ゼーランド家出身 リック 443626 Edit

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辻描かれていた…ありがとうありがとう!
ID:441276
名前:リック
出身家:ゼーランド
年齢:19
性別:
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前職:
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理由:
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状態:
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方針:
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難易度:
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信頼性:
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1アウト:ステータス/戦歴Edit
その他:ステータス/戦歴Edit
過去絵:
テーマソング:Born Legend

何しにきたの? Edit

  • 右腕に呪いもちの
  • 樵少年が
  • 故郷のやつらを見返すために大冒険!
    • の予定

街中でもお宿でも Edit

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この ひどい ふくつうEdit

ん、間違えたか?

&color(#CC0000){わはー!};
お名前:
  • … -- けもの
  • 国策により触手レオタードが支給されました。ピンクのレオタード感覚で着用し、日常的な快楽絶頂をお楽しみください
  • おめでとうございます。男同士でのチンコ見せ合いが自由になる『ちんちんフリーパス』が配られました。相互ちんぽにご活用ください
    • いるかこんなもの!!(ぺちん、と地面にたたきつける)

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ちょっと詳しい解説書 Edit

外見 Edit

  • 赤い髪と日焼けした褐色の肌が特徴的
  • 背丈小さめのちびっこ まだ成長するし! とは本人の弁
    • 実際ちょっと成長してきた
      • 身長はもう170台 立派な青年体格に
  • 右手首から二の腕の中ほどまでに包帯がきつく巻かれている
  • 包帯を隠すために、コートを愛用している
    • 今はあまりコートを使わなくなっている
  • 学園を卒業し、一般冒険者として日々を送る

中身 Edit

  • 子供っぽい
    • 卒業気味
  • 元気いっぱい。冒険以外のときはもっぱら街を走り回っている。まだ興味津々
    • そろそろ落ち着いてきた
      • だいぶ落ち着いてきた 昔からの知り合いが見れば枯れていると錯覚できるレベル
  • ちょっと異性に興味をお持ちなお年頃。
    • こっちも落ち着いてきた。
  • ねばついたもの、とくになめくじはヤバいくらい嫌い。がたがた震えるクラス。
  • 猫舌ぎみ
  • 魔法が使えないらしい
    • 左手のみで道具を使用した場合に限り使用可能に New!
      +  ちょっと深いところ

    秘されることがら Edit

    +  右腕の包帯の内側

メモ帳 Edit

気になること Edit

  • おしゃれとか
  • 魔法が使えない場所はあるのか
  • 学園卒業
  • 有名になるより、大切なこと

住所メモ Edit

  • 一緒に冒険。ドラゴンだった。 -- アトリア
  • 一緒に冒険。天使だった。 -- りっちゃん
  • お隣さん。背が高けー、服がかっこいいー。 -- パルねーちゃん
  • 一緒に冒険。大人になるための秘訣を教わった? お菓子好き -- クロねーちゃん
  • フリップで会話した。嫌われたっぽい。 -- ???
  • 悪魔。羽を触ったりした。なんかおどおどしてる。 -- クラン
  • ぴかぴか光る服を着てる。ひじきをもらった。 -- なー
  • お隣さんでリビングデッド。体は冷たくてさみしがり屋っぽい。 -- ネンネ
  • 初めてこの街でできた男の知り合い。とてつもなく不幸らしい。 - バッドにーちゃん
  • 赤い大きな体。見かけは怖いけどリンゴくれた、しかもうまかった。 - バサラのおっちゃん
  • ひみつけっしゃの一番偉い人っぽい。七人で暮らしてるとか。 - そーとー
  • 浮いている斧使いの魔法使い。なんかおかしくない? - たるたる
  • 魔法使いっぽい。なんか魔法打たれてがれきで頭打った。 - ???
  • シーマ村の住人。俺と同じくらいの年齢? 料理とかうまい。 - クラーニオン
  • 人形みたいにきれいな子。ハンバーグ初めてだったらしい。 - ソーラ
  • 角が生えてたり背後霊がいたり不思議。どうなってるんだろうあの角とか。 - コヌイねーちゃん
  • 学園の同級生。俺より一歳年下の剣使い。 - ジュリオ
  • いわゆるイケメン、かな? オシャレをちょっと教えてもらいたい。 - ニーノにーちゃん
  • 海で会った。お酒好きで歌も好き。歌でお金を稼いでる。 - アイちゃん先輩
  • やっぱり海で会った。魔剣持ちのセレブらしい。 - レオンにーちゃん
    +  もう会えない人たち

