        (彼はその中を泳ぎ、杖へ魔法を宿し)
        (目標へ闇の刃を放った)
        (それは遍くものを絶ち、真っ二つに分断せしめる無法の刃である)
        (全てが覆い隠された闇から突如来る絶望の刃は、これまでにも沢山の“目標”を葬ってきた)
        (三つの黒魔法を合わせた謂わば、彼の必勝の構えであった) -- ルィンディ 2014-03-14 (金) 10:37:19
      • (続けざまに繰り出される"闇"と"静寂"と"刃")
        (漆黒のベールに覆われ茫漠となった視界に投擲された無音の斬撃は、対象者の行動を限りなく狭いものとする)
        (大抵の場合、攻撃の手段が露わとなって初めて次の選択肢が出現する)
        (回避、防御、反射。いずれにせよ、どのように相手が行動したかの質に応じた適切な対処が求められる)
        (ダークネスで視界を奪う。サイレントで音を奪う。ディスペアーで命を奪う)
        (ルィンディは、三重の黒魔法で選択肢を限りなく狭め、次の手が許されない詰みの一手まで狩り取った)
        (狩り取れるはずだった。一般的な作法に従い行われている、行儀のよい闘いであれば)

        (魔法がこの世界で最も普及した技術である理由は、魔力と魔法の概念が大多数の人間に認識されているため)
        (ではもし新たな発見が世に認知されず風化してしまったら)
        (世界では今も、それは当たり前に起こっているのかもしれない)

        (生前のエングレーブが異端扱いされた理由の一つに、新たな理論の提唱がある)
        (物質と気体の中間に存在し、魔法に対しての絶対抵抗を持つ粒子が存在する)
        (彼の発見は当然のごとく気の触れた妄言だとみなされ、また黙殺された)
        (そしてマキシ・エングレーブは、自らの肉体を検体として捧げ)
        (皮肉にも死後、理論の正当性は証明されることとなる)

        (凶刃は風を裂き、勢いのままにエングレーブへ放たれる)
        (勢いのまま諸手を挙げ万歳のポーズをした男の胴を薙ぎ払うかに思われたが、到達した瞬間、軽い放電音が闇へ伝道する)
        (続いて響く声は、断末魔の絶叫でもなく、諦観の涙声でもなかった)
        「どうした? オレは無事だぞ? まさかよしてくれよ」
        (暗闇の中で見えないはずの顔に、嘲りが浮かんだ気がした)
        「今のが起死回生の一打だとは言わないよな、ルィンディィイイイイイイイ!」
        (掲げられた腕が90度回転し、正面方向を向く)
        (ただの無為な素振りだと思われた行動は、他でもない魔法準備の儀式)
        「散れッ!」
        (収束した魔力の渦は歪な螺旋を形成する。砂塵を巻き上げる小型の竜巻が、意思を持った蛇のようにうねり、疾駆した) -- 2014-03-15 (土) 23:04:50
      • (“闇”と“静寂”の中から突如として放たれる“破滅の刃”)
        (彼はこの一式の魔法に拘りがある)
        (彼がこの三つ組を遣い始めたのは、13歳。その頃、彼は人殺しが厭になっていた)
        (しかしながら氏族の意向に逆らうことは生きる術を失うことでもある)
        (首の根元からぴゅうと吹き出る血や、悶絶し両目の焦点が互い違いになる姿だとか、苦痛から起こる悲鳴を聞きたくなくなっていた)
        (一度に二つの魔法を展開しそれを維持し、さらに“ディスペアー”を高度に練り上げるのは彼にしかできないことであり)
        (彼にとってやらなければならないことだった)

        (果たして、刃は放たれる)
        (フラッシュバックする。目も耳も閉じた闇の中で、手応えもなく人殺しをする昔の自分の姿が)
        (彼は、エングレーブに浅からぬ憎しみを抱いていることを自覚していた)
        (遣うまいとしていた“黒魔法”を、意識が落ちているとはいえイザヴェルの前で行使することに強い抵抗があった)
        (それでも、確実に殺さなければならないし、これが最善だと思っていた)

        (“手応え”)
        (それは確かにあった。タールの海に沈み込んだように、平衡感覚がおかしくなりそうな闇の中で、確かに彼の刃はエングレーブを打ち据えた)
        (悲鳴もなく、血のぬかるみもない)
        (ただ、闇が破れるように──電撃のような何かが、この空間を走って)
        (声が聞こえた。沈黙が破れるように──諧謔味たっぷりの、それでいて愉悦に満ちた声が)
        (自分がこの闇の中で殺してきた人々が、死へ誘っている)
        (確かに、そう聞こえた)

        え……っ。

        (完全に虚を衝かれ、声を上げる暇もなく彼は颶風に吹き飛ばされ、身を裂かれる)
        (グラウンドに立つ精霊灯のひとつに、背から叩き付けられた)
        (金属で出来たポール部分がぐにゃりと歪む。その反作用はルィンディの身体へ強く響く)
        (身体の中で衝撃が暴れ回り、骨や内臓の構造が壊されていくのがありありとわかり、死の歩む音をすぐそばに聞いた)

        (ずるり、と屍体のように落ちる。げっ、げっと呼吸と嘔吐の入り混じった音を口から出す)
        (血の塊を吐き出し、手を地面に突き、無詠唱の“ヒール”を身体中に巡らせる)
        (精霊灯が齎す光と、夜闇の陰影の中に白魔法の光がぼんやりと浮かんだ)

        がっ、はっ、あぁあっ……。ぜーっ。ふぅーっ……!!

        (彼は、エングレーブを見据える)
        (“この世ならざるもの”)
        (エングレーブはそれそのものだった)
        (そして、彼は、そんな存在と相対するのが初めてではなかった)

        ……エングレーブ。
        貴様を、肯定(ひてい)してやる。

        (死と生の境目に彼は立っている。首の皮一枚で繋がった命を差し出し、集中をはじめた)
        (空にある星をすべて聚めたように、輝きが夜に満ちていく) -- ルィンディ 2014-03-17 (月) 00:16:27
  • 黄金暦273年3月
    • (卒業を間近に控えた3月)
      (気の早い桜は既に桃色の花弁を開き、例年学園内の動きも慌ただしくなってくる)
      (部員が全て3年生であることもあって、部活動の集まりもやや悪くなり、出席する機会も少なくなった)
      (正門を通るよりも近い裏門を通ろうと、普段のように近道を試みようとして) -- イザヴェル 2014-03-10 (月) 21:13:46
      • 「や」
        (とにこやかに手を挙げる男子学生と出会う)
        「お疲れ様、と言っておくか。見事だったねカレの"星を落とす魔法"。
         同時にオレは、とても満足しているんだ。キミたちはオレが見込んだ通りの逸材だった。
         オレも仲間たちに失態を晒さずに済む」
        (ウェーブがかった茶色の癖毛を指に巻きつけながら、胸を撫で下ろす素振りを見せた)
        (そばかすの残る頬は、男の背の低さもあいまり少年めいている)
        「自己紹介、いるかい?」
        (照れくさそうにそう笑う) -- 2014-03-10 (月) 21:23:59
      • (眉を寄せ、不快感を露わにするイザヴェルは、男の言葉が終わるかの瀬戸際で、言葉を斬った)
        必要ない。
        (次の行動は早い。懐の魔導書に手をやると、そのまま指でページを弾き、魔術を発動する)
        (開かれた番からは魔力が迸り、巨大な、透明な刃が瞬く間に生成される)
        (魔力は水、刃は氷。水が超低温化で氷に変質するプロセスが、魔力の展開をなぞる)
        (現れた刃はイザヴェルの烈しさに呼応し、剣身を伸長させた)
        (ブレーキなしで一直線に放たれる刃の切っ先は男へ向かう) -- イザヴェル 2014-03-10 (月) 22:37:45
      • 「おっと危ない」
        (突然、男がイザヴェルの背後に出現する)
        (新たに背中へ注意をやると、またもや消えて次は正面に)

        「キミの動揺が手に取るように分かる」

        「キミは迷っている。捨てたはずの過去が、また追いかけてきた」

        「これが最期のチャンスだ。機会を逃せば、もう二度と自分のルーツを知るための手掛かりはない」

        「辛いだろう? 苦しいだろう? キミを支えてきたものが、崩れ去ろうとしている」

        「不退転を掲げて強くあろうとしたのに、残念だよね? 一通の手紙でこんなに心がざわめくなんて」

        「そんなんじゃキミ……嫌われるんじゃないかい。大切な大切な"カレ"に」

        (出現と消失を繰り返す男の声が空間に反響する)
        (諭すような声色は明らかに嘲笑と憐憫を含み、イザヴェルの魂を摩耗させる) -- 2014-03-10 (月) 22:49:28
      • (気配や声から位置を察知することは不可能に等しい)
        (加えて、かつて敵として戦った武道家の男とは異なり、正面から戦おうという気概もないようだった)
        (言動からすると、狙いは挑発。そしてルィンディを誘いだすこと)
        (闇雲に攻撃を仕掛けても、相手の思う壺か)
        逃がしはしない。
        (ならば、迎撃のための網を張る)
        (魔導書から溢れる魔力が場に下っていくと、地表の一面を霜が覆っていく)
        (3月という季節に真正面から反逆する幻想の正体は、口を開いて得物を待つ罠)
        (魔法について学びを深めた結果、応用できる知識も増えた)
        (魔力の構成を組み替え、地面には別種の魔力に反発する陣を敷いている)
        (もし敵が次に姿を現した場合は、陣が自動的に攻撃に移り、敵を氷柱が串刺しにする、そういう手筈だった)
        -- イザヴェル 2014-03-11 (火) 20:03:04
      • (果たして、イザヴェルの思惑は外れる)
        (展開した魔力罠をあしらい、敵はイザヴェルに肉薄した)
        (何故魔力罠を退けられたのか? 敵はいかなる存在なのか?)
        (イザヴェルの自問に答えはない)

        「無駄さ、確かに、A・B・ニューや水鏡御蔵になら通用したかもしれないけどね」

        「やはりいいな、キミは」

        「理論を理論で済ませず、実用化し転用するに至っている」

        「惜しい、やはり惜しい」

        「キミたちのような才能を世俗に埋もれさせてはならない」
        「風化させ、朽ちさせてはならない」
        「この鋼鉄の籠の中から飛び立つ前に」

        「キミには"永遠"になってもらう」 -- 2014-03-11 (火) 20:14:45
      • (それから間もなく、ルィンディの元へ差出人不明の手紙が届く)
        (「零零零零、校庭で。迷子を預かっている」)

