名簿/475167
- デジャヴとの最後の戦いから数日と経たない内に、男は街から姿を消した。
それからそう遠くない未来、ある一人の男が国際的な指名手配を受ける。 龍の刺青を背に彫り、無類の強さと邪悪さを誇る男は かつて名乗った鯉の名を捨て、やがていつかこう呼ばれるようになった。
ドラグーン・グリード
と --
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- 「なん…で…」どちゃり、と音を立てて少年が血だまりに倒れ込む。その体は、鋭い刃物で切り裂かれたかのように、肩から腰にかけて両断されている。
ここは九龍城砦付近の路地裏、タキと呼ばれた青年が、活動の拠点としていた場所。 そこかしこに倒れている死体は、全てがかつて彼の手下として聖杯戦争の情報や、英霊の遺品探索を行っていた者達。 -- タキ
- 「ワリいな、お前等に俺のやってた事べらべら喋られると面倒なんだわ」
軽薄な笑いを浮かべながら、返り血に濡れた偃月刀を振り、血を払う。 養成校は晴れて卒業、遺物も幾つかは回収した。負けた連中ヘの復讐は…まあ、後でいいだろう 時間をかけて、自分が唾を吐いた相手が誰なのか、後悔させてやればいい…最高に苦しむ方法で。 そして最後に、脳裏に浮かぶ、最後のやり残したこと、それは… 「…行くか」 振り返りもせず、一時とはいえ部下となった者達を皆殺しにした男は、路地裏を去っていく 最後のケリをつける為に -- タキ
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- (タキの根城、音も無く、気配も無く、唐突にそこに現れたかのように姿を見せる)
よう、もうすぐ卒業やし顔見に来てやったで。授業にもまともに出てへん不良くん。 (悪評も、彼が起こしたという事件も大体は耳に入っている。しかし、そうとは思えない気軽そうな笑みを浮かべ、声をかけてくる) -- レディング
- どうせなら女の子が来てくれると嬉しかったんだけどな…よ、何だよ突然
(面倒くさそうに応対する男には、あちこちに傷の跡ができている。) 金なら持ってねえぞ?むしろこっちが貸して欲しい位だぜ -- タキ
- あっはっは、あの評判聞いてて女が来るって思うその根性、逞しいわ本当
(愉快そうに笑い、タキの身体に付いた傷跡をじろじろと眺める)なるほど。それがタキの、この学校で過ごしてきた証か。血なまぐさいなぁ。 まぁ血生臭いっちゅうなら他にも戦いに明け暮れてた奴らもおるし、どっちもどっちか。…楽しかったかタキは? -- レディング
- うるせえ、ちょい悪はモテるんだぞ、雑誌で見ただけだけどな。
ホントなら泣かせた女の数がこの学校で過ごした証になるはずだったっつうのによ… 2、3人位は無理にでも押し倒してやっちまえばよかったかね…。 あ?楽しいかってそりゃあ…(デジャヴの慟哭を、遥の恐怖を、レミオの絶望を、ノアの憎悪を、仁義の殺意を…一つ一つ、ゆっくりと思い返すとやがて) まあ、それなりだな。(軽薄な笑いを浮かべ、質問に答えた) てか何人の傷じろじろ見てんだよ、お前女できねえと思ったらそっちの気あんの?…ま、そんな冗談はともかく…そっちはどうよ? -- タキ
- ちょいどころと違うやろ、ド悪人やんか自分。いい根性しとる…まぁそうでもなきゃあれだけ色々とやらかさんか
俺は泣かせるより笑わせてやりたかったけどな、まぁ俺の出る幕無く笑ってる奴らばっかりやったけど (思い返した事柄はろくでもない事だろうというのはその表情を見れば想像できる、かつて自分が暮らした街で良く見た顔だ) ま、別に否定するつもりはないけどな。それがお前の生き方、やり方なんやから自由にやったらいい。 それがお前の存在証明なんやろうしな…俺はそんなん御免やけど (無い無い、と顔の前で手を振る)お前と会うのはこれで最後になりそうやからな、確り見といたろと思っただけや 俺か。楽しくない訳ないやろ。ホント、一杯友達も出来たしな。これより楽しい時間はこの先あるのかって思える位や -- レディング
- ひっでー、こう見えて根はいい奴だぜ俺(自分で言って、おかしかったのか笑い)
