洋上学園都市/偽りの鐘

  • ◆導  入◆
    工業地帯、廃止部活棟内廃工場。40年ほど前までは操業していたというラインは今や見る影もなく、
    1週間前にあったオートマタ暴走騒動の残骸が残るのみである。
    • 普段であれば、ここも静かなままであったろう。そしてくだんの事件の後も静穏を取り戻していたに違いない。
      だが、またもや事態は急変していた。機械が、機械が、どこからともなく現れ始めたのだ。
      この工場のみならず、各拠点から続々と。学生たちの住まう夜の街へと向けてその歩を進める。


      • (その時、碧色の輝きが闇を照らした。そこに立つのは名もなきヴィジランテ。自尊心と学生たちのために戦う、たった一人のヒーロー)
        …あァ、長々張ってた甲斐ってのがあるもんだ。お前らは統治会とは関係ねえらしいからよ、どうにも動きがつかめなかった。
        でもようやく、今度こそは――徹底的に潰す。容赦は、ねえぞ? -- ヴィジランテ

      • 戦いは始まろうとしていた。しばしの孤軍奮闘、だがいずれ。学園都市を守ろうとする誰かが。
        そう、彼らがここを訪れる。剣を持って、盾を持って、拳を持って、魔法を持って。一人のヒーローを助けるために、アカデミアを守るために、やってくる。
    • ひそひそ石にノイズの乗った通信が混ざる。緊急回線の誤信だろうか? 殆どの学生は箸にも棒にもかからぬ噂話と同様に聞き流した。
      もしくは、気づかぬまま夜の生活を満喫しているに違いない。

      『こちら…ザ…ザザ…風紀警…工業地帯…襲撃事案…ザ…これ以上の封鎖維持は困難、援護を…』
      • それが窮地を知らせる通信だと気づいたのは、ごくわずか。
        まずは奇怪な装備に身を包んだ男である。そして、ややあって魔女。そこから探偵と魂持つ機械人形にも援護の要請が入った。
        気心知れた仲間というよりも、即応できるかどうかを優先したのだろう。ともかく人数はあまりにも少ない。
      • (周囲に風紀警察はいない。自分の権限を持って、彼らには非常線とバリケードの構築に当たらせているのだ)
        (代わりにあるのは、円筒状の機械だったもの。残骸である。スパーク光が暗い夜の工場地区を照らす)
        数が数だけに、束になられると困んなあ。ま、構いやしねえが…(軽口を叩きながら、暴走する警備ロボットの戦線を押しとどめている)
        (誰かが来ることを期待してのことだろうか? いいや、それは彼自身の矜持である。街を守るヒーロー、責任をもって力を振るう者。彼は戦うだろう、たった一人でも) -- ヴィジランテ
      • (――一陣の輝きが、その場に現れる)
        (その腰に機械のベルトを巻いて。)
        (その右手に輝く力を持って。その左手に雷電の力を持って)
        (機関式小型二輪車にて颯爽と現れる。)
        待たせたね!
        (《行動的探偵》が現れた! 颯爽と機関式小型二輪車から飛び降りて!)
        これが……機械の……本当にテロルを行うものがいるとはね。
        学園都市の輝き……平和を乱そうとするものは、僕が、赦しはしない。
        ――《天津雷》!!!
        (ヴィジランテの隣に飛び降りると、機械群目がけて雷電を放つ!) -- レーチェル
      • (瞬く紫電に遅れて、豪風が機械を襲う。さながら雷を伴う嵐(サイクロンエフェクト)のように)
        (漆黒と鈍色の空を見よ。そこにいるのは五大元素を操る魔女である。エーテルを従え、異能とは別の理を繰るものがそこにいる!)
        大した量ですね、本当に。お待たせしました見知らぬ学生さん、助太刀させて頂きます。先輩もよろしくお願いしますね -- アン

      • んもー……。聞いていたこととはいえやっぱりアンさんはまた危ないことにつっこんでー。(物陰から姿を現した権兵衛。飄々とした態度)
        あんまり心配ばっかりかける人はあとでおしりぺんぺんしちゃいますからねぇ?
        (とアンに向けていた視線をヴィジランテに。知った風な顔をして頷いて彼らに合流する。特に構えることもない自然体)
        (挨拶代り、というように空手を振るい警備ロボットを数体、スクラップにした。) -- 権兵衛
      • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst083863.jpg
      • 駆けつけた彼らもある意味、自警学生といえるのだろうか? ああ、その通り。だが彼らは正体を隠すこともなく、堂々と馳せ参じた。
        《白き男》もかくやと言わんばかりの雷霆が、機械の電子回路を焼き切っていく。
        そして、オリエントに言う神風がそれらガラクタを吹き飛ばす。
        とどめに、会釈じみた軽さで放たれた権兵衛の攻撃は撃ち漏らしを破砕機じみて叩きのめす。

