HNH/0015
- ストラレジス。描きあげた絵があるなら見せてくれないか。この夏に書いた絵とかは、無いか?(新学期、画家志望と聞いた女生徒に声をかける黒衣の教師)
これは生徒指導ではなく私個人の関心からなので、あまり見せたくない類の絵なら無理にとは言わんぞ -- ルーベル
- 無いよ。残念ながら画材がない。絵の描き方もボクには分からないからね。
それどころか、ボクは一度も絵を描いたことがないんだ。可愛いだろう、先生。それでもボクは絵描きになりたいのさ。 -- リンヴィル
- この学園に芸術学部は無いが、かわりにひとかどの魔法学校だ(何処からかレポート用紙を一枚取り出すと目の高さにかかげてひと睨み。薄く煙をあげてその表面に黒く焦げが広がり、かろうじて眼鏡の男とわかる落書きのような模様が浮かび上がる)。手段は筆と絵の具だけに限るまいし(すらりと虚空から燃え盛る焔を纏う長剣を抜いて、投げ捨てたレポート用紙を真っ二つ)魔法でこうしたことができるのだから、筆を生み出して絵を残すこともできるだろう。
ストラレジスを絵から遠ざけているものは、いったい何だ?(レポート用紙が地につくことなく燃え尽きるのと同時に、長剣もまたロウソクの火が消えるようにかき消えた) -- ルーベル
- ボクは絵なんか描きたくないのさ。絵を描きたいのはボク自身じゃないんだ。
道具がないのはただの理由、描き方が分からないのもただの理由。 先生、ボクは絵を描きたいけど、それが叶わぬ夢であるから、絵を描くことに価値があると思うんだ。 ボク自身を絵から遠ざけているものがあるとするなら、魔王に絵を描く資格などない、というその一点にあると思う。 -- リンヴィル
- 「自分が絵を描くと絵を描くことの価値が下がるので、本当は描きたいが描かない」と?そしてその理由が…どうにも、分からんな(篝火のような赤い目を閉じて思案する素振り)ストラレジス。
絵を描くのに資格が要るのか?誰が認定するものでもあるまい。まして魔王にその資格がないと何故断念する。 …アレか。特殊な嗜好の過激な絵を描きすぎて画家仲間からも行政からも叱られて筆を折った…みたいな。 -- ルーベル
- キミは熱心な教師だね。普通はボクみたいな生徒は匙を投げられてしかるべきだというのに。(薄く笑い)
……少し、自分語りになるが、聞いてもらえるというのなら聞いてもらおう。 ボクのこの器。この少女の姿は一人の少女の物だったのさ。 幸せな家庭に生まれ、幸せな両親の下で育ち、何不自由なく暮らしていた少女であった。 伝わりにくいとは思うけれど、それは"ボクそのものであってもボクの本質ではなかった"。 可哀そうな魔王の器となった少女こそ居なかったのだけれど、確かにそこには普通の人間の少女が存在して、今はもう彼女はどこにも居ないのさ。 自覚をしてしまえばボクは"魔王"だ。だったら、その"魔王"が筆を取ることはできない。いかに、絵を描くことが好きだったとしてもね。 -- リンヴィル
- ストラレジスのような生徒は目をつけられて然るべきだろう。私もまんまと公務員志望に騙されていたが…(続く苦言はリンヴィルの話を聞くため飲み込む)。
まるで私が魔王より冷徹な女みたいじゃん (自分が封印されてる間「核」を隠すために作り出した何も知らない使い魔の小娘を、役目が終わればその人格や交友関係もろもろを無視して壊れるままに使い捨てようとした過去がある。とは流石に言えず)…どうにも居心地が悪いな(苦笑で誤魔化して)。 つまり理由は、入れ替わりに消えたもう一人の自分への哀悼か?ならば尚の事、筆をとるべきだと思うぞ。 その少女も、私の生徒のストラレジスも、絵を書く事が好きなことに変わりはないのだろう?…それに、言葉に尽くし難い想いも絵の具に載せる事はできるかもしれん。 -- ルーベル
- こんなに目立たない色をしているのに。夜道でなど闇に溶け込み誰何すらされないよ。
残念ながらボクにとっての追悼は「成就」ではなく「切望」そのものにあるのさ。 言葉に尽くし難い想いがあるとするなら、それを絵の具に載せることが出来ない懊悩こそが、ボクがボク自身に出来る死を悼むということなんだよ。 だからボクは将来の夢があるとするなら、何度だって「絵を描きたい」と答えるだろうね。けして叶わない夢として。 -- リンヴィル
- (推し量るようにリンヴィルを見ながら)…もしやこの学園生活自体、自罰じみた追悼の一環なのか?
