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ナムタラ・イービー。 幼少期、この町に住んでいた人間は、大抵は彼女のことを多分、知っている。 だが、交流はほとんどないと言っていいだろう。 彼女は町をいつも徘徊している、汚い服の少女だった。 貧乏で服も替えない、風呂にも入らない。近寄れば臭くて思わず距離を置いてしまう。 そんな境遇の彼女を見かねて誰かが話しかけてみれば、 何かにつけてその人をだまそうとしたり、見下したり、小馬鹿にしたりするのだ。 さらには万引きは常套手段、泥棒なんて当然のようにやる。 当然、そんな少女に人は寄り付かず、彼女はいつも一人だった。 別にそれを悲しむような性格でもなかった。 ある日、そんな彼女はふっと街からいなくなった。 両親が借金を抱え、夜逃げをしたのだ。 その後の行方はようとして知れなかった。 そして今になって、彼女はこの町に舞い戻ってきた。 相変わらず、汚い服の一張羅。 相変わらず、きつい体臭。 相変わらず、人をだます。 彼女の目的はただひたすら生きること。 そのためになら、他人はいくらでも利用してやる――と、 彼女はずっと昔に誓ったのだ。
ラモンの恨みもなんだかモヤモヤしたし、ティナには迷惑かけたし。 なんだか色々テンション下がっちゃったナムタラは、ため息をつくと空を見上げた。 「もー成仏すっか」 光が差し込み、その姿がふわりと浮いて登っていく 彼女はやっと現世から解放される――― どたっ 「痛ぇ!」 落ちた。途中で見事に浮遊力をなくしたナムタラは地べたに尻から落下して呻いた。 するとそこにやってきたのはドクロ顔の男。 「だめよん」 「死神!?おめえなんでここに……」 その男は死神。ナムタラが死んだ直後、ナムタラの願いを聞き届けて悪霊にしてくれた男だ。 「だめだめ。お前はタダで悪霊になれると思ったのか」 「えっ。……まさか……地獄行き?」 「ちがうね。妖怪化決定。」 「ウソ!?」 目を丸くしてナムタラは唖然顔。 「ねずみの霊がお前とふかーくシンクロしちゃったんで、お前はもうねずみ女って妖怪になっちゃったんだよ」 「そんなバカな!?アタシャそんな弱そうな妖怪に……」 「ていうか正直、歯が丈夫で寿命が無い以外は人間並みかそんなもんだなこの妖怪は。」 「なんてこった……」 がっくりとナムタラはうなだれたが、さらに死神は続けた。 「あとそんな妖怪でもちゃんと修行して立派な妖怪にならないといけないんで、妖怪世界に行ってもらう。」 「は?なにそれ。……ていうか修行って何すんだおめえ。」 「学校行くんだよ学校。」 「ええええええええ!!!」 「軽く100年くらい。」 「えええええええええええええええええええええ!!!!!!」 かくしてナムタラは妖怪世界で100年もの間ひたすら面倒な学業を続けさせられた。 おかげでますます面倒嫌いな性格になったが、一応卒業は出来た。 さてもういいだろ、と人間界に戻っては来たが途中で渡し守が言う。 「人間界じゃ数年しか経ってないよ」 「マジで」