        あっという間に、数十の機体が完全に機能停止した。だが、けれども――


      • へへ、助かったぜ。まさか本当に顔出してくれるたぁ、お前らは本当にお人好しだ!(ヘルメット越しに笑うその声は、権兵衛とレーチェルに会いに来た時と変わらず)
        魔女さんもよく来てくれた。だがよお(目の前に視線を向ける。敵機のモノアイは通りの向こうまでぎっしりと光って――)
        まだまだいるらしい。随分減らしたつもりだったが、はは。お前たちと遊びたくて出てきたんじゃねえか? -- ヴィジランテ
      • ……なんという数の多さだ。ここまでの量を用意できるものなのか……?
        あたりまえさ、僕は《行動的探偵》だ。学園都市の平和を守るのが、仕事だ。
        まだまだ出てくるのなら――打ち倒すだけだ!!
        (輝く光の剣が右手より出現する。それにて機械群の中につっこみ、ばったばったと機械どもを切り捨てていく!)
        ……来るなら来い。僕だけじゃない。アン君も権兵衛君もいるんだ! 負ける要素がないね? -- レーチェル
      • おしりぺんぺんって、あら? それってセクハラじゃないかしら(権兵衛の言を受けて、魔女は笑った。目の前で輝く探偵に目を細め)
        ともかく。ええ、負ける気はしない。少なくともここにあるあれらには――でも、やっぱり数が多いのは認めなきゃいけない。
        さすがにこの人数で食い止めるには難しいでしょうね。だから、《数式領域・限定展開》――
        (非常線の内側が、半球形に縁取られていく。紫の世界とは違って、現実は必要最低限にだけ侵食され)
        …魔女だものね、このくらいはしてあげる。これで誰も彼もが暴れ放題、今回の黒幕も出てこざるをえない…でしょう? ふふ -- アン
      • あの人たち、数で押せばいいと思っている節ありますよね。あと、私はお人好しではなく、友人が危険にさらされているのを見ているだけなのは我慢できないだけですよ
        (と、果敢に敵へと駆けていくレーチェルへと口笛を吹く。素晴らしい戦闘能力だ、予想外かつ、とても頼もしい仲間。)
        (空間が変わるのを感じた。アンヘリカへと視線を送って。なるほど……これなら思う存分暴れても大丈夫だ。被害は気にしなくていい)
        (自分も、かの大群へと身を投げ込んで、レーチェルの死角から襲いかかろうとするその機械を殴り飛ばした)
        レーチェルさん、あまり無理はなさらぬよう。花咲く乙女の肌に傷でもついたら大変ですよぉ?
        (と、軽口を叩きながら、瞬く間に拳と蹴りを叩き込む。一体ロボを掴んではぶん投げて迫り来る敵の出足をくじき、そのまま権兵衛は突進する)
        (体を回転させ、その勢いを削がぬまま体重を乗せた連撃を放つ。その様は小さな竜巻! 鉄くずが瞬く間に量産される!) -- 権兵衛
      • 風が、稲妻が、疾風の徒手空拳が唸りをあげた。そうして前へ前へと押し込んでいくうちに重装備のロボットたちと遭遇する。
        後衛と思しきそれらは対人連射銃のみならず、大口径の対物砲やミサイルランチャーまで据え付けていた。ギリギリで避けようものなら巻き込まれて大怪我をする。盾を探しながら相手すべきか。
        前衛に配置されたロボットは近距離戦用のテーザーガンとチェーンソー、そしてタワーシールドを目の前に置いて陣形を保持している。援護なしに突っ込めば、いずれかの武器の餌食になりかねない。
        だがしかし、これだけ厳重な警備だ。彼らの主人はこの先にいるのかもしれない。あなたたちは急いで行動すべきだろう。


      • 伊達じゃねえな、魔女ってのも(明らかに人離れした助っ人たちに苦笑しつつ、碧色のカードを手にした)
        うし、俺が真っ向切って埓を開けっからお前たち後ろから援護頼むわ!(どうにも気が逸るタイプらしく、銃口の待つ敵へと駆け出す。ベルトのバックルに手にしたカードを差し込んで)
        『碧色石片起動・大打撃』(機械音声と同時に踏み込む。勢いのついた後ろ回し蹴りが、前衛に立ちふさがるロボットたちを盾ごと弾き飛ばした)
        (まるでボーリングのピンのごとく弾き飛ばされたそれらは、碧色の光に包まれて爆発する) 今だ、行けェ! -- ヴィジランテ
      • 数式領域……! 成程、これならばいい。被害を抑えられるか!

        (目の前には重装備の機械兵が控えていた!)こんなものまで用意するとは――敵はどうやら、学園都市に深くかかわっている人間かもしれない。
        委員会の委員長で、あるとか。
        問題ないよ権兵衛君、僕は行動的探偵だ。乙女という柄ではないのでね!
        碧色石片……!?(錬金術で重要な役割を果たす緑の石めいた響きを聞いて驚きながら、立ちふさがるロボット兵を盾ごと弾き飛ばすヴィジランテの後に続く)
        ――行くぞ!
        (右手を伸ばす――)
        背後から光り輝く騎士めいたものが姿を現した
        輝きたる君、我が《奇械》ガクツチ、僕は、君にこう言おう。
        「流星のごとく、砕け」

        (背後に現れた光り輝くものが機械兵の中に飛び込む。レーチェルも同時に飛び出し、ガクツチとともに、光の力により、機械兵たちを圧壊していく!) -- レーチェル
      • 先輩に負けず劣らずの鉄砲玉、さすがはマスクドヒーローというか…
        (圧倒的である。敵の火器が幾度と無く閃いているにもかかわらず、それを意にも介さず進む二人を眺めながら)
        でも、それ。さすがに当たると痛いでしょう(銃弾とミサイルを異能で無力化していく。落下したそれらは、発射した彼ら自身を襲う。因果応報であった) -- アン
      • (3人に続き、権兵衛は奔る。あの巨大な騎士が振るう力はなんとも頼もしい。瞬く間に一筋の道が切り開かれるのをみて感嘆の息を漏らす)
        (騎士が取りこぼした敵はヴィジランテが屠り、道を確かにする。そして範囲外の敵からの攻撃はアンヘリカが無力化する。であれば自分は補助へと回るべきだろう)
        (皆の駆ける速度にあわせるように、権兵衛は殿を務める。機動性の高い自分こそができる役割。4人は見事なコンビネーションでその場を突っ切っていく!) -- 権兵衛
      • 如何に強靭な装甲を誇ろうとも、如何に強力な火器があろうとも、彼らの連携の前にそれは無意味であった。仮に価値があったとすれば――
        本拠地への道筋を示したことと、ささやかな時間稼ぎになったことくらいである。