内緒話か? Edit

+  断章1


+  断章2


砕け、その運命(乱入歓迎) Edit

再編集

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  • 黄金暦188年12月 〜街の一角、金山羊通りにて〜
    • …うーん(時刻は、正午をわずかに回った頃か。冬の寒い風にさらされつつ、街の大きな通りの中でも活気の落ち着いたほうであるその通りに構える喫茶店の軒先で、青年は背もたれに体を預けながら空を見上げて唸っていた) -- リック
      • 結局何なんだかなあ、これ…(青と白で描かれる空から視線を外し、今度は両手で掲げていたものを見る。杖ほどの長さの棒の片側には、斧のような形の出っ張りがついていた)
        (素材は樹木。見ようによっては枝が何本も寄り集まって作られたように感じられるだろう。黒みがかった茶色が、陽光に照らされて、僅かに光を返している)
        -- リック
      • (…いや、なんとなく、わかってはいるのだ。これが、自分の右腕、呪いの息づいたそれと同じ気配を持っているということは)
        (ならば問題は、どうしてそれが生まれたのか、ということであるが…)
        …うーん(もう一度、唸る。樹木を下して、今度は自分の右手を空にかざした。久しぶりに包帯を巻きつけた、白い右手を)
        -- リック
      • こいつもなー、最近はちょっと…おかしいよな、やっぱり。力が溢れすぎるというか、なんというか…(指を握り込み、開き。意味もなくそれを繰り返しながら、独り言を風に流していく)
        (きっかけは、何だったか。恐らくは、あの雪の降る森での、精霊との一戦だろう、とは思う。あれを、この右手で制したときから、妙に力が駆け巡っているような、そんな感覚を覚えるのだ)
        (気を抜けば、勝手に動き出してしまいそうな、そんな錯覚すら覚えてしまう。左手が、いつの間にか右腕を強くつかんでいることに気づいて、苦笑を零した)
        本当に、そろそろ調べないとだよな。明日は図書館と医者に行くとして…今日はあれだな、久しぶりにりっちゃんところに遊びにいくかねー。
        (おそらくは今日も暇を持て余しているだろう天使の名を口にしつつ、立ち上がろうとする。その瞬間、首筋にちり、と何かが掠めていく感覚を覚えた)
        …!(弾かれたような動きで、青年が通りへと振り返る)
        -- リック
      • (人がまばらに歩いていく昼時の大通り。そこに、一際異彩を放つものが佇んでいる)
        (光を弾き返すのではなく、そのまま吸収していってしまいそうな、深い黒色の全身鎧。鋭角な装飾を目立たせたその鎧騎士は、まるで最初からそこにいたのだとでも言わんばかりの自然さで、そこに身を晒していた)
      • (瞬間、思考が猛烈な速度で回転し始めた)
        (これで三度目か? こんな真昼間に? どうしてここに、俺のところに?)
        (それらの思考が形を成しえるより先に、体が動く。テーブルに立て掛けていた木製の斧剣の握り手を掴むと、それを自らの眼前へと振り上げた)
        -- リック
      • (それが、青年自身の身を守った。目の前へと迫っていた刃を、下から弾き返す。キィン、と金属質の高い音色が、空へ届きそうな勢いで響き渡った) -- 鎧騎士
      • く、ぬ…!(ぶつかり合い、勢いが衰えたおかげで、そこまで体勢は崩れなかった。柄を両手で握り締め、力任せに振り下す) せぇりゃっ!! -- リック
      • (再び、激音。先程の青年と同じような構えで、鎧騎士が振り下しを迎え撃つ。すぐに攻守が入れ替わり、高音が何度も響き渡った)
        (数度の打ち合いの後、お互いに振り下した得物をぶつけ合う。一際大きな激突音が鳴り響いた) -- 鎧騎士
      • (そこで、ようやく周囲がそれに気づいたようだった)
        (まず最初に起きたのは、店から外へと出てきた妙齢の女性の甲高い悲鳴だった)
        (悲鳴が連鎖し、次の悲鳴を呼び、加速していく。人通りの少ない通りではあったが、それでも数十人が慌て惑い、転びながらもその場を離れていく)
      • (それを視界の端で見送りながら、青年は両の腕に力を込め続ける。気を抜けば一気に押し返されそうだった)
        てめえ…! いい加減にしようぜ、何が目的だ…! 俺をやるつもりか!?
        (疑問を投げかけつつ、剣を跳ねあげ身を引く。手近にあった椅子を、鎧騎士の方へと蹴り飛ばした)
        -- リック
      • (疑問に返る言葉はない。あるのは返礼じみた行動のみだ)
        (飛んできた椅子を回避するようにサイドステップを踏む。それと同時に提げていた剣の切っ先を、白いテーブルの下へと潜らせた。次の瞬間、それを跳ねあげる。テーブルが、回転しつつ青年目がけて直線的に飛んだ) -- 鎧騎士
      • (対する青年は、右に剣を提げたまま、採るべき行動を僅かに迷った。相手が、この飛んでくるテーブルの裏でどう来るのか、すぐには予測がつかない)
        (恐らくは次の攻撃が飛んでくるだろう。それは右か、左か、それとも―)
        ―ままよ!(選んだのは、左右のどちらでもなく、真正面だった。唸りをあげて飛んでくる白い机に、持ち上げた樹剣を突き込む。破砕の音を響かせて、テーブルが砕け散った)
        -- リック
      • (テーブルを砕き、しかし勢いを緩めることなく突き出される堅木を、しかし受け止めるものがある。騎士が携えていた剣だ)