教師としてはもうすこし前向きな話をしたいところだが(どこか寂しげに)学校は追悼の場ではないぞと門戸を閉ざすのもまた間違いだろうな。 分かった。仕事なので進路指導は続けるが、今後は今聞いた話を踏まえて行うとしよう(目を閉じ、ひとつ深く頷いて)。存分に懊悩していくといい。ストラレジス。三年で足りないようならば、何年でも。 -- ルーベル
- 勇者を目指す少年と愉しく語らっていると聞く、やはり魔王を名乗るからには芽吹く希望に興味がお有りかな?
(男が語り掛ける、魔界に属する者、でありながら勇者を名乗りその為の装備に選ばれた者、そして家庭科の教師でもある) -- ターゲス
- 愉しく……? ふふ、よしてくれ、悪い冗談じゃないか。ボクは愉しいなんて思ったことは一度もないんだよ。
おや……キミは珍しいね。"魔王から問おう"。キミはキミ自身を何であると定義する? -- リンヴィル
- 人間の感性から紡げばそうであるかも知れん、しかし世界の機構ではなく反存在としてなら如何か
(皮肉と嘘を交える魔王に対し一切の皮肉も嘘も無く男はその言葉を投げかける…が、「魔王」からの問いが来れば成る程、と呟き) 「魔界」の「勇者」だ、何時の日か魔界が地上を飲み込む折我が剣を以てそれを阻む者を打ち倒す事を使命としている -- ターゲス
- それにしても愉しいはないさ。反存在は存在に反しているだけで存在を反されたいわけではないからね。【勇者】と名乗る者は大なり小なり全ては目障りさ。
おやおや、それはまた屈折した生き方で、存在で、定義だ。では「魔界」の「魔王」とやらがもし居るとすれば、魔界自体を亡ぼす反反存在となるわけかい? こいつは愉快だ。 -- リンヴィル
- 無論だ、もし私が属する魔界に於いてそう定義する魔王が顕れたのならば我が剣は躊躇いなく振るわれる
事実そうした者とは幾度か相見えてきた、その上で多くを斬り捨て生きる事を望む者あらば見逃してきた その様な私の在り方は屈折している事は重々承知している、真に弱肉強食を認めるのならば無情と無法にこそ正義があるのだろう だがそれでも私は剣を取るのだ、守るべき弱者が在り育まねばならぬ未来を叫ぶ王が在るならば「魔王」を全て打ち倒すのみ (どうやらこの男の言う魔界とは地上の反存在ではあるものの廃滅的な思想を前提とした発展を好まない様だ、もっと別の何かを求めている) -- ターゲス
- 重ねて愉快だ。ではこの世界に於いての君という存在はまさしく"魔王"じゃないか。
この世界の蹂躙に加担し肩入れし滅びを与える存在は、転じてキミの世界に於いては"勇者"と呼ばれる。 これほど愉快なことはない。じゃあボクの存在も、キミの魔界に於いては或いは"勇者"と、そう呼ばれることも可能だっていうことか。 驚いた、一番成りたくはない者に、定義と視点を変えるだけで成り下がることが出来るなんて本当に愉快だよ。(ハハハと腰を追って笑う) ――では、最初の視点に戻ろう。キミが質問をしてきたこの世界の"勇者"についての質問の話だ。 あれをボクは生娘のように自分に興味を持ってもらったと小躍りしていたのだが、どうもそうではないようだ。……キミこそ、興味がお有りかな? この世界の"勇者"に。 -- リンヴィル