        スクラップの山を築きながら進んでいくうちに、あなた達はひとつの廃工場にたどり着く。錆びついた工廠のその奥を覗くとそこには――入口があった。
      • 目星は付けてたが、なるほどやっぱりここが奴さんらの根城だったか…(碧色に輝く右腕で頭を掻いて)
        …おーし、まあともかくよくついてきた! こっから後はお前たちに任せたぜ、俺は落穂拾いと風紀の連中への根回しに周ってくらあ。
        魔女さんもよ、数式領域の範囲は上じゃなくて「向こう側」に絞ってくれて構わねえよ。そうでもしなきゃ持たねえだろ?
        それじゃあ、また後で。自己紹介は事態が片付いてからってことで頼むわ(一方的に言って、走りだす。常人のそれとは比較にもならないスピードで暗闇に消えていった) -- ヴィジランテ
      • 別れるということか――
        (突き進んでいった先はひとつの廃工場。奥を覗けばどうにも入口があった。)
        ……ここに、この事件の首謀者がいるのか。
        待ってくれたまえ、君は――!(しかし話を聞かないままに男は走り去る。)
        ……とにかく、だ。今はこの奥に進み、この事件を解決させるのみだ。 -- レーチェル
      • (曖昧な境界線を維持するような数式領域は、存外に精神力を食う。そういった点で気を使ってくれたのか…どうにも判じかねたが)
        …話を聞くのは、後にしておきましょうか。さあ(箒から降りて扉へと向かう。地下に続いているのか、湿った空気の臭い)
        行きましょう、権ちゃん、先輩。 -- アン
      • (後ろを守っていた権兵衛と入れ替わるように、ヴィジランテは出て行く。権兵衛は彼に声をかけそこねた)
        ……まったく、自分から頼んでおいて勝手なんですから。(とため息を吐いた。前衛の彼がいなくなった分、自分が気張らないといけない)
        そうですね、アンさん、レーチェルさん。文句はひとまず飲み込んで、不満は突き進んだ先のナニガシさんにぶつけちゃいましょう
        (と、階段を下りていく。地獄の底へとつながっている、そう勘違いさせるような生暖かい風が頬をなでた) -- 権兵衛
      • 扉の向こうは案の定、階段に続いていた。
        普段は閉鎖されている理系部活専用の研究棟…であった場所だと、散乱した資料から確認できる。
        周囲を見渡せば、機械やバイオテクノロジーの残滓と思われる装置が埃をかぶったまま放置されていた。
        無機質なコンクリートとリノリウムの廊下と階段を幾度か下っていくうちに、大仰な機械の門扉…の残骸に行き当たる。
        どうやら本拠地に近づきつつあるようだ。
      • (地下へと降りていく。どうにもかつての理科系部活の研究施設であったようだ。)
        ……中々に高度なことをやっていたらしいが……。
        (二人とともに奥に進む。すると、大仰な機械の門の残骸を見つけた。)
        ……どうにも近いようだ。二人とも、より警戒を高めるんだ。 -- レーチェル
      • 碩学に随分と近い…でも、そこまでは至れなかった。そんな感じですね(かつかつと進んでいく。生物兵器に関する書籍や文書がやに目についたが)
        それにしても二人共、本当に逞しくなりましたね。特に先輩、いつの間にそんな装備を?(暗い雰囲気に飲まれぬよう、努めて明るく振る舞う) -- アン
      • (意識を研ぎ澄まし、警戒を怠らず。ただ、口調はいつものように軽く)んー。誰かが壊したんでしょうか、これ。
        あ、私ですか? 私は守るべき姫が二人も居れば、まえよりも一層頑張らないといけない、そういうわけですよ(と笑う)
        ですが確かにレーチェルさんには驚かされます。その力、凄まじいの一言。(と、歩きながらもアンヘリカに同意した) -- 権兵衛
      • 生物兵器……隠蔽の跡か?(目に入る情報は何やら物騒なものが多かった。)確かにそうだね、この学園都市は多くの碩学を輩出していると聞くけれど……。
        そうなれなかったものたちも、いるというわけだ。(碩学となるならば、科学的思考は絶対だ。それが徹底できていなかったのか、もしくは――)
        ハハハ、逞しくなんて。これは機械帯、マシンベルトと言ってね……一時期、僕は黄金瞳も異能も使えなかったんだけど。
        そのとき、戦うために、この碩学機械を貰ったんだ。思弁実践的探偵部のロジャー君からね。
        これにて僕は「変身」して戦うことができるようになったんだ。
        ……姫。僕もそれに入るのかい。なんだか照れるね。
        あれは僕の異能でね……輝くものだ。現実を捻じ曲げる力だ。それと、マシンベルトが加われば、百人力というわけだ。 -- レーチェル
      • 敵の姿は見えない。みな外に出払ってしまっているのか、空の充電コンソールだけが大量に並んでいるだけ。
        だが、暫く進むうちに地下空間特有のそれとは違う、鼻の曲がるような生臭いにおいが漂ってきた。腐敗臭と、薬品の入り混じった強烈な臭気。
        長々とここにとどまるのは得策ではないと考えたあなた達は、奥へと急ぐ。


      • 束の間の安息というには些か短すぎる会話を終えた頃、広いホール状の部屋へと行き着いた。
        地下空間には不釣り合いなコロッセウムじみた場所である。
        暗さに慣れた目を凝らせば、大型獣の骨や壊れた重火器と碩学兵器が転がっているのが見えるだろう。
        そして、出口に立ちふさがる巨体――例えるなら神話に出てくるケルベロスのような――がそこにあるのに気づく。それは、明らかに明確な殺意を向けていた。
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      • …ッ!(臭気に顔をしかめた。だがそれ以上に――目の前にいるそれは、あまりにも禍々しく)
        …碩学のなりそこないがこれだって言うのなら、それでしょうとも。こんな、恐ろしいものはカダスにだっていない――みんな、構えて。 -- アン
      • (臭気を避け、たどり着いたのは広いホール。そして、目の前にいたのは……巨体。地獄の門番のような。)
        ……ふるきもの、ではないか。
        たとえどんな怪異でも機械でも僕たちは止められまい。
        ――行くぞ!(バリツの構えを取る。東洋の武術めいたそれにて、敵を打ち倒すための構え!) -- レーチェル
      • なるほど…いわゆる番犬、というやつでしょうか? 例に漏れず友好的ではないようですけれど…
        (その大きな体躯から発せられる殺意に、権兵衛は備える。大きな犬とのじゃれあいにつくづく縁があるものだ、と心の中でごちて)
        (すぐにでも行動を起こせるように、しなやかに構え。視線でアンヘリカへと答えた) -- 権兵衛
  • -- 2013-05-22 (水) 02:03:21
  • 世界は揺れ動く。数式領域の紫の空が砕け散る。

    ――数式領域収束 -- 2013-05-17 (金) 02:42:39
    • 巨躯の狼はいない。あるのは瀕死のジークハルトと、佇む権兵衛と、仰向けで空を見るアンヘリカだけ。 -- 2013-05-17 (金) 02:44:07
      • (全身の骨と筋が軋んでいる。満身創痍ではあるが、どうにか生きていることを確かめる。全ては友人のおかげだ)
        それにしても、質の悪い。本物ならもうちょっと…いえ。本物なんてない方がいい、そっちのほうがどれだけいいか
        (箒に体を預け、ボロボロの体に鞭打って3人を引っ張り上げた) …さて、権ちゃんが起きたらどこから説明したものか。っていうか重っ… -- アン 2013-05-17 (金) 02:48:49
      • 一つの試練は終わった。だが、神話にもあるように一つの試練の終わりは次の試練の始まりに過ぎぬ。
        ともあれ、彼女たちは勝利を得た。そして、一人の青年は己の所業を改めて知ることで自分が何かに操られていたことに気づく。それはまた、別の話なのだが
        -- 2013-05-17 (金) 02:50:48
  • 世界は揺れ動く。 -- 2013-05-14 (火) 23:43:23
  • 男は片手を天に突き出していた。高らかに、遥けき鈍色の空へ。
    この場所にない『何か』を呼ぶように!