        (つまりは、彼も同じ行動を採っていたというころだ。飛来するテーブルに隠れ、そのまま真正面から、遮蔽物ごと相手を貫く)
        (結果として、お互いに攻撃の一手は相殺されることになったが、次の一手は鎧騎士のほうが早かった)
        (まだ破片が舞う中、剣の切っ先を回して、樹木の横腹に添え、そのまま内側へ倒す。樹木を自分の剣の下に敷き、そのまま押さえ込む構え) -- 鎧騎士
      • うおっ…!(致命的になる前に、反応できたのは我ながら上出来だったと思う。剣を手首の動きだけで、即座に上げ、押さえ込みにかかる相手の剣をかち上げる)
        (外側へ流れていきそうになる剣を手放さないように堪えつつ、相手を見据えたまま、数歩を下がった。間合いや体勢の仕切り直しから、今度は自ら打ちかかる。上段からの振り下ろしを、黒い鎧騎士へと見舞い)
        -- リック
      • (はっきりと見えるその挙動に、追従することはたやすい。当然のように、横に構えた剣を盾代わりにして、それを受け止めた)
        (のみならず、そのまま剣を斜めに傾け、受け流そうとする。このままそれを許せば、返す一撃が青年に飛んでくるだろう) -- 鎧騎士
      • く、ぬっ…!(そうはさせまいと、両手に力を込める。そして刃を無理やりに引き戻し、再び叩きつけた)
        (音は一度では止まらない。角度を小刻みに変えた叩きつけが鳴り響き、加速する。小細工もわずかな、力任せの怒涛のチャージ)
        -- リック
      • (それを受ける鎧騎士は、同じように剣の角度を変えて、叩きつけのことごとくを受け止める。そして―)
        (受け止めたその瞬間、騎士が剣を上へ押し上げた。青年の一撃を返し、よろけさせたその上で、そのまま右から左への薙ぎ払いを見舞ってくる) -- 鎧騎士
      • (攻守の入れ替わり。弾かれた樹棒を回し、構え直して、迫る一撃を受け止める)
        (―その直前、背中を震えが駆け上った。何か、致命的なことをやらかした、そんな焦りが、体を勝手に動かしていく)
        (結局青年は一撃を受け止めることを避け、その場をバックステップで飛び退いた)
        -- リック
      • (その青年の胸元を、騎士の剣が掠めていく。いつの間にか、その刃には紅の色彩が宿っていた。空気が焼かれる匂いが、鼻孔をくすぐる気がする)
        (揺らめく炎。それを纏った剣を構え直し、鎧騎士が攻勢に転ずる。下から上へ、斜めの斬り上げを見舞い) -- 鎧騎士
      • くっ…!(その斬撃の鋭さよりも、揺らめく炎が、青年の精神を揺らがせる。身を仰け反らせ、下からの一撃は回避した)
        (が、息を抜くのはまだ早い。翻って上から振り下ろされる二撃目も、さらに下がって回避する)
        (炎の熱が肌を掠めていくことに、身を固くさせる。すり足で動き、必死に回避運動を続けながら、一方で思考は回転を続けていく)
        (繰り出される一撃に、恐怖とは別の、閃きにも似た何かを感じている自分がいる。否、これは得心か。自分にできることを理解した、それゆえの心の動き)
        (途端に、足元がふらついた。砕けたテーブルの破片に、踵が当たる)しまっ…!!
        -- リック
      • (その隙を、騎士が見逃すわけがない。一瞬の振りかぶりの後に、左からの一撃が走った。直線的な炎の刃が、青年の胴を確実に薙ぎ払おうと迫りくる) -- 鎧騎士
      • (体勢を整えるのは、間に合わない。回避などできない。―防ぐしかない!)
        くっ…!(姿勢を崩し、左の膝を地についたまま、自分の右から迫ってくる刃に向けて、上から下へと立てた樹木を置いた。肩でそれを支えながら、右手に意識を集中させる)
        (普段と同じプロセス。違うのは、集中させる力の場所。己の右腕ではなく、その先―)
        -- リック
      • (その思考を断ち切るような勢いで、炎の刃が唸りをあげて迫りくる。些細な障害など意にも介さぬ、それほどまでの燃え盛りを以て、剣は樹木へとぶつかり―爆発した) -- 鎧騎士
      • (焼ける、という感覚は感じなかった。ただ、眩さが酷くて、一瞬だけ瞼を閉じる。手ごたえは、確かに樹木を握る両手に伝わっていた)
        (それ以外に、己に伝わってくるものはないと、そう確信するまでには若干の時間がかかった、はずだ。目を開いて、自分の右を見る。未だ燃え盛る炎と、それと十字架を成す緑の輝きが、視界に映った)
        …はは(知らず、笑みが零れる。やはり、という感覚が、体に染み込んでいくのが、心地いい)
        (剣を受け止めたまま、ゆっくりと膝を上げ、立ち上がる。そして腕に全力を込めて、炎刃を弾き返した)
        -- リック
      • (それに逆らうことなく、鎧騎士が一歩を跳ぶ。重装備とは思えない身軽さで間合いを仕切り直すと、燃え盛る剣の切っ先を提げて、腰を落とした)
        (周囲には、すでに人影はない。遠くで聞こえる声は、自警団か何かを呼ぶものだろうか)
        (だが、いかなる邪魔が入ったとしても、この相手はそうそう止まらないだろう。そう思わせるだけの固い意思が、構えからうかがえた) -- 鎧騎士
      • (対して、流麗な程の淡い翡翠の光を放つ剣斧を眼前に構えながら、青年は息を吐く)
        (得心が、さらに先の高みへと至ったと、彼自身がそう感じ取っていた)
        (記憶が、経験が、次々と脳裏にプレイバックされていく。ぶつけ合った右の拳、輝く剣、偶然とは思えない自分への三度の襲撃。ピースが、つなぎ合わされていく)
        (そして得た結論を、青年は口に上らせた)