- そうだ、我が魔界に於いて君が剣を取り善き未来を信じて戦い続けるのならば勇者と呼ばれる事となるだろう
君の言う通り勇者という定義には絶対性が存在しない、極端な例では勇者とされた者がある日突然怪物と呼ばれる事もある それはあまりに感情的に過ぎる極例だがそうして視点を移していけば私という「魔界の勇者」も成り立つのだ (笑うリンヴィルに対しこちらは至極真面目に語っている、その生真面目さは確かに勇者らしさを感じるかも知れない…ある視点からは) 無いと言えば嘘になる…が、彼その者との縁は相争うそれではなく交差するモノでしかないだろうな 我等が大魔王の命により数千年の間はこの世界に関し変動を齎す事は許されん(人の命はあまりに短いと暗に告げる) その点に関してはむしろリンヴィル君の方が再び相見える可能性は高い…同じ方向を見る可能性も含めて -- ターゲス
- (楽しそうに)ボクとかい? それは随分と過大に、そして誇大に小娘の器が評価されたものだ……。
それに、まるでボクが何を目指し何を齎そうとしているか知っているかのような口ぶりじゃないか。 魔界の勇者ともなれば、女心の一つを汲むことくらい容易ということかな。 まあ、ボクとしてはキミや、キミが大切に思う者がその手にしたいと思うものを床に叩きつけて壊せるかもしれないという、 『世界に終わりを齎す』理由が一つ増えて万々歳、と言いたいところだが生憎と相見えることはないだろうね。 何せボクは、"この世界の魔王じゃないんだ"。ボクが滅ぼすべき世界はまた別にあり、今はそのための力を養っているというわけさ。 どうだい、軸が違うから交わることもない。悲しいね。恋にも堕ちれやしない。 -- リンヴィル
- いや?君の事をまるで知らぬからこそ言える事だ、勿論理解するつもりはあるがな
もしかすれば君がソレを手にした時落とせないと思えるような価値観の共有が起こりうるやも知れぬ 女心の把握に関しては流させて頂くが、そちらに関しては酷く疎い (そして軸が違うという答えには男は首を横に振る)唯一つで満足する理由もあるまい 無論上か、横かは我等が王がお決めになる事だが…フッ流石にそれ程まで先の話は鬼が笑うにも限度があるか ともあれこうして交えた縁…何かに続く事を期待しよう、それではな(男は踵を返し汁物作りの授業へと向かった) -- ターゲス
- 魔王、とは良く耳にしますが果たして魔王がなぜに学校にという疑問がつきませぬっリンヴィルどのっ
そういう意味では囚われのオリヴィアどのやぴよ林どののように多様性に富んでおりますがっ -- こときよ
- ふふ、それはキミ、北の方にペンギンという鳥がいるのを知っているかな……?