    かたちのないものを紡ぐように、
    形のあるものを解すように、
    周囲の全てを歪める、言の葉を、放つ!

    数式領域(クラッキングフィールド)展開!

    声に応じて、周囲が、歪む。蜃気楼のように、それでいてこの世の理を全て覆していくような。


    ――数式領域展開
    (紫の世界が満ちる。果てはあるが、その向こうに何があるのかはわからないような紫が)

    ――数式領域構築
    (尖塔が、異形の構築物が不確かな地面を突き破って次々と現出する)

    ――数式領域顕現
    (不確かな世界は確かにそこに現れた。眩暈のするような異様な世界こそが、今は現実)

    数式領域の維持を開始

    制限時間内に目標を破壊せよ
    お前の願いは果たされる
    -- 2013-05-14 (火) 23:45:44
  • (歪みだらけの世界に立ち、魔女は紫の空を睨んだ。そして、隣に立つ権兵衛を見てニヤリと笑う)
    …どうなることかと思ったけど、ええ、これなら。戦士ではない私にも。 -- アン 2013-05-14 (火) 23:50:12
  • 威容を誇る歯車がぎしぎしと音を立てる。中央に聳える機械柱は一触即発の彼らを見下ろしていた。
    デッドコピーゆえに鳴り響く不協和音のなか、現象数式(クラッキングエフェクト)によって形作られてゆく、歪みの地。
    世界の間隙に生まれた、空間ならざる空間。世界ならざる世界。
    本来であれば、黄金瞳を持たぬ存在は立ち入れぬ選ばれし者だけの異次元。
    (歯車だらけの大地に立つ男が叫ぶ、おのが願いを、欲望を)我が願いは人を人たらしめる軛、理性を破壊する異能をこの身に宿すこと――
    成就されねばならん、人間がこれ以上、神の領域を侵し神に成り代わろうとするのならば、我が悲願は成就されねばならんのだ!

    (ジークハルトは今更に、この血闘の場に招かれざるものがいることに気づく。しかし、気づいてどうなろう。不自然の中に不自然が更に生じたからとて、何をどうすることができよう)
    故に贄よ! 《鐘》に見初められし者と、そして…その眷属よ!
    我が爪牙のもとに散り、新たなる世界の礎となるがいい! &br
    ――我が魂の《黄金》に掛けて、クロイツ式《回路》の起動を開始する。
    現在時刻を記録せよ、大時計!
    http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst083530.jpg
    中央にある機械柱が変容する。鐘楼付きの時計塔のように、いやずばりそのものか。
    唯一違うのはその忌々しい色。黒、黒、黒。ゴシック趣味を拗らせたような飾り気のない黒。
    針は動き始めた。チク・タク、チク・タク、歪みも淀みもなく。
    願いを食うそれは、意識無意識の区別なしに「何か」を誘う。

    …統治会が一人、我が名はジークハルト・ザイン。
    今や血闘の領域を、我が魂の願いが染め上げる…-- ジークハルト 2013-05-14 (火) 23:53:51
  • 魔女たるこの身とその朋友が、あなたの輝きにかけて応えましょう(紡ぐ言葉は少なく、けれど勝機に満ちた瞳で)
    さあ、権ちゃん。今夜はあなたが私のナイト、答えてくれるでしょう?
    (異様な空間において、普段と変わらぬ笑みを友に向けた。それは彼に対する信用とか信頼とかいうものの前に、彼女の本質である魔性を示していた) -- アン 2013-05-15 (水) 00:04:41
  • ジークハルトは佇んでいた。時間制限があるにもかかわらず、悠然と。まるで二人の出方を待つかのように。
    あなたたちはすぐに攻撃に移ることができるだろう。無論、彼が作った空間である以上罠の可能性もあるのだが。
    -- 2013-05-15 (水) 00:06:26
  • (異質な空間に飛ばされ、突き刺さる悪意と、混沌とした状況。確かなものは自分の体と、隣にいるアンヘリカのみ。なに、それだけあれば十分。権兵衛は深く頷く)
    お姫様のご希望とあれば、ボクは誰よりも凛々しく戦場を駆ける騎士となりましょう。(と、恭しくお辞儀をすると、左手を借りてすかさず、その甲へと口づけを)
    それでは参りましょうお姫様。(ウィンクを一つ。地面を蹴って勇ましく前へと突き進んでいく。先頭を駆ける誉れを受ける騎士が如く。ただまっすぐに)
    (権兵衛は信頼していた。その先に罠が待ち受けていようとも、きっとアンヘリカが助けてくれる。自分はただ一つの剣、それでいいはずだ) -- 権兵衛 2013-05-15 (水) 00:18:04
  • あら(と、柄にもなく照れてはみるものの。数式領域の中ではいまいち冴えず)
    巻き込んでしまったけど、そう。こういうのも悪くないでしょう(姫にしてはじゃじゃ馬すぎる器量、箒に腰掛けて、権兵衛を追う) -- アン 2013-05-15 (水) 00:24:14
  • ハアアアアアアア!!!!!
    (かける勢いのまま、くるりと回転の力も加え後ろ回し蹴り。すかさず右拳を叩き込む。左拳、右拳、左回し蹴り、と瞬く間もなく放つ)
    (権兵衛は空手を使うが、反復練習をしない。なぜならその機械の体は最適の公式を知っているからだ。最短、最大効率の攻撃を理解している)

    左拳、右拳、左蹴、右拳、右蹴、左拳右拳左拳右蹴左蹴右拳左蹴右拳左拳拳拳拳拳拳蹴蹴拳拳拳蹴拳蹴拳蹴拳拳拳拳拳拳拳!!!!
    (エンジンが温まるように回転が上がっていく、荒れ狂う竜巻のような連続のコンビネーション。そして権兵衛は体をしならせ……)

