《 バ ル バ ラ ン ド 協 定 連 盟 》
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

領土
 
 
 

大協定と呼ばれる緩やかな盟約によって結ばれた北方民たちの国。
北方の厳寒な森林、山岳地帯を主に領土としている。
彼らのコミュニティは国というには少々語弊がある。
実際は複数の部族の連合体からなる同盟のようなもので、
同時に彼らは彼らでそれぞれが別の部族として独立しているという強い自覚をもっている。
そのため、協定連盟という名称は外部の人間が
暫定的に彼らの集合体を国として扱うためにつけた名前であり、
此の土地に住む者達はただ単に自分たちの土地を
『 バルバランド 』と呼び、自らの事は「バルバラの民」と呼ぶ。
 

胎内洞窟といわれる巨大な洞窟の地下都市を暫定首都として持ち、
統一王朝時代は鉄の主産地として栄えた。
現代でもその面影は色濃く残っている。
竜害やモンスター災害が多い地であり、あまり人が住むには適していない土地ともいえる。
 
 
 

大地の胎へと至る道は、永きに渡り自らの熱持つ血によって閉ざされていた。
そこには最初のエルフの長が住んでおりバルバラの民は彼女を目指しついに胎内へと至った。
氷の吐息が吹雪く中、胎内洞窟はただ静かに全ての同胞を癒しつづける……
 
 
 
 

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                                《 胎 内 洞 窟 》  
 
 
 

また、実は現在地図上に表示されているバルバランド南部の領土はかつて、
ローディア連合王国とバルバランドの間に存在した軍事国家、ブリガンディア王国の領土であった。
ブリガンディア王国の再三に渡る侵略の結果、
バルバランドの地は荒らしつくされ、バルバランドと呼ばれる土地が
地図と歴史から消失してしまうのは時間の問題かと思われていた。
しかし、ブリガンディア王国の騎士団が
かつての大長であったエルフを殺害してしまったことで状況は一変する。
首領を倒され、降伏するかと思いきや、
逆にその凶行に怒り狂ったバルバラの民はほぼ全員がバーサーカーと化し、
まるで津波の如くブリガンディアを飲み込み、遍く全てを破壊しつくした。
こうしてバルバランドは現代の広い領土を持つに至り、
他国からも国として認められるまでの規模となったのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

産業
 
 
 

厳寒な森林、山岳地方であるため、農耕に適さず、食産は原始的な狩猟や小規模農業に頼っている。
また、痩せた土地であるため、安定して収穫できる農作物は芋類くらいしかない。
林業も行ってはいるが、産業といえるレベルのものではない。
基本的にそれぞれの部族がそれぞれの特徴的な産業を持ち、それらの成果物を細々と輸出している程度である。
 

しかし、そんなバルバランドでも殆どの部族が手をつけている産業で、
唯一大規模産業として成り立っている一大産業が存在する。
それが鉄鋼業及びそれらの採掘業であり、バルバランドは西側の鉄産業を一手に担う巨大鉱床なのである。
多くの鉱山からは殆ど鉱石や宝石などしかとれないが、
代わりに非常に質がよく、その関係からドワーフ達による製鉄、鍛冶などが主産業である。
彼らの作り上げる鉄製品は西側では最高峰の技術で作り上げられた逸品であり、
様々な国がそれぞれ別の部族に鉄製品の生産を注文し、その見返りとして食料支援か貴金属による支払いなどを行っている。
特産品であるミスリル合金は彼らしか製法を知らない秘伝の合金であり、
美しい白銀色を持ちながら鋼鉄以上の硬度を誇る脅威の金属である。
 

また、一般的に西で扱われている魔術とは一風変わった呪術を扱う。
彼らの魔術は歌や舞と共に行使され、それらは呪歌、呪舞と呼ばれる。
特にエルフ達がその行使に長けており、
一部の秘伝は高位のエルフ達にしか伝えられていない。
呪歌や呪舞の効果は部族によって区々だが、
主に何処の部族でも伝えられ、よく使われている術は下記のものである。即ち。
新陳代謝を驚異的なまでに加速し、瞬時に裂傷、断裂を治癒するヒーリング。
筋力や反射神経を一時的に強化し、高い白兵戦能力を付加するエンチャント。
そして、痛覚や恐怖を麻痺させることで戦士達を超人化させるバーサークである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