        (予感を感じたルィンディが学園内、女子寮をいくら捜索しても、イザヴェルの姿はなかった) -- 2014-03-11 (火) 20:34:20
  • 歩くより遅くて 走るより速いものよ
  • (時間が止まっていた)
    (人がすべて、指先ひとつ動かさず、身動ぎもせず、ただじっと静止している)
    (貧民街の煤けた建物と同化して、生きたままの姿をとどめながら死に絶えている)
    (賑やかな喧騒はもはや聞こえず。白黒写真のようになって、停止している)
    (イザヴェルは、そういう状況に意図せず出くわした)
    -- 2014-03-04 (火) 23:38:52
    • (相変わらずなのか、貧民街では奇妙な事件が多い)
      (時が止まった状態を視覚化すればこうでもなろうか、という光景)
      (貧民街でさえなければ、しばらく落ちついて眺めて痛いほどだった)
      ……そう楽観的にもいかない、か。
      (大抵こんな奇妙なシチュエーションでは偶然に傍らにいる、荒事相手に頼りになりそうな男は、生憎不在)
      (無理を言って引っ張ってきた方がよかったかと内心舌打ちして)
      (事象には原因が必ず存在する。それは、この状況を作るに至った犯人)
      (もしかすると、件の影のない連中かもしれない。そう考えると、一層孤独であることが寂寥に感じられた) -- イザヴェル 2014-03-04 (火) 23:50:48
      • (貧民街の文化レベルは低く、精霊通りなどとはずいぶん隔絶したところがある)
        (煤けた顔の煙突掃除屋が、段々の煉瓦に腰掛けて頬杖をついている)
        (それはそのまま石になって、歴史の教科書の一頁を再現したかのように、一種、幻想的に)
        (夕暮れどき。貧民街の住人たちは、喧騒を音もなく固定されている。粗末な紙袋を抱えた女性は、落ちて転がる玉葱を追った姿で固まっている)
        (どうやら、この人々は“こう”なるまでに、恐怖すら抱く暇もなかったようだ)

        (イザヴェルは、視線を感じる。慄然とした、化け物じみた存在感を放つものだ)
        (それはまるで、大勢の視線のようにも思えるし、ただひとつの目的のみを持つ単身の視線のようにも感じられる)
        (日常の偶像と化した石像の並ぶ中を、縫うようにゆらりと歩く人がいる)
        (それは明確にイザヴェルを目指している)
        (シルエットからみて、女性のよう。目深に被ったフードが顔を隠している。貧民街によく馴染む、煤けた服装を纏っている) -- 2014-03-05 (水) 00:02:50
      • (人、地面、建築物、貧民街を構成する全ての要素を観察する)
        (場面自体は実際見慣れたもの。学園と隔絶された場所の平常運転だ)
        (モノクロームの静止した時の中にさえいなければ)
        理解に苦しむ。単なる魔法の仕業、とは考え難い。
        (ルィンディの白魔法は、直接的な殺傷力の他に珍しい効能を持つものが多い)
        (人々が死んでいないとするならば、尖りきった白魔法により引き起こされた現象だと言われた場合、鵜呑みにしそうだった)
        (そして気付く。何者か、あるいは何者かの集まりが眼光を送っていることに)
        (視線とは案外に強いもので、意図せず誰かと目が合った、という経験は少なくない)
        (犯人の正体はすぐに伺えた。彼―おそらく彼女の外見だけならば貧民街にも違和感なく溶け込める)
        (灰色の空間で一際強い、息苦しさに似たプレッシャーさえ背負っていなければ)
        (「あれは危険だ」と直感が囁く。逃げるべきか、一瞬の逡巡) -- イザヴェル 2014-03-05 (水) 00:18:02
      • (“女性”の足取りはなにかおかしい。蹣跚めいて、ふらり、ふらり)
        (膝が崩れ、石像に縋り立ち上がって、また歩く。……まるで、昆虫か何かのように、本能だけで歩みを進めているかのように)

        (ひゅん)
        (そして、ゆらり。幽鬼のごとく、“それ”はイザヴェルの至近へ近づいていた。白く輝く、神聖な魔法の粒子を纏いながら)
        (そして、ぎしり。イザヴェルの脚は縫い留められた。魔力の帯が、イザヴェルを停止させている)
        (それは────いつか、大蜘蛛を葬ったあのときに、ルィンディが見せた捕縛の魔法と全く同一の組成をしている─────)

        (女性はフードを降ろした。ずるり、と。長い黒髪が垂れ下がる。そのひと束ひと束に、鱗があり、牙があり、赤い瞳があった)
        (彼女はじっと、イザヴェルと顔を合わせた。高くすらっとした身長。端正な顔立ちに、赤い瞳。誰かに、似ている) -- 2014-03-05 (水) 00:32:33
      • (結局、残ることを選択した。逃走行為への反骨心と、謎の原因を究明したい、という感情が先立った)
        (挙動の不審さは、相手が正常でないことを示唆してくれている)
        (異常の中心地、と考えてほぼ間違いない)
        (組み立てられる思考のロジックは突然に遮られる) (距離を取ろうと足の筋肉に命令を下そうとして、自由にならないと気付いた。自分の意思が外部からの力によって阻まれていた)
        っ!?
        (腕は動く。攻撃に移ろうと胸元から魔導書を抜き、機敏に不審者へ突き付けようと構え)
        (にじり寄る闇の影が有する身体的特徴を認識する)
        (不気味なほどに黒い毛髪と、蛇に似た切れ長の赤い瞳)
        (加えて、この足の異常が魔術に依るものだとしたら。この魔術をも知っている)

        ―ルィンディ。
        (つい、そう名前が口をついて出た)
        (暗色の侵略者が、その名前を持つ人物と、何ら関わりがないはずだと理性で抑え込みながらも) -- イザヴェル 2014-03-05 (水) 00:50:34
      • (魔導書を意に介さない。それよりも、もっと気になるものがあるらしかった)
        (蛇の黒髪が意志を持ち動く。すべての蛇が鎌首をもたげて、イザヴェルを観察し始めた)
        (太陽はほとんど、地平線の向こうに隠れている。赤く輝くその瞳が、暗闇の中に無数に浮かぶ)

        ……ち、がう……。
        (のっぺりとした無表情が、くしゃくしゃの泣き顔になる。独りきりで、泣き止まぬ赤子のようになる)
        (声はか細い。病床の老人にも似て、生気がない)
        (ルィンディに似た彼女は、瞳の奥に哀しみを湛えたままイザヴェルを見つめている)

        (そこで)
        (何もかもが色を違える)
        (日が沈みきった瞬間に彼女は、ぞわりと、髪を逆立たせた)
        (闇に混濁した黒蛇が、ぎらついた睨みをイザヴェルへ向ける)
        (────“停滞”させられていた脚が、俄に、重くなる────) -- 2014-03-05 (水) 01:20:04
      • (女の中で最も人間から遠く目を惹く異形の部位が、各々統一された動きに移る)
        (陽の落ちた夕闇は魔のシルエットを一際映えさせる)
        (最初の場面から荒唐無稽な接近遭遇だけに、疲労による悪夢だという安易な逃げができたら楽はない)
        『ちがう』……? (二つの可能性が考えられる)
        (万が一に女がルィンディに連なる者として、自分の発した言葉に対するルィンディではないとの回答)
        (女が誰かを探していて、自分がその探し者と間違えられて結局違っていたという意味での口惜しさ)
        (無軌道な感情が錯乱した様子からは、正しい解を導くことは困難だと推察された)
        (現実を切り取って出現した女は、正体が何であれ、遥か過去に実際に存在し得たと伝わる正しく『魔女』と言われれば、誰もが信じてしまいそうな)
        (捨て置くには危険が過ぎる)

        (が、どうやら、時間は長く残されていないようだった)
        (女の白痴に近かった様相が、隠しもしない敵意、殺意すらも含んだ鬼のものに変容する)
        (女か髪のものかだか溶け合った眼光が増すにつれ、足の違和感が増す。足だけではなく、太腿、膝、腰までも)
        (迷いを切り捨て、攻撃に移れば、すぐに終局が訪れたかもしれない)
        (しかし踏ん切りがつかなかった。女が纏う匂いは、あまりにも―今はいない、先程声に上げてしまった男に、似ていたから) -- イザヴェル 2014-03-05 (水) 21:57:25
      • ──────────!!
        (激しい慟哭が声もなく響く。その“魔眼”は未だ本調子でないらしく、瞬きのような明滅を何度も繰り返す)
        (夜の深まりにつれて、イザヴェルは眠気を覚える。もう、胸のあたりにまで石化は進行している。血が廻らなくなり、頭が朦朧としている)
        (きっともうすぐ、息もできなくなって……)
        -- 2014-03-05 (水) 22:33:37
      • (“それ”とイザヴェルの間へ遮るように、突如踊り出る影)
        (そして、饒舌に詠唱を始める。面影ではない、確かな、本人の声が低く響いた)

        行動はすべて 取り返しがつかない 盆の水を溢す ただそれだけのことでさえ 不可逆のこと
         注ぎ直す でも、こぼした事実は変わらない 私の人生の足あともそう 靴底に踏みつけられたものもそう ずっと残る
          間違っていたのでしょうか 私を悪い魔法が蝕む 人々の嘆きが形を成して 喉首を締め付ける 息絶えるほどに
           いいや違う ただ、今を見ろ 自分を信じるがいい


        白魔法────リムーブカース!!