        ―お前も、俺と同じなのか…!(“呪い”を得て、人から外れた者なのか)
        -- リック
      • (問いに返るものはない。あるのは、痛烈とも呼べる一撃だけだ)
        (炎に照らされ鈍く輝く鎧騎士は、先までより一層鋭さを増した斬撃を、対峙するものへと放つ―打ち合いが、再開した) -- 鎧騎士
      •  
      • (斬り結び、離れ、打ちかかっては受け流す。歪な舞踏のようなそれを何度繰り返しただろうか)
        (舞踏の変化は、踊り手の二人ではなく、部外者によってもたらされた)
        (通りの向こうから、数人の足音が響いてくる。視線を向ければ、それが具足によるものだとわかるだろう。皆一様に同じ意匠の軽鎧を身に纏っていた)
      • 騎士団か!(その一団の姿に、安堵を覚える。日々騒動が絶えないこの街の治安を司る組織の一角だ。その能力の高さは、少し慣れてきた冒険者ならよく知っている)
        (これで少しは状況も変わるだろうと、そう思いつつ、腰を落として相手を見据える)
        -- リック
      • (その視線を向けられた鎧騎士の行動は、これまでとは打って変わった異質なものだった)
        (剣を提げ、隙のない構えを取ってはいるが、その全身から放たれる気迫が、妙に揺らいでいるように感じられた)
        (それを言葉で表すのなら、焦り、戸惑い、といったようなものになるのだろうか) -- 鎧騎士
      • (これには、さすがに青年も眉をひそめた。何か、見逃してはいけない違和感を覚えたような気がする)
        (とはいえ、どう出ていいものかもすぐには判別できない。そうこうしているうちに、騎士団と思しき集団は、すでに自分たちの側にまで近づいてきていた)
        -- リック
      • (集団のうち、先頭に立っていた男が、さらに一歩前へ進み出る)
        どうも、失礼する。乱闘騒ぎを起こしているという通報を受けてきたが、君たち二人のことで間違いないな?(壮年、と呼んでも差し支えないだろう男が、青年と鎧騎士を交互に見遣りながら、堅い口調で問いかけてくる)
      • (それに対する騎士の返答は、寡黙にして雄弁だった)
        (そちらを見返すこともなく、再び青年に向かって打ちかかる。それも、今までとは質の異なる連続の剣打だ) -- 鎧騎士
      • うお、わ、と、くっ…!(打撃がいきなりに過ぎた。それでもどうにか防ぎ切るのは、戦いに慣れてきた証だろうか)
        (慌てつつも数歩を下がる。押し込まれ、はじき出され、店の敷地の外へ)
        -- リック
      • (そのまま青年を追って動きつつ、騎士が片腕を振る。黒い腕が弧を描き、それを追って紅色の色彩が生まれ出た)
        (それは、天まで届きそうなほどの、燃え盛る炎の壁。騎士団の面々と、彼らを分かつための、火花を散らす大きな壁だった) -- 鎧騎士
      • …へえ…(呟く間にも、四方が焔に遮られる。そこまで広くはない空間の中、青年は鎧騎士と向き合った)
        (これは、つまりは―どうしても、自分とやり合いたいということか。そう感じながら、改めて斧剣を振る。風が、唸りをあげた)
        いいぜ、そっちがそういうつもりなら、こっちもとことん付き合ってやる。今度こそ、返り討ちだ…!
        -- リック
      • (その言葉に刺激されたのかもしれない。鎧騎士が身を屈め、前へと踏み出した。ドン、と大地が震え、空気が音を生む。青年の足元を薙ぐように、低い横振りの一撃が飛ぶ) -- 鎧騎士
      • おっと!(軽く飛び退り、その一撃を回避する。それだけに収まらず、左足を勢いよく落とし、すぐ下を通過しようとしていた剣を踏みつけた。そしてそこから、上段からの振り下しを見舞う。斧の刃が、鎧騎士の兜を叩き斬ろうと迫る) -- リック
      • (対する鎧騎士の行動は迅速だった。彼は即座に剣を手放したのだ。そして空いた両腕を交互に重ね構え、振り下されてきた一撃を受け止めた)
        (一瞬だけ沈み込んだそれを、勢いよく跳ね上げる。そしてその勢いのままに、両手を振り下した。袈裟がけにも似た、肩を狙った双撃だ) -- 鎧騎士