へ、言われなくてもこれからもやりたいよーにやらせて頂きますよ、元々我慢できる様な性分じゃねえし そうか?いいモンだぜ…奪うってのは。お前もこっち側にいたんだから、わかんだろ? …なら、今のうちに終わっとくか?人生の絶頂でぽっくり逝くのとか、最高にロックらしいぜ?(偃月刀で肩を叩きながら、不意にそんな事を口にする) -- タキ
- 顔からしてそれはないわ、悪人面してる奴はいい奴って話もあるけど根っからの悪人やわ。そういうの分かるしな(同じように笑う、その姿だけを見ればただの友人同士の会話にしか見えないだろう)
俺は自分の意思で奪ってた訳と違うからな。命令に忠実に、意味もなく、意思もなく、ただ相手を殺してきただけや そこに悦びは無いし、なんの感情も持ってなかった。せやからまぁ、ここに来てから随分と苦しい気持ちにもなったもんや お前と俺とじゃ人種が違ったっちゅうことやろうな。(偃月刀を目にしても、特に表情を変えずに) それも有りかも分からんな。まぁ、簡単に死ぬつもりも無いが。勝手な言い分やけど、誰も俺が殺してきた奴らはそんな事望んでへんやろうけど ただ必死に生きてくって事が俺の贖罪。せやから殺されてやる訳にはいかんわ …それにお前、俺を殺ったところで満足せえへんやろ。楽しめん殺しをやるとは思えへんわ -- レディング
- どうかな?俺は意地悪いからよ、生きたいって思ってる奴程殺したくなるんだわ…(静かに、放つ殺気が高まっていく)
…何てな、お前の場合生きてた方がきつそうだから手を出す気はねえわ、頼まれたってな。 どうだかな、一線を越えられるって意味じゃ、俺もお前も同じ穴の狢だろ。 ま、過去の罪に怯えて、神経すり減らして生きていくんだな。俺はこれからも面白おかしくやらせてもらうが ああ、こっちに来たくなったら遠慮なくいってくれよ、歓迎するぜ?(意地の悪い笑みを浮かべて) -- タキ
- (奇妙な信頼があるのだろうか、殺気を感じても動じず、身構える事すらしない。それどころか笑みさえ浮かべてタキを見ている)
予想とおりの反応ありがとさん。ま、俺も卒業したらまたドブ浚いを多少はしてやらんといけなくなるしな そうならんようにはしたいけど、お前のとこまで堕ちてく可能性も無いとは言い切れん。 人生波乱万丈過ぎて何度向かうベクトルが変わってるか分からんくらいやしな。多分、お前はずっとこのまま行くんやろ。応援するような事でもないし、したくもない。 せやけどこれだけ言っとくわ。碌な死に方せんやろうけど、それまで必死に生きたれ(不意に近寄ってタキの肩を、傷があることも気にせずにバシバシと叩いてから背を向ける) -- レディング
- 例え死のうが天国も地獄も俺みたいな奴はお断りだろうよ、どうせならそのまま不老不死にでもしてくれるとありがてえんだけどな
波は、じゃあこっちはてめえが同じとこまで堕ちるのを楽しみに待ってるぜ。 (完全な不意打ちだったのか、普段は弱みを見せない男が激痛に偃月刀で体を支えて蹲る) てめえ…今度会う時があったら、万倍にして返してやんよ…それじゃあな、いい人生を…ってか (背を向けたレディングに、意地の悪い笑みを向ける) -- タキ
- 天国だの地獄だのが本当にあるかは分からんけどな。(背中にかけられたタキの言葉に盛大に吹き出して)
あっはははっ…!まさかタキにいい人生を、なんて言われるとはな、本気で死ぬんと違うか俺?(腹を抱えて笑う) (目に涙さえ浮かべて、笑いが収まれば顔だけで振り向いて)顔見れて良かったわ。 最後に、友達の顔は全員見ておきたかったからな。 縁があればまた会う事もあるやろうけど、お前とは二度と会わん方が良いような気もするわ。…じゃあな、タキ。 (そう言うと、すっと闇に紛れ、来た時と同じ、遠ざかる気配すら感じさせずに消えた) -- レディング
- 友達すくねえからよ、是非遊びに来てくれよ(けけけ、と笑いながら)
ああ、んじゃあな。(短く、別れの挨拶を告げると、自身もスラムの暗闇へと溶けるように消えていった、まるでレディングを真似る様に…) -- タキ
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