《 叙 事 詩 》
─── Epic poetry ─── ─大爛帝国─
其の者── 大爛帝国第十皇子、轟爛 その名は様々な意味を含んでいる 残忍 悪辣 冷酷 暴虐 死… 蟲毒の渦中である帝国にあって、最も邪悪な男 そう、おそらくは── 父である皇帝よりも
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大爛帝国第十皇子
190センチを越える身の丈、鋼の如き肉体
相手を射竦める恐ろしいほど冷たい瞳に、嘲笑を浮かべる唇、心の芯を揺さぶる声
帝国無双と謡われる圧倒的な武技と、奸智に長けた怜悧な頭脳をもつ
悪として生まれつき、悪を振るう為に生きている
世界が燃えるのを見て笑う者
轟爛は最低限の防具しか身につけない
自分が死なないと信じているからである
轟爛は常に誰よりも先に敵陣へと躍り込む
より多くの命を奪うためである
轟爛は強者とまみえるのを望んでいる
命を奪った時の悦楽をより高めるためである
生を受けて一度たりとも、誰かから傷を負わされたことは無い
超硬質、超重量の黒骨大剣を軽々と振るい、猪と狼に似た巨大な魔獣「牙王」に跨り戦場を駆け抜ける
赤死隊と呼ばれる血色の旗と甲冑に身を包んだ大隊を従える
その誰もが一騎当千のつわものであり、怖れを知らない忠実な部下である
赤死隊が通った場所はすべてが滅ぼされ、全てが奪われる
帝国中央に位置する広大な大地、栄樂を治める
肥沃な大地と河川に恵まれ、騎獣の一大産地として名高い
特に永樂の馬は名馬として知れ、中でも黒毛の馬は「栄黒馬」として非常に重宝されている
轟爛の私兵である赤死隊の騎馬隊も、すべてこの永樂の馬で構成されている
広大な面積のため食庫も膨大な量を誇る
大火が起きた騒乱の夜、母の胎に20ヶ月留まり続けた轟爛は生まれた
髪が生え、目も見開き、歯も生えていた鬼子であった
難産であったために、母は死んだ
生まれて初めて殺した相手は母だった
五歳の頃、父よりかねてからねだっていた極楽鳥の雌を貰った
誕生日の贈り物だった
次の日、侍女が首をもがれた極楽鳥を見つけた
傍らにいた轟爛は、血塗れの顔で笑った
「黄金の羽を持つ鳥でも、血は赤いのだな」
服に汁を零した配給係を一家もろとも火刑に処した
妾にと口説いた侍女を次の日には牛裂きにした
乞食に金を与え、貴族に仕立て上げたかと思うと、物取りの罪で斬首した
皇族を幾人も暗に抹殺し、今も殺し続けている
意味などない 楽しいからだ
見据えているのは玉座のその先
この世のすべて
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