    覇ァッッ!!!
    (止めとばかりに掌底打ちを放った――) -- 権兵衛 2013-05-15 (水) 00:35:34
  • (打撃の雨というべきか。雨にしては些か強すぎるほどの、乱打。それは精密機械と油圧機器の性能を併せ持つように、一撃一撃が致命傷たる重みと正確さを持っている)
    (手応えはあっただろう。実際、ジークハルトが身に纏っている碩学の粋を究めたパワードスーツは既にずたずただ。内臓も、骨も、無事では済むまい)

    ハ(その上で放たれた掌底。アンヘリカさえ、オリエントに伝わるという奥義・発勁を重ね見るほどの破壊力であった)
    (数式領域の果て、ギリギリのところまで遥か吹き飛ばされる。傍から見れば、潔すぎるほどのワンサイドゲームとしか認識できないだろう)
    (だというに、ズタボロになった男はぐにゃりと立ち上がって、嗤う)

     …それで、なにか変わったか? 「貴様」が「貴様ら」になった程度で、魔女は魔女以上に、パペットはパペット以上になり得たのか?
     …なあ、オートマタ。どうだ? 貴様はその身以上の、人間と同意の存在になれたと思うか。
     …この私を、あって間もない私を悪と認識し、即座に鉄槌を下す貴様が、ヒトと同じ心を持っているという自信はあるか?

     ――まあ、どうでもいいことだ(ぐずぐずの肉体が《変質》する。それは男の異能だった。いかに攻撃を受けようとも、その魂の黄金がある限りは潰えぬ。その上)
    (男の骨格が変質し、筋肉が隆起する。いかにも恐ろしげな音をたてて)
    (みるみるうちに人でなくなってゆく。街を騒がせていた人狼ですらない異形に、巨大な狼のような化け物に変わっていく)
    我が異能、我が力。ジークハルト・ザインは《変質》を呼ぶ
    (それは空を覆い隠すような大異様。威容とも言っていい。その吐息すらも暴風に感じるほどの巨躯が、二人の前に顕現する!) -- ジークハルト 2013-05-15 (水) 00:52:53
  • (予想以上の速度と威力。普段の権兵衛とは全く違うその表情にも見惚れたが、何よりも体術のキレに尋常ならざるものを見た)
    (何故図書館に埋もれているのか、そんな疑問も頭をよぎったが――それよりも) なるほど、ノーガードで立ってたのはやっぱりそれなりの理由があったわけね…。
    (鐘が演算している以上、あの《変質》に割って入るのは難しい。だからこそ見上げる、天衝く狼を。まるで神話に出てくる、フェンリルのようなそれを) -- アン 2013-05-15 (水) 01:03:18
  • さて、我が願いの代行人。黄金瞳の魔女よ。
    今からはこの姿でお相手しよう。二人でいい、私に必要なのはお前だけだ。
    ……取り残される哀れな騎士の操り人形には、しばし、我が異能の一端と戯れていてもらうとしようか。
    何、先ほどの腕をもってすればこれも赤子の手を捻るように片付けられるのだろうが

    (2mはあろうかという前足で、ずんと地を踏む。空間のはざま、無機質が散らばって)
    (《変質》した。それは数多の狼の群れ。鉄と、紫とでできた、大きな狼。それらは残心中の権兵衛へと襲いかかった)

    アンヘリカと権兵衛は分断され、個別の戦闘を余儀なくされる。あなたたちは自分の身を自分で守らなければならない -- ジークハルト 2013-05-15 (水) 01:15:48
  • (その狼達の攻撃をかわすには時間がなく、両腕を重ねることで自身を守った。途端襲い来る爪! ガキン! と無機質同士がぶつかり合う音がその狼の本質を権兵衛に伝えた)
    (人間と対しては重いと評されるその質量も相手にとっては、枯葉の大きさを比べる程度。簡単に権兵衛は吹き飛ばされる)

    ……!!
    (空中で体勢を整え、周りを見て瞬時に状況を判断する。――控えめにみて、地獄。だが、権兵衛は笑った)
    (自分が何故鋼の盾と称されているのか。この可愛らしいわんちゃん達に、教えてあげなければならない)
    (『おいた』をしたペットは例外なく、一匹残らず躾けられる運命にあるのだということを)

    (権兵衛が着地するとすかさず、突進してくる狼の一匹。権兵衛は逆に、地面を強く蹴って前へと駆ける)
    ハアアアアアアアアアアア!!!! (今度は最速、最大効率でなくて良い。なぜなら相手はこの小さな体の攻撃などかわすことのない、大きな的)
    (今度は全身のばねをもって、一撃、一撃を放つ。思いっきり振りかぶって、振りぬく! 思いっきりばねを使って蹴り抜ける!!)
    (トールハンマーを思わせる一撃、一撃をその狼共へお見舞いしていく) -- 権兵衛 2013-05-15 (水) 01:46:38
  • (破砕される。スクラップ工場に集められた廃車のように、一が数多に弾け飛ぶ。狼を形作っていたものが元の瓦礫に還っていく)
    (あの細腕のどこにそんな力が、普段の彼を知るものなら皆口々にそう言うだろう。だが、現に鬼気迫る連撃は雷神の鎚の如く、砕き、砕き、また砕いて)
    (およそ、彼の動きはこの異様な世界に群れる狼を真っ平にするまで止まらぬに違いない)

    (だが、狼は再生する

    (それは砕かれ首だけになりつつも食いつく。腕へ、脚へ、あぎとを埋める。服を引き裂き、肉を裂こうとする!)

    予想以上に、いい。あれは面白い玩具だ、自然に在らざるものだが見ていて飽きぬ
    ――さて、魔女よ。私たちは私たちで楽しむとしようか?