その鳥は鳥でありながら空を飛べないらしい。その鳥に向けて「キミは空を飛べないのに何故鳥なんだい?」と問うようなものだと思うよ。 -- リンヴィル
- ぺんぎん、でありますか?(どうやらあまりピンと来ないようだが飛ばない鳥、と聞いて鶏のようなものを想像して)
つまりー魔王であっても肩書きでしかないということでありましょうか、余もそういえば妖狐でありますが、退魔師でもございますし ふむふむ、なるほど(合点が言った様子でこくこくと頷く) -- こときよ
- そうか。"余"は妖狐であり退魔師か……小さい成りではあるが立派な自己定義じゃあないか。
ふふ、そうだね……。在り様という物と生き様という物はいつだって自分で選択できる物じゃない。 妖狐でも、退魔師でも、魔王でも、入学してしまえば自己定義は"学生"なのさ。 さて、興味はキミに移った……キミが退魔師だとすれば、ボクも魔であるから、退かされてしまうのかな? -- リンヴィル
- はいっ、これが余でありますっ ただ、もう一つだけ付け加えますと夢魔との混血にございますっ
なるほど、生まれついたものや今の立場からこそ呼ばれることもあるというわけですかっ、ではリンヴィルどのが学生であるならば 余とも学友に慣れるかもしれないと言うことですねっ!(リンヴィルの言葉に少しだけ考えた後首を横に振り) いえっ、確かに退魔師は魔を祓うのが仕事にございますが、今のリンヴィルどのは邪念に憑かれているという様子もございませんっ、ゆえに祓う必要はないと思われますっ -- こときよ
- 随分と入り組んで入り混じってフクザツな在り様じゃないか。
大変じゃないかい? 妖狐は人を誑かし、退魔師は人を護法する、夢魔は人をかどわかすのならばキミは一年中大忙しだ。 その点"学生"で定義してしまえば楽だね。そう、ボクらは学友ともいえるわけだ(ニィと赤い笑顔で小指を差し出し) でも見た目に騙されてはいけないよ。ボクは悪い魔王だ。邪念も隠しているだけかもしれない。怖いだろう? -- リンヴィル
- それも心の持ちようでございますっ、現に余はこうして清く正しい行いを続けておりますから
血筋だけで全てが決まってしまうのは違うと余は考えていて、それを実践しているのですよっ(自慢の耳をぴんっと立てて) ふむむ、少なくとも今の余にはリンヴィルどのと敵対する理由はございませぬな!(慢心かあるいは自信か、リンヴィルの状態を観察した上でそう言い切って) 学生であるならば一度いっしょに食事をとりながらお話したいでございますっ、これは今しか出来ないことでありますゆえっ -- こときよ
- そうかい、それは光栄だ。レディの頼みとあっては断る理由もないし、素敵な口説き文句だ。
だが、不甲斐なきかな、ボクはこの学校に三年という長きにわたり在学しているにもかかわらず、一度も学友と食事に行ったことがない。 この学校の中に食事をとるような場所があることも知らないんだ。 この学校には一緒に食事をとりながら語り合えるような場所はあるのかい? 小さなレディ。 -- リンヴィル
- 左様でございますかっではやはり食堂がよろしいかと思いますっ、余も普段より使っていて
豊富な品揃えは食べ続けていても飽きが来きませんのでっ!逆に買った物を他へ持ち寄って食べるならば購買をおススメいたしますっ -- こときよ
- (ふと よく屋上に居るお仲間から魔王様へ 檻の中から声をかける)
ねぇねぇどうかしら? そろそろ私の魔王様になる気にはなって? -- オリヴィア
- (心底可笑しそうに珍しく表情を崩して笑い)キミのかい? 生憎ボクなぞがキミの魔王になってしまえば、キミはすぐに奪い返されてしまうよ。
ほぼ三年間、この脆弱な魔王の形骸に良くもまあそんな誘いをしてきたものだ、感心するよ、檻の君。 -- リンヴィル
- ふふふ それはそれ願ったり叶ったり? やっぱりダメかしら?
