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  • 見渡す限り、何もない。真っさらな空間が広がっていた。 -- 2013-03-18 (月) 22:59:13
    • ロルフはこれまで、いくつもの空間と、いくつもの時間を飛び越えてきた。しかし、このような場所にたどり着いたのは初めてだった。 -- 2013-03-18 (月) 23:06:38
      • 「へえ、お客さんとは珍しい。」
        その時、ロルフの背後から声が響いた。
        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst082684.png
        ロルフが振り向くとそこには、薄ぼけた、もやのようなものが口をかたどっていた。 -- 2013-03-18 (月) 23:24:59
      • 「ここは時間と空間の狭間。あってはならないものを退けるための、そうだな、差し詰め、世界にとっての篩のような場所さ。そして僕は、その見張り番。」
        もやのようなもの…見張り番と名乗るそれは、冗談めかして広角を釣り上げて続けた。
        「まあでも…君は見た目には、そんな大層なものとは思えないけどね。かわいいお客さん。」 -- 2013-03-18 (月) 23:37:21
      • 「篩?」
        ロルフは小首を傾げた。
        「そう、篩、さ。イレギュラーはここでせき止められて、一生その先の世界に出ることはない。」
        「一生!?ちょっと待ってよ!」
        見張り番は、からからと声を上げて笑った。
        「なあに。人の一生なんて、一瞬さ。」 -- 2013-04-30 (火) 03:37:01
      • 「君にとっては一瞬かもしれないけど、僕にとっては大事な一生だ。僕はここを出るよ。」
        ロルフは強く念じ、淡い紫色の光を両手に集めた。時空間を超える魔法の光だ。
        …しかし。光は集まり切らず、はじけて四方に散っていってしまった。
        「ムリだよ。君の魔法より、この空間の強制力のほうがずっと強い。」 -- 2013-04-30 (火) 03:49:39
      •   -- 2013-05-02 (木) 22:07:30
      • 「あはははは。いい加減諦めたら?」
        ロルフと見張り番が出会ってから、既に数日が経過していた。
        「嫌だよ。」
        ロルフは試行錯誤を続けていた。果てしなく続く真っ白な空間をたたただ歩いてみたり、はたまた、魔力の拡散を防ぐ方法を模索してみたりした。しかし、脱出の緒すら見つけられなかった。
        「なんでそんなに頑張るんだい。」
        「会いたい人がいるんだ。」
        「ふうん。」
        見張り番は口角を釣り上げた。
        「いいよ、出してあげる。」
        「えっ。」
        ロルフは勢い良く振り向いた。
        「ただし、君の一番大事なものと引き換えにね。」
        不意に、強烈なめまいがロルフを襲った。
        「僕が貰うのは…君の思い出(記憶)さ。」
        「拒否権はないから、そこのところ、よろしく。」
        ロルフの混濁する意識の中に、見張り番の甲高い笑い声が響いた。
        「あはは、だって面白そうじゃないか。こんなに必死になってる奴が、原動力を失ったらどうなるかってさ。」



        「じゃあ、またね。」 -- 2013-05-02 (木) 22:07:40

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Last-modified: 2012-04-13 Fri 00:26:04 JST (2964d)