かつて、ザンマ・クリフォという冒険者がいた。
彼は、恋人とともに怪物によって再起不能なほどの重症を負った。
怪物に対し、復讐を誓うザンマだったが、彼には魔術の技術はあれど、怪物を絶滅させるほどの力はとてもなかった。
では、怪物を絶滅させる事が出来るのは―――そう考えた時、導き出されたのは「冒険者達」だった。
ならば、冒険者達の力を底上げすれば、引いては怪物への復讐となるのでは。彼は、そう考えたのだった。
そして生まれたのがこの、魔導機械、Classic-Shadow-System―――通称、C-S-Sである。
いわゆる、仮想戦闘システムである。
使用者の意識を仮想空間にダイブさせ、その仮想空間において構築された仮想敵と闘い、使用者の戦闘技術の底上げをねらった物である。
その最大の特徴は、過去に冒険者として登録していた者を仮想敵としてセットしてあると言う点である。
その冒険者にまつわるデータは勿論のこと、大地に刻まれたその人の人生の記憶をもインストールしてあるため、その再現度はほぼ完璧に近い。
ちなみに、その冒険者の選択はザンマの独断によるものである。
基準としては、ザンマの魔力タイプに近い性質を持つ冒険者。
人口魔力とザンマの魔力によって動かすものであるため、そのほうがインストールがしやすいからであるという。
あくまで仮想空間における闘いであるため、負傷や生死が使用者に実際に適用されるわけではない。
しかしながら、精神的負担はかかるため、負担の具合によっては現実に影響を与えかねない可能性は否定できないため、注意が必要である。
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