        (イザヴェルの脚の拘束が解かれると、彼はその手を引いた。胸元でイザヴェルの身体を受け止め、抱え上げる)
        (持続していたヘイストの魔法効果も相成って、瞬時に路地裏へ滑り込む)
        はーっ……はーっ……はーっ……。
        (彼は息切れを起こしている。膝から崩れ落ちた。地面へ倒れこむ表情は、信じられないほど憔悴して青みを帯びている) -- ルィンディ 2014-03-05 (水) 22:39:17
      • (命の綱が摩耗するいよいよの瀬戸際に於いて、脳裏に浮かぶことは自分の保身ではなかった)
        (悔い、心残りがあるとすれば、せめて卒業するまでには)
        (『答え』が聞きたかった。あの夏の日、互いに大人になるため交わした、痛みを伴う問答に対しての)
        (薄れる意識の中、麻痺しつつある届くはずのない手は、むなしく宙を掴む)
        (水中に引き摺りこまれた人間が酸素を求める仕草に似た最後の抵抗は)

        (『答え』へと繋がる糸を引き寄せる)
        (虚空へと伸ばされた指は割って入った何者かに縋りつく)
        (彼は英雄ではない。勇ましいオペラの主役でも、悪との戦いを定められた仮面の戦士でもないと理解している)
        (どんなご都合主義と呼ばれようが)
        (この瞬間だけは、ルインディが、どんな英雄譚に語られる偉丈夫たちよりも輝いて見えた)

        (脇道に撤退すると、すぐには見られなかった彼の体調の不良が目に取れる)
        (自分は、封じられたことによる多少の倦怠感と疲労程度で済んだ)
        (しかしルィンディの衰弱は、明らかにそれとは異なる要因を含んでいた)
        (質問が無数にある。ただ生殺与奪を先程まで謎の人物に握られていた事実が、頭を冷静に動かした)
        現状を把握したい。最低限の説明で、私に理解できるように。 -- イザヴェル 2014-03-05 (水) 23:06:40
      • (スポットライトは屑星で、舞台は不潔な路地の石畳で、そこに立つ役者は台詞を忘れたように口だけを動かし、冷たい汗を頬へ滑らせた)
        (現実はそう。誰も知らない、空の片隅で行われているまつろわぬ劇である)
        (……けれど、彼は……英雄のように立ちまわる理由があった。「睨んだだけで人を石と化す」神話的怪物に立ち向かわねばならない)
        (けれど、けれども彼は、どうしても脚が震えるのを止められない)

        はーっ……はーっ……。(蹲り。目を固く瞑って、肩を抱いて身を震わせる。奥歯がガチガチ言うのを止めようとして、顎を膝に強く押し付けた)
        はーっ……。ま、、に、あって、よか、った……。ぜ、ぜんぶ、石になったら、戻せないから、魔法でも……。
        (口調にしても、覚束無い。どうやら平静を取り繕おうとしているのだが、どうにもそれが上手くいかず、子供のようなたどたどしいものになっている)
        (イザヴェルの声を聞いて安心したのか。顔を上げ、自分のシャツの胸元をぎゅっと握りしめる。収縮する心臓を諌めるように)
        あれは……“偽られた永遠”、“アルゴル”……。
        私の氏族で崇められていた蛇神。その、成れの果て……。
        瞳に写したものを“永遠”にする傲慢な死と生命の神。

        (ぽつぽつと語るが、それには実感が伴っていない。もっと伝えるべき情報があるはずなのに、自分自身を誤魔化して、遠回りをしている)
        (イザヴェルは意志の強い瞳を、彼は受ける。震えがいっそう強まる。そのまま魂ごと壊れてしまいそうなぐらい、彼は不安定だった)
        そ、れ、に……寄生された、ん、だとおもう、きっと……それで、いま、もう……ほとんど、死んでっ、駄目に、こんな……。
        ごめっ、ちがう……あれ、は、あれはな……私の、私、の……。
        姉、なのである。
        私が愛した人。貴様への答えを渋った、その理由……そのもの。
        (こんな状況で、何を言っているのだろう。けれども、様々な気持ちを含んだ真意であり……そして)
        ね、姉さんを放っておいたら……エリュシオン全体が“ここ”みたいになってしまう。おそろしいことなのである。
        止めなければならないのだ。だけど……魔法も、物理的な攻撃手段も、“ヒール”で即座に回復できるから、ほとんど意味をなさない。
        たぶん、止めるには、すべて、蛇神ごと浄化して無に返すしか……。
        ない。
        (震えて、震えて……そう言葉を絞り出した) -- ルィンディ 2014-03-05 (水) 23:37:16
      • (英雄然とした救出劇から一転、真実を語るルィンディは、知らない土地に一人で放り出された子供のように見えた)
        (内容の重さからすれば、無理もないことだと思う) ……そう。
        (疑問に答えを返してくれるには、十分な量の言葉だった)
        (ルィンディに酷似した容貌も、常軌を逸した人ならざる神性の力も、人間らしさを削ぎ落とした怪物に近い振る舞いも)
        (少し踏み込んで推理すれば、ルィンディの姉の『ちがう』とは、きっとルィンディを探していたのだ)
        (遠い空の終端に身を窶した、愛する弟を)
        (数奇な運命によって引き裂かれた姉弟は、再び導かれ最悪の形で引き合ってしまった)
        (悲劇の戯曲とすれば三流もいいところだ)

        (憐憫の情に締め付けられると共に、こんな非常事態に陥るまで、内に秘めた葛藤に気付いてやれなかった脳足りんに、ほとほと嫌気がさす)
        (彼は姉に対する思慕を抱え、ずっと自分のエゴを剥き出しにした無思慮な発言に惑わされ、百の昼と同じだけの眠れない夜を重ねてきたのだ)
        (少し賢くなった気になって、背伸びして大人への階段を登ったふりをして、本当に救えない大莫迦もの)
        (そんな傾きを助長した自分には、ルィンディをここまで追い詰めた責任がある)
        (全てを丸く収めてハッピーエンドを迎えさせようなど烏滸がましいことは言わない)
        (許されるならば、最後はどうか、この物語が静かに眠れるよう、穏やかな幕引きをさせて欲しい)
        (その渦中で―自分の命が尽きるとしても)

        あの人を止めるための具体的なプランは、ある?
        (なおも恐慌に取り憑かれたルィンディの肩に手を重ねる)
        (氷にも似た、冷えた覚悟を灯した瞳が、暗い輝きを放つ) -- イザヴェル 2014-03-06 (木) 00:24:54
      • ある。
        (彼は短く答えた)
        (季節は、冬になりつつある。冷たいから風が二人の間を吹き抜ける)
        (しかし、肩に乗せられた手からは、血液の温度が流れこんでくる)

        …………。(イザヴェルと目を合わせた)
        (彼の瞳は強い芯を持っている。肉体でもなく、心でもない)
        (他ならない、エリュシオンで過ごした年月と経験が、怯える肉体と張り裂ける心を支えている)
        (これまで費やした時間は、すべてこの時のためにあった。だから、彼は、瞳だけが不屈の英雄(ペルセウス)のように輝きを消さない)

        でも、今は、できない。
        ……イザヴェル。
        私はすべての答えを出す。いままで積み重ねてきた、人生のすべての答えを。
        どうか、そのための力になって欲しい。

        (遠くから、叫び声が聞こえた。断末魔、悲鳴、どれとも違う。悲しみを帯びた、“鳴き声”だ)
        姉さんは、私の“におい”を追ってきたようだ。
        ここには、私の“におい”が残っている。
        ずっとここで、人を癒したりなどして、溶けこんでいたから。
        だから、きっと、しばらくはここで、姉は私を捜し続ける。
        (そして、悲しみを重く湛えた言葉が吐かれる)

        ……だから、いまは、逃げないと。ここから、私が、立ち去らないと。いけないのである。
        行こう。(すっくと立ち上がる。何かに糸を引かれるように。強い足取りで路地を進む)
        (イザヴェルより先んじて進む意義。彼は、涙を流している。嗚咽を必死で堪えている。けれど、背だけは頼もしく、ぴんと伸ばしていた) -- ルィンディ 2014-03-06 (木) 01:03:34
      • (その答えだけで十分だった)
        (寒空の下でもなお秘めた熱は増し、皮膚の下を循環する血液は沸騰する)
        (肉と骨の中にある心の緋色が呼応する)
        (萎み切った身体の中で、瞳だけがこれから成そうとする大罪、あるいは贖罪への存意を示していた)

        (軽く頷き、上目遣いに視線を交わす)
        (それは苦境に陥るたび幾度となく確かめた決意のサイン)
        (愛か哀か曖なのか、解が不明の不器用なりの想いの伝え方)
        元よりそのつもり。
        私に、痛みを肩代わりさせればいい。
        私で、傷を埋めればいい。
        あなたが望むなら、私はあなたの剣になり、あなたの盾にもなる。

        (流れた涙の先はどこへゆくのだろうか?)
        (河川か海洋か、いつ乾くとも知れない深い蒼に包まれた広く、されども茫洋な悲しみを湛えた背中を目に焼きつけながら、彼の後へ付き添った)
        (彼を照らし続けた、姉という星を落とす旅を始めるために) -- イザヴェル 2014-03-06 (木) 21:38:16
  • もし一つだけ 手に入れるなら 失くしかけてたモノを 探したい
  • 黄金暦272年 4月 -- 2014-02-26 (水) 23:27:29
    • 黄金暦272年 4月
      (放課後の庭園は人影もまばら)
      (新入生は漂う堅苦しい雰囲気に負け近寄り難く、在校生は面白みに欠ける何もないに等しい空間を避ける。庭園はそんな場所だった)
      (ベンチに腰掛け、遠方へと目をやるイザヴェルへ、一人の訪問者があった) -- 2014-02-26 (水) 23:28:37
      • 「おやァー? こんなところでお昼寝ですかァ、ふ・く・ぶ・ち・ょ・う」
        (にやけた表情の男が、背後から声を投げる)
        (しゃがれた声、一見慇懃なようで仕草から発する下卑さはいくら取り繕っても隠しきれない)
        (襟をだらしなく崩した制服は学園のものでも、到底学生であるようには誰が見たところで思えなかった) -- 2014-02-26 (水) 23:41:22
      • そろそろ訪れる頃かと予想していた。A・B・ニュー。
        いや、A・B・ニューではないのかもしれないけれども、便宜上そう呼ばせてもらう。
        (正面を向いたまま、視界の外にいる男へと言葉を掛ける)
        (ラリサ・ヴィシネフスカヤからルィンディが得た情報を元に、生徒や教師の情報を洗った)
        (素性は学園内の人間であるはず。狙いが学園生徒である自分たちに絞られているからだ)
        (正体を洗うまで随分と時間がかかった。否、時間をかけざるをえなかった)
        (A・B・ニューという生徒は、現在名簿の中に存在しないのだから)
        (正しくは名簿に名を連ねて『いた』。黄金暦269年4月より前に、彼は忽然と姿を消している) -- イザヴェル 2014-02-27 (木) 20:56:35
      • お前、もしくはお前たちの目的は何か。正体は何か。
        私の質問はこの二点に集約される。
        (首を少し傾ける。目線を奥へ送ると、破顔を暗色でパックした男の全体像が伺える)
        そしてもう一点、教えてもらえると嬉しい。
        (A・B・ニューを捉えて、軽く息を吐く)
        (仮説がおそらく正しいことに、若干肩を竦めながら)