      • がっ…!(重い一撃が、肩を打ち据える。声をあげたところに、さらに掌底をぶち込まれた。顔面を強かに打ち据えられて、再び仰け反る青年)
        このっ…!(反撃とばかりに、再び剣を打ち込む。ただし今度のそれは振り下しではなく、切っ先を寝かせた、突きの一撃だ。引き絞った弦から放たれる一矢のごとく、強烈な勢いで突き込まれたそれが、鎧騎士のバイザーを撃ち抜かんと迫る)
        -- リック
      • (その一撃を、首を傾げて回避する。金属が金属を削る嫌な音を響かせつつ、剣が行き過ぎるのを見送る素振りもなく、そのまま騎士が前へ出る)
        (そして引き戻した右腕を、再び突き出した。金属に覆われた剛腕の一撃が、青年の腹にめり込む) -- 鎧騎士
      • げうっ…!(胃の中のものを吐き出さずに済んだのが異常だと、そう思えるほどの重い打撃。腹を抱えてよろめきながら、数歩を下がった)
        …やっぱり、強え…(掌底を受けたときに切ったのか、唇の端から血が流れていた。それを拭いつつ、悪態じみた言葉を吐く。やはり、目の前の相手は手強い)
        -- リック
      • (空さえも炎に覆われた狭い空間の中、光を宿して鎧騎士が立つ。地に落としていた剣を掴み上げ、大きく回してから構え直した。悠然、という表現が似合う、そんな行動) -- 鎧騎士
      • (ダメージを抜こうと息を整えながらそれを見ているうちに、青年はふと疑問を覚えた)
        (どうして、今この機に攻めあげてこないのだろうか。これほど決定的な隙など、そうあるわけがない)
        (自分を殺すつもりなら、今、攻めてくるべきだというのに―)
        …そうだよな…(自分の思考に、つい頷いてしまう。そうだ、その通りだ。このままならば、自分は確実に、この騎士に敗北する。あれから力を付けたからこそ、感じ取れた力量差)
        -- リック
      • (がしゃり、と鎧騎士が動く。燃え盛る炎を背景に、白と黒の色彩を持って迫るその姿は、言いようのない威圧感と、恐怖を見るものに与えるだろう) -- 鎧騎士
      • (しかし、それを見返す青年に、その影響はわずかだった。まったく感じていないわけではない。だが、それ以上に揺らぐものが、青年の内にある)
        絶対に、勝つ―!!(それは、闘争心、というべきものなのか。それとも別の何かなのか。心の奥深くから沸き起こる熱いものが、青年を身構えさせた)
        (意識を、右腕に集中させる。生半可なものではダメだ。今までよりももっと深く、強く、力を引き出さなければ、あの敵には届かない―!)
        (包帯が消し飛び、翡翠の色に輝く右腕が露わになる。だがそこから、青年はさらに意識を引き絞った)―もっとだ…! もっと、輝けぇぇ!!
        -- リック
      • 《――――》(その瞬間。何かが、青年に応えた、そんな感覚がした)
      • !?(思わず、自身の右腕に視線を走らせる。その青年の視界の中、翡翠色に輝いていた腕の色彩が、急激に変化していく)
        (神秘的なものを宿していた翡翠が、禍々しい程に色濃い闇紫へと摩り替っていき、それに比例するように、青年の意識に靄がかかっていく。何かに覆われ、包まれ、息苦しさを覚える)
        ぐっ…!(力の集中を止めようとするが、間に合わない。膨れ上がった紫の光が青年の身を一瞬で包み込み、体を動かすことを阻む。意識だけではなく、全身すらも何かに包まれていくのを感じるのが、今の青年にできることだった)
        -- リック
      • 《――喰――》(再び、何かが青年に応える。先よりも明確になったそれが、ただでさえ朦朧となりつつある青年の意識を圧迫し、掻き回す。吐き気すら覚えるほどの、窮屈な感覚)
        (一方で、身を包んでいた紫の光が一瞬で晴れる。そこに在るものは、今までの青年の姿からはかけ離れたものだった)
        (闇紫の色彩を持つ、歪な甲冑。表面を走る節くれは、血管のように見える。だが間近で見ることができたなら、それが曲がりくねった樹木の枝だということがわかるだろう)
        (炎の照り返しの中、紫の鎧騎士は赤に閉ざされた天を仰いだ。そして――)