    (一陣の烈風、前足は衝撃波を伴いながら箒からアンヘリカを叩き落とそうとする) -- ジークハルト 2013-05-15 (水) 02:14:35
  • (ごうと迫る前足、そして風。計算以上の重さを伴ってやってくるそれをバレルロールでようよう躱す)
    (煽られ、若干風に吹き戻されつつも魔女たる所以、魔術を顕現させる) 炎よ――
    (一瞬のきらめきと同時に降り注ぐ炎の矢。インドラの矢にも例えられるそれは、巨狼を焦がす)
    (だが、浅い。あまりにも大きすぎる。魔術も異能も遠距離支援型であるアンヘリカには荷が勝ちすぎる相手だ)
    …次、雷(《白い男》にはとてもじゃないけど敵わないけどね、と苦笑しつつ、大雷を1つ2つ、ジークハルト目掛け) -- アン 2013-05-15 (水) 02:29:43
  • (この感じ、前に戦った獣と同じ……! 権兵衛は路地裏での出来事を思い出す。あの時は逃げの一手を使うことが出来たが今回は……)
    (喰らいつく鋼の狼の残骸が、権兵衛をじわりじわりと追い詰める。迎撃し、砕く、迎撃し、砕く、を繰り返すもやはり数の暴力というのはあった)
    (処理し切れなかった分の牙が権兵衛の服を裂き、爪が体を軋ませる。このままでは埒が明かない)

    ……ッア゛ァッ!!!(喰らい付いてきた狼を今度は思いっきりぶん回し、群れて襲いかかろうとする狼の集団へと投げつける)
    (少々強引だったが、ほんの一間、権兵衛は狼共からの距離を、時間を稼ぐことができた)

    仕方ありません、これだけは使いたくはなかったのですけれど……
    (諦めたように呟き、権兵衛は構える。左手を前、右手を腰、足を開いて……一撃必殺を導く、究極の型を。集団で迫り来る狼を塵へと還すにはこの一撃ほか無い)
    (――そして、赤子が啼く)



    轟音。



    (何もかもを吹き飛ばし、その場に残る影は小さな人型一つ。――――残心) -- 権兵衛 2013-05-15 (水) 03:01:28
  • 一匹の獣を殺すなら一発の銃弾があればいい。だが、それだけでは群れた相手には通じまい。
    群れを蹴散らすにはどうするか、殺しても蘇るそれをどうするか)
    自明の理。復活できぬほどの、群れを磨り潰すような、圧倒的な火力(・・・・・・)を以て当たればいいのだ

    土は土に、灰は灰に、塵は塵に帰った。彼らもまた、紫の歪んだ大地に還る。
    権兵衛、あなたは多大な消耗を強いられつつも最終的に狼の群れに打ち勝った。
    -- 2013-05-16 (木) 23:03:30
  • 効かぬとは言わん。だが、魔女よ。それは旱にも俄の雷鳴にも劣る。この数式領域においては、お前など手弱女も同じ
    (巨大狼は口の端から煙めいたため息を漏らす。蹴散らされた狼たちを尻目に、魔女の攻撃を言葉ほどには意にも介さず)
    それに比べてオートマタ、哀れな絡繰人形よ。貴様はよくやる、予想以上に。自然の外にありながら、よくもまあ
    (そう笑いながら、魔女に向けて連続攻撃を仕掛ける。左右互い違いに、丸太のような腕が風を切る) -- ジークハルト 2013-05-16 (木) 23:17:12
  • (さすがに一人では分が悪いか。何せ武闘派ではないから。心の中でぼやきながら、化け物狼の攻撃をすんでのところで躱す)
    (右、左、右、左、振り子時計のように揺れる。衝撃波はアンの体を何度か打ち据えていた)「大きくて速い」、ええ。男の人にとっては若干ながら残念な響きですね?
    (炎も雷も蹴散らされたのなら、次は氷だ。巨大な狼の胴まわり、一定領域の熱エネルギーを黒曜刃に奪い取る)
    絶対零度、これならば。 -- アン 2013-05-16 (木) 23:24:01
  • 権兵衛の奮闘もあってあなたたちは合流した。同時にアンヘリカの絶対零度は巨大狼の体毛を、皮膚を、内臓を凍らせる。
    若干ながら動きが鈍っている。追撃をするのなら今だろう
    -- 2013-05-16 (木) 23:38:51
  • (体がいつもより重く、先ほどの攻撃で消耗を実感したが、アンヘリカがその巨躯の狼と対峙しているのを見れば騎士として駆けつけないわけにはいかない)
    (権兵衛は横合いから狼を思いっきり殴りつけると体を回転、姿勢を整え地面へと着地した)

    (すぐさま、アンヘリカを背に庇うようにして立つ。どれだけ消耗していようとも、意地をはってでも前に立つのが男の子の役目ってものだろう)
    ……お待たせいたしました、お姫様。(と、少しだけ振り向いて微笑を浮かべる) -- 権兵衛 2013-05-16 (木) 23:55:22
  • GRRRRRRRR....(何の脈絡もなく凍りついた体に唸りをあげる。動かないわけではない、彼の異能は変質を呼び、再生するからだ)
    は、は、は。自然に非ざるもの、それは全て排除すべきもの…GRWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW!!!!
    (大咆哮。騎士と姫の前に立ちはだかるのは、巨大な化け物) -- ジークハルト 2013-05-17 (金) 00:20:34
  • 思った以上にお早い到着、さすが騎士様ですね(権兵衛の後ろで箒をホバリングさせながら、そのボロボロの体を見やる)
    …あまり無理はしないでと言いたいけど、ここは少し、気張ってもらえるかしら?
    (火と雷は効かなかったが、異能による内部凍結は効果覿面のようだ。現に、狼は異能が暴走しかけている。アンヘリカの黄金瞳の閃きは、真実を伝える)
    …私があれの動きをどうにか抑えて再生できないようにします。その間に何とか、致命傷を与えて欲しいの。…一撃勝負だけど、いける? -- アン 2013-05-17 (金) 00:39:47
  • もちろん、その言葉を待っていました。(と、力強く答えた。自分もアンヘリカとも消耗はしている。が、権兵衛は感じる。今こここそが勝機だと)
    (アンヘリカの表情が物語る。あの厄介な狼への策がある。自分がこの重いからだ一つでは成し得ない、希望への道筋を示す手段を彼女は持っているのだと)