        どうしてお前には、影がない? -- イザヴェル 2014-02-27 (木) 21:16:12
      • (次の瞬間、男の身体は、全身を透明の針に貫かれていた)
        (光を反射し煌めきを放つ無数の円錐は、人体に突き刺さっていなければ芸術品やオブジェとして扱われても遜色はない)
        (針から漂う白い冷気から、それらの凶器が魔力によって創造されたものであることが示されている)
        過去の新聞から、A・B・ニューという生徒が失踪したという記事を発見した。
        かつて蜘蛛に食われたと目された失踪者は殆どが魔導士だったため、それ以外の失踪者に目がいなかったのは私の失策。
        ただの失踪者ならば、これまでのように私たちを貶める真似をする必要はない。
        明確な敵意がない限りは。
        ここでお前を詰問しても、私の望む前二項の答えが返ってくる見込みはゼロに等しいと考えて、攻撃に移らせてもらった。
        (イザヴェルの手には魔導書。惨劇を引き起こした主は、ここで初めて惨状の犠牲者へと真正面から相対した) -- イザヴェル 2014-02-27 (木) 21:48:01
      • (放課後の庭園は、夕映えしてあかあかと燃えていた)
        (彼はイザヴェルを探し、ここに辿り着いた。魔力の“におい”がしたのだ。肌にぴりぴりと冷気が伝わってくる)
        (赤光を乱反射する物体がいつまにか庭園に鎮座している。それは、まるで火花を散らしながら燃えているかのようだ)
        (彼は、驚きを心の淵に沈めて、平静になり、そこへゆっくりと歩み近づいてゆく)……そいつが、“敵”か。イザヴェル。 -- ルィンディ 2014-02-27 (木) 22:45:32
      • (漂う冷気は男の骸を通じ、4月の庭園に霜を作っている)
        (幻影ではない、確固とした存在がそこにあった
        (静止した世界の中、ニューの身体の中で辛うじて無事な目玉がぎょろり、左右に忙しなく動いた)
        (針に貫かれた舌をも一緒に上下させ、敵対する二人を挑発するかのように)
        「いやァまずった……副部長サンインドア派だったからねェ……もう少し大人しいかと思ったよォ」
        (常人ならば絶命しているはずの状況下で、なおも当たり前に声を発する)
        (それは他ならない、ニューがこの世のものならざるという証明)
        「そして部長さン、ハジメマシテェ。A・B・ニューデス!
         AはアルファでBはベータ、勿論ウッソー、ウェへへへへへへ!」
        (ひときしり高笑いをすると、急に声のトーンを落とした)
        「んあー、どうしようかねェ。俺っちの仕込み失敗しちゃったしね。多分俺の出番ここで終わっちゃうねェ」 -- 2014-02-27 (木) 23:04:01
      • ここで幕を引いてくれる程度の敵ならば、私としても助かる。
        (現れたルィンディに左程驚いた様子も見せず、あまり敵に近寄らないよう軽く目くばせした)
        けれども、まだ終わりなどしない。水面下で動いてきたお前『たち』が、そう簡単に諦めるわけはない。
        (人差し指の切っ先がニューを向く。罪を償わせるだとか、そんな倫理は忘れてきた)
        (生者のレールから外れた無軌道な車輪を、一つ残らず止める)
        いい加減茶番は止めてもらう。化物だろうと、殺す術はある。 -- イザヴェル 2014-02-27 (木) 23:11:10
      • (溶けられて消えされる水晶に囲まれ、しかし、“それ”は余計に存在を強めている)
        (ラリサから教えられた風貌はほとんど判別できなくなっているが、その瞳の底に棲まう泥沼のような暗がりは彼そのものを象徴するようだ)
        (見るだけで囚われて沈み込み、飲み込まれてしまいそうな)
        ……。はじめまして。……。(正体不明の存在に挨拶を返した。「なんだ? この、違和感は……」)
        (「確かに相対し、言葉の遣り取りまでしているのに」「“雲”を掴むような感触……」)
        (“仕込み”とはエリュシオン・ポストへのタレコミのことだろう。良識ある第三新聞部長によって阻まれた例のアレだ)
        出番が、ここで終わり? ……。どういうことであるか。(面白くなさげに、しかし、冗談のような口調のそれを尋ねてみる。期待は、していない) -- ルィンディ 2014-02-27 (木) 23:17:13
      • 「文字通りの意味さァ。"交代"するんだよ。あたしゃ説明するの嫌いなもんで、次の奴に丸投げするわ」
        (イザヴェルが本を繰ることで出現した巨大な氷の円柱は、コンマ数秒のラグを置いて標的へ落下する)
        「それじゃ、バイQちゅーことで! 後はよろしゅうな、スイキョーセンセー!」
        (直径がルィンディの身長ほどもある面の圧迫から逃れる術はない)
        (真下にいたニューは当然押し潰されたはずだ。かの男が人間だったならば)

        (反応がないと分かれば、眼前の危機は去ったと判断したイザヴェルは、最後までふざけた男だった、と悪態をつく)
        (一旦弛緩しかけた場の空気は、程なく緊張感を持つ)

        「ニューめ、己に押しつけるか。所詮は奴も俗人よ」
        (気配が一つ増した。先程まで不快さを撒き散らしていた男と同じ、空気にも似た、場と一体化したかのような、軽くて重い存在感)
        (同時に声のした側へ注意を払った二人へ飛び込んできたのは、同じ学園の制服を着用した、4年間の生活の中で一度たりとも視界に入らなかった男の姿だった)
        (髪は黒く。身長はルィンディと同程度か、少し高い。意思の強そうな吊り上がった眉が、への字に結ばれた口の印象をより強めた)
        (特筆すべきは通常の人間と一線を画する特徴。身体から伸びる影が、ない)
        「己は水鏡御蔵(すいきょうみくら)。姑息な手段に訴える奴とは違う。己を貫く」
        (言うが早いか身体を捻らせ、上体が半回転させると勢いをつけた右腕のストレートでそのままベンチを殴りつけた)
        (鉄球が直撃したらこうなるのか、木製のベンチは原型も残さず、完全な木屑と化す)
        「貴様ら、最早生かす理由なし!」 -- 2014-02-28 (金) 00:03:59
      • (影のないA・B・ニューは、疑念の影を残し、氷塊に潰れて消えた)
        (屍体も残らない。それは、“彼”が確かに死んだと信じる妨げになった)
        (いつか消える氷塊は、そもそもそれが成した行為すらも煙のように消してしまうように思えた)
        (「確かに、馬鹿げている」心のなかで、彼はイザヴェルの言葉に同意した。「言動も、存在、自体も……」)

        (重たくなった空気が、肌を撫でる。ぴんと、躰の芯が張り詰めた。出で立つ気配で総毛立つ)
        スイキョウ。か。(「……武人然としている」彼は、スイキョウを観察して、噛み合わなさを感じた)
        (大蜘蛛をエリュシオンに放ち、無辜の人々を犠牲にし──それを、魔法研究会に濡れ衣として被せた)
        (卑怯な悪。イザヴェルと自分が相対しているのは、そういうものだという認識があった)
        (「こいつは何だ」あおり気味に、スイキョウとやらの顔を見た。「さっきの“あいつ”とはタイプが全然違う」)
        (しかしその長駆に影がない。ふたつに共通した一点が、彼の心中に引っかかった)

        私も……貴様“ら”のようなものを、“悪”をこれ以上生かしてはおけない。
        (杖を構えた。「強い」「膂力で言えば、アウラを上回るか?」亜人の類いか、という思惟は煙となり頭を抜け出る)
        (そもそも、こちらの理など通用するのだろうか。彼は、イザヴェルを意識する。「せっかく……」「せっかく、言おうと思ったのに」)
        (足元に這いよる死の色が濃い。「……ここで死んだら何もかも死にきれないである」) -- ルィンディ 2014-02-28 (金) 02:57:49
      • (新たに現れた敵。明日を脅かす障害。打倒すべき対者)
        (格好だけは一人前の求道者を騙るそれに、まともな返事が返るとも期待していない言葉を投じた)
        誰を倒せば終わる?
        (自信満々に満を持して登場した男には悪いが)
        (例えどれほど敵が強大で、神や悪魔の類っであったとしても)
        (ルィンディ・タンバルグスと肩を並べている今、ほんの僅かも負ける気はしなかった) -- イザヴェル 2014-02-28 (金) 21:11:53
      • 「問答無用。我、水鏡御蔵也」
        (腰を低く落とし、両の握り拳を二人がいる面の空間に打ちつける)
        (憲法のシャドーにも似た素振りの動作は、ありえないことに、そこに壁でも存在しているかのような雑多な反響音を轟かせる)
        (音が耳に届いて間もなく、絶え間ない不可視の衝撃がルィンディとイザヴェルを襲う)
        (感触としては重い拳で殴られることに近い)
        (が、明らかに水鏡御蔵と二人の間は遠い。この距離を詰めるだけの見えない攻撃を、新たな刺客は仕掛けてきている) -- 2014-02-28 (金) 21:12:15
      • (春の庭園にある、草いきれや和やかさはなりを潜め。ここは、“スイキョウ”の放つ闘気で、戦場の一角と化している)
        ……ッ!!?! ぐうっ!? がっ、あ。
        (身構え、様子を伺っていた。しかし衝撃が突如として奔る)
        (痛みが骨身に響く。「投擲、か……!?」)
        (もう薄暗闇の時間だが、ぼんやりと遠くへ浮かび上がったスイキョウのシルエットは、白昼光に照らされるよりくっきりとしている)
        (打撃を与えるような物体が飛んできて、それを見逃すとは思えない)
        ……何かある。
        (口に出す。自分自身の理解の確認と、イザヴェルとの意志の確認)
        (彼は冷気混じりの空気を吸い込み、気勢を整える。痛みから乱調する血流を一定に引き戻す)
        (彼の背から淡い輝きが漏れた。蛇の刺青が唸りを上げ、その回路へ魔導を充填する)

        赤い獅子 白い鷲 どんな姿に変わろうと 私の心は変わらない 私はそれがあなただとわかる
         たとえ 朝凪の冷たい湖に映る そのまま姿のあなたでさえ ほんの一瞬のちらつきにすぎない