        《Grrrrrrrrrrrr!!》(獣じみた咆哮を、上げた)
      • (その声に応じるように、黒の騎士が動く。地を蹴り、右に握った剣を、勢いよく突き込んだ。僅かに捻りを加えた一撃が、啼き終えて身を前に戻した紫の、その首元を目がけて突き進む) -- 鎧騎士
      • (それに応じる紫の動作は、とても穏やかにさえ見えるものだった。彼は持ち上げた右の腕を、その手に握っていた剣を、無造作に横に払ったのだ)
        (その途端、彼と、迫りくる騎士の間の地面が、めくれ上がる。石畳を突きあげて現れるのは、五本の木の根。ありえないほどの太さと鋭角さを持ったそれが、次の瞬間には黒い騎士の上、五方向から、押しつぶさんとばかりに迫りゆく)
      • (これには鎧騎士も、さすがに前進を諦めた。剣を引き戻して樹木の檻を打ち払い、その包囲から抜けるために飛びのく)
        (だがそれでは終わらない。一瞬にして炎を宿した剣を一閃し、地に突き立った樹木の檻をまとめて切り払い、焼き尽くす) -- 鎧騎士
      • (その、灰になりつつ崩れ落ちる檻を打ち崩す勢いで、炎を越えて紫が打ちかかる。大上段からの一撃を、力任せに黒い騎士へと叩きつけた)
      • (騎士はそれを受け止めず、ステップ一度で回避する。破壊された石畳の破片が鎧にぶつかるのも構わず、一撃を振り下した姿勢のままの紫の鎧の右の腕を目掛けて、剣を振る) -- 鎧騎士
      • (その一撃に、紫は即座に反応。握っていた柄を離し、広げた五指で、迫る刃を掴みとった。ぎゃり、と金属がこすれ合い、刃が掌に当たるが、それだけだ)
        (一方で、支えを失って傾き始める斧剣の柄を、左の手でかっさらう。そのまま右指から刃を解放し、左回りからの遠心力を以て、黒い騎士の右から強襲をぶちかます)
      • (それをそのまま見届けることなく、黒の騎士も身を回して回避に徹する。そして放たれる剣撃は、剣斧に阻まれ、逆に阻み、音を鳴り響かせる)
        (断続的だった激突の音は、次第に連なり、一つの音のように響いていく。止まることのない音の嵐と熱の中、騎士は何度も互いの武具を振り、打ちつけ合った) -- 鎧騎士
      •  
      • (その光景を、青年はおぼろげな視界で見つめていた)
        (視界の端に見える紫の腕は、紛れもなく己のものだ。だというのに、指一本を動かすことすらままならない)
        一体、何が…くそっ!(意識だけで悪態を吐く。その間にも、自分ではない自分が、黒い騎士と激闘を続けていく)
        (剣が振るわれ、阻まれる度に、青年の思考が揺らぐ。否、揺らいでいるのは彼のものではなく、彼の思考を覆っている何かのようだった)
        (苛立ち、怒り、渇望―言葉で表現するならばそういうものになるだろうか。痛みさえ伴う揺さぶりに、意識が飛びそうになる。どうにか耐えるが、焦りが心の内を浸食していくのを止められないのもまた、事実だった)
        どうすりゃいいんだ、どうすりゃ…!
        -- リック
      • (焦燥に駆られる青年の思考に、水を差すものが飛び込む。それは、聞いた覚えのない男の声だった)
        《―よう。なかなか派手にやってるじゃねえか、ハッピーか?》
        (軽口めいた言葉が、ただでさえ意識のみの状態である青年の神経を、逆撫でする)
      • そんなわけあるか! 誰だお前は!?(叫び返す。意識が膨張し、破裂しそうな錯覚すら覚えた)
        (その間にも、炎の檻の中での激闘は続く。石畳はほとんどがめくれあがり、蛇のように蠢く樹木の群れと、それらをことごとく焼き払う三日月めいた炎の閃刃が飛び交う、異能の戦いと化していた)
        -- リック
      • 《だよなあ、やっぱり》(意外にも、声はすんなりと抗議を受け入れた。その上で、それはさらに言葉を紡いでいく)
        《とりあえず、早いとこ止めたほうがいいぜ。このままだとお前さん、二度と目覚めなくなるからな》
      • (その言葉は、すんなりと青年の耳に、頭の中に滑り込んできた。抗議の言葉を思いつくより先に、それが抗いようのない現実だと、心のどこかが認めていた)
        本当に、誰なんだお前は。なんでそこまで言い切れる?