    (1日2発など打ったことはない。現に今も体のそこかしこが悲鳴を上げている。だが、そんなことは問題ではなかった)
    (意地を張れ! 胸を張れ! 一発だけでいい、実に簡単な作業だ! 権兵衛は自分の頬を両手で叩き、「応!」と気合をいれて、構えた)
    ……いつでもどうぞ、アンさん。なに、朝起きて頑固な寝癖を整えるよりもイージーですよぉー。 -- 権兵衛 2013-05-17 (金) 01:11:00
  • (黄金瞳は真実を如実に伝える。本来ならばジークハルトもそれを発現できていたはずだが、暴走している状態では役に立たぬ)GRR...GRRRRR....
    存分に謀り、ほくそ笑むがいい黄金瞳。所詮貴様は狂言回しに過ぎぬ。繰る言葉が尽きればただの人、一人では何もできぬ道化(地面を蹴る。狼は弾丸のようにアンヘリカへと突き進む)
    (唯一つ、普通の弾丸と違うのはその弾道が直線的ではないこと。言うなら、空を駆け地を這うような無茶苦茶な機動だ)
    我が理想のために潰えよ! 潰えよ! 糧となれ!(人間であろうが、機械であろうが、魔女であろうが。視認するのも難しいほどの速度) -- ジークハルト 2013-05-17 (金) 01:23:24
  • ふふ寝癖かあ …ごめんね(巻き込んだことに対する謝罪ではない。言うなら、一か八かの博打を強要しなければならない自責からくる後悔からだろうか)
    私が囮になりながら、タイミングを図ります。うまくいったら結果は御覧じろということで(ごうと箒が舞い上がり、魔女は空をかける)

    (魔術を繰る。異形の狼を縛り付ける縄を綯う。概念を練り込んで、巨大な獣を戒めるための特別な縄)
    (異能が発現する。異形の狼を食らう罠。先程のものとは比べ物にならないほどの凍結、狼の血と肉とを全て絶対零度に叩き落とすために黄金瞳が輝く)

    (集中が必要とされる作業。まるで猟犬のように動きまわる狼に対して、箒に施した自動書記による回避は一手どころか十手以上遅れている)
    (迫る獣という弾丸。ここで、鐘の糧になるのだろうか? 否)
    間に合え…
    …間に合え…! 《グレイプニル!》
    (アンヘリカの鼻先に、腥風。暴走する狼の大顎が彼女を弾き飛ばし、箒ごと数式領域の端まで吹き飛ばす)
    (あの巨体から繰り出される体当たりを受けて、吹き飛ぶだけで済むのか? いや、本来ならばそうではあるまい)
    (ジークハルトは、接触よりも速く数多の黒縄によって縛められていたのだ。北欧神話のフェンリルのように、身動きなど全く取れないほどに!)

    (同時に罠が、氷結の世界が発現する。凄まじい勢いで熱が消失し、狼を瀕死の縁へと追いやり――)
    権ちゃん! これをそいつに刺して、それごと殴り飛ばして!(半身をもたげたアンヘリカは、最後の希望を託す。今や膨大なエネルギーの塊となった黒曜の刃を、箒にくくりつけて権兵衛の元へ)
    -- アン 2013-05-17 (金) 01:56:33
  • A..AAAAAAAAA....GAAAAAAAAAAA....AAAAAAAAAAA....(苦しげに叫ぶ。自分の勢いによって、縄が肉と骨とをひしいでいく)
    ガ…ア…魔女、貴様…(まるで肉のだるまのように、地面から20cmほど浮いて停止している。そして、凍てついていた。一撃で砕けるであろうほどに、芯まで) -- ジークハルト 2013-05-17 (金) 02:09:25
  • (囮、という単語に何か言おうと権兵衛に隙が生まれた瞬間に、アンヘリカが狼によって跳ね飛ばされていた。だが彼女は望みをつなぐ)
    (身動きの取れない狼、黒い刃を運んでくる箒を見て権兵衛は迷わない。爆ぜろとばかりに地面を蹴り、その箒を受け取りながらすさまじい速度で狼へと接近する)
    (この刃はアンヘリカの意思。目の前の敵を粉砕せよと、前に進めと、権兵衛を叱咤する。ならば今答えずして何が騎士か、何が剣か!)

    ウオオオオオオオオオオオオ!!!!
    (獣の咆哮をあげ、その黒い刃を狼へと突き刺した。狼は叫び、二つの獣の咆哮は混ざり合う)

    (権兵衛は啼いた。獣のままに。体勢などめちゃくちゃだ、だがそれでも全身全霊を賭しての一撃を。この体がどうなってもいいと、それすらも言語化できず、この、この瞬間だけの一撃を!)



    アンヘリカと権兵衛の、一撃が、狼に。

    (権兵衛はそのまま意識を手放した) -- 権兵衛 2013-05-17 (金) 02:35:15
  • 落第街外れ、腐臭漂う川の側 -- 2013-05-14 (火) 22:03:51
    • (夜間の自然発光現象というのはままあることであり、たいていは科学で説明される。)
      (だが、それはどうだったろうか? 空からの警ら中に視界の下を漂うその燐光は。ゆったりと漂うそれは科学で説明できるものか? 否。それは異変の発端である。)
      (フワフワと、浮遊する。その先には、定期監査の一段とはぐれたと思しき風紀警察の…下っ端か。彼らは異能を持たない。持たずして、起きる犯罪へ立ち向かう勇敢な者たち。)
      (その勇者は背後に迫る窮地に気づいていなかった。異能探知機も支給されていないのだろう、しきりに左右を見渡して。まずい、介入すべきだろうか? 小さな迷いが、再び悲劇の幕を切って落とす。) -- 2013-05-14 (火) 22:07:16
  • 燐光が、警官の体を変容させる。骨と肉とがひしゃげる音、路地裏に響いて。