        白魔法────ブリンク。


        (イザヴェルともども、シルエットの輪郭が光に縁取られて、やがてそれが幾つもの像に分かれる)
        (「あの“遠当て”の正体は知れない。だが、対象を絞らなければならないならこれで惑わせる」)
        (「詠唱から魔力の充填まで、隙はきっと充分にできる」彼はイザヴェルを一瞥もせずに、スイキョウを見据える。確信に似た信頼があった) -- ルィンディ 2014-02-28 (金) 22:17:04
      • (見えない乱打に押されていたところ、ブリンクにより多重の分身が作られる。その中に潜み、水鏡御蔵の挙動を観察する)
        (しばらくの時間は稼げる。その間にこの透明な弾丸の中を潜り、突破口を見つけなければならない)
        (ルィンディの白魔法は直接の攻撃には向かない)
        (単純な殺傷力を求めるなら、決定打はこちらが放つべきという結論に至る)
        (先程霧散した男のように、単純に魔力をぶつけることで具現化している存在を相殺させられるなら)
        (短絡的だが、人の垣根を踏み越えた物への対処法は、そういくつも浮かばなかった)
        (今はルィンディをただ信じて待つ)
        (必ずいつか訪れる好機を) -- イザヴェル 2014-02-28 (金) 23:12:00
      • (空を人間の身体が叩いたとしても、音は発生しない)
        (音は声や物体が空気を伝わって振動し、ある程度の周波数が発生して初めて音として出力される)
        (つまり現在掻きならされている不協和音は、空気を叩くほどの"何かしら"が起こされているという結果になる)
        (その発生源は他でもない、実に単調な、届くはずのない素拳の連発)
        「憤ッ!」
        (光により複製された術者たちの姿は、幾重にも揺らいで水鏡御蔵を惑わせる)
        「知れたこと! 全て擂砕くのみ!」
        (拳の打突音が一段と増加する。同時に、徐々に分身たちの姿が削られ始めた)
        (ターゲットが増えた分、手数もまた増えたのだ)
        (それは数打ちゃ当たるの精神で、正確さを欠いたということ) -- 2014-02-28 (金) 23:12:21
      • (木を隠すなら森の中。人を隠すなら人の中。自分に隠れた自分は、一応の遮蔽に守られている)
        (しかしながら、衝撃は頬を掠め肩を掠め。矢鱈滅多ら打ち込まれては、当たるのも時間の問題だ)
        (張り詰めて油断を許さなかった空間に生まれた猶予は、すぐさま音の圧力に埋められてゆく)
        (「音」空殴り。なのに、それは音と実質を伴う。「距離を無視して殴っている?」)
        (その仮説はきっと的外れ。なぜなら、実体のない“ブリンク”を打つ音が聞こえるはずはない)
        (「……」さて、悠長に思索している時間は終わりだ)
        (ブリンクへの魔力供給打ち切り。現在残っている分身に防護を任せ、背の刺青に魔力を流す)
        (肺に空気を溜め込む。ひといきに詠唱を終え、それでも余裕を持てるほど深く、肺活量を全体使って呼吸する)

        言葉は語られる 空気の響きとなる まつろわぬ震動となる やがては小さな熱へと変じて どこへも届かない無になった
         言葉は綴られる 紙上の文字となる 織られて纏まり本となる
         やがてそれは内容を変じて 元の言葉と似つかない別のものになった
          言葉は思われる 心に秘められた思いとなる 脳に刻まれた記憶となる
          やがて私は死に絶え 共に土へ還り埋められた
           言葉をどうして届けよう どうして残せばいいだろう 最後の思いは全ての人へ伝搬し 永遠に伝えられた

        白魔法、エコー

        パンタ・レイ 全てのものは動き とどまるものはなし 世界は流転し ひとつになり巡る
         知性と均衡は 硫黄のもとに 流動し光り輝く理性は 水銀のもとに 鈍さと破壊は 塩のもとに
          原因なくして結果はない これはお前自身が起こした結果だ


        白魔法────リフレクト!!!

        (二段の詠唱。エコーにより、庭園全域を魔力の澱が包むこむ)
        (リフレクトの施術対象は────空気!)
        (全ての空気に与えられる力のベクトルが、反転する!) -- ルィンディ 2014-03-01 (土) 00:34:19
      • (ルィンディの形成したものが盾ならば、水鏡御蔵の前に破壊されていただろう)
        (また壁であったとしても、やはり等しく破壊されていただろう)
        (導き出された回答は『場』)
        (白魔術師が注ぎ込んだ魔力の奔流は庭園という場に作用し、世界の法則は容易に塗り替えられてしまった)
        (「空気を押す」。それが水鏡御蔵の攻撃手段)
        (最初に破壊されたベンチはルィンディとイザヴェルの死角で見えなかったが、拳で直接触れたわけではなく、ベンチの上方の真更な空間を殴り、空気を発射していたに過ぎない) 「ぬっ!? ぬん! ぐっ!??」
        (全ての殴打がゴムのように跳ね返る。額、頬、胴、腰、腿、次々と目に見えて損傷が生まれてゆく)
        (既に男は棒立ちのサンドバッグでしかなかった) -- 2014-03-01 (土) 01:20:32
      • (ルィンディにより抉じ開けられた間隙をイザヴェルは見逃さない)
        (数秒あれば攻勢に転じるには十分だった)
        (魔導書のページを捲ると、本を構成する古ぼけた羊皮紙の見開きから、巨大な氷柱が顔を覗かせ、一直線に伸長する)
        (極北を直に固形化でもしたのか、冷気は術者であるイザヴェルの指をも飲み込み、腕、肩までが氷によって浸食されてゆく)
        (身体に起こっている異変もお構いなしに、ただこの好機を作ってくれた友に報い、仇敵を滅ぼすため)
        (風雪に覆われた身体が唸りを上げた)
        貫けっ! (怒りを具現化した断罪の杭は止まることなく、水鏡御蔵の胸に文字通りの風穴を開けた) -- イザヴェル 2014-03-01 (土) 01:20:53
      • 「莫迦……な」
        (蒼白な表情の水鏡御蔵は膝をつく。敗北を自覚できていないのか、指は震え、再び立つ様子は見せない) -- 2014-03-01 (土) 01:21:08
      • (運動力学第一法則の逆転。それはまさしく“魔法”の言葉に相応しい)
        (繊細な現代魔法とは違う、ある種乱暴なほどの術式であった)
        (その処理は背の回路を通して彼へと流入する。眉間に皺と脂汗、青筋を立てて、数秒それを維持した)
        (“スイキョウ”は秒間に何度拳を繰り出せるのだろう。目測して、一桁では済まないのだと思う)
        (練武の極点に達しつつあるのだろう。彼は、それを信用した)
        (ただの数秒。しかしそれは、無限にも等しい乱打となって、スイキョウ自身を襲うのだ)
        ……はーっ、はーっ……。
        (術がほどけると視界が朦朧と、そのかたちを鈍らせる。駆ける、イザヴェルが見えた)
        うぅーっ、ぜぇっ、…………。(荒んだ息が戻らない。だが、それで良かったのだ。まるで、思った通りにイザヴェルは動いてくれた)