        -- リック
      • 《その詮索も後にしといてもらえるか? こっちも、そんなに余裕があるわけじゃない。このチャンス、逃すわけにはいかねえ》
        (追及を阻む声には、僅かな焦りが見え隠れしている。声の主はさらに言葉をつなげ、青年を促した)
        《いいか、まずは自分を強く持て。自分以外のものにのっとられるということを意識し、拒むんだ。やれるな?》
      • いや、そんな急に言われたってな!?(視界の中では、さらに激闘が続いている。他人事にしか思えないその光景に、しかし彼はだんだんと実感を覚え始めていた)
        (視界の端で振るわれる剣が阻まれる感触が、手指の先から伝わってくる、気がする。これが、のっとられ始めているということなのかと、青年は漠然とながら実感した)
        -- リック
      • 《いっつも右腕でやってるようなのと、ほとんど同じだ…とっ! 意識を集中しろ、全身に力を流し込め、纏わりつくものを振り払え…! くっ!》
        (声の合間に、呼気が響く。それとほぼ同じタイミングで、視界の中の黒騎士が、剣を振り、攻撃を凌いでいることに気づくだろうか)
      • あ、ああ(言われるがままに意識を絞る。散らばりそうになっていたものを掻き集め、全身へと流し込むのを繰り返しながら、視界で捉えたものについても思考を走らせる)
        お前、まさか―!
        -- リック
      • (青年が意思で叫びをあげかけたその瞬間、光景に大きな変化が訪れた)
        (炎の一撃を打ち込む黒い騎士の、その背後から、巨木で造られた槍が迫る。気づいて振り返るが時すでに遅く、騎士はそのまま槍に脇腹を強打された)
        《ぐうっ―!》(苦悶の声が響く。苦しげに息を吐き出しながら、声は青年へと呼びかけた)
        《そろそろこっちも限界だ、仕掛けるぞ! 準備はいいな!?》
      • だから準備ったって何のだよ!?(自分が置いてけぼりにされているような感覚に、焦りがさらに募る。疑問の声をあげつつも、視界に映る黒い騎士が、ゆらりと立ち上がるのを注視した) -- リック
      • 《自分を取り戻す準備に決まってんだろ!》(声が叫ぶと同時、立ち上がった騎士の背から何かが生まれ出た。紅い壁を遮るそれは、帳めいた黒い翼だ。蝙蝠の持つそれと似通った翼で空を叩くと、黒い騎士の身が宙に舞い上がる)
        (そして炎の檻の天井付近で一度その身を留めると、再び翼で空を打った。突き出した右足を下にしながら、黒が急降下する。自分を――青年を目掛けて)
      • (自らに向かって堕ちてくる、一筋の黒い流星を見上げ、闇紫が吼える)
        《Gaaaaaaaaa!!》(その声を合図に、闇紫の足元の石畳がめくれ上がった。極限までしなった樹木の根が、次の瞬間には跳ね上がり、その上に乗っていた騎士を空高く打ち上げる)
        (そして斧を手落とし、自由になった右の手を拳として、勢いよく突き出した。闇色の光を纏った打撃が、黒騎士の蹴りを迎え撃ち、ぶつかり合う)
      • (堕ちるもの、昇るもの。両者の一撃は拮抗する。金属が身を押し付け合い、擦れ合う耳障りな音と、燃え盛る炎の二重奏。だがしかし、それも長くは続かない)
        ――!(呼気を一つ置いて、黒い騎士が新たな動きを見せる。闇を散らして自分を押し上げようとする紫の拳、その先に右足を突き込んだまま、それを軸にして身を回し始めたのだ)
        (錐揉みじみた回転はすぐに高速化し、足先から陽炎が揺らめく。そして、すぐに緋が噴き上がった)
        (黒が、紅を纏う。二色が絡み合い、螺旋となって、宙にたなびく。二色が形作る流星が、紫の生み出す闇を削り、吹き飛ばし、唸りを上げる)
      • (拮抗を破り始めた相手の一撃に、紫の騎士が息を呑む、そんな気配を発する)
        (すぐに左の手も突出し、広げた両手で蹴り脚を受け止めようとする。だが、その判断は遅かった。遅きに過ぎた)
      • (ギィン、と一際大きな高音が響く。紫の騎士が防御のために突き出していた両手が、回転に競り負け、外へと弾き返されていた)