歴史・文化
 
 
 

専門主義の強い国柄であり、種族ごとにすることがほぼ完全に大別されている。
産業にあたる製鉄・鍛冶・採掘は大地や石の扱いに長けるドワーフ。
施政は不老長寿で高い魔力と知性を持ち、見目も美しく偶像としての役割を果たすエルフ。
そして軍事はこの世界で最も獰猛で最も好戦的な種族である人間が司っている。
 

なので、種族の専門性から逸脱したことをしていると不当な差別を受けてしまう。
たとえば、ドワーフが学者などをバルバランドでしていると、
『 似合わないことをしている 』 と馬鹿にされるのである。
 

また、自然環境の厳しいこの土地では
子を成す女性の存在が非常に持て囃されるため、女尊男卑の文化が根付いている。
家を守るのは女性であり、外敵を打ち払うのは男性である……と、
ここでも国柄独特の専門主義が垣間見えている。
そのため、施政も主に見目麗しく理知的なエルフの女性達によって取り仕切られている。
 

バルバランドは西側諸国の中でも北方から入る異文化や、
土地固有の原住民たちの持つ特異な文化なども色濃く残っており、
公領などとは別の意味で独特の文化体系を築いている。
中でもヒーリングやカースメイキングの効果のある呪歌や呪舞などの伝承法や、
特殊な金属の練成法などがあげられる。
宗教も一応神国から浸透している一般的な一神教が伝わってはいるが、
それよりは自らの部族の長や土地神に対する信奉などのほうが根強い。
また、福利厚生や教育という文化は基本的になく、
他人にモノを能動的に教えるという文化がないので、識字率は非常に低い。
基本的に一部の知識階級しか字の読み書きはできないと思って間違いはない。
 

余談ではあるが、
バルバランドの深い森の奥地には無数の用途不明の古代遺跡が点在しており、
ときたま外の学者達が調べにくることがある。
しかし、成果は上がっておらず、
また、バルバランドの住民はそれらにまったく興味を示していないので、
今後も目覚しい成果があがることはおそらくないだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ドワーフ
 
 

バルバランドのドワーフ達は卑金のドワーフとも呼ばれる一風変わったドワーフ達であり、
見た目などは普通のドワーフ達と大差ない。
しかし、光物に目がなく、貴金属はもちろんのこと宝石や輝石にも尋常ならざる興味を示す。
また、ほぼ全てのドワーフは例外なく鍛冶に精通し、
さまざまな鉱物の種類や質を一目で見分ける技能を持っている。
これらは誰かに習ったり努力して得たりしているわけではなく、
ドワーフならだいたいが標準的に備えている技術である。
 

このように、バルバランドでは持って産まれた才が
そのまま一流の技術へと繋がるといった事例が多いため、
尚更他人にものを教えるという文化が育ちにくい風潮がある。
無論、すべてのドワーフがそうであるわけではないのだが、
そういう傾向が強いドワーフが多いことだけは確かである。
そのため、バルバランドではドワーフとは 『 そういうものである 』 という風潮が根付いている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

エルフ
 
 
 
 

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バルバランドのエルフもやはりまた一風変わっている。
だいたいの見た目は普通のエルフと何も変わりはないのだが、
この地のエルフは例外なく呪舞、呪歌に長け、
必ず首筋に紋章のような痣を持っている。
そのため、首元を見れば一目で
バルバランドのエルフであるか否かが判別できる。
また、バルバランドのエルフは女性しかいない。
首筋の紋章には明確な規則性があるが、
意味などはわかっておらず、
当のエルフ達もその意味を知らない。
そのほか、大きな特徴として、
この地のエルフは水以外に食事を取らず、
排泄なども行わないという特異な特徴を持っている。
故に、バルバランドのエルフは
樹木に近い何かであると現地では考えられており、
エルフ達にはしばしば樹木や花の名がつけられることもある。
また、バルバランドには事細かに過去を記す風習がないので
仔細は不明だが、バルバランドのエルフは
少なくとも歴史の紙面上では出産したという記述が一切なく、
それらに立ち会ったという話なども聞かれない
 