        (氷柱に貫かれ、崩れ落ちたスイキョウへ近づいてゆく)
        …………“我々”の、勝利だ。 -- ルィンディ 2014-03-01 (土) 01:47:10
      • 「そう、己は敗北した、これは敗北なのだ。奢り、慢心、油断などという言葉では計れぬ、崇高な敗北」
        (わなわなと震え、敗北という言葉を幾度も反芻する)
        (頑なだった表情はやがて崩れてゆき、天を仰いだ高笑いに変わる)
        「破破破破破破破破! 見ているかエングレーブ! 貴様分かっておったな!?
         中々どうして、骨がある生徒共だった! 貴様の執心にも納得だ!
         私の代にも、このような研鑽し合える友がいればな! 破破破!」
        (哄笑を終えると、胸の穴へと手をやる)
        (欠損が誇り高い勲章であるかのように、満足気に)
        「己は去ろう。勝手ながら、貴様らに感謝させてもらう。己の魂は、貴様らに敗北した瞬間、確かに……充足していた」
        (水鏡御蔵の姿は、かつてそこに顕現していた男、A・B・ニューと同じに)
        (一切の痕跡を残さず、露と化し消えた) -- 2014-03-01 (土) 02:39:47
      • (満身創痍。そう表現するほかない。短時間に魔力を燃やし、自分も相方も消耗しすぎた)
        (一撃に賭け威力を載せた分、身体へのフィードバックも重い)
        (凍傷は魔力の解放と共に治癒しつつある。打撃で負傷した足を辛うじて引き摺りながら)
        (新たな手練が現れないことを祈り、ルィンディの傍に立つ)
        ル―
        (手を伸ばそうとして、イザヴェルの意識はそこで途切れた)
        (ルィンディが胸に秘めた決意は、結局この日は伝えられないまま終わる) -- イザヴェル 2014-03-01 (土) 02:40:22
      • ……ほんとうに勝手なのである。(溜息は、空の風に乗って消える。消える、音もなく空気へ混ざり) (「まただ」)
        (死戦を繰り広げたはずの“スイキョウ”の姿が、もう見えない)
        (「エングレーブとは何者か、貴様らは一体なんであるのか」)
        (謎は、新たな謎に連鎖する。聞きたいことは仰山あった。けど、もう、きっと声も届かない)
        (彼は唐突に不安になる。春一番の風に煽られる自分の身が、どこかへ飛ばされてしまいそうだ)
        (今見た光景を確かめ合いたかった。彼は、傍へ歩み来たイザヴェルへ手を伸ばす)
        あっ……。(差し出された手を引き、起こす。だらりと垂れ下がったイザヴェルの身体は、軽い。けれど確かな重量を伝える)
        …………いま見たものは、幻ではないのだよな。……私達は、なにか、悪い夢を……見ているのではないのだよな。
        決まっている。……私の青春をここまで邪魔にくるのだから、どこかに、たしかに、存在しているはずなのであるな。
        (彼は、自身の魔力欠乏症の具合から、一歩も動けないと判断した)
        (壊れたベンチから、ひとつまたいだベンチへ二人で座り込む。「結局」「伝えられずじまい……」)
        (「……甘酸っぱい気分なんてひとつもないのである」自分の運命を呪いながら、彼は意識を落とす)
        (「これだけの騒ぎなのだから、まさか、誰も来ないということはあるまいよ……」)
        (きょうが、終わった。刻一刻と、子供でいられる時間はすり減っていく) -- ルィンディ 2014-03-04 (火) 01:21:23
  • 遅くなってごめんなさい、イザヴェル……バレンタインです!(デメルのアンナトルテを差し出しつつ) -- ブーゲンビリア 2014-02-25 (火) 02:24:06
    • もうそんな季節に……。ありがとう、受け取っておく。
      (伏していた机から顔を上げると気だるげに受け取った)
      この分だと、すぐに一年が経ってしまいそう。 -- イザヴェル 2014-02-26 (水) 23:18:59
      • 気付いたらもう4年……時間が経つのは早いですね
        (気だるげな彼女に『疲れてませんか?大丈夫です?と声をかけつつ』)
        同感です、気付いたら3年があっという間でしたものね……
        イザヴェルさんはどんな学園生活でしたか? -- ブーゲンビリア 2014-02-26 (水) 23:52:45
      • (疲れていない、といえば嘘になる)
        (あれやこれや、巻き込まれた騒動についての裏付けや情報を収集するにあたり、余計な手間が取られていた)
        私は……。
        (華がない、といえばその通り。良好な友人関係や世間一般の女子学生が体験するような薔薇色の生活とはおよそ無縁だった)
        (ただそれでも、学を修め自分なりに成果を出せたとは言える。いくつかの心残りを除いては)
        私なりに、満足している。例え他の人間から見たら、取るに足らない小さな幸せだとしても。 -- イザヴェル 2014-02-26 (水) 23:58:51
      • (少し以前よりもやつれた様な、疲労の色が見える瞳に心配するが……)
        (学園生活を、私なりに満足していると聞けば、忙しいなりに充実している様で安心した)
        よかったです、元気がなさそうなので心配しましたが……
        イザヴェルさんが満足しているのなら、大丈夫ですね
        (幸せに大きさがあるのか、自分にはよくわからなかった。何を基準に大きな幸せか小さな幸せか決めるのだろうかと謎だからだ)
        (……けれど、これから春が来るように、きっと彼女の 今はまだ小さな幸せも……これから暖かく大きくなるのだろうか)
        幸せの大きさって、私分かんないんですけど…… きっと今よりイザヴェルさんが幸せだなって思ったら
        イザヴェルさんの幸せなお話を聞きに来ても良いですか? -- ブーゲンビリア 2014-02-27 (木) 00:15:32
      • (静かに眠ることのできる当たり前の生活を幸せと呼ぶ人間もいる。また古今東西の黄金に囲まれた一般人とかけ離れた生活を幸せと呼ぶ人間もいる)
        (感じる幸福に大小はあれど、量られる二つの価値は等しい)
        (絶対的な尺度はそれぞれの中にしかないのだから)
        ……うん、また、もう少し私の気が休まって、落ち着いたら。
        (窓の外の揺らぐ空間に視線をやる。最近は気配も隠さなくなってきた、忍び寄る黒い影)
        (ささやかな幸福を得るためには、とりあえず、目の前の障害を排除する他はないようだった) -- イザヴェル 2014-02-27 (木) 20:43:23
  • 答えはどこにある? もがいて未来探す
  • 性別反転薬が散布された -- 2014-02-20 (木) 23:04:43
  • 路地裏 -- 2014-02-17 (月) 23:33:40
    • ……よぉ
      (路地裏で見かけたその背に見かけるなり、俺は退路を背で塞いで声をかけた)
      (最悪の想像をしながら)
      こんな辺鄙なところで、研究熱心みたいじゃねぇかよ
      実験成果はどうだ? イザヴェル -- アウラ 2014-02-17 (月) 23:35:11
      • (場所は市街地の路地裏。かつて、ルィンディと共に巨大蜘蛛を滅した区域)
        (いい思い出のある場所ではない。しかし、現状を打破するためには何かしらの行動を起こすことが必要だと強く感じられた)
        (屈んでいた背中に掛けられた声に振り返れば、見知った顔が、見知らぬ表情を携えて佇んでいた)
        (アウラの顔に浮かんでいる感情は、疑念。信頼と懐疑が入り混じり、それを直接言葉に出すのは憚られる、そう思った)
        現在は特に目立った研究はしていない。かつて行った研究は結果が出た。
        (何者かが先んじて実用化に成功したという、暗い結果が) -- イザヴェル 2014-02-17 (月) 23:41:08
      • 面倒くせぇから単刀直入に聞く
        (夕日を背にしたまま、長く伸びる影をイザヴェルに被せて、俺は問う)
        (イザヴェルは、嘘をつかない)
        (いいや、おそらく……つけない)
        (だからこそ、決定的となってしまうであろうその問いを、最早恐れず口にする)
        ……魔力曝露実験。その結果が噂の正体か?
        イザヴェル、お前は何をしようとしている? この空をどうするつもりなんだ? -- アウラ 2014-02-17 (月) 23:46:59
      • (腕力に訴えない点は多少アウラに好感が持てる)
        (彼の身体能力ならば、自分を組み伏せて情報を得ることは容易なはずだ)
        (そうして来ないということは、おそらく彼もラリサと同じに、吹聴された『噂』の真偽を確かめに来た)
        (ならば、返答は決まっている。いつまでも沈まない、霞みがかった橙色の太陽―すなわちAURAへの)
        私はただ前に進みたい。
        私は弱く、矮小な人間だと理解している。だからこそ知識を得ようとするし、未知を探求しようとする。
        目の前に存在する壁を超えることで、自分が強く、より高みに昇れると信じている。
        (入学当時から、常に原動力として存在している感情と感傷)
        (無知だった昨日、無力だった過去を捨て、明日にこそ結果を求め続けた)
        (その結果、現在のイザヴェル・ヴィオレがこの空に立っている) -- イザヴェル 2014-02-18 (火) 00:05:21
      • (真っ直ぐ、こちらを見据えてそう答えるイザヴェルの目に……曇りは無い)
        (淡水のように透き通った瞳)
        ……つまり、噂にあった物騒な一連の事件は……お前の仕業じゃないんだな?
        (俺も、コイツも、恐らく過去を嫌っている)
        (ただ、明日を求めている)
        (俺は逃げるために。コイツは……進むために)
        (大きな違いだ。だが……明日を求める意志に、違いは無い) -- アウラ 2014-02-18 (火) 00:16:39
      • 事実を捕捉させてもらう。私は確かに、動物を題材にした実験を行っていた。
        それはアウラも知った通りのはず。しかし結果は出なかった。
        私は途中で研究を止めた。私に先んじて、同じ研究を行っている人間……おそらくは生徒がいて、結果が出されていたから。
        (全てをアウラに話した)
        (ルィンディと共にモンスター化した蜘蛛を打倒したこと)
        (蜘蛛の体液などを分析した結果魔力が検出され、魔力を摂取することで巨大化したと推測されたこと)
        (調査を進めていく中で、何者かが自分たち―または魔法研究会に、非道な実験を繰り返す狂気の集団だという濡れ衣を着せようとしている可能性が高いこと)
        私たちは狙われている。アウラも気をつけて欲しい。
        いつか敵の牙が、私たちの関係者としてあなたに向くかもしれない。 -- イザヴェル 2014-02-18 (火) 00:26:17
      • ……そりゃまた、知らない間に面倒事に巻き込まれたもんだな、お前たちも
        (一連の話を聞き終え、一度頷く)
        (ひとまず、胸をなでおろす)
        (コイツは少なくとも自分は違うと俺にいってきた)
        (ならもうそれ以上はどうでもいい。俺はソレを信じるだけだ)
        俺みたいな落ち零れまでいちいちどうにかしにくるとは思えねぇけどな
        一応気をつけるよ
        まぁでも……俺よりお前気をつけろよな?
        どうみても、一番狙われんのはお前だろ -- アウラ 2014-02-18 (火) 00:35:20
      • (軽く頷いて)用心はしている。
        けれども、解せない点がある。
        あんな怪物を精製できる技術があるならば、単純に私たちへけしかけてくるだけでいいはず。
        どうにも敵は回り道をした……直接的とは異なる手段を取る傾向にある。
        (第三報道部のラリサを抱き込んで刺客に仕立ててきたり、誇張した噂を流したり)
        アウラが耳にした噂も、敵の策の一環だと考える。
        敵の標的は分かる。しかし、目的が不透明なまま。しばらく魔法研究会の近くで、不審火は絶えないと思う。
        けれども気にしなくていい。仲間たちも理解しているし、何より。
        (イザヴェルから強い感情が発露する。普段から平静を保っている彼女には珍しい、激しい憎悪と敵意)
        私もそろそろ、口を噤む貝の生活に飽きてきたところだから。 -- イザヴェル 2014-02-18 (火) 00:58:27
      • 策はあるみたいだな
        (そういうことなら、イザヴェルらしい)
        (強かなコイツらしい、いつも通りの発想と行動だ)
        まぁ、そういうことならこれ以上は何もいわねぇ
        無理するな、ともいわねぇよ
        ケリつけてこい
        (背を向けて、路地裏を後にする)
        俺も狙われる可能性、か……

