クランドール家出身 ラファエラ 384138 †ハハハ、無様だね私。 まさかこんなにも早く終わりが来るだなんて まあ、いいさ。 私はこの四ヶ月で誰よりも人生を享受した たくさんの家族に囲まれて、楽しい毎日の連続で……疲れてしまっていたのかな ああ、君はせめてこんなところで野垂れ死なず、大切な人を護ってくれよ 私に夢を…生きる理由をくれたのは、他でもなく君さ 私は世界一幸せな女なんだ、きっと私の兄弟は皆私の死を悼んでくれる…羨ましいだろう? ……嘘だ、そんなの嬉しくなんかあるもんか 私は……私は もっと皆と一緒に居たいよ 大好きな家族と同じ時間を過ごしたい 思えば、まだ抱きしめてやれていない家族の何と多いことか だけどもう見えないし……腕も動かないんだ 胸はこんなに熱いのに、手は悴む ……死にたくない 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
―――家族の誰かが彼女の荷物を整理している際に、一通の手紙が発見されることだろう 姉さんはもういない †
姉さんのことを忘れないでほしい †
かわいいかわいい私の家族 †
姉さんは生まれてずっと外国で暮らしてたんだ †山間部にある小国だ そこには私の友人が居る…丁度3年ほど前にそちらに帰って来てね 彼は貧困層の出だったけど、とても強い男だった 何でも兵士になるためにどこかで修行を積んできたとか 彼の凄いところは小さい頃に好きだった女の子が私を護ってと彼に言ったらしく その時の約束を果たすため、八年越しの修行や旅を続けて帰って来たらしい! 当時の私は馬鹿馬鹿しい、何でそんなことのために八年もの歳月を費やすのかと問うたさ 彼は何て答えたと思う?「護るべきもののためなら何度転んでも立ち上がれる」 「大切なものがあるから、前を向いて真っ直ぐに進める」 …羨ましかったよ 当時の私には護るべきものなんて何一つなかった それから三年、私は薬学・医学の研究に努めたさ 私はそれほど戦うのが強いわけじゃないから、彼とは別の方法で人を助けられるように それで、国立の医学校3年生の時、こうしてお呼びがかかってこの屋敷に来たわけだけど まさか私にこんなにたくさんの家族が居るだなんて! 私は幼い頃母をなくしてそれからずっと一人のメイドと二人暮らしだったんだ 彼女は一生懸命尽くしてくれた、でもやっぱり寂しさは拭えなくて でも姉さんは本で読んだんだ、家族は互いに相親しみ相助け相譲り協力一致して 理想郷の建設に邁進する素晴らしい存在なんだって! だから私は君たちを全身全霊を尽くして愛そう、君は私が護るべきものなのだから! 姉さんでよければ相談に乗ろうか(コメントアウト) † |