        (時が止まったように感じたのは、ほんの一瞬のことだったろう。次の瞬間には、ガードを外され、がら空きになった闇紫の鎧の、その中央に、紅黒の流星が突き刺さった)
        (そして、それだけでは終わらない。宙にある両者が、荒れた大地へと、一直線に落ちていく。流麗な螺旋を描いていたその姿は、今や紅の一色だ。炎を纏った一撃が、紫をその嘴にとらえたまま、大地へと突き立った。空気が、爆ぜる。爆音が、空気を確かに打ち据えた)
        (その爆音に負けない大音声が、鋭く響いた)《―今だ!》
      • (その声に、背中を押される。引き絞った力を、一気に意識の外へ放出した)
        お、お……おおおおおおッ!!(声を上げる。意識のどこかが、自分のあげるその声を、まるで産声のようだと感じていた。翡翠の輝きが、おぼろげだった全身から溢れ、それを包んでいたものを押しのけていく)
        -- リック
      • (視界を染め上げる翡翠の中に、異彩が一瞬だけ浮かび上がる。それは意識を爆発させる青年を、強く睨み返していた)
        (紫の色彩を持つ、長い体を持ったそれは、大きく顎を開き―そして、翡翠の向こうに消えていった)
      • ――(それに向かって呼びかけることも、できそうにない。己が発しているはずの光を眩く思い、瞳を閉じた)
        (そして次の瞬間、青年の意識は、闇に落ちた)
        -- リック
      •  
      • ……は……(意識が震え、体がそれを受け止める。瞼を開いた青年は、弾かれたように体を起こした) -- リック
      • (視界に映るのは、壊れた街並みと、青白の空。鼻をくすぐるのは、何かが焼け焦げる匂い)
        (それらが、先に繰り広げられていた光景が夢幻ではないのだと、青年の五感に訴えかけていた)
        (そして、その中に映る、黒い鎧姿――)
      • てめっ…!?(その姿を認識した途端、体が動く。…否、正確には動こうとして、失敗した)
        (飛び起きようとして足を滑らせ、そのまま背中を強打する)〜〜ッ!?(声も出せず、その場で右に左に転がり始めた)
        -- リック
      • 《あーあー無茶しやがる。大丈夫かよ?》(その一部始終を見ていた鎧騎士が、首を振りながら言葉を発する。その声音は、先ほど青年の意識に直接語りかけていたものと、まったく同じものだった)
        《無理すんない、しばらくは歩くのも億劫なはずだぜ。肩くらいなら貸すから、な?》(歩み寄りながら、そんなことをのたまう。拒否することも許さず、青年の腕を掴んで起き上がらせた) -- 鎧騎士
      • いてぇ!?(思わず悲鳴を上げる。熱を持った右肩が、激痛を発し続けていた。思わず浮いた涙を悟られないようにと祈りつつ、己の肩を担ぐ黒い騎士を見返す)
        (聞くべきことはいくらでもあるはずなのに、言葉が上手くまとまらない。結局、口にできたのはこの言葉だけだった)…何者なんだ、あんた。
        -- リック
      • 《わかって聞いてるなら時間の無駄だろ?》(笑いさえ含んだ言葉を投げ返して、鎧騎士が歩き出す。遠く、呼び笛の音が響いた方を一瞥して)
        《予想外に張りきっちまったからな、とにかくここから離れないと面倒だ。騎士団が来るまでに終わらせるつもりだったのに、うまくいかないもんだ…》(愚痴めいた言葉を零しつつ、足は建物の間、路地裏へと抜けるルートを選んでいく) -- 鎧騎士
      • …ほんと、後で説明してもらうかんな。散々人の命狙ってきやがって、かと思えばこれかよ…!
        (悪態を告げるのが精いっぱいだ。すでに、意識は二度目のブラックアウトを間近に迎えている。足が動き続けているのは、ただの惰性に近しい)
        -- リック
      • 《わかってるよ、せっかくできた後輩だ。懇切丁寧に説明してやる。この先輩―ヒュルト・ガングリード様が、な》
        (自分の名を告げる。建物の陰に溶け込むように消えていく二人の足音は、すぐに遠ざかり、消えていった――) -- 鎧騎士
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Last-modified: 2012-01-31 Tue 08:46:25 JST (4440d)