        まぁいいさ、くるってんなら相手するだけだ -- アウラ 2014-02-18 (火) 01:20:33
  •  
  •  
  •  寄り添う光と影 すれ違う過去と未来
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst084812.jpg 
    ちわー、最近入寮したんでよろしくねー。これ引越しそばです。それじゃ!
    (下1桁秒数:1〜2『稲庭うどん』3〜4『讃岐うどん』5〜6『丸亀うどん』7〜9『伊勢うどん』0『ODON』) -- 2014-02-15 (土) 00:28:42
    • (これどうやって食べるんだろう……) -- イザヴェル 2014-02-15 (土) 00:43:27
      • (伊勢うどんだった)……感謝する。茹で……たらいいはず。うん。 -- イザヴェル 2014-02-15 (土) 00:44:10
  • 成績票が届いた -- 2014-02-14 (金) 01:31:01
    • (来年も頑張ろうと思う私だった) -- イザヴェル 2014-02-14 (金) 19:59:54
  • 遅くなりましたがバレンタインのフォンダンショコラです -- ブーゲンビリア 2014-02-14 (金) 01:23:29
    • (友チョコ……友チョコなのだろうか? しかし手間がかかっている)
      感謝する。生憎私からは何も提供できないけれど。 -- イザヴェル 2014-02-14 (金) 19:56:02
  • (すごい 驚いた顔)イザヴェルが女になってる!? -- ジョン 2014-02-13 (木) 20:28:11
    • 屋上へ行こうか。久しぶりに……キレてしまった……。
      (そもそもここが屋上の庭園なのだが。昼休みに食事をしていると絡まれて、口に運ぼうとしていたサンドイッチを一旦離す)
      私相手に油を売っている暇があったら彼女とのデートプランの一つでも考えるべきだと意見する。 -- イザヴェル 2014-02-13 (木) 21:17:56
      • お前もキレるんだな(からから)
        いやぁ髪を切った時は可愛げがなくなりつつもまぁこれはこれでと思ってたんだが・・・うん、随分印象が変わるもんだなぁと(うむうむと頷いてる)
        (ぴりぴりとおにぎりの袋を開けつつ)考えてるさ・・・だから彼女の元じゃなくて屋上に出てきてる・・・アイツの前だとアイツの事しか考えられなくなるからな・・・
        ・・・んで?どういう心境の変化よ?確か機能性を考えてズボンにしてたんじゃなかったけ? -- ジョン 2014-02-13 (木) 21:27:22
      • 伸びた髪を縛るほどでもないと考えて今年はそのままに残した。
        ジョンの判断は正解だと思われる。恋愛が人間の活発な精神活動を促進することは事実。
        しかし恋愛は時に感情を揺るがせる。律することができないならば、自重も一つの手段。
        (膝上より少し高いスカートの両端を軽く摘まむ) 布の生地の重量、また素足に近く、より機敏な行動に移れる可能性を考えて実験的使用をしている。 -- イザヴェル 2014-02-13 (木) 21:44:15
      • ってこた来年は縛る?それはそれで楽しみだ
        そう、この感情は律する事なんざできない・・だから意識して離れて頭を切り替える
        冷静で綿密な計画と反省、改善のサイクルが良い結果を生む(全く自重をする気がないらしい、おにぎりもぐもぐ)目下の目標は料理だな
        んで、失われた暖房効果をストッキングで補ってると・・・・そう考えると中々機能的かもな?・・ひらひらとはしてるが
        実験の結果、気に入ったら正式採用ってとこか・・どのくらいの時期で判断するんだ? -- ジョン 2014-02-13 (木) 21:59:12
      • 一年目のように切るかもしれない。必要性に応じて臨機応変に判断する。
        手料理というものはどうやら異性の興味を惹くらしい。
        しかしそれは眉唾だったと断言できる。先月、部室にチョコレートケーキを設置したが目立った反応がなかった。
        (サンドイッチをパクつきながら野菜ジュースを嗜む。贔屓目に見ても腹の足しになるかは疑問な献立)
        概ね半年、試用してみようと思う。ところで最初の話題に戻って。
        私がスカートを履いていると下級生が好奇の目で見てきた。どうやら本当に私が男性だと思っていた生徒が多数いるらしい。 -- イザヴェル 2014-02-13 (木) 22:07:09
      • 見てて楽しい、ぜひとも違う髪型を希望する・・原点回帰も面白いかもな
        そうか?・・・アイツが料理しようと頑張ったのを見ると俺ぁすげぇ嬉しくなったけどな・・魔法研究会ってのぁ魔法一辺倒でそういうの興味ないのかね?
        ・・・・ってかそんなん作ったんだ?(ちょっと意外って顔)おっとめ〜
        (お前それで良く持つな‥っと3個目のおにぎりを食べつつ)へぇ?・・見りゃ分かりそうなモンだけどな・・
        まぁこの界隈、どれだけ頑張っても女にしか見えない男もいるし・・・そういうのと思われてたんだろうよ、恰好もまんま男だったしな
        男だと思ってた奴が実は女で、急に女らしい格好をするとそのギャップでコロリといっちまう奴もいるらしい・・その内告られるんじゃないか?(くつくつと笑って) -- ジョン 2014-02-13 (木) 22:27:48
      • そういうファッションに対する批評は彼女に言ってやって欲しい。
        元々は自給する用に勉強して、少々量が余ったので部員の夜食用に設置しておいた。
        考えられうる理由としては、私が自分で作ったと名乗らなかったせいだったかも。
        皆購入品を用意したと勘違いしたようだった。
        (最期のサンドイッチに手を掛ける。何度かの咀嚼で飲み込むと、野菜ジュースのストローを口の端に咥えた)
        私にとって恋愛が自らを成長させる要素となり得るか、未だ検討もつかない。
        軽薄な有象無象十把一絡げの人間と同じ時間を共有しても、無駄の一言で切って捨てる可能性が高い。 -- イザヴェル 2014-02-13 (木) 23:00:43
      • 彼女は今が最高だし、例えどう変わってもその美しさが色あせる事はない・・・批評するなんておこがましくて出来ないね?(皮肉でもなんでもなく心からの言なので手に負えない)
        あぁそりゃ勘違いするかもな・・・いや、勘違いするくらいの出来栄えと思えば寧ろ大したもんじゃねぇか・・・中々どうして凝り性なんだなお前
        (おにぎりを食べ終わって全部袋に押し込む)まぁ恋は意識してするもんじゃねぇからな、今興味がないなら変に意識することもないな
        ただその有象無象の十把一絡げもまた、お前と同じ重さの頭を持って、同じだけの時間経験を積んだ者なんだ、そこに敬意は持っても軽蔑はするもんじゃないと俺は思うね(敬意なんてものをどれだけ持ってるかも分からない仕草でそんな事を言って)
        うんじゃ、もう行くわ・・・可愛くなったイザヴェルちゃんに春が訪れますようにっと(屋上から去って行った) -- ジョン 2014-02-13 (木) 23:15:28
      • (お節介焼きめ、と冷ややかな視線を交えて見送る)
        (彼氏。ボーイフレンド。恋人。様々な呼称で表現しても、全てがイコールで結ばれる)
        (ただ漫然と生きてきた駄人よりは、共にいることで何らかの価値、理由を得られる存在を望みたかった)
        (それはエゴなのだろうか。自分がそうあれば、やがて巡りあえるかもしれない)
        (まだ人生は長いのだから) -- イザヴェル 2014-02-14 (金) 00:07:53
  •  
  •  
  •  この痛みが 誰かを救えるのなら
  • 質問と相談スペース
    • てめーの展開分かりにくいんだよ終わりが見えねえよファックという方はどんどんお便りを出そう!
      • なんか一人でいろいろ考えてたら着地点が見えなくなってしまいました!! どうしたらいいでしょう!! マジで!!
        もう恥とか迷惑とかそういうのは知らん!! 相談する!! ど、どっち!? どっち優先したらいい!? 大蜘蛛の話!? 恋!?
        ていうかもしかして、あの会話あんなに重くなる予定なかった感じですか!? ごめんマジごめん!! -- ルィンディ 2014-02-23 (日) 02:12:59
      • あっ、今気づいた! 三行目きっと正しいねこれ!!? よく考えてみたら姉だのの設定ぜんぜん出してなかったもんな! アウラとの会話で初めて出てきてたもんなあれ!! いや絶対それだ!! うわぁ!! 死にたい!! -- ルィンディ 2014-02-23 (日) 02:18:12
      • 蜘蛛騒動は長引かせず一年で終わらせる予定だったんだよ……ホントだよ?
        まずはコメント欄占拠してて来客が訪れ辛い&時間を使わせる&出歩くことへの束縛になってるんじゃないかと謝罪します
        展開過積載すると駄目ですね、消化しきれないのに次のメニューがでてきますね
        私個人としては「面白いければそれでいい」の精神で何も考えずやってましたが、ダメですねどんどん食材マシマシにすると!
        恋話は恋話、蜘蛛は蜘蛛! でいこうと考えてるので、こちらは気にせずそちらの都合とスタンスを貫いていただきたい
        蜘蛛の巻き展開はきっと行間でもできるし 胃がもたれて受け付けなくなる前に次のレスはばっさりしたものにします! します! -- 名簿/508107 2014-02-23 (日) 20:55:20
      • 私がもうちょい機敏に動けていれば良かったんだけど出足が! 出足がな!! 謝らなくっていいんだ! だってたぶんこれ原因の70%は私……この話はいいや! 未来の話をしよう!
        なるほど。とりあえず友人らに相談フェイズとかやろうと考えていたり。マーキス君は本当に有り難いムーブをしてくれる。
        それはそれとして、ずっと目をつむってたのでイザヴェルの気持ちわかんね! マジ分かんね! という状態になってるので、蜘蛛騒動と搦めてそこらへん自覚とかできたらいいななんて思うよ!!
        あんまりにも迷っているから適当なこと言うよ!! -- ルィンディ 2014-02-23 (日) 21:02:02
      • すげー唐突な暴投だったのは自覚してます!
        ただこういうことやっておいたらどう転んでも今後のイザヴェルの感情整理がしやすいかなーって思ったから!
        寄り道しても何とかなるのがwikiだから大丈夫だよ、絶対大丈夫だよって根拠のない自信をあげるね! -- 名簿/508107 2014-02-23 (日) 21:18:19
  • 相談窓口
    • (様子を伺っている) -- ルィンディ 2014-02-27 (木) 19:44:45
      • 私一人遊びって苦手なんですよね -- 名簿/508107 2014-02-27 (木) 21:48:22
      • (乱入する機会を伺っている) -- ルィンディ 2014-02-27 (木) 21:49:16
      • 誤解を招きそうだけどいいよね! 今いいタイミングだよ! -- 名簿/508107 2014-02-27 (木) 21:52:54
      • えっ、マジで!? 今なの! 剣山になったABさんの反応またなくていい!? -- ルィンディ 2014-02-27 (木) 22:15:11
      • いいよ! ルィンディが出た後反応挟むから! -- 名簿/508107 2014-02-27 (木) 22:24:48
      • 中々説明フェイズにいけない -- 名簿/508107 2014-02-28 (金) 00:11:08
      • ハァハァ……今起きた。よしこの説明する気とか全然なさそうなやつを叩きのめせばいいんだな! わかったぞ!(チャキ) -- ルィンディ 2014-02-28 (金) 01:25:48
      • 明日からわたくし数日留守なのでこのカンフー崩れだけはノしておきたい
        強そうに見えるけど2VS1なのでガン押しできるでしょう しましょう -- 名簿/508107 2014-02-28 (金) 20:54:23
      • とりあえずここまでで ありがとうございました! -- 名簿/508107 2014-03-01 (土) 02:41:55
      • ノルマ達成じゃー!! ようしなんとなく見えてきたよ見えてきたよそれはそれとして実は旅行先なので金沢から愛をこめて寝ます。海鮮丼がおいしかったです。レスは明日夜にしますぐぅ。 -- ルィンディ 2014-03-01 (土) 02:45:09
  • 相談窓口
    • まずいですね お姉ちゃんが来たら死ぬ未来がすぐくみえるよ -- 名簿/508107 2014-03-04 (火) 22:11:16
      • おはようございます嬉し恥ずかしルィンディです。
        おねえちゃんは即死攻撃を範囲:視界でばら撒くという厨キャラです。でもきっと、知恵と勇気さえあれば大丈夫! ラスボスは倒される運命なのです! -- ルィンディ 2014-03-04 (火) 23:12:39
      • いっそ死んだ方が追い込まれてパワーアップするかもしれない
        えっもうお姉ちゃん襲来なんですか! 試されるんですか! -- 名簿/508107 2014-03-04 (火) 23:23:57
      • 襲来せざるをえないというか? だいじょうぶ。ちょっと石化して貰ってもいいすか。ルィンディがそこに助けに入るかたちで。イベント戦なので闘うとかじゃなくて、出会ってこいつマジやべえ頭いかれてるってなるだけです。そこで決意表明でドカンというわけで。
        今回の私はきっとスピーディー。さっきから出だしをどうしようか迷って気がつけばもう20分ぐらいたってるけどマジスピーディーだから甘くみんなよな。本気になったらすごいんだかんな……!! -- ルィンディ 2014-03-04 (火) 23:28:03
      • よしこい! 外付けキーボード買ってきてレスの準備はばっちりだ! -- 名簿/508107 2014-03-04 (火) 23:31:27
      • 私は気づいたんだ 心情描写をするから無駄に長く鬱屈とするのだと だからおねえちゃんは全自動クレイジーサイコブラコンマシーンになってただ行動のみをし続けます。 -- ルィンディ 2014-03-04 (火) 23:50:54
      • ねてた… -- 名簿/508107 2014-03-05 (水) 20:53:42
      • フフフこっちも過去設定とか書く前に寝てましたよ。おかしいな……もっと早くレスをするはずが普段と大差がなかったですよ……?
        と、とにかくやっかんな! わりあい情緒不安定なゾーンは突破した! いける! -- ルィンディ 2014-03-05 (水) 22:10:52
      • そうだそうだ、今のうちに言っておくけれど……明日の最終決戦には参列して貰います。(確定RP)
        ツリーをおねえちゃん用と支援部隊用のふたつに分けてのことを想定しております。ので、支援部隊用の枝でひたすら氷魔術を展開しておねえちゃんの動きを鈍らせて貰いたい。
        蛇だからね。変温動物だから温度が低いと動きが鈍るんだ。 -- ルィンディ 2014-03-05 (水) 23:58:48
      • やりますこのやろう! 精神的にも覚悟完了したからきっとキャラのコンディション的にはバッチリですよ -- イザヴェル 2014-03-06 (木) 00:26:34
      • よしおおむねオッケー!! シャア!! 頼むぜよう明日はァ!! たぶんはやく帰るからよぅ!! -- ルィンディ 2014-03-06 (木) 01:14:03
      • レスは明日しとく!
        さあ決戦だ! きょうはねる! レスぢからギラギラに研いでおくわよ!! -- 名簿/508107 2014-03-06 (木) 01:39:38
  • 相談窓口 -- 2014-03-07 (金) 23:02:27
    • くそねむい… -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 00:15:47
      • やあ 様子を伺っているルィンディさんだよ さっきお茶を淹れて夜食を食べてきたよ -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 00:21:59
      • 明日とかでもいいんだぜ……? なぜなら明日はたぶん八時ぐらいからいるからな! -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 00:22:33
      • すいませんねてましたー! -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 19:32:32
      • シチュエーションできた! -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 20:34:45
      • 我は帰宅者ルィンディ 8時頃に帰るといいつ9時過ぎに帰る者なり…… -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 21:10:44
      • むりすんなよ! 上の方でレスをしておきますのでお風呂とご飯でもどうぞ -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 21:16:41
      • 飯は食ってきた! そして風呂は朝入る派……!! 完璧な布陣だがそう言うのならのんびり茶でもしばきながら待機!! -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 21:19:00
      • 何故なら油断してたら私が風呂に入るタイミングを逃してしまったからだー! -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 21:19:33
      • ええいならば10時に再集合だ!! 夜風呂に入らず朝風呂だけだと身体に悪いとかなんとか言うし私風呂! もう風呂! -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 21:25:05
      • そらこい! ガンバルゾー! ガンバルゾー! -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 21:57:45
      • 私だ。(ざばー) -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 22:25:37
      • 星を落とす魔法(リザレクション)って普通にまだ使えるよね…?
        二回目の星を落としてもらおうかなと考えてます -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 22:33:31
      • 全神経を込めた魔力集中とあと実は星辰の位置が関係してたりするが。それはあくまで気軽に蘇生魔法使えちゃいけないよねという制約にすぎない!
        愛する人のためならばきっと星ぐらい軽く落とせるさ!! -- ルィンディ 2014-03-11 (火) 22:46:28
      • ならばよし! 設定的に多分リザレクションが切り札になり得るので、いいところで一発ぶちかましてもらうことにしましょう -- 名簿/508107 2014-03-11 (火) 23:04:58
      • 「キチ度に説得力があって一目で分かる破綻している理論」って割と難しいな… -- 名簿/508107 2014-03-12 (水) 00:41:49
      • 悲観主義者の極地みたいな感じで筋は通っている! だがいまの私は希望バカだ! 通用せぬ! -- ルィンディ 2014-03-12 (水) 01:15:27
      • 疲れていると少し横になるだけで眠れるんですね! -- 名簿/508107 2014-03-12 (水) 21:46:53
      • 私だ。私なんか15分眠るだけで6時間眠ることができるぞ! -- ルィンディ 2014-03-12 (水) 23:27:43
      • (詠唱にかかる手間が半端無くて「これ普通の戦闘RPで使おうとすると絶対テンポ悪いわ……」とキャラ設定を憂う) -- ルィンディ 2014-03-13 (木) 00:18:52
      • 地震でめざめてしまった しかしねる -- 名簿/508107 2014-03-14 (金) 02:10:53
      • 揺れた! 起きた! 詠唱用意してない術なのに思いついちゃったから必死で詠唱文をひねり出していたのにいつのまにか私は床の中……? あれ?
        クソッ、誰だ上位の術になるほど詠唱文が長くなっていくとか考えたやつ!! -- ルィンディ 2014-03-14 (金) 02:13:53
  • 窓口
    • きょうはいつもにもましてねむいからへんしんはきたいしないでな!
      サイレント他いくつかの魔法を魔法耐性で弾いて余裕かましてるところにリザレクション食らって肉体が生者に近づく=魔法耐性剥がれてボコられるな流れを想定してます
      他何か希望あればどうぞ -- 名簿/508107 2014-03-14 (金) 22:42:30
      • 結界魔法ぐらいなら貫通してしまう上にほぼ回避不能というディスペアーを放てたというだけでだいぶ満足しました。だってふつうのキャラに撃ったら無茶ぶりになっちゃうもんね。
        じゃあ耐性剥がれたらめっちゃ攻撃魔法撃って欲しい! 頑張ってかいくぐるから! -- ルィンディ 2014-03-14 (金) 22:46:49
      • おそくなった! レスる! -- 名簿/508107 2014-03-15 (土) 22:27:11
      • やあこちらもやたらめったら遅くなった。よしよし行くぞ! -- ルィンディ 2014-03-16 (日) 23:03:13
      • 星を落とすタイムだ! -- 名簿/508107 2014-03-17 (月) 23:14:49
      • 新ツリーでリザレクションどうぞ -- 名簿/508107 2014-03-18 (火) 00:04:50
      • (書きタイム)エングレーブさんがちょっと好きになってきてしまう今日このごろ。 -- ルィンディ 2014-03-18 (火) 00:18:59
      • 詠唱文そのまま二度使うのは芸がないかなと工夫を凝らして原語でやってみようと思ったらこんな時間になった。私は……大馬鹿者だ……。 -- ルィンディ 2014-03-18 (火) 02:57:15
      • ルィンディが大人過ぎりゅう…
        最初からこのシナリオ予定してたら一年目から生徒としてぶっこんで何食わぬ顔で馴染ませてマッチポンプ曇らせ展開してたと思う -- 名簿/508107 2014-03-18 (火) 23:01:45
      • もとは目も当てられないぐらいには子供だったけど4年で成長したのです!
        バッドエンドかビターエンドの二択を選べみたいな展開になってたよねそれ!!? -- ルィンディ 2014-03-19 (水) 00:37:44
      • まるでイザヴェルが成長していない
        色々ぶっこんだらこうなったぞ! いいタイミングなので次のレスで自然魔法掻い潜って決めちゃってくれ! -- 名簿/508107 2014-03-19 (水) 01:08:27
      • えっ成長していない。明らかに転換期とかいろいろ経ていまのイザヴェルになっている気がしますが。
        それはそれとして決めました。決めたぜよ。 -- ルィンディ 2014-03-19 (水) 02:26:36
      • 目には目を憎しみに憎しみの精神で対抗しちゃうから…
        さあお仲間ごと成仏してもらおう -- 名簿/508107 2014-03-20 (木) 21:12:43
  • 夜間窓口
    • やりました ということで一旦流します
      クソ長かった気がするけど10日か…うん、企画終了後だからできる無茶ですね
      次の場面で最期にしたいと思います! -- 名簿/508107 2014-03-20 (木) 22:58:28
      • 主に私の霊圧が安定しなかったためかと思われるがなに、企画終了後だ。気にすることはない。 -- ルィンディ 2014-03-20 (木) 23:08:38
      • 聖杯までにバトルパート終わらせられたのでギリで予定通りです
        お風呂入ってからレスにうつります -- 名簿/508107 2014-03-20 (木) 23:12:06
      • よし。イザヴェルが聖女で良かった。 -- ルィンディ 2014-03-21 (金) 01:36:12
      • あの後こんなことになるなんて―

