《 叙 事 詩 》
─── Epic poetry ───
─大爛帝国─
ID: | 485956 |
名前: | 喬 |
出身家: | 爛 |
年齢: | 15 |
性別: | |
その他: | ステータス/戦歴 |
▼ 略伝 ▼
大爛帝国第91皇女 <喬爛>
人呼んで<虎人公主>、虎の姫さまだ 実の名よりもこちらの方がずっと通りがいい
狩猟を愛するあまり、鳥も通わぬ陸の孤島<虎塞>に封じられた武断の帝姫である
峻険の地ゆえに破格の食邑三千戸を領し、正規軍のほか敬虔な地教徒からなる虎豹騎を統べている
体躯に似合わぬ強弓と騎射の技に長じ、心躍り昂ぶると体長10mはありそうな白銀の化物虎に変じる
剛爪の一薙ぎが戦列を砕き、硬質の獣毛は刃を通さず、咆哮一つで戦場を狩場に変える そういう生き物だ
「虎塞」の由来とされる虎の怪異を滅ぼして以来、公主の身に降りかかった呪いである
▼ 経歴 ▼
公主には政治がわからぬ 世にも稀なる歌声で主上を慰めた母はすでに亡く、後ろ盾と呼べるものもない
親の愛など知らずに育ち、冷めた目をする子供になった その裏返しで兄たちにはよく懐き、男まさりに育っていった
経書の教えより弓馬の道を愛し、やがてひとかどの巧者となった 世に聞こえた名人を招いては教えを乞うたのだ
そんな行状を知ってか知らずか、あるとき印綬が下賜された 封地の名は虎塞、聞けば虎たちの住まう秘境だという
そして公主は最果ての地へと旅立った 魑魅魍魎の巣食う都を捨て、ついに二度と帰らなかったそうな
政務を嫌う反面、優れた人物眼を備え、微官の賢人に礼を尽くして登用し、裁量権を与え間接統治を布いている
良きも悪しきも伸びるに任せた結果、虎塞の地にはおおらかな気風が育ち、開かれた土地に変わりつつある
▼ 虎塞 ▼
帝都爛京より遥か南西にそびえる深山幽谷の地
<最後の神仙境>と謳われ、山水画の世界に良質の生薬を産する天上楽土である
つい数年前までは山間に点在する集落と申し訳程度の政庁があるばかりの辺境領であった
南方交易路が途絶えて文化の流入が止まり、永らく王化の及ばぬ未開の蕃地と成り果てていたのだ
今日では生薬の宝庫として知られ、爛国でも有数の取引市場が日々莫大な富を生み出している
大陸全土で大昔に姿を消した動植物が商業ルートに乗り、その一部が同じ重さの金と等価で取引されるのだ
なお虎塞に存するあらゆる草花、禽獣、奇木奇石は公主の私物ゆえ密猟はご法度である
公主の寄進で広壮な地教寺院が建立され、爛方医学校が開かれるなど伝統的な爛方の再興に力を入れ、
豊富な降雨量や数多の水源地、高低差の激しい独特の地形を活かし、近年では高山茶の栽培も始まっている
どれもこれも王道楽土の理想に燃える官僚たちの仕業である
霧深い密林には獰猛な禽獣や毒蛇、奇怪な風土病がひしめいており、地名の示すとおり虎たちの楽園である
次回予告 †
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時は黄金暦227年 末────
幕引きに意味はなく、幕開けに意味はない。
それに至る過程に意味があり、それに至る結末は結果でしかない。
今の結末は次の過程の為に。
歴史は繰り返す。
人類は何も学ばない。
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歴史秘話ヒストリア(例のBGM) †