    深淵は見つめてもよいが、けして見つめ返されてはいけない。その生命を危険に晒したくないというなら、賢しく立ち回り逃げるべきだったのだ。
    だが、あなたはその原則を破って覗き返されてしまった。
    ……数分前まで正義に与していた存在は、理性を失って、こちらへ向かってくる!
    -- 2013-05-14 (火) 22:12:48
  • あれが正体? いや、そんなはずは…あれだけ倒してきたのに、今日に限って何故(誰ともなくつぶやいた。そして首をふると振り払う火の粉は払うのみと言わんばかりに)
    ともかく、その化けの皮…今夜こそ引剥がしますよ。 -- アン 2013-05-14 (火) 22:18:11
  • 狼は牙を剥く。さもあらん、それは狩りをするために鍛えられたもの。爪もまた然り。
    立ち向かうアンヘリカに跳びかかる人狼! 狭隘な袋小路は獣の脚力を存分に活かせる打ってつけの場であった
    爪、爪、爪、蹴り。いかにも速く、そして大味な攻撃が繰り出される。もっとも、大味といえど石畳は抉れ壁は削れる、それほどの威力はあるのだが
    -- 2013-05-14 (火) 22:22:20
  • (跳ねるように、もしくは爆ぜるように、箒に身を委ね相手の立体機動に立ち向かう)
    速い…!(半ば空中戦の体で、黒曜剣を振るった。金属と金属がぶつかり合うような甲高い音を立てて、爪の三連をいなす)
    (だが、それが精一杯。バランスを崩しぐらりと揺れる箒を制御しようとした瞬間、蹴りを左肩に――)
    《力量転移》!(受ける前に、相手の「ポテンシャル」を黒曜剣に吸収する。そのまま、宙に浮く人狼めがけて)
    (彼の蹴りの威力を、そのまま斬撃に乗せて振り下ろした) -- アン 2013-05-14 (火) 22:31:04
  • 「!?」 人狼は、人狼のままであればよかった。手応えのない蹴りに戸惑う中途半端な人臭さが、彼の致命傷となる。
    アンヘリカによる上上段からの一撃は、人狼を強か打ち据えて地上にへと叩き落とした。
    一瞬の間に、静寂が取り戻される。取り戻されたはずである。誰かが通りかかったとか、そういうことがなければ。
    -- 2013-05-14 (火) 22:34:13
  • ……何か騒がしいから覗いてみれば……アンさんー。女の子の夜のお散歩は危ないですよー?
    (夜、いかにも暢気な風に歩いてきたのは権兵衛。いつものように「めっ」とアンヘリカをたしなめる)
    というより、危ないことに突っ込んでる、とも見えますがー?(どういうことですか?と 視線で問う) -- 権兵衛 2013-05-14 (火) 22:42:19
  • (打ち倒した敵を見て、ため息を吐く。最初に覚えた違和感はもうなく、彼もまた少しずつ人へと戻りつつある)
    え? …あら、権ちゃんこんばんは。奇遇ですね(何もなかったかのように笑う、野暮用を済ませたかのように)
    …もしかして見てました? -- アン 2013-05-14 (火) 22:45:21
  • こんばんはー。こんな夜に出会うなんて、ボクとアンさんは運命の赤い糸で結ばれてるのかもしれませんねぇ?
    (と、ばっちりしたで伸びてる元人狼を視界に納めながら笑う。いつもの軽口)も、ち、ろ、ん。みてましたよー
    なかなか熱烈にアタックされてたじゃないですかー。モテモテですねぇ、アンさん。 -- 権兵衛 2013-05-14 (火) 22:50:00
  • 突然現れたストレンジャー、権兵衛。束の間の逢瀬にも似た夜の遭遇に、二人は些か気色ばみながらも安寧を得ただろう。
    だがその安堵も束の間のもの。あなたがこの場を訪れる前から、影からあなたたちを見ていた存在がいるのだ。

    風紀警察にも、魔女にも、そしてオートマタにも気づかれぬよう、密やかに見ていた彼。
    それは、ついに姿を現す。
    -- 2013-05-14 (火) 22:56:06
  • …貴様らであったか、我が同胞を骸に変えて回っていたのは(銀髪の男が、闇から歩み出る)

    まったくもって忌々しい、冒険者の走狗よ。夜は貴様らの時間ではない、獣のための時間だ(左の金と、右の鳶色の瞳で二人を睨め付ける。まるで動物が外敵を威嚇するように) -- 2013-05-14 (火) 23:01:45
  • (首筋の産毛が逆立つような感覚。それはいつからいたのか、声のする方へと顔を向ける) …あなたこそ、私の友達に連なる人たちを随分な目に合わせて。
    でも、こうして出てきたということはついに痺れを切らしたということでしょう?(噂通りの銀髪。そしてその口ぶりと黄金瞳、探偵ならぬ身でも容易に判断がつく)
    ねえ、人狼事件の黒幕さん。確か名前は…ええ、ラジオでは確か統治会構成員の一人、ジークハルト・ザインとか言っていたかしら。
    (権兵衛に目配せする。逃げる余地はない、せめて構えておけと。頼りになる友人へせめてもの気遣いを) -- アン 2013-05-14 (火) 23:07:34
  • (暗闇から覚えのない声が響いた。アンヘリカとともに振り向き、その男を視界へとおさめる。そして目配せに頷いた後、権兵衛は言う)
    なるほど、アンさんのお知り合いでしたか。攻撃的なところが魅力的、ともいえないわけでもなさそうですけれど……
    ですが、あまり素敵なアプローチとは思えませんねぇ。女性を口説くときは牙を隠して、優しく、包み込むように、ですよ。
    (と、この後迫り来るであろう事態に備え、権兵衛は戦闘へと思考を切り替える。す、と構えは空手のそれへ) -- 権兵衛 2013-05-14 (火) 23:17:10
  • (まるで挑発するような言葉を並べる二人に、表情は涼やかに、視線で侮蔑と怒りをぶつける)
    知り合いではない。もっとも互いに焦がれた仲ではあろうがな。たまたま通りかかった絡繰人形(オートマタ)よりは縁深いに違いないさ
    (粘着質にくつくつと笑った) とはいえ、今や無機物にも魔女にも興味はないがね。魔女よ、貴様の言うとおり私は痺れを切らしている。
    今夜この場で貴様の左の黄金瞳を《鐘》に捧げ、我が悲願を成就せんと決意させるほどに。

    わかるだろう、この意味が。黄金瞳を隠し持つ魔女ならば痛いほどに理解できるはずだ!
    ――さあ始めるぞ、《血闘》を。 -- ジークハルト 2013-05-14 (火) 23:30:51
  • (血闘の意味するところを魔女は知っている。だがこの世界、この黄金歴世界において、それは正しく維持し得るのか?)
    (確信がある。それはまともに機能しまい。歪な歯車が全ての流れを淀ませるように。だから、頼もしい友人が介入する「隙」も必ず生じるはず)

    ええ、受けて立ちましょう。輝ける狼よ、10万生徒の上に立つ者の一人よ。私はその呼び声に答えます。 -- アン 2013-05-14 (火) 23:39:39
  • なれば。
    (腕を高く掲げる。まるで救いを求めるかのように、まるで願いを掴み取ろうとするかのように)
    (――世界は、流転する。) -- ジークハルト 2013-05-14 (火) 23:41:31

Last-modified: 2013-06-07 Fri 01:36:22 JST (3984d)