        うおー感謝しますこれまでの全てに! もっと舞台装置的なムーブさせようと思ったらこれだよ! 愛だラオウ!
        お世話になりましたありがとうございますごめんなさいという感想しかでてきません 要所要所でいい汁吸わせてもらいました -- 名簿/508107 2014-03-21 (金) 01:55:36
      • 私達は予想もしていなかったのです……。(どこか遠くを見ながら)一つ言うことがあるとするならば、今後イザヴェルとルィンディがどんな人生を送ったのかなど、自由にして頂いて構いませんのでね。

        ふふ……おつかれ!! ありがとうこちらこそ……!! 良い展開ができて満足なのだよ! いやぁ、当初は「こいつめんどくさいから多分姉と自演恋愛エンドだろうな」と思いながら動かしていたんですがね。幸せな結末です。 -- ルィンディ 2014-03-21 (金) 02:03:27
      • 幸せな一生を終えますよ(確定) この血筋微妙に救われてないのでやっと一つ落ちついたところに着地できた感があります
        血筋のことを説明するとクソ面倒なことになるのでおいといて
        割とあの返事保留された段階でルィンディがお姉さん捨てきれなくてフラれてもおいしいかなとは思ってました ごめんなさい
        あっそうそう聖杯になんか氷魔法と時魔法使うキャスターがいるけど別世界の子なので見逃して下さいね 見守ってもいいですよ -- 名簿/508107 2014-03-21 (金) 02:10:52
      • ああ良かっ……あれ別世界なんだ!!? (これ絶対……)→あっこれ間違いねえ! と思ってたけど!
        言うてもあれですよ? 白魔道士のトップに座らされて、年齢不相応なプレッシャーや責務を与えられた姉がそれに堪えかねて、黒魔道士になるため意図的に情報遮断されてたため何も知らないルィンディに依存した結果があれですし。正常な恋愛とは言いがたいですし? -- ルィンディ 2014-03-21 (金) 02:19:51
      • 別世界というか別の未来というか Fateやったことあるならシロウ→アーチャーを想像したらそんな感じ
        共依存、共依存じゃないか! ルィンディとイザヴェルもなんかそんなオーラ醸し出してる感はありました よかったねお姉ちゃん結婚できて(優しい顔)
        さて聖杯始まってるのでそろそろ畳みます 私は勝手に二世作ることに定評があるので突然子供が現れても許してな! また遊ぶことあったらよろし…せいはいであいそう! すごい! -- 名簿/508107 2014-03-21 (金) 02:25:37
      • あれか……。なあにあれだよ二人は支えあってるだけだよ。鳶ならきっと幸せにしてくれるからおねえちゃんは安心だね。(確定RP)
        うんたぶん会うよね 会わなくてもたぶんニアミスぐらいはするよね ま、まぁとにかくこちらは綺麗に締めってことで! おつかれさまでした! -- ルィンディ 2014-03-21 (金) 02:32:22

Last-modified: 2014-03-21 Fri 02:32:22 JST (3691d)