魔王様が実際にいるといないではほら 大違いですもの… 雰囲気とか? 貴方は 貴方だけの勇者様に挑まれたくはなぁい? -- オリヴィア
- 挑まれたいね。だがその理由は己で、いや……挑む側に持っていてほしいというのが願いさ。
キミのために、キミを求め、キミを救うためにとなれば、その話にはボクが登場する必要がなくなる。 ふふ、キミは三年間、ずっとボクではなく、ボクの役割に愛の告白を囁いているのさ。 ボクはキミのそういうところは好きなのだけれどね。それでも応えることはできないのさ。苦しいね。 -- リンヴィル
- 私も 貴方のそういうつれない所が好きよ
そうよねそうよね 勇者様には自分だけを見ていて欲しいもの… 求めているモノはほぼ同じなのに… して欲しい事は全く別だという もどかしいわね… そうだ いっその事私がリンヴィルに挑もうかしら? -- オリヴィア
- 魔王と姫なんて最初から悲恋が約束されているようなものだ。
ボクに挑むのもやめておいた方がいい、魔王を自称しているが今はまだ形骸でしかない。 キミに力づくで檻に押し込められてしまえば、それからの一生をキミと同じ屋根の下で暮らすことになってしまう。 そうなればもうキミを愛すことしかできない女の形をした成れ果てでしかなくなってしまう。それは魔王としては恐いよ。 -- リンヴィル
- 例え結末が悲恋でも 恋は素敵なものでしてよ?
えっそうなの? 押し込めるだけで? 貴方は私を愛してくださるの? ちょっとほんとに考えようかしら…? ふふ 今はまだ 成れ果てのつもりは全然無いのね… ねぇ やっぱり私の魔王様になってくださらない? 自称が取れるまで お待ちしますわ -- オリヴィア
- そうかい。ボクは生憎まだ恋を知らないからぜひとも教えてもらいたいものだ。
成れ果てのつもりはないさ。赤子を老人と呼ぶヒトはいるまい? 恋も知らぬ赤子だ、その愛はキミの望む愛ではないかもしれないよ。 ……熱烈だね。三年の中でも特にキミの熱を感じるよ。降参だ、分かったよ。 もしボクが、魔王として世界を亡ぼす僅かな時でよければ、その時が来た時、その手を取ってキミを浚うと誓おう。 (恭しく相手をダンスに誘うように手を差し出し)……これでいいかい? -- リンヴィル
- リンヴィルには私の望む愛がわかっているの? それはむしろ頼もしいわ…
(檻越しにそっと手を添えて) はい その時には 私の勇者様が傍らにいる事を願っていてね 私の勇者様が きっと貴方に挑むわ…
なんて この誓いだとなんだか私の方が黒幕枠じゃない? 大丈夫かしら? -- オリヴィア
- ボクには愛も分からないさ。だから恋を傍らに置いたときキミと上手に話も出来ないのさ。
……一筋縄ではいかないお姫様だ。ああ、そのときは全力でキミの愛をボクの愛で滅ぼすことを誓おう。
大丈夫さ……きっと勇者様は、そんなキミも許してくれるだろうから。 -- リンヴィル
- そういえば… やっぱり魔王様って長寿なの? 迎えに来てくれた時 私がおばあちゃんでもがっかりしないでね?
それじゃあ… (ふぁ と小さくあくびをして) ごめんなさい 私そろそろ眠り姫にならないと… 今日はきっと貴方の夢を見るわ… (ベッドで手を組みすやぁ) -- オリヴィア
- 生活指導だストラレジス。変わりはないか?(問題を起こした生徒のところにだけでなく、ちょくちょく出前が来ることで知られる2者面談だ)
食事はとれているか?進路希望調査はもう提出したか? -- ルーベル
- ああ、変わりなく健勝さ。食事も必要なだけは摂っているし、進路希望調査には公務員と書いて提出をしたね。
詳らかに聞くね? それは、生徒誰にでもしていることなのかい? それとも、その程度には興味を持たれていると自惚れていいのかな。 -- リンヴィル
- 生活指導担当に殊更の興味を持たれる事態はあまり喜ぶべきではないな(答えを聞いて頷いてから)…進路希望は変わらず、と。
