ツァールマン家出身 アーデルベルト・ツァールマン 408965 †〜 依頼中に負傷した子爵は従者の助けにより、事なきを得る。そしてパーティから離れ、その足で…… 〜
……この辺りか。予定を繰り上げたが、この絶好機を逃すワケにはいかん
彼は従者の聖剣を連れ、とある王族護衛のパーティが通りがかる街道脇の森に潜んでいた パーティメンバーの中には子爵の息がかかった者も混ざっている。そう、彼の目的は…… ふふふ……マイヤ、遂に私の悲願を叶える時だ! 私に力を貸してくれ。悪を斬る聖剣の力を!! ……マスター、怪我はともかくとして先程の依頼で貴方は力を使い過ぎました。これ以上は無理です 無理なものか。私にはお前がついている!私の天使、泉の聖剣『マイヤ・ニコラエヴナ』がな! はっはっは!! さぁ皇帝陛下、あなたの時代は終わりを告げる……重税に苦しむ属国もその国民もいなくなり、新たな皇帝が生まれるのだ 私は陛下の血を浴びて汚れ、悪魔に身を落とすだろう……だが、私の意志を次ぐ者が我が国の賢王となる! ……? マイヤは何か違和感を感じていた。それは、失われた記憶の奥底から湧き上がる不吉な水音…… これは……? そう、忘れていた。でも何となく分かってきました…… ? どうしたマイヤ。何をブツブツ言っている? さぁもうすぐ来るぞ。お前も力を貸してくれ アーデルベルトが鞘から剣を抜く……そこにはマイヤ、聖剣の加護が宿り水の魔力が溢れていた。だが マスター、貴方はどうやら「失格」のようです ん? な、何を突然……どうしたのだマイヤ。私の剣はお前の加護によってこんなにも力に満ち溢れているじゃないか! この男は気付いていない。己が既に 溺れてしまっていることに 残念です。せめて私が知っていれば、助言もできたかもしれませんが……ふふっ、おかしいですね。私がこんなことを言うなんて 私、自分では気付いていませんでしたがマスターのことをかなり気に入っていたようです。でも、お別れですね 何を言っているんだ!? お前はまだ、聖剣としての仕事を終えていないじゃないか?まだ、私を助けてもらわねば困……! ずぶっ……ずぶっ…… 溺れた男はようやく気付く。自分の立っている場所が、地面の上ではなく水の上だということに 景色は泉。周囲は霧に囲まれ何も見えず、身体は水に沈んでいく…… さようなら。貴族の従者というのも、それなりに面白かったですよマスター。さて、今月は海に行く予定でした、早く帰らないと どういうことだこれは!? ま、マイヤ!早く私を助けろ!! 私達は契約を交わした筈だ、私に力を貸せェ!! 既に胸元まで沈んでいる男は必死に水上に立つ少女の白い足に縋ろうと手を伸ばす。だがその手は何も掴めない ……マスター。その角度だとそろそろ私の下着が見えるでしょうね。えっち ば、馬鹿者っ!そんなふざけたことを言ってないで早く私を助けろォ!! ぐっ、がっ……!? まるで水底から手が伸び、自分の足を掴まれているような感覚。抵抗は全て水の泡であり、彼には死しか待っていない マスター……貴方は私の力に溺れてしまった。私は泉、沈める力はあっても、水辺から手を出して引き上げることはできません ですから、「残念」だと言ったのです。こうなっては全てが遅い…… おのれマイヤ……貴様、私を騙したのか!糞ッ! 使命を果たせぬまま、私は死ぬのか……おのれェェェェ!!!! 聖剣の少女は水上を悠々と歩いて去っていく……男の怨み声もやがて彼が沈み聞こえなくなり、泉は静かな姿に戻る…… ◇ ふんっ、雑兵ごときに……聖剣の加護を受けた私を止めることはできんよっ!
断末魔を上げて倒れる近衛兵。彼は皇帝を守るための兵士……それを斬るこの貴族はすなわち反体制派ということ マスター、ここにいましたか ここは剣と血が舞う混乱の城内……握るフランベルクの血を払い彼の元に駆け寄ってくるのは薄着の華奢な少女 この戦争画には異彩を放ち過ぎるその純白の服と肌。そして清らか過ぎる蒼い長髪にエメラルドの瞳 マイエンジェル、何故来たのかね? 君の手は私の汚れた革命の血に塗れるべきではない まぁそう言わずに。主の背中を守るのが従者の役目ですから……それに、血は洗い流せばよいかと存じます フッ……相変わらずお前は屁理屈が上手い、ふんッ! 近付いてきた近衛兵に対応し、鍔迫り合い。少女の方も階下から上ってくる増援に水弾を放ち敵を追い払う 来る途中、10人ほど斬ってまいりました。マスターの息がかかった方達も各所で善戦しているようです。このまま迅速に落とすが得策かと そのようだ……なっ! よし、護衛は全て殺した。さぁ皇帝の首を取りに行く!ついてこい我が聖剣!! 了解です、マスター ◇ それは聖剣の少女が幻視した
そう、海……夏も真っ盛りですから、絶対海に行きたいです。マスターの別荘から自分の荷物だけ、迅速に取ってこなくては そこに、私なんていなかったかのように……折角、マスターが私を自由にしてくれるようにしてくれたのですから ……もう、マスターではありませんけどね。それと、せめてあの人がやったことが無駄にならないように手配もしなければ これにて2人の契約は解かれた。子爵の悲願であった革命は彼の同士によってしっかり行われるのだが、それはまた数年後の話…… アーデルベルト・ツァールマン
──黄金暦162年 8月、行方不明── 子爵のいた別荘 †※聖剣の行方 10段評価で 武力7 統率6 内政9 外交4 魅力5 な男 †野心家の貴族。聖剣の力を借りて成り上がろうと目論む(元々父は男爵であったが、現在の彼は子爵)
交友 †※マイヤは良く分からないことを言いますが無害です 主→&color(#696969){}; 剣→&color(#8A2BE2){};
米米アウト † |