茫洋の地 †彼の者焦眉の急の場において過日の遺恨を晴らす機会に恵まれたり
されど既に深手の身にして機に臨み変に応ずる事能わず 只目前にて過日の情景と再度見えん ふとした絶望に片膝を屈せし時、怪鳥の鉤爪が彼の者を襲わん 後に見事怪鳥を討ち果たせし者共、彼の者の骸を探すもついに見つからずや 誰ぞ言うたり 「彼の者は天狗也。姿形見えずとも嵐来たればその高笑い響きたり」 一堂納得し森を出でたり されどその後彼の者の姿形ついぞ現れず、幾度の嵐においてもその高笑いついぞ聞こえず ただ静かに松籟の音響かん †最新の7件を表示しています。 コメントページを参照
帳面 †帳面裏 † |