公務員といっても色々あるが、もう少し具体的なビジョンはないか?…たとえば公立校の教師として教鞭を執るとか -- ルーベル
- そうかな。何らかの興味を持たれるということは存外に悪くないことだと思うよ。
これは困った。そう書いておけば恐らく深く追求はされずに右から左に流れると思っていた回答だったのだが、さらに聞かれるとは思わなかったよ。降参するしかない。 -- リンヴィル
- ストラレジスがとりわけ進路に堅実なのかと思っていたが…問われるのが面倒だっただけだな?(まあそれはいいが。と責めるでもなく)
では改めて聞くが、進路の希望はあるか?第三希望まで全て「お嫁さん」で埋めてきた猛者も居るので気楽に答えて欲しい -- ルーベル
- ない。希望した進路に進めるのならば、いくらでも希望しようが、ボクにはそれはない。それは先生も同じじゃないかな。
世の中、なりたい物に成れる存在と、なった物にしか成れない存在がいる。選択は無意味だと思うよ。 -- リンヴィル
- なれるものだけを聞くのが進路調査ではないぞストラレジス。諦めている様子だが「ボクにはそれはない」という「それ」を聞きたいのだ。
…船は星に辿り着けないが、船乗りは星を探し星を追う。今のストラレジスには、星は見えないか? 回答の拒否は認めなくとも虚偽は認めるのが生活指導の決まりだからな(なにかしらは答えろというシステム)はぐらかすでも構わんから何かしら答えてくれ。 -- ルーベル
- 生憎、ボクには船そのものがない。ただ地上で眺めているだけの星なら、ただ希うだけの残酷な話でしかない。
それでもあえて答えろというのならば、そうだな……きっと、"彼女"ならこう答えたと思う。先生、私は絵を描きたい、と。 画家、といえば伝わるかな。 -- リンヴィル
- 地をゆく旅人も、勿論星を追うぞ。足すらないと言うのでないなら歩けばいい。…星に辿り着けずとも、星は自分の今居る場所と目指す方角を知る助けとなる。
…健康状態はまずまず。進路希望は画家。とりあえず、今日の生活指導はここまでだ。時間をとらせたな(笑顔を見せる仏頂面の女教師) 歩くこともできないようなら、生活指導室に来るといい。そうした生徒は歓迎している(言い終えると暖炉の火が消えるように一抹の寂寥感を残して立ち去って行った) -- ルーベル
- ウチのお姫様をとらえている魔王様(候補)の調子はいかがかな?
プリンセスを救わんとする姫待望の勇者なりヒーローなり…そんな気概のある新入生は魔王様の目から見て居たりしたかねえ? -- マキナ
- おや、その子を攫ってほしいのかい?
生憎見ての通りのこの細腕で誰かを攫えるとは我ながら思わないのだが。 さてねえ、生憎のところ寡聞にして盲目、不知が服を着て歩いているようなものだからね、ボクは。勇者なりヒーローなりなどとはとてもとてもまだ知り合いにはなれていないよ。 -- リンヴィル
- プリンセスは自由に不自由だから自分から勝手に触られたりしているのでご心配は無用さ、ほら…ホーリーなのにナイトメアの教室に檻ごといたりして居るだろう、たぶん…
それは残念無念かな、プリンセスの願いが成就するのはまだまだ先になるのやら…むしろ魔王様配下らしき子がやってきたりしたから守りの方が厚くなりそうだ -- マキナ
- ああ、彼女か。知っているよ、そうか、彼女はお姫様だったのか。知らぬ間に失敬を働いていなければいいが。
成程、彼女はそういった嗜好の持ち主というわけか、それはなんとも、倒錯的以外に言いようがないね。 ちなみにその王子様とやらは……いや、勇者やヒーローといったか、それはキミでは役割が不足しているのかな? -- リンヴィル
- どこぞのプリンセスかは知らないけれど、彼女はまさにプリンセスさ、リンヴィル君もまた一人のプリンセスと言って差し支えないだろうけどねえ、女性はみなプリンセスみたいなものさ!
