本来の名は『楓(かえで)』といい、実は女。元々『颯』という名は歳の離れた兄のものであった。
しかしその兄も10年ほど前に夭折すると、家の存続のために男として、颯として生きる事を選んだ。
桐生家では本来男が武術を、女が巫術を用いて退魔を行う慣わしがあったため、その双方を使う事が出来る。
そういったこともあって、退魔術に関しては桐生家の中でも類稀な才を持つが、やはり一人だけでは御家再興もままならず、退魔師募集の噂を聞いてやってきた。
桐生家の鬼の呪いとは、世継ぎとなる男子が早世するという呪い。
なので女子である楓にはさしたる影響も無いのだが、月のものを誤魔化すためにその呪いの名を利用している。
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