 
 
 
    《 と あ る 部 族 のエ ル フ の 長 》   

 
 
 

それでも、エルフは未だにバルバランドの女尊社会において
種族自体が高い地位にあり、誰もそれに疑問を投げかけたりはしない。
純粋な有能さや美貌も手伝っているが、
それ以上にバルバランドにおけるエルフとは古くから 『 そういうもの 』 として認知されているからである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

施政
 
 
 

統一王朝が崩壊して以来、王朝などは興っておらず、
それぞれの部族を治めている長達による地方分権の形に納まっている。
一応国としての体裁を保つため、大協定と呼ばれる部族同士の緩やかな盟約を結んでおり、
現在は最も大きな部族であり、連盟内の経済を牛耳る胎内洞窟のエルナム族が一応の盟主となっている。
そのため、エルナム族の長である女性は大長と呼ばれている。
 

胎内洞窟は大地の胎内という意味で、そこへと通じるのは大地の血が噴出す所、つまり活火山である。
当然流れ出す溶岩は洞窟の入り口を侵食し続けるので、
ドワーフたちは巨大な黄銅色の柱で入り口を保ち続けている。
 

長は必ず呪歌・呪舞に長けた見目麗しい若い女性と定められており、
その下に長を助ける侍女が数名ついて補佐をする。
長はその性質上、不老長寿で永久に若く美しい姿を保っていられるエルフがその役割を担うことが多い。
無論、現在の大長もエルフである。
 

侍女はかつて長であった年老いた女性か、長寿のエルフが殆どを占める。
もしくは次期長候補の少女、幼女が修行の為にその任に就く。
しかし、エルフが長になっている場合、
彼女たちは不老長寿なので不慮の事故で死亡しない限り、まず長が変わることはない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

大協定
 
 
 

バルバランドに点在する部族間で取り決められた曖昧かつ簡素な掟。
厳しい自然環境と竜害の脅威にさらされ続けているバルバランドでは、
部族同士完全に独立して暮らしていくことはほぼ不可能であり、
ある程度は横の繋がりを持つことが暗黙の了解となっている。
そのためにある意味、野生が自然と群れるが如く本能的に生まれた約束事が大協定であり、
その項目は実に1つしかない。
 

即ち、 

" バルバラの民たる誇りを持て "

以上、である。
 

曖昧であるため、ケースバイケースで使いまわされ、
それぞれの行いを一応正当化し、説得力を持たせるために便利に使われる。
例えば、誰かを助けたいのなら誇りと尊厳を守る為とでもいって助け、
誰かを殺したいなら誇りを穢された故に決闘を挑むとでも言い換えればいいのである。
それでも大協定を悪用しようと考えている部族はほぼ皆無に等しく、
大体は善意と本能によって節度を持って運用されている。
なぜなら大協定とはバルバランドにおいては「そういうもの」だからである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

経済
 
 
 

それぞれの部族が独立した産業と微妙に異なる文化を持っているため、
物々交換に近い原始的な経済体系が未だに維持されている。
一応貨幣も通用はする。
主に統一王朝時代に発行されていた旧金貨と、
流通量が多い王国通貨などがだいたいどの部族でも使われている。
 

だが、主産業を司る胎内洞窟のドワーフ達は光物にしか興味がないので
それよりは宝石や貴金属などが基本的に貨幣代わりになっている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

軍事
 
 
 