助けられてこその捕らわれの身だからね、倒錯的以外にはそう…どこまでもピュアと言う事かな、白馬に乗った王子様に憧れ続ける少女のままでいるような… ああ残念無念だね、ボクは御覧の通りだから勇者やヒーローと言うよりそうだね、道化師がせいぜいじゃないかなあ -- マキナ
- 姿かたちに在り様が縛られていると思っているのならば、キミはいずれ痛い目を見るかもしれないね。褥で相手が魔王と気づいても逃げ出せると思わぬことだ。
成程、君の自己は"道化師"というわけか。で、あるならば"姫"と出会っても徒に物語をかき乱すだけになるやもしれないね。 だが、ボクはこうも思う、自らの在り様は自らの定義によって変えることも変わることもできると。案外、道化師が勇者になることを望む者もいるかもしれない。 -- リンヴィル
- それは恐ろしい事だね、誘いこんだつもりが捕食されるばかりになりそうだよ、そのような事の無きようゆめゆめ気を付けるとしようか
姫を舞台へ誘うばかりと言ったところさ、それは道化師よりも黒子だろうか? 少なくともボクの今のロールはヒーローになる事ではないけれど、不甲斐ないヒーローが居たら地位を奪い去る事も考えるべきかな? -- マキナ
- 好きなようにすればいいさ。どの道、存在は己を定義する物、される物にしかなりようもない。
そしてきっとそのプリンセスも役割としてのヒーローは求めたところで、それが恐らく誰であっても、何であっても、何ですらなくても。一向に問題のない存在に思える。 自らが進んでその席に座るのならば拍手で送りだそうが、そうでないのならば、抱いた姫の重さに腰が折れるだろうな。 華奢なキミであるのならばなおさらだ。彼女は恐らく、"重い"ぞ。 -- リンヴィル
- すなわち彼女の重さを支えられるだけの器があればそれだけで事足りる、と言う事なんだろうかな
物理的に籠ごと運ぶことはいつもの事だからよいのだけど、抱くとなったらそれはそれ、確かに支え切れるか自信はないね もし手を差し出すとしたらボクが支えられると覚悟を決めた時…か、ふふふ、そんな展開が待っているのかいないのか…先の事は見えないねえ ボクはそろそろ戻るとするさ、送迎の時間だからね…それではまた、どこかで -- マキナ
- つーのつーのさん、春休みぶりですね、ぴよぴよ(廊下を歩きすれ違うなり、話しかけてくるのは同級生)
ぴよぴよ…相変わらず体がほっそり、ご飯は食べていますか?元気になりますよ?ぴよぴよ まぁまぁ遠慮なさらず、気遣いできるぴよ林、ぽりぽり美味しいぴよ林ですよ?ぴよぴよ(そっと大豆の入った袋を目の前にかざす……食えという意思表示だ) -- ぴよ林
- 春休みぶりだね。キミがそういうのならそうなのだろう。
大丈夫、身体を維持するだけの食事は間に合っているし、必要最低限の食事のみ摂って生きていくことにしているんだ。 必要以上に食欲というモノに自覚的になってしまったり、食事が美味しいことを知ったりすれば、多分お互いのためにならないでしょう?(二コリと笑って差し出された豆を断る) -- リンヴィル
- ……ぴよぴよ、相変わらずつのつのさんは難しいお話をしますね…(首をかしげながらも、渡せなかったお豆をぽりぽり)
ご飯が美味しいとしれば美味しいものを知って教えてもらったりできそうで、きっとそれは便利なことですよ、ぴよぴよ 事実このぴよ林ごはんが美味しいと知っていて困ったことはありません、生きた情報ぴよ林、実体験のぴよ林です、ぴよぴよ -- ぴよ林
- でも美味しいということを知ってしまったら、きっとボクは飢えてしまう気がするよ。
お腹が空いた、なんて気持ちはきっとご飯の美味しさを知っていれば知っているほど辛いものになると思う。ボクはきっと君より臆病な魔王なのさ。 それに、その豆が美味しいことを知れば、その豆を主食にするキミも美味しいんじゃないかって、思ってしまうじゃないか。それこそ、お互いのためにならないだろう、生きた実体験さん。 -- リンヴィル
- ぴよ、少しわかりますよつのつのさん、このぴよ林も大豆と違うお豆を食べたら変なお味で食べられなかったことがありました…
…好き嫌いはいけないけど好きが出来てしまうと大変ということですね、ぴよぴよ…ふふん、頭の良いぴよ林です…味は分からぬぴよ林なので食べるのはノーですね、ぴよぴより んー、しかしご飯はそうでも好きなことを作らないんですかつのつのさんは、そういえば趣味とかしりませんね、ぴよぴよ -- ぴよ林
- 作らないねえ。好きな物も、嫌いな物もボクにはないんだ。
例えば"問おう、羽の生えたキミ"。仮に今空を飛びたいと願う象が居たとして、その象に羽が生えたとする。知っているかい、象、大きいらしいよ。 その羽を生やした象は願いを叶えて大空を我が物顔で飛ぶんだ。それを見た他の象もきっとその姿を見れば真似し始める。 そのうち空はあの図体の大きい象が舞い、埋め尽くされ、自由に飛べなくなる。それは、元々羽を持つ者にとっては疎ましいことなんじゃないかい? ……そもそも、キミは飛べるのかい? その羽で。その構造で。 -- リンヴィル
- ぴよよ……そうとは……つのつのさんとは学校では会いますけど普段何してるんだかわかりませんねぇ、何してるんです?ぴよぴよ
象……?えぇ、しっていますとも!大きいのですよね、ぴよぴよ(実は知らぬがとりあえず、大きいものを思い浮かべて) ぴよー………こんなに広いのに象さんで埋まって…?(想像がつかないな…と空をまぶしそうに眺め) とはいえお空は気持ちよさそうですからね、そこはぴよ林も象さんに負けないよう飛びます、強いですからぴよ林(例え話もよくわからずに、自信に満ちた表情で答え) ………いえ、まだ練習中ですけど……飛びたいという気持ちが大事と聞いていますのできっとそろそろ飛べるはずです、ぴよぴよ -- ぴよ林
- はっはっは。(愉快そうに笑う。破顔する様は外見に似つかわしくない。よほど面白かったのだろう)
失敬。外見で判断していたようだ、キミは思ったよりも"強い"らしい。皮肉でもなんでもなく尊敬に値するよ。 そうだね、キミが強くあることさえすれば、負けずに空を飛べる日も来るかもしれない。ボクもそれを願っているから、今日も差し出された豆を食べないのさ。(わかったようなわかってないようなことを言う) おや、ひよっこなわけだ。その点はボクと同じだね。 -- リンヴィル
- はい、意外と強いぴよ林です、なんだか分かりませんけど面白かったなら何よりです、ぴよっ
(珍しい笑い顔を見た気がするな、と思いつつ、つられてにっこり) ぴよ!強いですし、かもしれないではなく飛びますよこのぴよ林、飛んだ時にはお喜びください、つのつのさんの願いともなるならより一層頑張って飛びますぴよ林(願っている、の捉え方が少しおかしいながら、ふんふんとジャンプするぴよ林、まだ先は遠そうな状態だ) ぴよ?つのつのさんもひよこ…まぁおなじ3年生ですものね、ぴよぴよ…それが何かは覚えきれないから今度聞きますけれど… つのつのさんが何かを成し遂げるのもこちらもぴよ林が願いましょう、ぴよぴよ、では共に頑張ってー……ぴよっ、それでは!(手を振って笑顔で去っていく、ナイトメアらしからぬ無邪気な笑顔であった) -- ぴよ林
- ああ、またね、羽の生えたキミ。
いつかキミの強さが、空を飛ぶ象全てを駆逐してしまうその日まで、少なくとも世界を見ていたいとボクは願うよ。 (姿が見えなくなるまで手を振っていたし、手を振るのをやめれば何事もなかったかのように廊下を歩きだした) -- リンヴィル
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