人間及び亜人が担当するが、ドワーフも体躯に優れるものは戦士となることもある。
知識階級のエルフが戦士になることは稀である。
戦の際には部族の長を総指揮官となるが、戦術的な指示を出すことは余りない。
なぜなら長の仕事は侍女達と共に舞い、歌うことだからである。
そうして、本陣の長及び侍女たちによる呪舞、
呪歌の効能によって興奮状態となった戦士達が
そのまま津波の如く土地を蹂躙する豪快な戦術が
バルバランドの典型的な戦の形であり、彼らの野生と誇りの顕現でもある。
呪歌・呪舞にはヒーリング効果のあるものもあるため、
戦士達は負傷を恐れずに前線へと突き進む。
 

バルバランドの戦士達は主にチェインメイルの上に分厚い毛皮を着込んだ大男や、
厳しい全身甲冑を身につけた重装歩兵などによって構成されており、閉所での白兵戦と制圧戦に滅法強い。
また、エンチャント、リジェネーション、バーサークがそれぞれかけられた戦士たちは
負傷をまったく恐れないため、異常なまでの士気の高さと、
狩猟民ゆえの高いサバイバリティにより、驚異的な継戦能力を誇っている。
武装としては戦斧、ポールウェポン、メイス、モルゲンシュテルンなどが好まれる。
武装の信頼性と耐久性を何より重視するため、刃のついた武器はそれほど好まず、
継戦能力に優れた打撃主体の武装を好んで扱うのである。
通常ではもてないような重さの武器もエンチャントとバーサークによって装備が可能になる。
 
 
 

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理性で生きるにはあまりにも過酷な北の地では
人はその心を閉ざし獣と成る。
これはそんな獣たちの一匹。
ゴーンの民の戦士の姿である。

バルバランドでも有数の勢力を誇るゴーンの民は
そうやって長い時を生き続けてきた。
胎内洞窟から取れる金属は長い年月を経て、
かつての古樹を巨大な戦斧へと転じた。
人外ともいえる膂力で振るわれる戦斧は
全てを肉塊へと変える。
 

彼らの氷を溶かし、
そして凍てつかせているのは麗しのエルフの長。
彼女を失えば彼らは全てを焼き尽くすだろう。
 
 
 
 
 
 
 
  《 塊 斧 を 携 え た ゴ ー ン の 戦 士 》  

 
 
 

主に軽装は海辺のバイキング達が好み、重装は陸軍の撲殺騎士達が好む。
船は小型の高速軍船が殆どであり、略奪や対地攻撃には優れているが、交易にはそれほど適していない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

外交
 
 
 

性質上、食料品の生産力に乏しいので余所から穀物や特産品などを輸入している。
対して、良質な鉄製品や独特の文化から生まれる芸術品や工芸品を輸出する。
これらは外の国だと美術品になる。
主に王国と公領に鉄を輸出しており、
かわりに王国からは食料を、公領からは貴金属を輸入している。
国外では陸路を通じて北の雪国と一部の部族の間で交易がある。
海側に面しているが、北の海は厳しい海であり、
冬になれば凍結する港も多数あるため、海運はあまり盛んではない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

交易国
 
 
 
 

ローディア連合王国
 
大量に小麦を輸入し、その見返りに大量に鉄を輸出している。
しかし、バルバランド南部の部族の中には王国に土地を奪われた者達も少なからず存在しており、
バルバランド全体が彼らと良い付き合いをしているわけではない。
 
 
 
スリュヘイム汚染公領
 
貴金属や輝石を輸入し、その見返りにやはり鉄を輸出している。
公領とは海路にて小さな交易を繰り返しているが、
海路を使う都合上当然ながら公領と交易している部族は海沿いの部族だけである。
 
 
 
ウラスエダール連邦
 
西の異郷。
様々な品々を細々と輸出入している。
お互いに厳しい環境に住んでいる部族のため、
あまり大規模にどうこうできるほどの余裕は互いにないのである。
ドラゴンを信仰している部族と親和性が高い。
 
 
 
北の雪国
 
北の異郷たる鬼の国。
バルバランド極北の極一部の部族だけが細々と交易している。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Last-modified: 2012-07-05 Thu 03:49:09 JST (2831d)